島根県中小企業家同友会

島根県中小企業家同友会 第13回定時総会 「ヒューマンシフト」で人が幸せに働ける地域を創る!

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2014年5月15日、島根県中小企業家同友会第13回定時総会が開催されました。現在、島根同友会は会員数も順調に増加し、今期期首で215名(昨年度期首199名)に達しています。島根県内の中小企業経営者が抱える様々な課題に対応できる組織、時代が求めている組織としての位置づけが明らかになりつつあると考えています。今年の総会では、かねてより会内で検討を進めていた「島根県中小企業家同友会第一中期ビジョン(案)」が提案され、承認されました。このビジョンの策定にあたっては、私も検討委員会のメンバーとして検討に携わりましたので、その目指すところ、意図するところについて、考えていることをまとめてみます。

島根同友会第13回定時総会の様子

1.「ヒューマンシフト」で実現する島根同友会らしい将来像

今回の中期ビジョンでは、ビジョンが目指す理想像を端的に表現するものとして、「ヒューマンシフト~人を活かす経営を学び、人が幸せに働ける地域を創る」という理念を掲げました。“ヒューマンシフト”、和製英語ですが、意図するところは伝わるのではないかと思います。これを、「島根同友会理念」と位置づけました。

同友会には、同友会の歴史の中で培われた「同友会理念」があります。同友会理念は「同友会の三つの目的(よい会社をつくろう、よい経営者になろう、よい経営環境をつくろう)」、「自主・民主・連帯の精神」、「国民や地域と共に歩む中小企業」の三つです。これは、島根同友会だけでなく、各地の同友会が追求し続ける永遠の目標とでも言うべきものです。これに続くものとして、島根の地域性や抱える課題などを包含した“島根らしい同友会理念の実現像”が必要なのではないかと考え、設定したものです。

この理念の根底にあるのは同友会が掲げる“人を活かす経営”です。社員をパートナーと位置づけ、社員とともに経営の維持発展を目指そうとするもの。その経営の結果として、人が幸せに働ける地域が創られる。それを実現するためには、我々経営者が人を活かす経営を学び、各社が一つ一つそれを実践していくことが必要です。それを、島根において実現したい、という志がこの理念に表現されています。

ビジョンが実現したとき、島根同友会はどのような存在になっているのか、についてもまとめています。それは、次のように表現しました。「“人”に軸足を置く組織として、また、島根県の経済、雇用、地域社会を支える存在として、広く県民及び県内企業家に認知され、行政・教育機関・地域コミュニティからも頼り・頼られる関係にあり、島根に良い影響を与え続ける組織として評価されている。」というものです。

島根同友会の活動が、そして島根同友会に所属する各企業が、島根を活性化し、島根に良い影響を与えている。それが実現できれば、素晴らしい地域ができるのではないかと考えています。そして、このような島根同友会の理念を明確化することにより、考え方に共感する地域の経営者をさらに結集させ、島根県という地域とともに歩む中小企業の力により、我々のふるさとを持続的に活性化させていく。その第一歩にしたいと考えています。

2.数値目標が目指すもの~70万人ショックへの処方箋~

ビジョンの目標年次は2022年としており、これは島根同友会20周年の年としています。ビジョンと共に、この目標年次において達成を目指す数値目標を掲げています。具体的には、会員数1,000社(組織率10%)、総雇用者数10,000人、年間採用人数1,000人、総売上額1,000億円、といった目標を定めています。

前述した島根同友会理念を実現するためには、一定の組織規模や経済活動に与える影響力が必要です。その中でも、総雇用者数と年間採用人数については、重点的に取り組み、実現していかなければならない、むしろ目標年次よりも早く達成することが必要だと考えています。なぜなら、先日、2014年4月1日付で、島根県の推計人口が国勢調査を始めた1920年以来、初めて70万人を下回ったという発表があり、話題となりました。最も少ないのは鳥取県で、島根県が2番目。かねてから予測されていたこととは言え、改めて強い危機感を持たなければならないと考えています。

統計的にみれば、今後とも人口減少は続くでしょう。しかし、そうだからと言って仕方がないとあきらめては未来は切り開けないし、みんながせっせと大都市に移住したところで、それが幸せにつながるとは思えません。であれば、中小企業家は、中小企業家として、予想される(暗い)未来を覆すべく、努力をすることが必要でないでしょうか。その努力こそ、経営を通じて人が幸せに働ける地域を創る、ということ。すなわち、地域を持続的に維持存続させることに他なりません。だからこそ、多様な企業が様々な形で雇用の場を確保し、島根で子どもを生み、育てられる若い人たちを島根に留まらせなければならないと考えています。

今回の数値目標は、きりのいいところで設定している面もあります。目指すべきは、地域の持続的発展。それを目指すためにどの程度の数値が必要なのか、今後精査していく中で見直しを図っていくことも大いに必要だと考えています。

3.“同友会力”を高め、ビジョン向けた一里塚を目指す

今回、ビジョンの実現に向けた「3カ年計画」についても同時に提案しています。壮大なビジョンを掲げはしましたが、現在の会勢は、前述のとおり会員数で200社を超える程度。島根県内の企業数は、およそ9,000社と言われており、まだまだ僅かな割合でしかありません。また、県西部には支部がありませんので、まだ全県にわたっての活動でもありません。まさにこれからの状況にあります。

このため、3カ年計画では、スローガンを「自社発展、施策強化、組織拡大により“同友会力”を高め、島根によい影響を与える組織へ発展しよう!」と定め、まずは、自社の発展からはじめ、同友会としての取り組み施策を充実させ、その結果として組織拡大も実現していく、という方向性を定めています。特に、前述の“雇用”について施策を強化していくため、共同求人活動による雇用拡大、起業家支援による新しい企業の輩出、教育機関との連携(地元教育機関の卒業生を地元企業で雇用)などに重点的に取り組むことが必要と考えています。そのベースとなるのは、会員企業における経営指針の成文化、それを通じた経営革新による業績の改善、そのことが新しい雇用を生む余力を生み出します。

そう考えていくと、まず大事なのは、会員企業一社一社が同友会活動を通じて業績を上げることです。利益が出なければ企業が存続できませんし、利益があればこそ新たな雇用を確保する原資になります。そのためには、経営指針の成文化が第一ステップになるでしょう。経営指針策定を担当する経営労働委員会を担当する私としても、改めてその重要性を認識するところですし、一人でも多くの会員のみなさんに、経営指針の成文化の機会を持って頂き、成文化による企業発展の輪を広げていきたいと考えています。

島根同友会第一次中期ビジョン(総会資料)

最後に、このたび2014年9月18日(木)~19日(金)にかけて開催される、第42回青年経営者全国交流会in奈良において、報告者を務めさせて頂くことになり、総会後の懇親会で挨拶をさせて頂きました。同友会の全国大会での報告はもちろん初めてですし、島根同友会内でも一度しか報告した経験がない私を報告者に選定して頂き、大変感謝しています。また、分科会の座長には、同じ島根同友会の吉岡佳紀さん(農業生産法人いづも屋 代表取締役)にお願いすることになりました。具体的な報告内容はこれからまとめあげていきますが、座長の吉岡さんと二人三脚で、島根同友会を代表して報告するという栄誉に恥じないよう、頑張っていきます。応援、よろしくお願いします!

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