2014
03.27

2014年3月7日、まちエネ大学山陰スクールの第4回講座(成果発表会)が開催されました。まちエネ大学を通じて再エネを活用する事業を検討した6つのチームがそのプランを発表し、私がリーダーを務めさせて頂いたチームも発表する機会を頂きました。各チームとも荒削りなところはありますが、それぞれの想いをしっかり発表出来たのではないかと思います。あとは、どう具体化していくか。一歩一歩進めていくしかありませんが、このスクールの学びを実現につなげられるよう、取り組んで行きたいと考えています。まちエネ大学の総括を兼ねてまとめてみます。

まちエネ大学山陰スクール 修了式

1.まちエネ大学で学んだ仲間からのエールで次のステップへ

成果発表会では、私がリーダーを務めた「有福温泉地熱発電+カスケード利用支援プロジェクト」がトップバッターとして発表させて頂きました。有福温泉は1360年前から47℃の高温泉が地上に湧き出ている貴重な温泉地です。その地下深部には、もっと高温の熱源があることが分かって来ています。その熱源(熱水)を新たに開発して地熱発電(温泉発電)を行い、さらに発電後の熱水を多様な形で有効活用しよう、というのがプロジェクト概要です。平成24年度から具体的な検討を始めた有福温泉における地熱資源開発。それを、まちづくり・地域活性化としてどのような形にまとめあげるのか。この“まちエネ大学”に参加させて頂いたおかげで、ある程度の道筋が掴めたように感じています。

今回の発表を踏まえて、まちエネ大学山陰スクールで学んだみなさんから、プロジェクトに対する様々な意見を頂きました。限られた時間での発表でしたので、考えている内容のごく一部を説明したに過ぎませんが、力強いエールをたくさん頂き、力をもらいました。実際のところ、実現に向けては様々なハードルがありますが、参加者から頂いたメッセージカードには、「有福温泉をなんとかしたい!という熱意を感じた」というコメントを多数頂き、“私が話した事が伝わっている”と実感させてもらい嬉しく思っています。

次のステップは、まちエネ大学でつながったみなさんと、講座の外でもつながっていくことが必要だと考えています。実際に、チームメンバーとなって下さった方(他地域で再生可能エネルギーに取り組まれています)のグループに、有福温泉に視察に来て頂くという計画も検討しています。そして、他地域で市民主体の再生可能エネルギー活用に取り組む方々が、有福の地域住民の方々とつながっていくことで、さらに事業の具体化に向けた想いが高まっていくのではないかと感じています。

成果発表会の様子

2.資源エネルギー庁事業の並行利用でビジネスモデルを構築

有福温泉を舞台にした地熱資源活用によるまちづくりに関して、このまちエネ大学でのプラン策定と並行して、平成25年度、同じく資源エネルギー庁が所管する「再生可能エネルギー発電事業を通じた地域活性化モデル開発支援調査事業」を活用した調査も実施しています。

この事業は、再生可能エネルギーを活用した地域活性化の実現に向けて、事業計画策定や資金調達など、固定価格買取制度を活用した自立的な事業の計画策定を支援することを目的に、調査を行う事業者へ調査費を補助して頂けるものです。再生可能エネルギーを軸に据えた地域活性化策は、地域における新しい取り組みとして夢があり、全国各地で具体化が進んでいます。その一方、実際に事業として成り立つのかどうかは、個々の事業を取り巻く環境によって異なります。夢や熱意はあっても、事業性がネックになるケースも多々あるようです。

まちエネ大学は、市民レベルから再生可能エネルギーの有効活用策を発掘し、事業化につなげて行こうとするものですが、実際に事業として動かしていくためには、ハードルが多種あります。事業リスクの分析、収支計画、資金調達、など、検討事項は多岐にわたります。私も経営者ですので、日常的な仕事を通じて一とおりのことに携わっているはずですが、全く経験のない事業を一から興すことは、また別物と感じます。そう言った時に、こういった事業の可能性調査を国から支援して頂けるのは、大変ありがたいことです。

2014年3月17日(月)、この事業の報告会を兼ねたセミナーが大阪で開催され、今年度全国で実施された本事業の39の調査についてパネル展示が行われました。有福温泉での調査成果もそこで展示し、来場者の方々に見て頂くことができました。情報発信の場としても貴重だったと考えています。今後とも、あらゆるチャンネルを活用し、島根県江津市の有福温泉でこのような事業に取り組んでいることを地道に発信していきたいと考えています。

調査成果のパネル展示(グランキューブ大阪)

3.有福温泉町での地元説明会~エネルギーをキーワードにまちづくりを~

まちエネ大学終了後の2014年3月25日(火)、有福温泉町まちづくり協議会の主催により、まちエネ大学の成果と、平成24年度の地熱資源開発調査の結果を地域住民のみなさんに説明する勉強会が開催されました。有福温泉町の地域住民のみなさん約20名の参加があり、まちエネ大学を通じて策定したビジネスプランとそれが地域にもたらす活性化、そして、地熱資源開発調査を経て得られた有福温泉町の地熱ポテンシャルについて説明させて頂きました。

説明終了後の質疑、意見交換の場では、様々な指摘や質問を頂きました。地熱資源を活用したまちづくりに関心を持っている方が参加して頂いていることもありますが、前向きな質問や意見が多かったことが印象的でした。一方で、既存温泉への影響についてはいくつかの指摘がありました。事業化により既存の温泉に影響を与えないのか、与えないという前提でスタートしたとしても、もし影響が出たらどうするのか、といった懸念です。地域の方からすれば当然の想いでしょう。その懸念にどのように対処していくのか、技術的な検証だけでなく、引き続き丁寧な説明を継続していくことが必要だと認識しています。

いずれにしても、今回、「エネルギー」がキーワードとなったことにより、これまでの「温泉」を基軸にした地域の活性化から一歩離れた視点でみることが出来たのが大きかったのではないかと感じます。再生可能エネルギーには夢があります。地域を変えてくれるのではないかという期待。それを感じる勉強会となりました。山陰スクールのプレイベントで「エネルギーが人と人とをつなげるコミュニケーションツールになる」という参加者の方の意見がありましたが、まさに、そのことを実感する思いがしています。

有福公民館での住民説明会

まちエネ大学は、「再生可能エネルギーを活用した、地域での新しいビジネス創出のための人材育成事業」と定義されています。そして、プレイベントの際に、「楽しく学ぶ、つながりを大事にする」、といった視点も強調されていました。今回の山陰スクールには、山陰地域の出身の方だけでなく、広島、兵庫など、様々な地域の方も参加されており、この取り組みがなければ知り合うことのなかった方々とつながりを持つことが出来ました。まちエネ大学は、来年度も何らかの形で開催されていくようです。このつながりを引き続き広げることで、さらなる未来に向かっていきたいと考えています。

2014
03.20

2014年3月15日(土)、協和地建コンサルタント株式会社 平成26年度経営指針発表会を開催しました。一昨年の第1回の開催から丸2年、早くも3回目の経営指針発表会を開催することが出来ました。月日の経つのは本当に早いものだと改めて感じます。当日は、当社役員、社員に加え、金融機関のみなさん、協力会社のみなさん等、総勢36名の参加者を得て、第55期の総括と第56期の経営計画を発表しました。こういった形で発表会を継続していくことの意義を実感しながら、3回目の開催を振り返っての反省点、今後に向けた課題などをまとめてみます。

発表する社長

1.会社の成長と変化を実感できる場に~いい時だからこそ気を引き締める~

第55期(平成26年3月期)の業績は、近年になくいい内容となる見通しです。たくさんの素晴らしい仕事に恵まれ、社員のみなさんが日々懸命に仕事に取り組んで頂いたおかげです。このブログを執筆している現在でも、年度末の大詰めに向けて最後まで忙しく働いてもらっています。そういった忙しい経験も含めて、会社としての成長を実感できる一年になったと感じています。

会社としての成長の実感は、この発表会に連続して参加して頂いている社外の方々からのご意見からも伺い知ることが出来ます。私自身も少しずつ良くなっているとは思っていますが、社員の目線からみれば異なる部分もあるでしょう。それを外部の視点でみれば、客観性を持ったものとして大いに参考になります。今回、3年連続参加して頂いている金融機関の方から、3回の発表会(その間およそ2年間)を経た変化について伺う機会がありました。会社及び社員の雰囲気、発表会や交流会の空気感など、とてもよくなっているという評価を頂きました。多少のお世辞を差し引いても、そう言って頂けるのは大変ありがたいことです。年に1回の発表会ですが、それがどんな雰囲気で開催されるのか、いわば定点観測として定期的に外部の方に見て頂く機会というのは、大変貴重なものだと改めて感じたところです。

良くなった要因は、やはり業績面でいい状態を維持出来ているからだと考えています。特に今期たくさんの仕事に恵まれ、とてもいい業績を上げることが出来ました。それで雰囲気が悪ければそれこそ問題で、業績が良ければ気持ちも高まるのは当然です。だから、経営は結果を出さなければならないし、出し続けなければならない。継続ためには、いい業績が出た今だからこそ、さらに気を引き締めなければならないし、新しいことや将来に向けた投資にチャレンジしておかなければならないと、改めて感じるところです。

なので、今期の好業績は、私自身に不安感と焦燥感をもたらしました。来年も継続できるのか、そのためにやるべきことが出来ているのか。大いに反省させられます。しかし、それを力に変えるのが経営者の仕事だと考えています。歩みを止めてはならない、摩擦を恐れてはならない、一つ一つの取り組みが必ず会社と社員のためになる、地域の為になると信じ、引き続き経営に邁進していきたいと考えています。

2.3カ年計画の達成に向けた総括の一年へ

前述のとおり、第55期(平成26年3月期)の業績は良好、そして3カ年計画との関係でみても、数値的には次年度(平成26年度末)に目標としていた数値を大きく上回る見込みです。数字だけ見れば、3カ年計画を前倒しで達成したことになります。これはこれで、大変ありがたいことです。

しかし、数値的なことはもちろんですが、その内容を精査することが必要だと考えています。というのも、公共事業に関わる当社のような業種は、公共事業として予算化される事業量(=市場の状況)に業績が左右されます。予算が増え、市場に仕事がたくさん供給されれば、相対的に各社とも業績が良くなってきます。経営サイドとすれば、今期の好業績には、その影響(公共事業の予算増)が多分にあることを頭に入れておく必要があります。中長期的にみれば、公共事業費が今後上昇基調に転じるという可能性は少ない訳で、良くて現状維持でしょう。そのような中、今、比較的仕事に恵まれているのであれば、その時期にこそ次の手を打っておく必要があります。それを3カ年計画で定めている訳ですが、今回の発表会に向けた総括をしてみて、この2年で一体どこまで出来たのか、大いに疑問に感じる訳です。

総括した結論は、「大いなる反省が必要」ということです。特に、新しい領域の開拓は思った以上に進んでいません。経営指針策定以降、「地熱・地中熱の活用」を掲げて様々な取り組みを実施してきました。特に「地中熱」に関しては、本社屋に地中熱ヒートポンプ空調システムを導入してから2年弱経ちますが、実際の受注にはつながっていません。もちろん、新しいことが直ぐに思ったようにいく訳もないのですが、振り返ってみれば、私自身がもっと熱意を持って、もっと真摯に取り組んでいれば、実現できたこともあるのではないかと感じています。

その反省を踏まえ、次年度以降の取り組みの決意、さらには、それを実現するための社内の体制づくりなどを計画し、今回発表しています。4月以降、3カ年計画の達成に向け、何に取り組んで、どういった内容で達成するのかを改めて明確にし、最後の一年が数値と内容共に評価できる一年となるよう、必死に取り組んで行きたいと考えています。

3.発表会も次のステップへ~発表のための発表会とならないために~

協和地建コンサルタントの経営指針発表会、3年目となるとさすがに準備も慣れてきた感があります。昨年度と概ね同じスケジュール、項目立てで実施したため、会全体としては大きな変化なく、安定した進行で進めることが出来ました。私がしゃべり過ぎて時間が押しましたが、それも前年踏襲。そう振り返った時に、そこに何がしかの物足りなさ、もっと言えば不安感を感じたのも事実です。

経営指針発表会を開催する意義はいくつかありますが、やはり、会社の目的、目標、目指すべき姿を社員一同で共有するための場、という点が最も重視されるべきと考えています。そのためには、毎年毎年の発表会が社員の頭の中に残り、「あの時社長がああ言っていた」「あの時、あの方針が発表された」といった共通の会話を社内に残すための仕掛けが必要だと考えています。その意味では、ほぼ昨年の形式を踏襲した今回の発表会は、準備は効率的で運営もスムーズだった一方で、「変化の少ない発表会」であったとも言えます。

次年度の発表会は、当初定めた3カ年計画の総括の年となります。当初計画で目指した姿にどれだけ近づけたのか、それを上回るものがあったのか、検証する会となります。その時の発表会は、やはり“発表会としても次のステップに進む”ことが必要だと考えています。今までと同じやり方、同じ内容を繰り返すのではなく、新たな挑戦、新たな発見のある発表会。そのやり方は色々あると思いますが、「共通認識づくり」という観点を重視しながら、この一年じっくりと考えて行きたいと思います。

交流会での集合写真

この3年間、業績見込み報告に際して、毎回実施しているのが「施策アンケート」と呼ばれる取り組みです。1年間、社内で新たに取り組んだ様々な施策について、社員からみた評価を聴くものです。評価される取り組みもあれば、“必要ない”と回答される取り組みもあります。社員にとっては、自分の仕事が楽になる、便利になるものは好意的でしょうが、新たな取り組みや勉強会等の類は総じて評価が低くなりがちです。しかし、この3年間で見てとれるのは、“必要ない・あまり必要ない”と評価される項目数が減少してきていることです。その意味では、経営指針が少しずつ理解され、会社も少しずつ良くなってきていると、実感してもらっているのではないかと感じます。そのように受け止め、第3回目の経営指針発表会の報告のまとめとします。来期、さらに飛躍・発展する協和地建コンサルタントをよろしくお願い致します。

2014
03.14

2014年3月13日、島根県商工労働部主催の採用力向上セミナー2014『採用活動の「イロハ」教えます!』が開催されました。昨年に続き2回目で、株式会社ザメディアジョン・リージョナル代表取締役 北尾洋二さんを講師に迎えて、企業の新卒採用についての基礎基本・原理原則、最新情報についてお話を頂きました。昨年度好評だったというこのセミナー、今回も大変多くの参加者があり、また新しい趣向も取り入れられ、大変興味深いものとなりました。

当社における新卒採用は、平成24年4月に高卒2名を採用、平成25年4月から大卒1名を採用、平成26年4月も大卒1名を採用予定しています。次年度以降も、年1名以上の新卒採用を継続したいと考えています。言うまでもなく、新卒採用が事業を伸ばし、会社を活性化させるために必要だと確信するからです。今回のセミナーでの気づきを整理しておきます。

講師の北尾洋二さん

1.これからの新卒採用3つのポイント~前倒し、非公式、一本釣り~

これからの新卒採用のポイントとして、「前倒し、非公式、一本釣り」という3つのキーワードが示されました。本セミナーの核となる重要な指摘の一つです。

「前倒し」とは、新卒採用のエントリーの開始時期が後送りになっている現状を踏まえ、だからこそ、“前倒し”して対処していかないといい人財を確保できない、という趣旨です。その具体策の一つが、“インターンシップ”や“アルバイト”。何らかの形で学生に自社に入り込んでもらいり、いい面も悪い面も知ってもらう。囲い込み策の一つとも言えます。当社でも、平成26年4月採用の学生は、島根大学の学生ということもあり、1年前から社内でアルバイトをしてもらっていました。アルバイト期間の途中で入社試験を行い、内定を出しました。当社でも、そういうスタイルが定着してくるかもしれません。

「非公式」とは、リクルーター制度の復活、産学連携による交流、といった就職活動以前から学校と交流関係を創っていく取り組みです。島根県中小企業家同友会でも、島根大学の学生との連携を強めており学生起業家支援プロジェクトなどの取り組みも実施してきています。島根県技術士会も島根大学・松江高専との産学交流企画を継続、昨年から島根県立大との交流企画もスタートしています。そういった活動の中で、まずは地元の中小企業の存在を知ってもらい、一人の人間としてお互いに知り合う。今後さらに重要になってくる取り組みだと再認識しています。

「一本釣り」は、前述の「前倒し」と「非公式」を通じて出会った学生をそのまま採用する、ということです。企業とすれば、お互いをよく理解し、一緒に働きたいと思えるいい人財を確実に採用することができるし、学生も不安を極小化し、自分のやりたいことを明確にした上で就職出来る可能性が高まります。前述のとおり、島根県においても類似の取り組みを既に実践している企業・グループがあります。地元で学んだ学生を地元の企業が採用する。そういった良い循環を実現する意味でも、このキーワードを意識した採用活動に当社としても積極的に取り組んで行きたいと考えています。

2.適性検査で己を知る~自分自身を見つめ直す機会~

今回のセミナーの新しい趣向として、講演の冒頭、参加者に㈱ザメディアジョン・リージョナルで使用されている「適性検査」を受験させ、その結果を講演時間中にフィードバックし、その内容について説明して頂く、という企画がありました。大変興味深い試みです。

適性検査については、当社では平成26年度の採用活動からリクルート社のSPIを活用しており、私自身も受験してその結果を確認しました。今回の結果が、その時の結果とどのように比較できるかとても興味が有りました。結果報告書の様式がずいぶん異なるので、最初は比較しにくかったですが、会社に戻ってから改めて見てみると、同じような傾向が見てとれます。

代表的なところを見てみると、「決定にあたっての重要ファクター」という項目では、「感受性の優れた点が特徴であり、才気とひらめきにすぐれる。自信を持っている。独自のものを持っておりそれを大切にしている。人柄の良さが見える。」といった評価。「適性配置予測」という項目では、「自分ひとりでこつこつとやっていく方が性にあっている人である。平穏無事が信条となっており慎重である。自分のものを守るということが基調となろう。好みがはっきりしているであろう。」という評価。自分のことを教えてもらえる機会というのは貴重です。自分自身を見つめ直す意味でも、定期的にこうった検査を受けることにも意味があるなと感じたところです。

私自身、今後の採用に関してこの適性検査を有効活用していきたいとは考えていますが、落とすため、選別するための道具としてはあまり活用したくないという気持もあります。やはり、自らを知り、さらにはお互いを知り、足らない部分を補足していくためのツールとして活用してこそ、意味があるだろうと考えています。

3.中小企業の採用活動は総力戦~使えるものは何でも使う~

セミナー後半で強く強調されたのは、「中小企業の採用活動は総力戦」ということです。

活用できるものは何でも使う。フェイスブック、ツイッター、LINE、とにかく使い倒す。私はメール世代です。今でも使いますが、新卒採用の対象となる世代で中心的な連絡ツールとして使っている人はほとんど居ないでしょう。そういう世代を対象にして採用活動をするならば、採用する側もその目線まで降りて行く。そのツールを使って、会社の姿や今後の方向性などを伝えて行くべきだと。確かにその通りだと思います。

また、昨年も同様の指摘がありましたが、「採用に成功している中小企業は社長が前面に出て行っている」という点も強調されました。たとえ10人、20人の会社でも、社長自らが情報発信することの意義は大きなものがあるということです。社長が会社説明会など採用活動の出てくることは、学生にとって大きな魅力につながるとのこと。社長を広告塔とし、そのパーソナリティを広めていくことで、学生を「感化」させていく。それが中小企業の採用戦略において重要な要素の一つだという指摘です。だから、社長は魅力的でなければならないし、夢が語れなければならない。そのことを改めて認識させられます。

この“感化させる”というキーワード。言い換えれば、その気にさせる、ファンにさせる、ということです。興味深い話として、「最終面接で落ちた学生さえも、ファンにしてしまえば、後々自社のお客さまになってくれる、お客さまを紹介してくれる」、という指摘がありました。実際に自動車ディーラーなどで、そういう事例があるそうです。社員にはならなかったけど、お客さまになってくれた。なんと素晴らしい。そのためには、単に会社の業務内容、規模、処遇といった要素が優れているだけではなく、人と人とのつながりを大事にする魅力的な社員・社長が会社に居ることが前提でしょう。そういった会社を創ることが、ひいては採用活動の活性化につながる。結局のところ、いい会社づくりとは、事業活動すべてに影響するのだという、考えてみれば当たり前の結論を改めて認識するいい機会となりました。

後半に行われた模擬採用面接

講演の最後に、新卒採用にかかる重要な2つのキーワードが示されました。「SSK」と「TTP」。前者は、「先入観、成功体験、決めつけ、を徹底的に排除する。」、後者は、「徹底的にパクる。」だそうです。現在の新卒者の世代と、我々の世代では生きてきた時代が違います。そのことによる“常識”や“当たり前”が我々と違っていても仕方がありません。まずはそれを認識し、受け入れ、その上で判断することが必要でしょう。要は、共に働く仲間として迎え入れたい人かどうか。その原理原則をブレないように持って行きたいと改めて認識します。そして、いい取り組みは徹底的に真似すること。これは新卒採用に限らず経営全般に言えることでしょう。本日のセミナーでの有意義な指摘をしっかりと受け止め、次年度以降も新卒採用活動に取り組んで行きたいと考えています。

 

2014
03.06

地中熱利用促進協会の主催する平成26年度地中熱関連補助金説明会、並びに、同協会の普及促進部会に参加してきました。国のエネルギー基本計画(政府案)にも、再生可能エネルギーとして「地中熱」というキーワードが明確に示され、そのことも踏まえて次年度に向けてさらに充実した補助制度が準備されています。国レベルで地中熱の認知度が高まり、普及期を迎えつつあることが実感できます。その一方、世界的にみれば欧米だけでなく、中国・韓国、等と比べても我が国における設備容量は2ケタ、3ケタ少ない状況で、今後の飛躍的な普及を実現するためには、様々な課題が山積していることも事実です。今回、そういった大きな転換期において、当社がどのように取り組んでいくべきかたくさんの示唆を得ることができました。

今後の展望について語る笹田会長

1.「地中熱」の課題は地域のプレイヤー育成~トータルエンジニアリングの実現~

補助金説明会の中で経済産業省の担当者が一番に指摘されたのは、「地中熱のプレイヤーが少ない」という課題です。

これまで、地中熱は再生可能エネルギーの中でもマイナーな存在であり、その仕事はいわば“すきま産業”的な側面を持っていました。例えば、現在、太陽光発電を扱う企業は全国どこの地域に行ってもたくさんありますが、“地中熱”(ヒートポンプを使うタイプ)を掲げている企業に出会う事はあまりありません。市場が限られるので大手企業の参入もほとんどなく、中小企業を中心として業界が構成されています。しかし、今後、本格的な普及期に入ってくるとすれば、それだけではプレイヤーが足らなくなります。もっと大手の企業の参入もあるかもしれませんし、各地域で活躍するプレイヤーもたくさん必要になります。その環境づくりに向けて、地中熱利用促進協会は大きな役割を果たすものと期待しています。

さらに、もう一つ大きな課題があります。それは、「トータルでのエンジニアリング、企画提案のできる企業の存在が必要」という指摘です。地中熱は、いわゆる1次側と呼ばれる地下での熱交換(ボーリングやUチューブの敷設等)とヒートポンプまでの部分と、2次側と呼ばれる屋内の設備(ファンコイルや配管等)から構成されます。この1次側と2次側がトータルに分かる企業というのは、極めて限られるのが実態です。地下部分と地上部分を総合的にみて企画提案することが出来る企業。それが、今後求められる企業像であるという訳です。

当社の目指すべき姿もまさにそこにあると理解しています。単なる施工業者ではなく、お客さまへの提案段階から一緒に有るべき姿を探り、地中熱という地産地消の熱エネルギーを最も効率的に活用できる企業。そのためにやらなければならないことはまだまだたくさんあります。しかし、やるべきことが分かっていれば、そこに向う方法を探すだけです。次年度以降の具体的展開に向けて、より明確な方向付けを示したいと考えています。

2.コスト削減だけでない、“地中熱”ならではの価値創造へ

地中熱利用促進協会の普及促進部会として認識する普及促進に向けた最も大きな課題は「コストの削減」です。いわゆるボアホール方式による地中熱活用は、ボーリングによる掘削費が大きなコストを占めるとともに、ヒートポンプや屋内側の設備もまだまだ割高な状況にある点は否めません。

現在、“補助金制度が無くても10年以内で元が取れる”コストを目指し、コストダウンの実現に向けた各種の取り組みが進められようとしています。もちろん、このコストダウンが普及に向けた大きなハードルであるし、それに向けた努力を続けることは大事だという認識は変わりませんが、そのコストダウンが不毛な価格競争によって実現されては事業者が疲弊するだけだと懸念します。前述のとおり、地中熱に係るプレイヤーを増やしていくことが重要なのであれば、適切な付加価値を持ったものとして普及していくことが大事ではないかと、改めて感じています。

そこで注目されるのは、当社の地中熱ヒートポンプ空調システムでも採用している「ヒートクラスター方式」(特許第5067956号)です。㈱アグリクラスターが開発したこの方式は、mあたりの採熱量が通常のUチューブ方式の10倍に達するため、1本あたりのコストは高くても、トータルでは従来よりも大幅に少ないボーリングコストで、同じだけの能力を有する地中熱システムを構築することができます。いち早く採用して運用している当社としても、このシステムの優位性を明らかにし、地中熱普及の一翼を担うべく、取り組んで行きたいと考えています。

そして、以前のブログでも書いた、地中熱活用に伴う「幸せ」の創出がもう一つのポイントではないかと考えています。その後、新たな発見が無いままですが、“地中熱”であることが利用者の方にもたらす“ちょっとした幸せ”。普及に向けた重要な課題の一つとして、引き続き追及していきたいと考えています。

3.地域における理解促進への取り組み ~同じ目的に向って夢のある未来を~

今回、次年度以降も地中熱の活用が加速化していくであろうという実感を得る一方、残念だったこともあります。地中熱利用促進協会が調査した「全国の地方自治体における地中熱に活用できる補助金・融資制度」において、中国地方の都道府県・地方自治体には、地中熱を活用できる制度がほとんど存在しなかった、という点です。地中熱の普及が進む北海道、東北の自治体に様々なメニューが存在する状況とは大きく異なります。

もちろん、国の補助金は活用できますので、それを使えばいいのですが、先進的に導入が進んでいる自治体では、国の補助金が補助対象外としている部分(例えば、一般的に国補助金は2次側を対象外としている)を自治体がカバーし、さらに導入しやすくする、という対応が図られています。補助金頼みの時代がいつまでも続く訳ではありませんが、普及啓発期においては支援施策にもまだまだ期待したいところです。この点は、地元の事業者である我々が自治体などに対してもっと要望していくことが必要なのだろうと感じたところです。また、一社だけでなく、地域で地中熱を活用していこうと目的を同じに取り組む会社をもっと集めることが必要だとも感じます。

業種業界に捉われず、目的を同じくする企業と一緒に取り組む。そして、新しい領域だからこそ、その先にある明るい未来が展望できなければなりません。地中熱利用促進協会の掲げる地中熱設備容量の中長期目標は、2013年度の推定が85MWt(メガワットサーマル、熱量でのメガワット数)であるのに対し、2020年で400MWt弱(約5倍)、2025年には1000MWt(約12倍)を掲げています。これを実現するためには前述のプレイヤー育成やコスト削減だけでなく、政策的誘導策など多様な手立てが必要になります。しかし、それでもこれだけ伸びる市場として夢を持てるということは、素晴らしいことだと理解していますし、頑張ろうという気持にさせてもらえます。

経済産業省資源エネルギー庁からの施策説明

今回の説明会及び部会を通じて、次年度以降も地中熱に関する動きが大きく広がることは間違いないという期待感を得る一方、当社の現在の体制ではそれに対応してく事が難しいのではないかという不安感があります。平成25年度、当社において地中熱に関する新しい仕事の受注を獲得することはできませんでした。問合せは頂きますが、具体的な事案には至っていません。それは、「地中熱をやる」と言いながら私自身の実践が不十分であったからに他なりません。“いつか、いつかと思うなら今”、と言われるように、今、新たな領域に向けた取組みに向けて、思い切った決断をしなければ、いつするのか。今、一生懸命、必死に動かなかったらいつやるのか。ある意味、心地よい焦燥感を得ることができましたし、次年度に向けた決意を新たにするいい機会となりました。