島根県中小企業家同友会

島根同友会 島根発!学生起業家プロジェクト~初心に帰る気づきと勇気~

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2012年1月20日(金)、島根県中小企業家同友会の企画で、「島根発!学生起業家プロジェクト~学生の想いを聴いてくれ」が開催されました。島根同友会が起業を志す学生を支援し、島根の活性化を支援していこうとする企画です。今回初めての発表会が開催され、島根大学の学生5名(1~3回生)から、それぞれが想う起業についてプレゼンテーションがありました。同友会会員、会外参加者、学生、など総勢150名という参加者が集まり、非常に熱気ある、すばらしい企画となりました。このプレゼンを聴かせてもらった、私なりの気づきと感想をまとめておきます。

会場の様子(150名以上の参加者)

〔学生5名による提案(タイトルと内容)〕

★イケメンバイキング(おもてなしバイキングレストラン)
★食品コーディネーター(地元野菜の訪問販売)
★ほんぷろ!(大人・子どもを本気にするためのスクールなど)
★Uターン派遣ビジネス(人材派遣業)
★企業シート、学生シートでマッチングビジネスを!

1.率直な感想~荒削りでツッコミどころ満載だが、元気をもらえる~

やはり、若い方の強い想い、元気な姿をみると、私たち自身が元気をもらえることは間違いありません。私も島根大学の卒業生ですので、自分が同じ年頃のときに一体何をしていたのか、思い起こさずにはいられません。バイトに精を出し、できるだけ授業にでなくていいように教科を選択し、いかに楽に、楽しく大学生活を過ごすか、そんなことばかり考えていたように思います。

今回の提案、荒削りなところが多く、ツッコミどころ満載です。しかし、今後、発表した5名の学生メンバーは、提案内容をブラッシュアップし、毎月発表を続けるそうです。最初から誰もが感心するような、優れた提案が出てくる訳はありません。世の中はそんなに簡単なものではありません。その意味で、今日は想いの強さを確認する場とも言えます。

今回の発表を多くの人達が見聞きしました。多くの人が元気をもらったと思います。その元気を与えることができるパワー、やるんだ、という気持ちの力、これを是非、彼らの今後の人生にも活かしてもらいたいと思います。

2.気づきと助言~まずは「現場を知ること」からでは~

気になるところはたくさんあります。その中でも一番気になるのは、「現場を見ていない」という印象を受けたことです。

例えば、イケメン店員のバイキングレストランを起業したいと発表したAさん、提案にあたり、何件のバイキングレストランで食事をしたのか、実際に飲食店でバイトしてみたことはあるのか。食品コーディネーターとして地元野菜の移動販売をやりたいと発表したBくん、実際に農家を回ってみたことがあるのか、移動販売車からモノを買ってみたことはあるのか。机の上で、インターネットで得られる情報だけで、自分の今まで知っている範囲の情報だけで、考えたのではないか。そう感じる面があったのも事実です。

それを裏付けるように、「リサーチはしていません」という言葉が所々で見られました。学生の身でできるリサーチには限りがあるでしょう。しかし、仮にも「起業」を目指すことをうたい、150名以上もの観衆を集めて発表を行うにあたって、まったくリサーチがないというのはいかがなものか。発表することが目的化しているのではないのか。そんなことが頭をよぎります。

みなさんの志は素晴らしい。だからこそ、次のステップまでには、何らかの方法で実際に現場を見て、そこで知り得たことを自分のビジネス提案に活かすことを期待したいと思います。そういった部分で協力するのが同友会及び同友会会員の役目なのでしょう。

3.具体化に向けて~賛同者を募って一緒に起業する~

グループ討議のまとめの発表の中で、“それぞれのメンバーが協力して事業をすればいい”のではないかという提案がありました。最後のまとめ的に話をされましたが、実際、これは実に的を得た指摘です。その協力者が同友会のメンバー(経営者)ということでもいいのかもしれません。

実際のところ、今回のメンバーはいずれも1人で起業する前提でプレゼンしましたが、起業するときに必ず一人でやらなければならないということはありません。世界に名だたる企業が最初に創業した時も、数名の創業メンバーで起業したというケースは多々あります。本気で、本当に事業を興そうと考えているのなら、その活動に共感する仲間を集い、一緒に創業を考えて行くことも必要ではないかと考えます。

今回発表した5名の学生(いずれも島根大学)

私は創業社長ではありません。三代目の後継社長で、自分自身で創業することは無かったと思います。そのため、常々、創業者である経営者の方に対しては尊敬の念を抱きます。だから、起業を志す学生のみなさんに対しては、その想いだけで、素晴らしいと感じます。しかし、取組みを褒めてもらうことがゴールならもうこれ以上やる必要はありません。あくまで起業し、自分の事業でやりたいことを実現することが目的なら、まだまだ足りないことだらけです。敢えて、そのように述べさせて頂き、激励の言葉とします。

今後、この活動がどのように展開していくのか、興味深く見させて頂きたいと考えています。私自身、経営者としての初心に帰らせて頂ける、気づきと勇気を頂きました。今回のメンバーが、本当に起業し、成果をあげ、世の中に役立つ事業として地域に受け入れられることを願っています。

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