温泉めぐり

社長の温泉めぐり73 天然温泉シャインホテルくす 大分県玖珠町

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

73箇所目は、大分県玖珠町の「天然温泉 シャインホテルくす」です。訪問日は、2015年4月14日です。

シャインホテルくす 全景

天然温泉 シャインホテルくすは、大分県の中西部にある玖珠町にあるビジネスホテルです。玖珠町は大分市から60kmほどの距離、また、湯布院のある由布市にも隣接しています。今回、縁あって隣町である九重町を訪れる機会があり、前泊で宿泊することになりました。ところで、大分県は全国1位の温泉県です。大分県のホームページによると、平成26年3月末における源泉総数は4,411個、湧出量は285,553㍑/分でともに全国第1位となっています。その大分県だけあり、こじんまりとしたビジネスホテルでも温泉付きです。温泉県の面目躍如というところですが、想像以上にいい宿、かつ良い温泉でしたので紹介します。

シャインホテルくすの泉質は、単純温泉です。地下600mから揚湯される源泉は45℃。温浴利用にちょうどいい湯温であり、これを加水・加温なし、かけ流しで利用されています。入浴すると、お湯の新鮮さが感じられます。当然ながら塩素臭などは一切なく、とても気持ちよく入浴できます。単純温泉というと成分的には薄い温泉ということになりましが、その一方で、湯あたりなどの心配もなく、繰り返し利用できるのが魅力です。成分分析書によると、phは7.6と中性ですが、肌で感じるさっぱり感はお湯の鮮度と相まって、とても好印象でした。

こちらのお風呂は「屋上露天風呂」と名付けられています。確認はしていませんが、後から屋上に風呂を取り付けたように見受けられます。“露天風呂”といいながら、露天風呂に屋根をかけ、囲いを付けたような造りで、半露天、半内湯というイメージです。外の空気も取り入れながら入浴できるようになっており、夏場は自然の風を感じながら、冬場はしっかりと保温しながら入浴できるよう工夫されています。目を引くのは、浴槽脇に据えてある河童の像で、壁には「カッパの証文」紹介がありました。最初は唐突な印象がありましたが、後で聞くと玖珠町は「童話の里」としてまちづくりを進められているそうで、それに沿ったものだったようです。

浴室内の様子

風呂は浴槽が一つあるだけのシンプルな構成です。この浴槽内は高低差があるのですが、低い方がかなり浅く、最初は違和感がありました。座って入浴すると完全に半身浴になります。しかし、どうやら浴槽脇を囲っている木枕を使って寝湯として利用することを想定しているようで、これは心地よく利用できます。深い方はしっかり浸かることができますが、この部分に入れるのは2人まで、3人は厳しそうでした。混んでいるときはお互いに譲り合いが必要です。また、浴室内は、すのこを敷いたような形になっており、足元が滑らず、また木の風合いが足にやさしく、とても好印象でした。

洗い場は2箇所のみ。シャンプー、リンス、ボディソープが備えつけてありました。宿泊施設なので、ロッカーは籠のみ。洗面台は無く、水道が1箇所備えてあるだけでしたが、これはビジネスホテルとして必要最低限で十分なところでしょう。タオルがたくさん準備してあり、部屋から持参しなくても、何回でも利用できるのはうれしいところです。私が宿泊した日はほぼ満室だったようですが、他の利用者の方とはほとんど顔を合わせることなく、ゆっくりと利用することができました。

後にインターネットで確認したところ、日帰り入浴も400円で利用できるようです。宿泊者は、チェックインから朝まで利用できるのも魅力です。屋上の半露天風呂ですので、夜と朝とでは違った趣を感じられますので、両方の入浴がおすすめです。なお、朝宿泊者のチェックアウト後に清掃時間があるようです。宿泊料金は、大人素泊まりで5800円という設定(朝食付きもあります)。ホテル内の設備はビジネスホテルとして十分ですし、この温泉が利用できて、この料金設定はとてもお得感があります。また、ホテル裏の駐車場の一角には、足湯も設置されています。利用は午後からとなっているようで、朝出がけに中を見た時にはお湯は張ってありませんでした。

ホテル裏にある足湯

大分県は地熱開発のメッカです。今回は、玖珠町に隣接する九重町の地熱開発に関する仕事でした。九重町は、“地熱銀座”と呼ばれているそうで、私が訪れた際も、幹線道路沿いから地熱発電用の井戸を掘削するやぐらが各所で見られました。いずれも地下深部の地熱貯留槽にある地熱流体(マグマ由来の熱による高温高圧の蒸気と熱水)を求めています。場所により500m程度から2000m以上にも及ぶ掘削が行われており、開発後の地熱井から蒸気が噴気している様子もたまに見ることができます。私が日頃暮す山陰ではとても見ることのできない光景で、これだけの開発が進んでいる様子を目の当たりにすると、地質にたずさわる会社として、なにがしかの形で関与していきたいという気持ちになってきます。機会があれば、この地域での仕事にかかわらせて頂き、それに合わせてこの地域の温泉も色々と巡ってみたいものだと感じるところです。

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