温泉めぐり

社長の温泉めぐり28 出雲駅前温泉 ランプの湯 島根県出雲市

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

28箇所目は、島根県出雲市の「出雲駅前温泉 ランプの湯」です。訪問日は、2010年12月19日です。

ランプの湯は、島根県内ではめずらしい民間経営の温泉入浴施設です。出雲駅のすぐ隣に立地するという立地条件の良さと、また、地下1800mから湧出する濃度の高い泉質を有しています。大規模な駐車場が備わっている点も特長です。民間施設ということもありますが、入浴料は平日で大人600円、休日は700円とそこそこの値段です。

ランプの湯 施設外観

泉質は、含鉄-カルシウム・ナトリウム-塩化物泉です。口に含むと結構な塩味がします。

「鉄泉」である点が特徴で、その名のとおり鉄分をかなり含んでいます。お湯は茶色く濁っており、湯上りには鉄のにおいがします。鉄泉特有の適応症には月経障害があり、女性の方におすすめの泉質と言えます。また、体が温まりやすい塩化物泉ということもあり、冬場の入浴にも好適でした。なお、源泉は27℃ほどなので加温されています。加温した上で、すべてかけ流しで利用するという、中々贅沢な使い方をされています。

風呂の中は、黒を中心とした落ちついた色遣いで、天井が高く黒く塗られた梁が解放感と落ち着きを演出します。

また“ランプの湯”というだけあって、中の照明はいずれもランプ風の暖色系の照明となっており、(訪れたのは昼間でしたので)夜は特に良い雰囲気がでるのではないかという印象です。浴槽は長方形のシンプルな造りで、中に腰かけ用の段が付いていますが、湯が濁っているので中が見えず、ちょっと注意が必要です。浴槽の床には玉石が敷きつめてあり、足裏に適度な刺激を得ることができます。松江市宍道町の大森の湯にも同じような仕掛けがあります。また、浴槽の周りには滑り止め用に筋を入れた木の板が敷いてあり、歩いた感触も柔らかく心地がよかったです。

気になったのはお湯の温度が少し高めに設定してあること。成分分析表によれば使用位置で42℃となっています。体感的にはもう少し高いかも。冬場は少し高めにしてあるのかもしれませんが、小さい子供はちょっとどうかなという気もしました。また、利用はしませんでしたが、内湯にはサウナも備わってありました。

洗い場は湯船の周りに8か所、うち5箇所は仕切りあり、3箇所は無いタイプでした。シャンプー、リンス、ボディソープが備えてありましたが、「炭シャンプー」のシリーズと、「柚子シャンプー」のシリーズが、洗い場に交互に配置してありました。それなりの入浴料をとるだけのことはあります。

脱衣場は、貴重品用鍵付きロッカーが約30、脱衣用の籠が約30となっています。洗面台は4箇所。すべてにドライヤーが備え付けてあります。また、水飲み用のタンクが備えてあり水分補給ができるようになっています。入浴前後に水分を取ることはとてもいいことなので、よいサービスだと思います。

露天風呂もあるのですが、これが一風変わっています。一人用の木で作られた一人用の風呂桶が3つほど並んでいます。つまり、露天風呂には一度に3人しか入れません。また、露天風呂に面しては街中の施設にもかかわらず竹林があり、竹林を眺めながら一人ゆっくり湯船に浸かるという、なかなか他の施設では味わえない演出がしてあります。ちなみにこの竹林は施設整備にあたって新たに植え付けたものだそうで、隣の敷地から竹が生えるんじゃないかといらぬ心配をしてしまいますが、敷地境界(の地中)にコンクリートを打つなどして根が広がらないようにしているそうです。

フロント周辺の様子

民間温浴施設だけに、隣接して飲食店が併設、さらに、エステやりリラクゼーションなどにも力を入れているようです。単に温泉の入浴料だけでこういった事業を成立させるのは中々大変だと思いますので、温泉+αの付加価値が求められるのでしょう。また、入口脇には大きな足湯が備え付けてあり、どうやら入浴料無しで利用できるようです。これもかけ流しだとすれば、中々贅沢です。

入口脇に設置されている足湯

出雲駅前という立地条件で、出張で出雲に来られた方の利用も期待できるのでしょう。こぢんまりとした施設ながら、落ちついた雰囲気で入れ、なおかつ成分的にもかなり特徴のある温泉で、一度利用してみる価値はあると思います。

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