島根県中小企業家同友会

第42回青年経営者全国交流会in奈良 第8分科会報告後記

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2014年9月18日(木)~19日(金)、「第42回青年経営者全国交流会in奈良」に参加し、第8分科会で報告させて頂きました。全国から1300名以上の青年経営者が集まる同友会の全国大会、その中で分科会を一つ受け持たせて頂いたことに改めて感謝します。本当に貴重な機会を頂きました。今回のブログでは、その報告後記として、全国大会の報告者としてここのような場に立たせて頂いたことにより、私自身が感じることが出来たことについて整理しておきます。

報告者席の様子

1.開始前の挨拶から“学ぼうとする姿勢”に圧倒

報告前に準備をしている段階で、何名もの方に挨拶に来て頂きました。その方々から感じるのは「何かを持って帰りたい!」という学びの姿勢です。何かを求めてきた!という熱意をひしひしと感じました。私は、全国大会で自分の経営体験を率直に報告してみなさんから厳しい意見を頂こう、というチャレンジャー的感覚で臨んでいましたが、分科会に参加する方から感じる熱意は、ものすごいプレシャーでした。“参加することに意義のある”的な私の呑気な気分を吹き払い、緊張感が一気に高まりました。

考えてみればそれもそのはず。2日間という貴重な時間を使い、全国各地から2万円の参加費と高い交通費を払い、各分科会に参加している訳です。その分科会から学べることが少なければ、参加者の方々の貴重な時間と費用を無駄にすることになります。開始直前の挨拶で、気持ちを引き締めさせてもらいました。準備した内容をしっかりと参加して頂いたみなさんに伝え、学びのきっかけにしてもらいたいという気持ちを改めて持たせて頂きました。

奈良青全交では全部で14の分科会が設営されました。その中でわざわざ私の分科会を選んで参加して頂いた訳です。私の分科会のテーマは「経営指針の実践」。このほかにも、人を活かす経営の実践、事業承継、市場と雇用の創造など、様々なテーマがあります。そんな中、経営指針の実践をテーマに選んで来てもらっている訳ですから、参加者のみなさんは、なにかしら経営指針に関して問題意識や悩みを抱えていらっしゃる訳です。そういったニーズに対応できるよう、準備はしてきた訳ですが、その本気度を目の当たりにし、全国大会という場に参加することで求められる役割を実感しました。

同友会で報告するということとその意義。それは全国大会だろうが、県内支部の例会だろうが同じです。本気で、必死に伝えることが大事だということを改めて学んだと感じています。

2.他同友会からのオファーに感謝

報告終了後、大変ありがたく感じたのは、いくつかの同友会の方から「報告に来てもらいたい」というオファーを受けたことです。正式な調整はこれからですが、依頼があれば、必ず調整をつけて各地の同友会へお伺いし、さらに多くの方に報告を聴いて頂き、その感想や感じたところを聴いてみたいと強く感じています。

また、何人かの方からは後日、説明用パワーポイント資料について提供依頼を受けました。これらの方々は、現在経営指針を策定中、または策定後の発表会を控えているという状況だそうで、私の報告資料を参考にしたいと連絡を頂きました。私のわずかな経験に基づく拙い報告が同友会で学ぶ全国の青年経営者の役に立てば幸いですし、そうやって同友会の学びが共有され、広がっていくのだと感じています。

いずれにしても、報告の後にそういったオファーや問い合わせを頂けるということは、私の報告した内容が、何らかの学びにつながったということだと理解しています。報告の内容自体は、決して美しい経営実践ではなく、私の心の負の部分や変遷をできるかぎり率直に話す内容となりました。人によっては違和感を覚えた方もあったと思いますが、そういった違和感も報告後のグループ討議では問題提起となり、学びが深まるきっかけだと考えています。

懇親会の場でも、分科会に参加して頂いた方々からたくさんの感想を聴かせて頂きました。共感して頂いた部分も多々あったようで、とてもうれしく思っています。一定の役割は果たせたという満足感、そして、この機会をさらなる飛躍につなげなければならないというプレッシャー、なにより、島根同友会を代表してこの場に立たせて頂いたことへの感謝を強く感じています。

3.実は恵まれていた自分に気がつく

報告後のグループ討議にも飛び入りで参加させて頂きました。グループ討議では様々な話題で議論が進みましたが、総じて感じたのは、「私は恵まれている。」ということです。

経営指針がテーマの分科会ですが、討議を進めるうちに内容が広がっていきます。私のテーブルには後継者の方が多く、事業承継問題についても話が及びました。経営指針を策定して経営の方向性を示そうと思えば、後継者の場合、“継承が終了しているかどうか”も重要な要素となります。その点、先代社長から中々継承してもらえない、交代したいと言っても譲ってもらえない、といった悩みについて話がありました。

私は、Uターンと同時に社長に就任、事業承継しており、そのような悩みは一切ありません。承継後、先代社長は資金繰り等の面で支援を担当してもらっているものの、経営の方向性についてはほぼ口出しすることはなく、私の自由にさせてもらっています。それがどれだけ有難いことなのか、実感します。それどころか、もっと先代社長も経営にかかわっていく姿勢が要るのではないか、とまで思っていました。しかし、それは無い物ねだりであり、自由にさせてもらっていること、私の方針を支援する黒子に徹してもらっていること、そのことへの感謝の気持ちが改めて湧いてきます。

幹部社員との意思疎通についても同様です。幹部社員との意思疎通がうまくいかない、言うことを聴いてもらえない、といった悩みも聴きました。私の場合は、意思疎通がどこまではかられているかは別としても、私の方針には従って、付いてきて頂いています。また、異論があるときにはきちんと指摘してもらっています。そういった当たり前のように感じる環境も、ひとたび会社が違えば大きな課題となっている訳です。どんな会社であろうと、全社を挙げて難局にあたらなければならない厳しい時代です。そんな時、当社の幹部のみなさんには本当のしっかりと協力してもらい、社長が楽をさせてもらっている。そのことを改めて感じる機会にもなりました。

分科会の様子

「報告者が一番勉強になる。」というのが、同友会で報告者を任せて頂くときの決まり文句です。私も島根同友会内で1度報告し、今回、全国大会で報告する機会も頂きました。その言葉がまさに真実であることを実感します。その意味することの一つは、「自分自身の棚卸し」ではないかと感じています。報告にあたり、自分自身が一度立ち止まり、振り返り、反省する。そして、謙虚になって報告すべき内容を整理していく。その過程で気がつくことがどれだけ大事なことか。自分自身で日頃から出来れば言うことはありませんし、そうすべきでしょう。しかし、他人に伝えるというアウトプットを前提に整理することで、単なる反省や振り返りでは気がつかないものが得られると考えています。前述のとおり、他同友会からもオファーを頂きました。そういった機会をしっかり活用させて頂き、さらに自分自身を高め、会社を高めるために取り組んでいきたいと考えています。最後に、応援して頂いた島根同友会のみなさん、奈良青全交に一緒に参加して頂いたみなさん、そして、座長を務めて頂いた、株式会社いづも屋の吉岡佳紀さんにあらためてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。これからも頑張っていきます!

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