島根県中小企業家同友会

島根県中小企業家同友会 新入会員オリエンテーションを経営革新のきっかけとする

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少し前になりますが、2010年11月9日に島根県中小企業家同友会の「新入会員オリエンテーション」という研修会がありました。私も新入会員として参加してきました。

新入会員オリエンテーションは、その名のとおり、同友会に新しく入会した会員に対して組織、ルール、進め方などについて説明する場です。しかし、単なる説明会ではなく、新入会員が自らの会社について説明し、その内容に対して先輩会員から意見をもらうというやりとりがあります。具体的には、会社及び経営者の簡単な自己紹介に加え、経営理念、自社を取り巻く環境、自社の強み、経営課題、課題解決のため力を入れていること、どのような会社にしたいか、等といったことを1枚にまとめて発表します。

私も実際にやってみたのですが、これが非常によい経験になったので、そのことを記しておきます。

最初にオリエンテーションビデオを視聴

1.自らの会社の状況を認識する機会となる~自分のことは意外と分からない~

まず、自社の状況を整理して確認する良い機会になるということです。

実際のところ、“自社の強み”、“経営課題”、“課題解決のため力を入れていること”と聞かれても、すぐには答えられないこともあります。また、答えたとしても、それが本質を突いているかどうかは別の話です。人間、自分のことは意外と分からないものですが、実は会社も同じだと思います。自分の会社のことはよく分からないもので、自分では強みとは思わないことも、外から見れば強みに映る。それらを整理しようとすることで、今まで漠然と認識していたものが明確になってきます。

当社では、昨年度から金融機関等への説明に用いることをきっかけに、経営健全化への取り組み方針や、中期収支計画などを取りまとめてきており、今回、その内容をベースに自分の会社のことを改めて整理することができました。自分のことを知るということは、次どうするのかを考えるための基本であり、大変良い機会となりました。

2.異業種からの視点で助言を得られる~思いがけぬ気づきを得られる~

異業種からの視点で得られる助言は、非常に貴重なものです。

我々のように公共事業を中心に仕事をしている企業は、その市場の特殊性から“お客さま”に対する認識が一般企業と異なっています。本来、“市場”とは企業が自ら創り出していくものですが、公共事業の場合、市場はお客様である行政が“税金”によって予算という形準備してもらえます。誤解を恐れず言えば、「市場を広げる≒予算確保を要望する」ということ(全部が全部そうではありませんが)であり、他力本願的な感覚が強く、“お客様を開拓する”といった観点が弱くなりがちだと考えています。

そんな我々に対し、いわゆる普通の民間企業の感覚で述べられる率直な感想・意見は、ハッとさせられることが多々あります。たとえ業種は違っても、現在の当社が置かれている状況を理解し、今後に向けてどのような視点が必要か、助言をして頂くことが出来ました。

複数の方から指摘を受けたのは“お客様の掘り下げ”という観点。当社の技術やノウハウを役立てて頂けるお客様の掘り下げ、また、現状のお客様の困りごとの解決・お役立ち、といった視点で新しい仕事ができないか考えていくことが重要だということです。当たり前のことなのですが、改めて気づかせてもらうことができました。

3.会員に当社の状況を理解してもらえる~協力・連携のきっかけとなる~

そして最後は、会社どうしの協力・連携のきっかけになるということです。

会社の内容や課題、今後どうしようと考えているのかを理解してもらえれば、そこから、「こういう人・会社を知っている」「こういうやり方・制度がある」といった実現化に向けた手段、手法を助言してもらうことができます。

新入会員オリエンテーションで私の話を聞いて下さった方は限られた方ですが、それでも、当社の強みである温泉開発のノウハウを活かした新しい事業展開について、さっそく相談に乗ってもらったり、さらに詳しい方を紹介して頂いたり、そのスピード感はすばらしいものがあります。そのスピード感にまだ私の方がついていけてない状況ではありますが、色々な人とつながりを持ち続けることで、新しい情報が常に入り、ビジネスのチャンスを広げていくのだろうという感覚を持つことが出来ました。

オリエンテーションはわずかな時間ではありましたが、これをファーストステップに、以前成果発表会に参加した「経営指針成文化セミナー」でさらに突っ込んだまとめを行い、その内容をまた他の会員の方に見て頂くことで、自らの会社の方向性をもっと明確にし、さらには具体的な行動に移していけるのではないかと感じました。そういった“具体的な行動につながっていく活動”が会の中核になっている点が、この同友会という組織の優れたところだと感じています。

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