新規事業・経営改善

経営改善に向けて SNS風社内日報システム導入その後~新しい社風を生みだすツールへの深化~

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協和地建コンサルタントでは、SNS風の社内専用日報システムnanotyBP(ナノティビーピー)を導入しています。2012年1月のブログでその導入に向けた経過を紹介しました。その後、2012年4月から本格的な運用を開始し、1年が経過しました。現在、様々なシステム上の改良や運用方法の見直しを交えながら、当社の独自性あるツール、新しい社風を生みだすツールへと深化しようとしています。そのことを少しご紹介します。

現在のメイン画面

1.勤務表入力と連動させて「使わざるを得ない仕組み」として導入

当社の日報は、勤務表(当社では稼働表とも呼びます)と連動して運用しています。地質調査業、建設業(さく井工事)などの業態を有する当社では、受託した調査業務や、請負ったさく井工事などの原価計算をおこなうために、誰が何時間その案件に係わったかを記録する必要があります。建設会社やコンサルタント会社では似たような形で勤務管理が行われていると思います。

当社が導入を検討した時のnanotyBPは、現在使用しているのと同様の形態で、日報に特化して記録していく仕組みが構築されていましたが、この勤務管理とセットで運用するという仕組みは十分なものではありませんでした。現在は、当社からの要望を踏まえて集計機能まで含めて改善して頂き、日報への入力に合わせて案件ごとの稼働時間を入力することで、毎月の勤務管理が行えるようになっています。

稼働時間の集計機能の充実は、導入に向けて私がこだわったところです。それは、「日報を付けざるを得ない仕組み」とセットで導入したかったからです。そもそも、全社員に日報入力を義務付けるようにしようと考えたのは、一人ひとりが毎日の仕事内容を「業務日報」として記録し、上司・経営者が確認し、改善やフォローアップに役立てる仕組みが当社に必要だと考えたからです。しかし、これまで営業担当者を除いては日報を書くという習慣の無かった会社に新しい作業が加わる訳ですから、最初は面倒に感じる面もあると思います。そこで、従来から実施していた案件ごとの稼働時間の記録と組みあわせることで、日報を入力せざるを得ない仕組みを作り、それに慣れながら徐々に“日報を書く”という習慣づけを進めていこうと考えました。

この目論見は概ね成功し、現在では全員が当たり前のように日報を記載していますし、日報の中での情報共有やコミュニケーションなど、当社の企業風土を構成するツールの一部になりつつあると感じています。

2.新入社員が会社にすんなり溶け込むための支援ツール

当社は、平成24年度に2名の新入社員を迎え、この平成25年度からも1名の新入社員を迎えています。それでも合計で20名ほどの社員規模ですから、じきに顔と名前は一致するようになる訳ですが、それでも、入社してすぐに全員とよく話をするようになる訳ではありません。

そんな時、この日報システムは、社内にどんな人が居て、どんな仕事をしているのかを概観することが出来ます。開発された㈱サンロフトでも“SNS風”と銘打たれているように、フェイスブックをはじめとしたSNSツールのようなやわらかい雰囲気を持ったインターフェイスや画面構成となっています。登録されている社員の顔写真付で日報やコメントなどが表示され、親近感がわく工夫もなされています。一方、受け入れる社員の側も、新入社員がどんな子なのか、気になります。そのお互いの緊張感を和らげ、近づけてくれる。そんな役目も果たしてくれていると感じています。

誤解のないように申し添えておくと、このシステムが社内コミュニケーションの中心になっている訳ではありません。コミュニケーションの基本はあくまでもフェイス・トゥ・フェイス。日頃の仕事を通じて、或いは、懇親の場を通じて、お互いを理解し、認め合っていくことが基本です。しかし、その様々な場面でのコミュニケーションを補完する、きっかけを作ってくれるのが、このシステムだと位置づけています。

3.一日を“総括する”ことの習慣化が「考える力」を伸ばす

このシステムの入力項目は至ってシンプルで、大きく2項目に分かれます。勤務時間にあわせて従事した仕事の内容や成果等を記載する項目、そして、その日の総括として全体の気づきや感想などを入力する項目です。導入してみて分かったのですが、実は、この「総括欄」にコメントを書くことが、中々ハードルが高いのです。今日、自分が何をしたのかについては簡単にでも書くことはできます。当社の業務であれば、ボーリング掘進○m、××地区現地踏査、△△報告書作成、など“やったことを書く”のは比較的簡単です。

しかし、その日一日のまとめとして総括をする、というのは中々できない。どんな気づきがあったのか、どんな課題があったのか、なにを皆と共有すればいいのか、といったことを整理して書こうと思うと“考える”ことが必要です。それは、慣れていないと中々できない訳です。最初はみんな中々書けませんでした。このシステム、実は上手く出来ていて、この総括欄に何か書かないと、その日の日報の登録が出来なくなっています。これは最初からそのような仕様で、上手い仕組みだなと感心します。なので、皆なにかを書く訳ですが、最初は「○月○日日報」と書くだけの人が多数でした。

そこで、導入後半年ぐらいを経た時に、この総括欄の持つ意味、一日のまとめを整理してそれを共有することの意味を全体の会議で説明し、とにかく何か一言入力をしてもらうよう促しました。そうすると、次の日から、長めのコメントを入れてくれる社員が増えだし、今では多くの社員が一日の総括を綴ってくれています。一日のトピックス的な出来事であったり、いい出来事の報告、協力・支援に対するお礼であったり、様々な情報が溢れるようになりました。そしてそれは、パソコンの画面上だけでのやりとりでなく、それをきっかけにして仕事の情報の共有が進んだり、お互いのコミュニケーションを活発化させたりしています。

社員一人一人の日報確認画面

今回、このブログをまとめるにあたり、システムを導入して何が一番よかったのか、を考えつつ整理していきました。その結果、その答えは、最後に示した「“一日を総括する”ことの訓練・習慣化」、ではないかという結論に落ちつきました。現時点での私の“総括”としては、そういうまとめにします。このシステムを導入したことで、さまざまな変化が起こりました。もちろん、システムを入れることだけがすべてではなく、それを活用して会社をよくしていこう、と社員が共通認識を持ってくれていることが上手く活用できつつあることの根底にあると考えています。社員の理解と協力に感謝し、さらに今後使い続けていく中で、さらなる気づき、改善点を見出し、また一年後に「総括」してみたいと考えています。

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