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セミナー『採用活動の「イロハ」教えます!』で学ぶ~成長している会社は社長が採用に関わっている~

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2013年2月26日、島根県商工労働部主催の採用セミナー『採用活動の「イロハ」教えます!』が開催され、私も参加してきました。今回のセミナーは新卒採用にターゲットを絞った内容で、株式会社ザメディアジョン・リージョナル代表取締役 北尾洋二さんを講師に迎えて開催されました。受講料は無料。普通にお願いすればそれなりの講師料が必要な方だと思いますが、島根県の施策として地元企業を対象にこのようなセミナーを開催して頂けることは、大変ありがたいことです。

当社における新卒採用は、平成24年4月に実に11年ぶりの新卒採用(高卒)を実施、平成25年4月からは、これも十数年ぶりの大卒の新卒採用が決定しています。平成26年度以降も、年1名以上の新卒採用を継続したいと考えています。それは、言うまでもなく、新卒採用が事業を伸ばし、会社を活性化させるために必要だと確信するからです。このため、今回のセミナーも大変興味深く聴くことが出来ました。その中の気づきを少し整理しておきます。

セミナー風景

1.採用活動のポイントと手順~求める人財像の明確化と共感されるメッセージ~

本セミナーの中心的事項の一つ、「採用活動のポイント」として次の2点が示されました。一つは、求める人財像の明確化、もう一つは、共感できるメッセージの発信、です。

私自身、大変納得できるポイントです。そして、この2つの要素はおたがいに密接にかかわっていると感じます。求める人財像が明確になっていればこそ、しっかりとした、ぶれないメッセージを発信できるはずです。そして、求める人財像を明確にするためには、会社の理念、考え方、目指すべき方向などを明らかにする必要があります。そして、これらが明らかになれば、学生側も共感できる・できないの判断がしやすくなるでしょう。いずれにしても、会社の考え方や方針に共感できなければ、その組織に加わってもいい結果は生まれないし、その方自身やその会社のためにならないのは間違いありません。

そして、企業側が採用活動に向う際の手順として、次の5項目を示されました。1)自社の採用方針の整理、2)自社の魅力の整理、3)求める人財を具体的に表現する、4)発信手法を選ぶ、5)環境整備、と続きます。この中で特に大事だと感じたのは、2つめの「自社の魅力の整理」です。

説明の中で、魅力とは“採用する人財に約束できること”である、との指摘がありました。その会社に入ることで、採用された方にどのような未来があるのか、どのような活躍の場があるのか、それをイメージできるように伝えることができるか否かだと感じます。そして、これは採用時のことだけでなく、お客さまをはじめ、様々な利害関係者の方々に対して示すことができるものでなければならないものでしょう。“自社の魅力”とは採用活動のために探し出すものではなく、日頃の事業活動を通じてつくり上げもの。そう考えて、自社事業の新しい方向づけ、企業風土づくり、環境整備・環境改善に日々取り組まなければならないと再認識したところです。

2.自己開示(オープンマインド)が就活を活性化させる

今回のセミナーで印象に残った事項の一つとして、「企業側が自己開示しないと学生も心を開かない」という指摘がありました。

企業の現状を率直に伝えることこそ重要だという訳です。採用する側としては、採用する学生がどのような人物で、どのような能力、経験、考え方を持っているのか、すべて確認した上で採否を判断したいと考えます。その一方で、企業側は就職しようとする学生に対して十分な情報開示をしているのか、という話です。大企業はいざしらず、中小企業で、我々のような本当に小規模な会社の場合、会社の実態をさらけ出すことは勇気が要ります。いいところだけを見せたい、と考えるのが自然ではないでしょうか。

しかし、今回のセミナーでは、悪いところも含めて敢えてさらけ出すべき、との話がありました。会社からみて就職活動を行う学生の立場に立って考えれば、彼らが知りたいのは、表面的な話ではなく、「実際のところどうなのか?」という情報でしょう。会社側と学生側、お互いがお互いの立場に立って考える。相互の情報開示によって歩み寄ることが出来れば、会社にとっては欲しい人材を得る機会となり、学生にとっては自分が望む職場で働く機会を得られる。そのような就職活動におけるWINWINの関係を作り出すことが期待できるのではないでしょうか。

これは面接においても同様のことが言えると思います。先般、当社に急遽大卒の新卒採用の話があったときのことです。最初の面談を行った際には、当社の弱みを積極的に開示しました。例えば、新入社員の教育研修制度。当社にきちんとした仕組みはありません。なにせ、10年以上も新卒採用したこともない訳ですから、ある方がおかしい(笑)。そういったことも率直に伝えました。それでも当社で働いてみたいと言って頂ける方に来て頂かないと、私自身、現状で引き受ける訳にはいかないと考えたからです。5年後、10年後もそれではいけないでしょう。しかし、「今後、どうなるのか?どうしたいと考えているのか」についてはある程度説明が出来たと考えています。現状は現状として捉え、その共通認識を持った上でやっていく。今後とも、そのような率直な説明を心がけていきたいと考えています。

 3.成長している企業は社長が採用に関わっている

セミナー後半で、興味深い話がありました。それは、「成長している企業は社長が採用に関わっている」というものです。

社長こそがその会社の最前線である。その会社の姿を表している。その社長が採用に関わることこそ最大のPR。中小企業であればなおさらです。今日では、フェイスブックなどの実名型のSNSメディアの発達により、就職活動中の学生でも、対象とする会社の社長のフェイスブックに直接アプローチすることが出来ます。これは、従来では考えられなかったことです。だからこそ、社長自身が、自らの言葉で会社をどうしたいのか、そのためにどんな人財が欲しいのかを語ることが必要なのでしょう。中小企業の採用活動という局面では、これまで以上に社長自身の発信力が大きな差をつけていくことになる、それは私自身も感じるところがあります。

私自身の経験では、昨年末に島根大学総合理工学部地球資源環境学科の3年生を対象に、当社の会社紹介をさせて頂く機会を得ました。この時は、社長である私自らが出向き、直接学生のみなさんに話をさせて頂きました。前述した、今年の4月に新卒採用する方は、この時のPRをきっかけに学校側から照会があり、急きょ面接・採用決定したという経緯があります。面接の際に聞くと、私がこうして毎週書いているブログも読んで頂いており、日頃社長がどんなことを考えているのか、ある程度把握して頂いていました。また、ホームページや会社のFAECBOOKページ等も見た上で、当社への就職を希望して頂きました。今回のセミナーで話をされたことを先駆けて実践出来きていたようで、これまでの考え方や進め方が間違っていなかったという感触を得られ、嬉しく感じたところです。

次年度以降の採用活動においても、社長自らが最前線に立ち、社長の言葉で会社の将来、進むべき方向、必要な人財像を語りたいと思います。その上で共感して頂ける多くの新しい仲間を迎えることが出来るよう、引き続き取り組んでいきたいという決意を新たにすることが出来ました。

セミナー風景(その2)

今回のセミナーでは、参加者による「グループワーク」も行われ、参加した県内企業の経営者、総務人事担当者の方々と色々と話をする機会がありました。内定を出しても、さらにランクが上の企業や公務員の内定を得ると辞退してしまう。そんな、地元企業における採用活動の難しさも伺いました。だからこそ、前述の「自社の魅力」を本当に魅力ある者にすることが重要だと感じます。さらに、小規模な企業に目を向けてもらうためには、「今どうなのかではなく、今後どうなるのか」が大事だと考えています。採用した方が将来活躍する姿をイメージできるような将来像、方向性を示せるのかどうか。これは、新卒採用も含めて、事業を発展させるために必要な経営者の極めて重要な仕事だと確信します。そう感じてもらえる会社になれるよう、これからも日々努力していきたいと考えています。

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