温泉めぐり

社長の温泉めぐり40 錦水館温泉(錦水館) 広島県廿日市市宮島町

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

今回で40箇所目となりました。訪れたのは、広島県廿日市市宮島町の「錦水館温泉」です。訪問日は、2012年1月8日です。錦水館温泉は、日本三景、そして世界文化遺産厳島神社のある“宮島”にある旅館、錦水館の温泉です。この宿は、宮島の海岸沿いの立地で、部屋からの眺望も大変素晴らしいであろう(泊まったことは無いので)、趣ある立派な施設です。そして、宮島で唯一の源泉掛け流しの温泉旅館でもあります。宮島と言えば、広島そして、中国地方を代表する観光地ですが、“温泉”というイメージはほとんどありません。しかし、宮島にも温泉があります。いずれも温泉旅館というスタイルで、この錦水館温泉のほかにも、神の湯温泉(弁天の宿いつくしま)、若宮温泉(岩惣)があります。各旅館のホームページで確認する限り、日帰り入浴が出来ることを明示しているのは、この錦水館温泉のみでしたので、宮島を訪れた機会を利用し、入浴してみました。

錦水館 外観

泉質は、含弱放射線-ナトリウム-塩化物冷鉱泉です。塩化物泉ですので、入浴によって皮膚に塩分が付着することで汗の蒸発を防ぎ、保温効果が高く、湯冷めしにくいのが特徴です。そして、濃度はさほど濃くないので、入りやすく湯あたりもしにくく安心して入れる温泉と言えます。口に含むとほどよい塩味がします。また、源泉温度が17.8℃の冷泉であるため加温されていますが、毎分320リットルという豊富な湧出量を活かし、完全なかけ流し方式を採用されている点が特徴です。お湯は少し濁っているようでした。

この宿のお風呂は地下1階につくられており、残念ながら風呂場からの眺望は期待できませんし、露天風呂などもありません。しかし、内部は壁面と天井を木材の明るい色目とする一方、床を黒色の石張りとして質感を高め、さらに地上からの明かり採りを兼ねた大きな窓が印象的な空間を造っています。また、浴槽の縁に用いられている檜は、“古代檜”と呼ばれる檜で、宮島の山中で倒木し、長年にわたって眠り続けてきた貴重な材料を使用しているそうです。そういった古代のロマンに想いを馳せながら入浴するというのも一つの楽しみのようです。

浴室の様子(誰もいなかったので撮影)

洗い場は8箇所あり、仕切りなどは無いですが、壁一面に広がる鏡は、コンパクトな浴室を広々と見せ、かつ高級感も醸し出しています。また、ボディソープ、シャンプー、コンディショナーといったアメニティ類は、様々な種類・タイプのものが並べられており、どれを使おうか迷いそうなぐらいあります。脱衣場も比較的広く確保されており、ロッカーは鍵付きのものと、籠のみのものと二通りあります。鍵付きロッカーの大きさはやや小さめですが、旅館のお風呂であることを考えれば妥当なところです。洗面は4箇所。こちらも豊富なアメニティ類、壁一面の大型の鏡など、高級感があります。また、ミネラルウォーターがセットされており、入浴前後の水分補給が出来る点もさすがだと思います。

洗い場の様子(誰もいなかったので撮影)

この温泉を日帰り入浴する場合の利用料は、大人(中学生以上)1260円という設定。バスタオルセット付、前述の充実したアメニティなどの要素はありますが、かなりのお値段です。日帰り入浴で利用してみようと思われる方は、必ずしも多くないでしょう。宿泊での宮島観光をお考えの方で、温泉にも入りたいと思われる方向け、というところでしょうか。

私が訪れたのは3連休の中日の昼時で、同じ旅館内のお食事処で昼食を頂いたあとで温泉を利用しました。レストランはさすがに賑わっていましたが、温泉は以外にも貸し切り状態(私が上がるタイミングで数人入って来られましたが)で、ゆっくりさせてもらうことができました。基本的に宿泊者向けのお風呂でしょうから、ちょうど昼時は利用者が少ないのでしょう。風呂の利用開始時間も11:30~ということなので、日帰り入浴で利用してみようと思われる方は、昼時が狙い目ではないでしょうか。

私自身、宮島に“温泉”というイメージはあまりありませんでしたが、大変心地よく過ごせる温泉でした。せっかく観光で宮島を訪れる方々に、宮島の魅力の一つとして、この温泉も楽しんで帰って頂きたいなと思います。

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