まつえ南商工会

まつえ南商工会 第15回やくもまつり“おいでな祭”~継続してきた行事だから際立つ雨天の祭り~

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2014年8月14日(木)、松江市八雲町の夏祭り「やくもまつり おいでな祭」が開催されました。このまつりは、まつえ南商工会八雲支部の青年部メンバー(OBも含めて10数名)が中心になって、企画・立案し、毎年開催しているものです。今年で15回目になります。運営側で参加するのは5回目となります。毎年たくさんの発見があるこの祭りの取り組みですが、今回も特徴的な出来事や新しい動きがありましたので、まとめてみます。

小雨の中のステージイベント

1.継続してきた行事だからこそ際立つ“雨天の祭り”

私はやくもまつりの運営に参加して5年目ですが、その中で今回初めて、祭り開催前そして開催中も雨に見舞われながらの開催となりました。

まつりの開催決定は、当日の正午に行うことが決まっています。そのため、当日は朝から実行委員が本部であるまつえ南商工会八雲支所に集合し、天候の行方を確認しながらその判断を行いました。最終的には、祭りの開催中の少雨は予想されたものの、ステージイベントや花火は実施可能な範囲内に収まるだろうという判断の元、開催を決定しました。

その決定の背景には、何よりも毎年まつりの開催を楽しみにして頂いている町民のみなさんがいる、ということです。そして、祭りを盛り上げようと露店の準備をして頂いている町内の支援者のみなさん、たくさんの寄付を寄せて頂いたみなさん、たくさんの関係者の方々の想いを何とか形にしたいという気持がありました。そしてもう一つ、参加者の方の安全の確保という観点。降雨が台風の接近に伴うものなどであれば難しかったと思いますが、今回は、雨は降るにしても、参加者のみなさんの安全に差し支えるほどの降雨は予想されなかったことも判断の後押しとなりました。

結果的には、最後の花火まで予定どおりの催しを開催することができました。18時開催までにはかなりの雨が落ち、一旦上がった後、19時頃に再度強い降雨がありました。しかし、花火前の20時には雨が上がり、曇り空ではありましたが、予定していた2000発の花火を打ち上げ、参加者のみなさんに楽しんで頂くことができました。

今回、祭りの開催は難しい判断でした。しかし、こういったイベント事は“開催してこそ意義がある”と改めて感じます。中止を決定してしまうのは簡単です。ですが、“お盆休みにふるさと八雲に戻った人たちが集まれる場を設ける”というコンセプトを掲げるやくもまつりは、後日開催という訳にはいきません。そして、15回の歴史があるからこそ、雨の中の祭りも思い出として後々際立ってくるのではないかと考えています。15年の中には様々な出来事があったでしょう。「あの時の雨は大変だった」等と振り返ることが出来るのも、継続の歴史があるからこそであり、それが後々のノウハウや経験につながります。今回、とても貴重な経験をさせてもらったと考えています。

2.寄付金から垣間見る景気回復の流れ?

私がやくもまつりの運営に参加してから5年になりますが、一貫して寄付金関係の担当をしてきました。その担当者として今回注目しているのは、寄付金の額が増額に転じた、ということです。

15年の歴史を持つ、やくもまつりですが、最初の頃からするとずいぶん寄付の額も減って来ているそうです。寄付をお願いする先は、大きく3つに分かれます。八雲町内の自治会、そして八雲町内に事業所を有する商工業者のみなさん(商工会会員)、そして町内の一般事業者及び個人の方々です。このまつりは、松江市八雲町のまつりです。平成の大合併前の八束郡八雲村のまつりです。さしたる産業もない小さな自治体ですので、商工業者も限られます。そういった中で寄付をお願いしていますので、もともと大きな額を集めることが難しい環境にあります。私が寄付金担当になってからは一貫して寄付金総額も減少傾向にあり、昨年度は特に少なくなりました。経済環境を中心にさまざまな事情があり、やむを得ないことです。しかし、回はそれが増額に転じました。まつりの運営側としては大変助かりますし、寄付をして頂いたみなさんには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

もう一つ注目すべきは、寄付金の集まるスピードも速かった、という点です。寄付金を集めるために、もちろんお願いして歩きまわる訳ですが、今年は、そういった足で稼ぐ活動の前に、かなりの寄付が集まりました。集まりの出足も良かった、ということです。その理由は何なのか。たまたまと言ってしまえばそれまでですが、やはり、一つには気分的な景気の上向き感があるのではないか、という気がしています。消費増税後の初めての寄付金集め。当初の見通しでは、昨年からさらに減少するのではないかという見方もありました。しかし、実態は違いました。景気回復の波は地方まで及んでいない、というのがマスコミ等では定説ではありますが、この春の島根県の昇給率は昨年を上回りそうだという報道もありました。少しであってもやはり給料が上がれば気分が上向くし、前向きな気持ちになります。それが全てではないことは重々承知ですが、そういった少しずつの気持ちの積み重ねが、寄付金の増加という形で表れたのではないか、そんな気がしています。

寄付が多くなれば、それだけまつりも賑やかにできます。そうなれば、それが呼び水となり、またさらにお客さんも集まってくる。そして地域の活性化につながっていく。そういったいい流れが来年以降も続いてくれることを祈りたいと思います。

3.若い力が地域を盛り上げる~八雲ゆう人会~

今回のまつりにあたり注目すべきことがあります。それは、「八雲ゆう人会」という若手のまちおこしグループのみなさんに協力をして頂いたことです。

八雲ゆう人会は、八雲中学校の卒業生を中心に、今年の4月に発足したグループで、20代の男女10数名で構成されているそうです。現在、八雲町の名物だった「意宇川のこいのぼり」を復活させようと取り組みを開始されています。意宇川のこいのぼりは、八雲町内を流れる意宇川に地元の有志が300匹近いこいのぼりを掲げる5月の風物詩でしたが、地元有志の方々の高齢化や設備の老朽化等で一昨年が最後となりました。内外から残念に思われる方が多いと聞いています。

そいうった想いを受け止め、何かしたいという気持を持って活動しようとする若者が居るということ自体、素晴らしいですし、感心するほかありません。私も、八雲町に住む者として、意宇川のこいのぼりが継続した方がいいと思います。だからと言って、「私がやります」と手を上げるだけの熱意や使命感はありません。私自身もしょせん他人事としか捉えていませんでした。そんな中、実際に行動に移す人たちが居た。それはやはり応援しなければならないと思っています。

そして一番感銘を受けるのは、単にこいのぼりを復活することが目的ではなく、「八雲のためになにかしよう」ということが根本にあるということです。だから、ゆう人会の活動はやくもまつりとは直接関係はないのですが、8月14日早朝より、やくもまつりの準備を手伝ってくれています。そしてステージイベントの途中で、こいのぼり復活に向けた力強いアピールをして頂きました。本部テントにて募金を受け付け、一日でかなりの金額が集まったようです。そして、翌日の15日の朝は、会場の清掃活動にも参加して頂き、大変助かっています。

私も地域の中では十分に若手の部類なのですが、それでも年々年を取ります。そういった時に、こういった熱意ある本当に若い人たちと一緒に過ごせること自体、元気をもらいますし、もっと頑張らねばという気持にさせてもらえます。今後とも彼らの活動を応援したいと思いますし、一緒に活動できることがあれば、ぜひ連携、協力していきたいと考えています。

八雲ゆう人会のみなさんによるPR

やくもまつり、5回目にしてさらに貴重な経験をさせてもらいました。昨年は、島根県西部の豪雨災害対応で開催当日の参加が出来なかったので、一年ぶりのまつり参加となり、大いに楽しむことができました。やはり、まつりは開催してこそ意味がある。当たり前ですが、その当たり前を感じさせてもらえました。雨の影響もあり、例年に比べると参加者数は低調だったと思います。それでも、まつりを楽しみに、たくさんの方々に来て頂きました。お越し頂いたみなさん、携わって頂いたみなさん、ご支援頂いたみなさん、本当にありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

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