温泉めぐり

社長の温泉めぐり13 東日登温泉(おろち湯ったり館) 島根県雲南市木次町

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。

今回13箇所目は、島根県雲南市木次町の東日登温泉「おろち湯ったり館」です。訪問日は、2010年2月18日です。

泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉で、無色透明で無臭無味です。パンフレットによるとph値9.55とアルカリ度がかなり高めですが、私が入った印象では、アルカリ度の高い温泉特有のヌメリ感はあまり感じませんでした。しかし、泉質もさることながら、温泉施設としてみた時、全体として非常に特徴的で、興味深い施設でした。

おろち湯ったり館 入口

おろち湯ったり館 入口

浴室は、「石風呂」と「木風呂」という趣の違う浴場があります。これを週替わりで男湯・女湯を入れ替えているようです。私が訪れた日は、男湯が石風呂でした。中は色々なタイプの小ぶりな風呂が組み合わせてある造りで、ジェットバス(「圧注浴」と呼ぶようです)、寝湯、水風呂、サウナなどが揃っています。

この石風呂は“ヤマタノオロチ”をイメージした風呂だそうで、浴槽はいずれも石をあつらえた造りとなっています。中央の浴槽には石を組み合わせて作られた“オロチ”の頭があり、口からお湯が注がれるという演出もありました。さらに、壁面や床にはピンクと緑のタイルをちりばめられており、悪く言えばミスマッチ、よく言えば印象的な造りとなっています。今度訪れた時は、「木風呂」の方にも入ってみたいと思います。

露天風呂もあるのですが、建物の2階に、その名も「2階露天風呂」があります。残念ながら冬季は使用中止にしているそうで、今回は1階の露天風呂だけの入浴でした。他では中々見られない仕掛けだと思います。

また、ちょっと変わっているのは、露天風呂の浴槽が内湯の浴槽とつながっていることです。もちろん露天風呂用の出入口はあるのですが、それ以外に、内湯と露天風呂が“水面から上だけが開閉する扉”でつながっています。その扉を開けると露天風呂と内湯を行き来できるようになっています。入浴した際、変なところに扉があるなとは思っていましたが、露天風呂に入っていたところ、その扉を通って突然中から人が出てこられたので、びっくりしました。見たことのない仕掛けでした。

洗い場は13箇所ありました。洗い場の間の仕切りはなく、隣がやや近かったです。ボディソープとリンスインシャンプーが備えてあります。洗い場以外には、周りが仕切られ(囲まれ)て、立って使えるシャワーコーナーも2箇所ありました。

脱衣場は、鍵付きロッカーに加え、貴重品用のロッカーもあります。ロッカーの鍵はフロントで受け取る(番号を指定される)仕組みなのですが、当日スーツ姿で訪れた私を見て、フロントの方は、上着などを掛けることができる大型のタイプの鍵を貸してくれました。こういった気遣いはありがたいです。

洗面台は4箇所でいずれもドライヤー付きでした。また、多くの場合、脱衣場内のトイレはおまけ程度についているのですが、ここはトイレ専用の洗面台の左右に2つトイレが備えられており、充実していました。

さらに特徴的なのは、温水プールを備えているところです。

温泉プールの様子(ガラス越し)

温泉プールの様子(ガラス越し)

15mの3コースと幼児プールという構成で、当然ながら水着を着用して入るようになっています。この施設の入浴料は大人500円ですが、プールの使用料金も温泉入浴料とセットになっています。そう考えると、かなり割安な価格設定になっていると思います。

平日の夕刻に訪問したのですが、学校帰りの子供が次々訪れ、プールに入って行きました。風呂は高齢者、プールは子供、という感じです。そのことで、施設全体として賑やかで活気のある印象を受けました。

その他、お食事処や休憩室、売店、会議室なども備わっており、地域の健康増進、交流施設として充実した内容になっています。

フロント・売店等の様子(奥が温泉プール)

フロント・売店等の様子(奥が温泉プール)

ところで、本温泉は、「東日登温泉」が正式名称のようですが、温泉名よりは“おろち湯ったり館”という施設名の方を対外的に打ち出しています。

当日、入浴中にお客さんから声をかけられ、「この温泉は本物の温泉なんですかね?」と尋ねられました。そんなことを尋ねられること自体意外ですが、よく聞くと、この施設の風呂の名前は「オロチの湯」というのですが、この“○○の湯”という表現をみて、温泉ではなく通常の風呂(水を沸かした銭湯)なのではないかと思われたそうです。施設内、いたるところに温泉であることが表示されていると思いますが、そういった認識を持たれる人もいらっしゃるようです。しかも、その方はこれまで何回もこの施設を利用されているそうで、そうなると温泉なのかどうかってそもそもあまり重要ではないのかという気がしてきます。ちょっと考えさせられる話でした。

なお、この施設、入会金12,000円で、1年間大人入浴料500円が200円になります。差額300円ですから、12,000÷300で、年間40回以上入浴するとお得になる仕組みです。

色々と興味深い施設と仕組みで運営される“おろち湯ったり館”、気になる施設の一つとなりました。

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