新規事業・経営改善

経営改善に向けて SNS風社内日報システムで報告・連絡・相談の徹底を

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協和地建コンサルタントでは、SNS風の社内専用日報システムを導入すべく、現在試行登録作業を行っています。これは、株式会社サンロフトが開発したnanotyBP(ナノティビーピー)というシステムで、「日報」に特化した社内グループウェアというイメージのものです。以下、このシステムの試行導入に至った経緯とねらいについてまとめておきます。

試行導入中のシステムメイン画面

1.同友会での学びから社内にフェイスブックを導入しようとして大反対され頓挫

2011年8月に島根同友会のフェイスブック講習会がありました。そこで私は、無料で使えるこのツールを社内のグループウェアとして、いわば「ゆるい日報」として活用し、社名の情報共有やお互いの仕事を認め合う習慣づくりに活かせないかと考えました。その後、9月頭に、フェイスブックを社内用として活用する前提で導入し、全役職員にフェイスブックへの登録をお願いするよう全社員に説明しました。

結果は大反対。反対意見としては、実名登録が基本のフェイスブックがゆえに、“個人情報を外部に出す”ということが大きなハードルになったようです。また、“フェイスブックに登録する”という作業そのものが「余計な仕事」と感じられようです。私の説明が不十分だったこともあるでしょうし、時期尚早な部分もあったように思います。反対された後、フェイスブックのセキュリティ設定の変更などにより対応する方向も考えてみましたが、最終的に断念しました。

その一方で、2011年9月に開催された、第39回青年経営者全国交流会in富山に参加した際、私の参加した分科会で報告をされた㈱タザワ電気の田沢社長のお話で、「業務日報の有効活用」という取組みを伺い、当社でも同じ仕組みを導入できないかと考えるようになりました。

2.アドバイザー派遣事業の活用で“「日報」に特化したSNS風システム”を見出す

富山から戻った私は、業務日報を社内で有効活用する方策を新たに考えることにしました。フェイスブックに反対した社員たちも、社内専用で導入されるシステムであれば問題ないという意見が大半でしたので、社内専用で使える無料、又は安価で使えるシステムの採用を考えていました。そのうち、「中小企業支援ネットワーク強化事業」という、中小企業の業務改善等に無料でアドバイザー派遣が受けられる制度の紹介を受け、これを活用することとしました。

派遣頂いたアドバイザーの方と協議する中で、当社に必要なのは、私のイメージしたフェイスブックによる“ゆるい日報”などではなく、きちんとした「業務日報」として一人ひとりが毎日の仕事内容を記録し、上司・経営者が確認し、改善やフォローアップに役立てる仕組みだと感じました。そして、導入に向けて有償・無償の様々なシステムを比較検討した中で注目されたのが、今回試行導入したナノティビーピーというシステムです。

このシステムの特徴は、「日報」という機能に特化している点です。よくあるグループウェアと異なり、スケジュール機能も、TODO機能もなく、ただ、日報に特化しています。また、有料ですが当社のような20名程度の企業でも負担無く使える程度の費用であることがありがたいところです。また、見た目のインターフェイスは、柔らかいイメージを中心に構成されており、他のメンバーの日報へのコメント機能や「いいね!」「がんばれ!」のボタンなど、フェイスブックをイメージしたつくりにもなっています。あわせて、日報の入力に併せて携わった時間を入力することで、勤務表(稼働表)を兼ねることが出来るという点も機能面での魅力でした。

3.一人ひとりが仕事の成果を入力することで報告・連絡・相談の徹底に

全社で本格的に試行登録を開始して1週間ほどですが、思いのほか導入のハードルは低かったようで、すんなりと全員で登録が進んでいます。わずかな期間で善し悪しの結論を出すことはできませんが、今のところ、順調に進んでいる印象です。

特に、当社では、内業を中心とした技術部、現地での作業を中心とした工務部に大きく分かれており、工務部は、朝早く現場に向い、夜会社に戻ってくる。ということも多々あります。そうすると、1週間のうち社員どおしが顔を見ずに過ごすというケースもあります。そういったとき、この日報システムできちんと仕事の内容・成果を入力することで、報告・連絡・相談、を徹底することに繋がりますし、一人ひとりの仕事の様子も垣間みることができます。また、他のメンバーがコメントを付加することで、お礼やねぎらいの言葉をかけることもできます。もちろん、WEB上で全て済まそうということではなく、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションを上手く補完する仕組みとして使えそうだということです。

大きな会社であれば、普通に運用されるシステムかもしれませんが、当社規模の会社では、安価に、また利便性高く使えるこのようなシステムは大変有効ではないかと感じるところです。

今後は、一人ひとりがその日の感想、気づき、新しい発見などを入力していくようにしたいと考えています。これは前述の富山青全交で田沢社長が特に重要だと言うお話をされていたこともあります。なぜ重要なのか、それは、日報を毎日継続的に見ていくことで、その人の心身の変化が分かるのだそうです。確かに、誰しも毎日万全の体調とは限りませんし、心身それぞれに調子の悪い時もあります。その兆候を早めに把握し、それをみんなでフォローしていく、そのような職場づくりのためのツールの一つになればいいと考えています。

振り返ってみると、8月のフェイスブック勉強会での気づきがあり、9月の富山青全交での学びがありました。それを社内に具体化したのが、年の明けた1月。半年かかっています。もっとスピード感ある対応ができたと思います。出来なかったのは、私自身の甘えであり、遠慮でもあり、至らぬ点だったと感じます。そのことを反省しつつ、今後この新しいシステムを活かし、社員にとって、会社にとって、そして、お客さまにとって役に立つ、いい仕組み・風土をつくっていきたいと考えています。

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コメント

  1. 鈴木あゆみ より:

    はじめまして。サンロフト広報の鈴木です。
    BPの試用をしてくださり、本当にありがとうございます!!

    また、石倉さんの記事を大変興味深く拝読しました。

    nanotyBPは私たちが自社で運用しながら改良を加えているサービスであり、
    まさしく石倉さんが気づいてくださった点が特徴なのです。

    そこをご理解いただけていることに感激しました。

    >思いのほか導入のハードルは低かったようで

    「日報」「毎日」という言葉だけで負担に思う方もいらっしゃいますが
    きっと説明やリードがよくて、みなさんも受け入れてくださったのですね。

    >社員どおしが顔を見ずに過ごす
    >一人ひとりの仕事の様子も垣間みることができます

    そうなんですよね。出張がちな方にはiPadが便利なようです。
    顔を知っている者同士がネット上でつながりあえる良さを実感します。

    >お礼やねぎらいの言葉をかけることもできます

    「いいね」や「がんばれ」ボタンが気軽ですが、「サンクスポイント」もおすすめです。
    当社では1ポイント20円で25ポイント/月を配布しあい、福利厚生の一環として換金します。
    ただし、お金がもらえるということよりも、「ありがとう」と言われることが喜びになっています。
    換金ではなく、集計して表彰するというのもいいかもしれません。

    >その兆候を早めに把握し、それをみんなでフォローしていく、

    この効果を実感しています。
    これが業務改善や課題解決、人の成長につながる部分ではないでしょうか。
    それも、みんなでほぼ同じタイミングで情報を共有しているので、
    状況把握もしやすかったり、多角的な視点で判断ができたりします。

    >今後この新しいシステムを活かし、社員にとって、会社にとって、そして、
    >お客さまにとって役に立つ、いい仕組み・風土をつくっていきたい

    私も同じような気持ちで仕事をしております。
    フェイスブックなどでも、また情報交換できたらうれしいです。

    長くなりましたが、今後ともどうぞよろしくお願いします。

    1. 石倉 昭和 より:

      大変ご丁寧なコメントありがとうございました。試行導入してからまだ2週間ほどですが、すんなり社内に定着しそうな気がしています。さらに改良を進めて使いやすくしていくことで、大変素晴らしいシステムになるのではないかという印象を持っています。気が付いたところは都度ご連絡させて頂きますので、引き続きよろしくお願いします。

  2. 鈴木あゆみ より:

    はじめまして。サンロフト広報の鈴木です。
    BPの試用をしてくださり、本当にありがとうございます!!

    また、石倉さんの記事を大変興味深く拝読しました。

    nanotyBPは私たちが自社で運用しながら改良を加えているサービスであり、
    まさしく石倉さんが気づいてくださった点が特徴なのです。

    そこをご理解いただけていることに感激しました。

    >思いのほか導入のハードルは低かったようで

    「日報」「毎日」という言葉だけで負担に思う方もいらっしゃいますが
    きっと説明やリードがよくて、みなさんも受け入れてくださったのですね。

    >社員どおしが顔を見ずに過ごす
    >一人ひとりの仕事の様子も垣間みることができます

    そうなんですよね。出張がちな方にはiPadが便利なようです。
    顔を知っている者同士がネット上でつながりあえる良さを実感します。

    >お礼やねぎらいの言葉をかけることもできます

    「いいね」や「がんばれ」ボタンが気軽ですが、「サンクスポイント」もおすすめです。
    当社では1ポイント20円で25ポイント/月を配布しあい、福利厚生の一環として換金します。
    ただし、お金がもらえるということよりも、「ありがとう」と言われることが喜びになっています。
    換金ではなく、集計して表彰するというのもいいかもしれません。

    >その兆候を早めに把握し、それをみんなでフォローしていく、

    この効果を実感しています。
    これが業務改善や課題解決、人の成長につながる部分ではないでしょうか。
    それも、みんなでほぼ同じタイミングで情報を共有しているので、
    状況把握もしやすかったり、多角的な視点で判断ができたりします。

    >今後この新しいシステムを活かし、社員にとって、会社にとって、そして、
    >お客さまにとって役に立つ、いい仕組み・風土をつくっていきたい

    私も同じような気持ちで仕事をしております。
    フェイスブックなどでも、また情報交換できたらうれしいです。

    長くなりましたが、今後ともどうぞよろしくお願いします。

    1. 石倉 昭和 より:

      大変ご丁寧なコメントありがとうございました。試行導入してからまだ2週間ほどですが、すんなり社内に定着しそうな気がしています。さらに改良を進めて使いやすくしていくことで、大変素晴らしいシステムになるのではないかという印象を持っています。気が付いたところは都度ご連絡させて頂きますので、引き続きよろしくお願いします。

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