島根経営品質研究会

島根経営品質研究会 H24ワールド・カフェ・シリーズ~繰り返しの学びから得られた実践~

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島根経営品質研究会では、研究会会員及び会員企業の役職員向けの研修として、「H24ワールド・カフェ・シリーズ」を企画しています。平成23年度下期に初めて企画し、今年度も引き続き実施しています。“ワールドカフェ”と呼ばれる話し合いの手法を採用し、誰もが気軽に参加出来て、気づきと学びを得られる場を提供することを意図したものです。詳細は、こちらのブログを参照下さい。

平成24年度のワールド・カフェ・シリーズは、毎月1回、上期・下期の2シリーズ構成(1シリーズあたり4回開催)とし、学びを深めるためにも、できるだけ固定的なメンバーで参加して頂くようお勧めしています。各回のテーマは、第1回 主体性の心、第2回 親切・誠実な心、第3回 思いやりの心、第4回 前向きな心、としています。今回、第一シリーズ(計4回)が終了しましたので、振り返って、私自身の気づきと今後に向けた対応等をまとめてみました。

ワールドカフェでの話し合いに参加

1.繰り返し参加することで増幅する学びと気づき

ワールド・カフェ・シリーズは、前述のとおり、“ワールドカフェ”と呼ばれる話し合いの手法を採用した学びの場です。テーマを設定し、そのテーマに即した題材のビデオを見て、そこで得られた気づきに基づいて話し合いを行います。昨年度4回開催しましたが、私はいずれもファシリテーターとして司会進行を担当していましたので、自分自身が話し合いに加わる機会はありませんでした。今年度は、研究会メンバーでファシリテーターを交代して実施することとし、私も計4回の話し合いに参加することが出来ました。

ワールド・カフェ・シリーズでは、ブロックス㈱さんが制作する社員教育ビデオDOIT!シリーズ(※)を活用させて頂いていますが、毎回、テーマに即したビデオを試聴することで、一人一人が気づきを得ています。今回、4回連続参加してみて、やはりこういった学びの場は、単発的に参加するのではなく、継続的に参加し、問題意識を持ち、それを高める訓練の場とすることが必要ではないかと感じています。私も、毎回テーマは違えど、共通して気が付くポイントがありました。これは、ある人が、ある時期に抱えている問題意識に対して、様々な角度から気づきを与えてもらえる、という事かもしれません。

私の場合は、それが後述のお客さまアンケートにつながるのですが、単発的な学びの場への参加では、十分な動機を得られず、見過ごしていたかもしれません。そういった効果も期待しながら、私だけでなく、当社社員の後半戦のシリーズへの参加スタイルを検討したいと考えています。
(※ブロックスでは、DOIT!シリーズのビデオを使って有料のセミナーを開催することはお断りされているそうなので、申し添えさせて頂きます。本研究会のセミナーは会員限定で参加費不要です。)

2.異業種であっても共通するもの~あたり前のことを当たり前にする~

研究会に参加している企業は、業種も様々で、このワールド・カフェへの参加者の役職も色々です。自分達の世界とは異なる異業種でどのような取り組みがなされているのか、どんな課題があるのか、それを知り、自社や自らの気づきとすることも、このワールド・カフェのねらいの一つです。ところが、今回計4回の話し合いを通じて気が付いたのは、異業種であっても“会社をよくしていこう”とするときの問題意識、課題は共通するところが多く、それは極めて基本的なことだ、ということです。

通常の業務改善や仕事のやり方を考える時等は、多くの場合、同業他社がどのようにしているか、同業他社として比較してどうなのか、といったことが大きな関心事になるでしょう。それはもちろん大事なことの一つです。しかし、それは本来やらなければならない事がきちんと実践された上での検討が前提でしょう。経営理念や経営方針がしっかり定まった上で、具体的な戦略、戦術を組み立てるのと同じこと。だからこそ、社員も腑に落ちて取り組むことができる。

今回、計4回のテーマは、前述のとおり、主体性の心、親切・誠実な心、思いやりの心、前向きな心、といったテーマを据えましたが、例えば、挨拶、清掃、整理整頓、といった基本的な事項の実践・徹底といった事項は、どのテーマの話し合いでも必ず話題に上がります。いずれも当たり前のことですが、徹底して出来ている会社は必ずしも多く無いと思います。会社・職場も一つの人間社会。やはり人間どおしが社会生活を営む上で基本的なことや、善いこと(挨拶や掃除が悪い事だという人はあまりいないでしょう)、というのはやらなければならない。そういう認識を改めて持ったところです。

3.お客様の声を聴くこととの重要性への気づき~お客さまアンケートの実践~

今回のワールド・カフェ・シリーズに参加し、当社の取組みにおいて欠けているな、と感じたこととして、「お客様の声を聴く」ということがあります。その気づきを踏まえ、現在、当社は(おそらく)はじめて“お客さまアンケート”を実施中です。

改めて考えれば、そもそも、そういったことをしていないこと自体がどうなのかという気もしますが、今からでも遅くはないから実践しようと思い立ち、先日、昨年度お世話になったお客さまに対してアンケートを発送しました。これまでの当社が実施してきたお客様の声の把握方法は、営業担当者や業務・工事の担当者の聞き取りなど、直接お客様と接する者が(たまたま)聞いてくる、というもので、組織だって積極的に情報収集しようという仕組みはありませんでした。この姿勢は変えなければならないと、今回のワールド・カフェを通じて確信しました。

今回のワールド・カフェ・シリーズで試聴したビデオでは、利用者のみなさんからの声を収集し、それを仕事の改善に活かす事例が何回も紹介されました。それはビデオの構成上たまたま入っていた話題だったのかもしれませんが、それを続けざまにに視て、話し合いを重ねることで、必要性を強く感じることができ、実際に行動に移すことにつながりました。繰り返し聞かずとも、いい話であれば直ぐに実践すればいい訳ですが、その時は“やってみよう”と思っても、結果出来ず、先送りすることも良くあります。だからこそ、定期的なタイミングで、繰り返し気づきを得られる機会があるというのは、私をはじめ、中々実践できない者にとってはありがたいことです。これはワールド・カフェでなくても、例えば、同友会などの例会でも良いでしょう。大事なことは定期的に学び続けること。その場を準備し、参加すること。それを気づかせて頂く、いい機会となりました。

返事を頂いたアンケートの一部

当社初のお客さまアンケート。現在、少しずつ返信を頂いています。他社が実施されているアンケートに、一人のユーザーとして答えた経験はもちろんあります。しかし、これが実際に自分の手元に戻ってきて感じるのは、「意見を頂けることのありがたさ」です。当社に少なからず関心を持って頂けているから返事を頂ける。そのことの感謝を改めて感じます。アンケートの結果については、また別の機会にまとめてみたいと思います。

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