私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。
7か所目は、島根県松江市宍道町の「きまち湯治村 大森の湯」です。訪問日は、2009年12月13日です。
この温泉は、「きまち湯治村」と呼ばれる、温泉施設(大森の湯)、レストラン(いろり茶屋)、温水プール施設(宍道町B&G海洋センター)が一体となった、地域住民向けの福利厚生施設の一部です。そのため、入浴料も300円と低額に設定されています。
泉質は、低張性アルカリ性低温泉で、成分的には特徴的なものはありません。しかし、アルカリ度はある程度高いようで、いわゆる美肌効果は得られます。なお、この温泉は加温、循環式です。
風呂は、石風呂と檜風呂があって、男湯と女湯が入れ替わるようです。訪問した日は、檜風呂が男湯でした。
浴槽は小ぶりです。檜は浴槽の外側と一段下がった腰かけ部分のみで、床は石材のようですが、数センチから数十センチの玉石が敷き詰められています。露天風呂ではこのようなスタイルを見たことがありますが、内湯では初めてみました。一風変わった雰囲気、入浴憾を得られる特徴的な仕掛けです。
露天風呂もあり、岩風呂ですが、これも小さめです。しかし、腰かけにする石の組み合わせが上手く出来ていて、浅目、深めと色々なつかり方ができるようになっていました。また一人用ですが、ゆっくり横になって湯に浸れるスペースがありました。
サウナも備えてあります。低温サウナだそうで、私はサウナを使わないのでよくわかりませんが、この規模でサウナ付は珍しいので、好きな方にはよいと思います。
洗い場は、浴槽を囲むように8か所あります。ボディソープとリンスインシャンプーがあります。
浴室の空間的な造りですが、風呂の部分を特に天井を高くとり、木の梁をたくさん見せるように作られています。開放感に加えて木の柔らかさを感じることができ、浴室内の雰囲気を非常によいものにしています。
脱衣場はかぎ付きロッカーが限られた数しかないのが欠点です。貴重品は浴室外の貴重品ロッカーを使用します。中も外も、100円を入れて後から帰ってくるタイプです。
洗面台は4か所、いずれもドライヤー付きでした。
この施設は、“湯治村”と名前を付けているように、温泉を利用した後もゆっくり館内で過ごせるように作られています。館内は、濃い茶系の色合いで統一されており、木の素材感を活かした造りで、いわゆる古民家風の雰囲気をもたせようとしています。休憩室は、広い畳部屋に加えてテーブル席のスペースもあり、多様なくつろぎ方ができます。一角にはマッサージコーナーもありました。
また、個室の休憩室がある点も特徴的です。有料で使用することができ、隣接する“いろり茶屋”から食事をとることができます。
レストランは古民家風のつくりで囲炉裏をイメージしたテーブルがおかれ、雰囲気を出しています。外からも直接入れますし、大森の湯の側からも直接入ることができます。地元の食材をふんだんに使った料理が売りもののようです。ちょうど昼時でしたので私も利用してみましたが、日曜日ということもあってか、結構にぎわっていました。
大森の湯は、温泉施設は小ぶりですが、浴室の雰囲気が非常に良いのが気に入りました。
また、豊富な休憩スペースなどとも相まって、休日に家族連れなどで過ごすのに適した施設だと思います。