2010
09.29

2010年9月25日(土)に、商工会青年部の「中国・四国ブロック商工会青年部交流会」という大掛かりな行事が開催されました。中四国9県で毎年持ち回り開催される大会だそうで、今年たまたま島根県での開催でした。私も、参加者及びスタッフとして参加してきました。

1.島根での商工会青年部の盛り上がりをうかがい知る

商工会は都道府県単位で一つのまとまりがありますが、その上位では“中国・四国ブロック”という形でいくつかのブロックに分けられており、そのブロックでの大会という位置づけです。私も昨年商工会入ったばかりなので当然初参加です。地元島根での開催は9年後ということになりますので、最初で最後の参加(青年部は40歳までなので)になります。

大会の様子(水色のポロシャツは島根県商工会青年部のスタッフ)

大会の内容は、各県代表者による「主張発表」とその優勝者の決定(優勝者は全国大会に出場)、基調講演、懇親会、といった流れでした。

さて、今回大会の参加者は750名(うち地元島根の参加者が350名)とのこと。中々の規模ですが、驚いたのは、全国にあるブロックのうち最も大きな関東ブロックの大会でも400名程度の参加者なのだそうです。そう考えると、中四国、なおかつ島根県の開催でこれだけの人数を動員したのは“大したもの”です。

開催に向けては1年以上前から準備が行われたそうで、中心となった事務局のみなさんは大変だったと思います。私は当日の手伝いと若干の準備をしたぐらいですが、事前準備、打合せ、催し等の企画、当日の運営など、島根県内の商工会青年部メンバーがそれぞれの役割分担に応じて仕事をこなし、大変な盛会になったと思います。本当にいい流れの会でした。

今回、島根の、その中でも山間部や島嶼部(商工会なので、松江市や出雲市など“市”は含まれていないので)の若手事業者がすごい活力を持っていることを実感しました。島根もまだまだ捨てたもんじゃないと感じたところです。

2.夜の街を活性化させるのも、もてなす側の務め

750名が参加する大会ですので、懇親会も大混雑でした。

大混雑の懇親会(この後みんなを2次会へ)

大会では、島根県内の商工会青年部が様々な役割を分担していたのですが、我々の“まつえ南商工会”をはじめとした松江周辺の商工会の仕事は、懇親会で接客をしてもらうコンパニオンの確保と、2次会にお客さんたちを分散して送り出すことでした。

そのために用いられた仕組みが、松江市内(伊勢宮町、東本町)のスナック、ラウンジなどからコンパニオンを派遣してもらうというものです。懇親会(立食形式)の各テーブルについて接客してもらい、懇親会終了後はそのままお客さんを自分たちのお店に連れて帰ってもらい、売上にしてもらうという目論見です。その代わり、「無料」で派遣してもらう。

最初聞いた時は、上手くいくのかなと思っていましたが、準備はしっかりしていました。当日はオリジナルのナイトマップを配布し、メンバーの一部が伊勢宮・東本町の路上に立って案内係をしたり、別のメンバーは、入りの少なかったお店に自ら出向いて客なるという念の入ったフォロー体制で臨み、ほとんどの参加者の方に夜の街に移動して頂きました。コンパニオン派遣して頂いたお店も、最終的にある程度のお客さんが入ったようで、2次会計画は概ね成功したと思われます。

この段取りと計画を立てたのは“まつえ北商工会”の方々でしたが、これも大変だったと思います。750人ともなれば、たがが2次会されど2次会です。私も、「現地視察」と称して、派遣をお願いするお店に出向いてママさんなど責任者の方に説明したり打合せしたりするという仕事か遊びかよくわからん準備活動(もちろん自腹)をしましたが、そういった活動の甲斐もあって、松江の夜の街にある程度のお金を落として頂けたのではないかと思います。

ちなみに私は、島根県の会長(まつえ南商工会八雲支部の方なので)のお供と打ち上げなどで計4店を廻り、次の日(日曜日)は熱が出て寝込みました。

3.熱意を持って事業に取り組み方々の話を聞くことの意義

商工会は、地域の商工業者(≒中小企業)の事業主やその後継者等の集まりであり、多種多様な経営者の方の集まりです。改めて、世の中様々な仕事があるものだと感じます。私は、公共事業に関する仕事にしか携わったことがありません。公共事業もそれはすそ野の広い事業ではありますが、世の中からみればはやり一部の業種、狭い世界にすぎないのだなと感じたところです。

今回懇親会で、愛媛県の商工会青年部の会長さんとお話をしました。元歌舞伎町のホストだそうで、現在は地元の松山市で花屋を3店舗持たれているそうです。「何もないところから付加価値を生み出す水商売はまさに究極の商売だ」と話されていましたが、記憶に残ったのは、経営されている花屋の従業員に「“一人一人がお客を取ってこい”“あなたに花を作ってもらいたいからこの店に来た”と言ってもらえるようになれ」という話を常にし、従業員が独り立ちできるように指導されているということでした。

私もかつて先輩から「コンサルタントは、仕事が出来て一人前ではない、仕事を取って来れるようになって一人前だ」と教えられてきました。コンサルならでは考え方のように捉えてきましたが、これは、コンサルタントだけの話ではなく、多くの仕事に通じる共通の観点なのだと、改めて気付かされました。

他にも色々な方と話をさせて頂きました。こういった会に参加する方はとうぜんに熱心な方で、とても“熱い”方ばかりです。そういった方々から仕事に対する話を聞くときに、気づきを得たり新しい発見があったりします。商工会などの場で異業種の、かつ熱意を持って事業に取り組み方々の話を聞くことの意義を感じることが出来た一日でした。

2010
09.22

島根県森林土木技術協会(協和地建コンサルタントも協会員として活動しています。)では、平成22年度から、「しまね企業参加の森づくり制度」による森林ボランティアに取り組みます。2010年9月21日(火)、企業(協会)、島根県、松江市、松江八束森林組合の4者で「森林保全活動に関する協定」を締結し、調印式が執り行われました。私も協会役員の方々の手伝いとして、この活動の準備に携わっていますので、報告しておきます。

1.なぜ“企業参加の森づくり”か・・・地元企業への社会的・地域的要請

「しまね企業参加の森づくり」制度は、島根県が実施している県民参加による森づくりの推進施策です。企業が社会的責任(CSR)活動などの一環として取り組む森林保全活動を支援するものです。通常は、単体企業が活動するのですが、今回、島根県森林土木技術協会という地元コンサルタント20数社で構成する団体として参画することになりました。

協会として参加することのねらいは、団体で活動を実施することにより各社への負荷を減らすことになりますし、地元企業として森林整備に携わることは個々の会社のPRにもつながります。また、家族も含めて参加することで、レクリエーションや交流の側面も有しています。そしてなにより、公共事業をなりわいとしている会社が、森林の公益的役割の維持・保全に何らかの形で携わっていくことは、今日の社会的・地域的要請でもあるでしょう。

2.調印式・・・思いのほか大掛かりなセレモニー

調印式というのは、企業(協会)、島根県、松江市、松江八束森林組合の4者で締結する「森林保全活動に関する協定」への調印をセレモニー的に行うものです。毎回、テレビや新聞等の取材があるそうで、今回もNHKのニュースで取り上げて頂きました。事務的には、持ち回りで捺印しても構わないはずですが、こういったセレモニーとして実施することで、取材を受ける機会も出来、参加する企業等のPRになります。あえてこういった形を取っているようです。

調印式で挨拶する島根県森林土木技術協会 石田会長(左上)

溝口島根県知事、松浦松江市長にも列席して頂いて実施した調印式は、予想以上に大掛かりで、調印する机の周りには我々協会の関係者、県・市の関係者、報道関係者など、多くの取り巻きが見守る中粛々と進みました。もう少し気軽なものかと思っていましたが、知事、市長が来られれば、こういった形になるのでしょう。私自身、貴重な経験をさせて頂きました。

左から、溝口知事、石田会長、松浦市長、狩野組合長

上の写真はお決まりのショットだそうです。島根県森林土木技術協会としても、大いにPRになりました。

3.継続と成功に向けて・・・セレモニーに恥じない活動を

島根県森林土木技術協会の活動は、松江市八雲町日吉にある山林が活動対象地で、竹林の伐採と植林を行う計画です。活動期間(協定締結期間)は10年間。竹林を伐採し、山ザクラなどを植林、下刈りをしながら森林整備を進めていきます。

あくまでボランティア活動ですので、最初から張り切り過ぎても続きません。出来る範囲内で計画的にゆっくり進めることが重要だと考えています。その中で、重要な役割を果たすのが、森林組合の存在です。森林組合は、馴染みのない方も多いと思いますが、森林所有者の出資により運営される組織で、植栽(植林)、下刈り、間伐、伐採等の受託といった事業(それ以外に林産物の販売等色々ありますが)を行っています。

植林は比較的簡単な作業ですので、準備さえしてあれば素人でも簡単に行えます。しかし、今回のように竹林の伐採を要する場所では、その“準備”が大変です。竹林伐採を素人だけで実施するのは大変ですし、危険も伴います。このため、森林組合とも契約を締結し、ボランティア活動時の支援や、地ごしらえ(植林のための準備作業)をお願いすることになっています。

もちろんそのためには一定の費用が発生するのですが、島根県ではそういった活動を支援するための助成金制度も準備しており、森林整備に取り組もうとする企業等を支援しています。今回もその助成金を組み合わせて取組みを行う予定です。第1回目の活動は2010年11月27日(土)に予定しています。少し先ですが、今後、森林組合の協力を得て植林を行うための地ごしらえを行う予定であり、その準備期間が必要なためです。

今回の調印式、いいPRになりましたが、あくまでスタートに過ぎません。調印式のセレモニーに恥じないよう、今後の活動をしっかり行い、継続していくことが重要だと改めて感じたところです。

2010
09.16

このたび、松江工業高専専門学校(松江高専)から、夏季実習生(4年生の坂根くん)の受け入れを行いました。最初の様子はこちらで。

期間は、2010年8月23日(火)から9月10日(金)までの14日間を予定していましたが、あいにく予定していたボーリング等の仕事が途切れ、6日間ほどの実習となってしまいました。ちょっと申し訳なかったですが、単位取得に必要な期間(5日間)は何とか仕事を確保できたので、一安心でした。

実習が終了しましたので、感想めいたことを記しておきたいと思います。

実習終了に伴い「校外実習証明書」の授与式 (注.ブログ用の演出です)

1.職場の職員に感謝します

実習が終了してから少しして、坂根くんと少し話をして感想を聞きました。

冒頭、「非常に充実した6日間であった。」との話を聞いた後、「対応してくれた人が皆温かく迎えてくれて、居心地が良かった。」、「仕事のことだけでなく、災害のことや資格の大切さなど、知らなかったことを教えてもらった。」など、うれしい感想を聞かせてもらいました。

職場からみれば、実習生の面倒をみるということは、実際のところ“余計な仕事”な訳で、現場を連れて歩いて手伝わせるのも手間がかかります。しかし、今回、職場で面倒を見てくれた職員が親切に接してくれており、そういったところを感想の最初に聞けたのは経営者としてもうれしいことです。

交代で色々と対応してくれた職員にお礼を言いたいと思います。

2.授業と仕事との結びつきを実務で学ぶ

今回、坂根くんに手伝ってもらった仕事として、土質試験(簡易貫入試験)、計測(ひずみ計)、さらには自社機械の整備などがありました。

その際、試験や計測の作業中に、ちょうど授業で習った内容に触れる機会があったそうです。「何が役に立つか分からないから、役立ちそうにないように思えることでも勉強しておくべきだと思った。」とは坂根くんの感想ですが、ごもっともであり、こちらも気づかされます。高専の土木科で学んでいる訳ですから、土木系コンサルタントの仕事は近いところにあると思いますが、それでも授業で習ったことが実務で直接出てくるという経験は、勉強と仕事との結びつきを率直に感じてもらう良い機会です。

たまたまだったとは思いますが、いい仕事があったなと感じますし、そういった巡り合わせも彼の日頃の行いから来るものではないかと思います。

3.“人となり”を挨拶から垣間見る

坂根くんは、仕事の説明もきちんとよく聞いてくれ、しっかりと仕事をしてもらいました。それだけでなく、非常に朗らかな性格で当社の職員ともすぐに馴染み、職員も気持ちよく連れて歩くことができたようです。前述のとおり、当社の仕事の都合で予定よりかなり短い期間で終わってしまいましたが、最後の日に職場の職員一人一人のところに廻って挨拶して帰ってくれました。

挨拶をするのは当たり前のことではありますが、意外に出来ず、また、きちんとしようと思っても急には出来ないことだと思います。彼の人となりを垣間見るとともに、社会人である我々もしっかりとしたいと改めて感じたところです。

4.実習後もしっかり成果をまとめる

実習が終了した後、受け入れ企業側では「校外実習証明書」を作成し、本人又は高専へ郵送することになっています。当社では、終了後、本人に手渡ししました。このブログに書いたような評価をさせてもらいました。

今回の実習は授業の一環ですので終了後には報告が必要になるそうです。パワーポイントで内容や成果などを整理し、一人5分程度で発表を行うそうです。クラス40人が全員発表することになるそうで、かなりの長丁場です。彼がどのような発表を取りまとめるのか興味があるところですが、きっといい報告をまとめることだと思います。

今回の実習生受け入れ、来年も機会があれば考えてみたいと思いますが、限られた受け入れ期間に都合のよい仕事を確保することの難しさは今年感じたところですので、何かよい方策を考えてみたいと思っています。

最後に、わずかな期間ではありましたが、とかくマンネリ化し、変化が無くなりがちな中小企業の職場に心地よい刺激を与えてくれた坂根くんにお礼を申し上げたいと思います。

いい成績で卒業し、立派な社会人・土木技術者になって下さい。

2010
09.09

水ビジネスのシンポジウムで最新動向と水源開発の可能性について学ぶ

水ビジネスに関するシンポジウムに参加してきました。

2010年9月8日(水)、「水資源の創造と水ビジネスの可能性」と題し、財団法人ちゅうごく産業創造センターの主催で、広島市にて開催されました。2人の講師による講演があり、水源開発など水に関する仕事に携わる者として、それぞれ興味深い話を聞くことができました。2つの講演について感想めいたことを記しておきます。

講演1 水ビジネスの市場動向とビジネス戦略

最初の講演は、水問題に関する第一人者、グローバルウォータージャパンの吉村和就氏によるものでした。最近、TVや出版物などでも話題になっている方で、名前を聞いたことがあります。中々有名な方が講師に来られるものだと思って行きました。

講演冒頭、著書をPRする吉村氏

水問題が世界的な問題となっていること、日本も無縁でなく水不足が課題となりつつあること等ニュースなどで聞く機会はありますが、具体的な数値や国際的な動向・取り組み事例など、島根に居ては中々知る機会の少ない話を分かりやすく学ぶことが出来ました。

講演では、今後の水資源の確保について大きく2つの方向性(海水の淡水化、水のリサイクル(下水・排水の再利用))を示し、国際的な動向や各国の戦略、海外・国内の企業の取組み、日本がとるべき戦略などについて話がありました。

位置づけとしては、これから水ビジネスに参入しようと考えている企業等が対象で、しかもその市場は海外が前提で話が進みました。協和地建コンサルタントは国内のみを市場としている企業であり、海外進出など現時点では思いが及びませんが、水の問題が国内でも今後さらに注目されてくるであろうこと、その時に当社が得意とする“地下水の活用”ということも改めて注目されてくるであろうという感触は得ることができました。もっとも、地下水は枯渇の問題があり、使い方は慎重であるべきですが、十分に活用されていない地域で可能性を探っていくという方策はあるのではないでしょうか。

ところで、この日初めて知ったのですが、「食糧輸入に関する仮想水量」という概念があるそうです。我が国の食料自給率(カロリーベース)が40%という数字は良く聞きますが、これを支えている灌漑用水は570億m3/年。今後、食糧自給率を50%に上げようという目標がありますが、そうすると灌漑用水が足りず、それをどう補うかが非常に重要な課題になっているという話です。

残りの60%は輸入ですが、その食糧(農産物・畜産物)の生産には水が必要な訳で、この量を輸入に伴って売買されていると捉えたものが“仮想水”というものだそうです。そして、我が国の食料輸入に伴う仮想水量は年間640億m3/年に上るそうです。

さらに、国際的にはこの仮想水の取引をCO2の排出権取引のように扱おうという動きもあるそうで、排出権取引に続いて日本が割を食うことになると警鐘をならされていました。要するに、「食糧輸入に伴って仮想水を大量に輸入している国(日本など)はその水代を負担しろ」という話です。もっともらしい話ですが「水代って元々輸入した農産物等の値段に含まれているんじゃないの?」って思いますけど。なんでもビジネスになる時代ですから、今後どうなるのか分かりません。数年後には水・仮想水の話題で持ち切りかもしれません。

(講演2)MBR/ROを用いた再生水事業

海外、今回は特に中東で事業を展開されている日立プラントテクノロジーの方が講師でした。“膜”を使った排水処理、水の再利用について、最新技術の動向と実例を紹介して頂きました。詳細は難しいので省きますが、MBR(膜分離活性汚泥)は高品質・清澄な処理水を、RO(逆浸透膜)はさらに高品質な再利用水をつくる技術という仕分けのようです。

日立プラントテクノロジー 長川氏

シンポジウムでの事例紹介は海外(中東)のものでしたが、国内でも都市部を中心に導入の実績が多くあるようです。日本メーカーの膜技術が世界トップのレベルにあるという話は聞いたことがありましたが、具体的にどのような仕組みで、どの程度のことが可能なのか、改めて知ることができ勉強になりました。

ちなみに、RO処理によって飲料水としても十分に使用できるレベルの水質にまで再利用できるそうですが、ミネラル分まで全て取り除かれるので不味いそうです。飲み水にするには若干の塩分などで味付けをした方がよいとの話があり、技術の高さだけでなく、水を飲用とすることのむずかしさというのも垣間見た気がしました。日本の誇る膜技術、現在の当社の仕事とすぐに結びつくものではないですが、水に関する仕事に携わる者として、様々な場での情報収集の必要性を再認識するいい機会となりました。

(おわりに)

ところで、前述の吉村氏の講演の中で、国際的な水ビジネスで遅れをとる日本政府と日本企業に対し、「日本の産業界はガラパゴス島だ。その島の生態系でしか生きられない希少絶滅種の集まりである。」という厳しい指摘がありました。その際、“日本”を“島根”に置き換えてもそのまま通じるのではないかと思ってドキッとしました。ガラパゴスで生きるという選択肢もある(一つの生き方)だろうし、それを否定される筋合いも無いとは思いますが、そういう指摘もあるということは頭に置いて、自分自身そして会社の今後のあり方を考えるべきだなと思ったところです。

2010
09.02

社長の温泉めぐり24 加田の湯 島根県飯南町

私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。

24箇所目は、島根県飯南町の「加田の湯」です。訪問日は、2010年8月25日です。

この場所には古くから温泉施設があったようですが、現在の施設は比較的最近新しくされたもののようです。木造瓦葺の建物は、田舎の素朴さを出しながら小奇麗にまとまっており、好印象でした。(古い施設は、かなり鄙びていたらしいのでそれも興味ありましたが。)

加田の湯 外観

泉質は、ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物泉ですが、溶存ガス成分が高いのが特徴です。成分表によれば、遊離二酸化炭素が942mgとなっています。これは、島根県内では、ゆだに温泉頓原ラムネ温泉などに次ぐ含有量で、“炭酸泉”こそ名乗っていませんが、それに近い特性を有しています。

利用料金は、大人400円です。同じ飯南町のラムネ温泉も400円ですので、町内の施設として値段を揃えているのかもしれません。この2つの温泉は、泉質的にもよく似ており、同じ町内(合併前は別々の自治体だったが)に似た泉質の温泉施設が近接して存在するというのは、いいような悪いような。値段は一緒ですので、どちらかが混みあっていれば、もう一方を利用すると言う使い方もあるのかもしれません。ちなみに、温泉施設としての風情という点では、加田の湯に軍配が上がると思います。

この温泉は源泉温度14℃ほどの冷泉で、黄色く濁っています。いわゆる“黄金の湯”などと称されるタイプのお湯ですが、こういった濁り湯はいかにも温泉らしく、いいものだと思います。源泉かけ流しで利用されているようで、お湯の鮮度がよく特長である炭酸成分に鮮度良く触れられる点もいいところだと思います。湯あがり感もさっぱりしており、濁り湯の見た目の印象と異なり、気持ちよく入れる温泉です。

檜風呂(誰もいなかったので撮影)

お風呂ですが、浴室はシンプルで長方形の大浴槽があるのみで、ちいさな水風呂とサウナが付いています。露天風呂はありません。岩風呂と檜風呂の2種類あり、男湯と女湯が定期的に入れ替わるようです。私が訪れた日は檜風呂が男湯でした。浴槽や床には温泉成分がかなり付着しており、成分量の多さを物語っています。檜風呂といわれても檜なのか何なのかわからないぐらいでした。室内は天井が高めで、木造建物の特長を活かし、梁を見せるつくりが心地よい印象を与えています。

洗い場は7箇所で仕切りなどはありません。ボディソープとリンスインシャンプーが備え付けてあります。一人あたりのスペースは比較的広めだと思います。脱衣場のロッカーは、鍵付きが24個、扉が無く脱衣カゴだけが置いてあるスペースもあり、貴重品などを持ちこまない地元の方向けの配慮もしてあります。洗面台は3箇所ありましたが、ドライヤーは2つでした。

加田の湯の施設ですが、温泉だけでなく畳敷きのホールや交流室などがあり、有料で使用できるようになっていました。フロント付近では地域の産物などを売っています。また、地域の集会施設が併設されており、地域の交流施設の役割も果たしているようです。食堂もあり、食事や喫茶が楽しめるようになっています。チラシには“各種宴会料理もご相談下さい”とあり、地元の宴会などでも使われていのでしょう。

施設内部 左手がフロント

ところで、私は普段サウナは利用しないのですが、今回サウナと水風呂を利用してみました。というのも、今年の夏は特に暑かった(この日もまだ暑かった)ので、水風呂が気持ちいいのではないかと思い、それならと思ってサウナも使ってみました。好き好きではありますが、夏には水風呂でさっぱりするのもいいものだと再発見したところです。