温泉めぐり

社長の温泉めぐり17 玉造温泉(ゆーゆ) 島根県松江市玉湯町

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。

17箇所目は、松江市玉湯町の玉造温泉の公衆浴場「ゆーゆ」です。訪問日は、2010年4月6日です。

“ゆーゆ”は、島根県を代表する温泉地「玉造温泉」内に立地する施設で、公衆浴場を中心にした多目的複合施設です。平成8年に完成しました。この施設は、島根県出身の建築家“高松伸”氏の設計で、出雲神話をイメージしたとされる独特の形状、コンクリート打ちっぱなしが醸し出す質感が特徴で、周辺の温泉入浴施設とは一線を画します。ちなみに、この施設は玉造温泉の温泉街内にあるのですが、旅館等の建物の並びからやや奥まった位置にあり、温泉街を貫く玉湯川沿いを進んでも中々この施設の全容が目に入ってこないのがやや残念なところです。

ゆーゆの外観(お椀型の部分に浴場がある)

協和地建コンサルタントは、旧玉湯町時代から玉造温泉の泉源開発に深く関与させて頂いています。松江市(旧玉湯町)が開発した1号泉源(平成3年)、温泉水の安定供給を目指して開発された2号泉源(平成16年)、それぞれの調査・掘削を担わせて頂きました。現在も、泉源メンテナンスなどを担当させて頂いています。この松江市所有の2つの温泉源は、ゆーゆに供給するほか、温泉街の旅館にも供給されています。

なお、玉造温泉は奈良時代が開湯ともいわれる歴史ある温泉地で、泉源はこれだけではなく、古くから独自に泉源を持たれている旅館もあります。

泉質は、ナトリウム・カルシウム‐硫酸塩・塩化物泉で、無色透明で入りやすい温泉です。美肌効果も非常に高いとされ、最近では玉造温泉の温泉水を原料とした化粧水も商品化されています。

風呂としての構成は、比較的シンプルです。内湯は、“まがたまの湯”(男湯)と名づけられ、まがたま(勾玉)の型をイメージさせる、コの字形に湾曲した形状となっています。曲線で構成された浴槽は柔らかな印象で、弱アルカリ性の泉質と相まってゆったりとした入浴感を楽しめます。

露天風呂もあり、打たせ湯があります。サウナは内と外の2箇所に設置されています。また、この露天風呂は湾曲した高い壁に覆われており、少し変わった印象を受けます。これは、外観の特徴でもある“お椀型”の形状をしている部分が浴場となっているためです。

洗い場は18箇所あり、ボディソープ、リンスインシャンプーが備わっています。洗い場に仕切りはありません。

洗面台は5箇所でいずれもドライヤーが備えてあります。ロッカーは100個以上が備えており、いずれも上着等をかけることができる縦長のタイプでした。

エントランスの様子(ロビーの土産物屋)

この施設は、大浴場だけでなく、レストラン、コンベンションホール・会議室、土産物屋なども備わっており、多目的な利用が可能な複合施設となっています。特にコンベンションホールは300名収容可能な大規模なもので、安来節・どじょうすくいショーが毎日上演されているようです。

お風呂の利用料金は大人600円と少し高めの設定です。しかし、松江市内居住者は300円で入浴できます。このため、私は市内居住者料金で利用しましたが、松江市内の居住者かどうかの確認はありませんでした。

玉造温泉街(この時期は桜も見もの)

玉造温泉街を改め歩いてみたのは久しぶりでした。

現在、温泉街には足湯が3箇所整備されています。河川敷に設置されているものが2箇所、さらに、温泉街の一角にある“姫神広場”にも1箇所あります。この日は、市内の福祉施設から団体で足湯を楽しみに来られている一団を見かけました。

河川敷内の足湯

これらをはじめ、温泉街を流れる玉湯川の整備と相まって温泉街をそぞろ歩き、ゆっくりしながら楽しめる仕掛けが整っています。今回訪れたのは平日の午後でしたが、春休み中ということもあってか、多くのお客さんを目にしました。

島根県、そして山陰を代表する温泉地である玉造温泉。益々の発展を期待しています。

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