2012年12月13日、島根大学総合理工学部地球資源環境学科において、平成26年度の就職に向け、大学3年生を主対象として当社のPRをさせて頂く機会を得ました。今回説明させて頂いた地球資源環境科学科は、いわゆる「地質学科」で、当社の技術の中核をなす分野でもあります。今回の説明会、わずかな時間ではありましたが、参加して頂いた学生さんはおよそ20名。私の説明を熱心に聞いて頂き、説明する側としても大変勉強になる機会となりました。
当社は、もうかなり長い間、大学の新卒採用をしたことがありません。採用への取り組みも今年度からです。そんな中、この度の大変貴重な機会を得ました。今回の説明会及びその準備をする中で感じたことをまとめてみます。
1.久々の新卒採用に向けて動き出すきっかけは経営指針~求める人財像を描く~
今回新卒採用を考えているのは、いわゆる“地質技術者”です。当社の業務領域は、温泉・水源開発、地質調査、地中熱活用、地すべり対策、といったところですが、この仕事にはいずれも“地質”に関する知見と技術が密接に係わってきます。品質の高い成果を提供するためには、地質を学び、現地の地質をみて様々な判断ができる技術者が欠かせません。
ですので、当社の将来を担う若き技術者を採用し、育成すること。それこそが、当社の事業を伸ばし、当社の未来を切り開く道だと確信しています。そのように考えるようになったのは、やはり経営指針を策定(こちらも参照)してからです。経営指針があるから、そこで目指している姿を実現する道筋を考える。そのためには、若い職員を雇用し、育成し、将来の当社を担う人財に育てていくことが必須となります。もちろん、やみくもに採用すればいいという訳ではありませんが、経営指針策定を通じて、会社の将来像、目指す方向性が明らかになったからこそ、新しい力が必要だという気持が湧いて来たのは確かです。
また、求める人財像を考える時も、経営指針がベースになります。会社の理念、考え方に共感してもらえるかどうか、目指すべき方向性に興味が持てるか、そういった観点がまず大事になってきます。会社とすれば能力の高い人材が欲しいのは言うまでもありませんが、その根底にある考え方が会社の方針と合っていなければ、いかに高い能力をもった人であっても、いい成果が出せるとは限りません。その意味でも、昨年度経営指針を策定したのは、今回の新卒採用に向けたとてもいいタイミングだったと考えています。
2.未来が展望できることの重要性~“今”どうなのかではなく、“今後”どうなるのか~
今回、学生さん向けのプレゼン資料をつくりながら改めて感じたことがあります。それは、「この会社は、“今後”どうなるのか?」こそ大事だということです。会社の将来像を指し示すということ。それを実現するのだという経営者の強い意志を示すということ。今が良いから、ということではなく(いいに越したことはないでしょうが)、“今後に”期待が持てるかどうか。それこそ大事なのではないかと感じています。
対象者は大学又は大学院卒業見込み者です。就職後、定年まで当社で勤め上げるかどうは別としても、これから40年以上の会社生活・社会人生活が待っています。40年先までは見通せないにしても、その会社は、今後可能性があるのか、これから期待ができるのか、ということは非常に重要です。ブランド力や安定性では大企業や公務員に叶うはずもない中小企業が、何をもって学生の就職の選択肢の中に入って行くのか。それはやはり、企業理念であり、目指すべき方向性であり、もっと言えば経営者の魅力ではないでしょうか。それをまとめてあるのが「経営指針」。それがあるからこそ、自信を持って話ができる、そう実感しています。
3.興味を持って聴いてもらうための情報発信~映像の持つ力の再認識~
今回、説明の冒頭で映像を使って会社の紹介をさせて頂きました。これは、地元のケーブルテレビ局であるマーブル(山陰ケーブルビジョン)の番組で取り上げて頂いたもので、“元気で頑張っている企業や商店の取り組みを、経営理念や将来展望等のインタビューを交え紹介します。”という趣旨の番組です。大変うまく番組を構成して頂いており、当社の仕事ぶりや、経営理念、将来展望といったことを、15分で簡潔に紹介してい頂いています。
説明会に参加して頂いた学生のみなさんも、これについては興味を持って見て頂けたようで、映像で紹介することの効果、映像の持つ力、といったものを改めて感じたところです。この映像を見てもらった後で、会社の概要、経営理念・方向性、求める人財像といったことを説明したことで、分かりやすく当社の事業や考え方を説明できたように感じます。こういった番組で取り上げて頂けたことに改めて感謝したいと思います。
それ以外にも、現在では、ホームページ、ブログ、FACEBOOKを連携して情報発信するようにしています。一旦興味を持って頂ければ、そういったツールを使って会社の様子を垣間見て頂くことも可能です。もちろん、そうなれば情報発信する側も手抜きができません。これまでは、当社の考えで一方的に情報発信してきましたが、今後は、就職を目指す方々にとっても有益な情報を発信できるよう、心がけて行きたいと考えています。
前述のとおり、当社は、もうかなり長い間、大学の新卒採用をしたことがありません。求人や採用のノウハウもほとんど無い状況で採用にチャレンジしています。それでも、会社の理念や目指すべき方向さえしっかりしていれば、少なくとも会社サイドからの発信については、ある程度、自信を持って話ができるという感触があります。地方の中小企業ですので、各種条件面では大企業や公務員に見劣りするのは(少なくとも現時点では)避けられません。しかし、その仕事に将来性があるかどうか、就職する本人の活躍の場があると感じさせるかどうか、については規模の大小は関係ないと感じます。我々が強くアピールすべきは、“将来どうなるのか、どうしたいのか”であり、それを明確に示しながら、引き続き、会社の未来を一緒に切り開いていってくれる人財を求めていきたいと考えています。