松江3S勉強会

松江3S勉強会・事前ヒアリング~きれいな会社と、3Sが出来ている会社は違う~

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協和地建コンサルタントは、平成26年度、松江市内の中小企業5社で立ち上げた「松江3S勉強会」に参加し、社内における3S(整理・整頓・清掃)活動に取り組むこととしました。この度、同勉強会のキックオフ会合に先立ち、講師を務めて頂くMDファクトリーHS株式会社の川端代表取締役に来社して頂き、事前のヒアリングと社内の視察をして頂きました。これは、会社の実情、さらには各社で担当となる社員の考え方や会社風土なども踏まえて、今後の指導に反映して頂くためのものです。社長である私だけでなく、社内で担当するチームメンバー一人一人にもヒアリングをして頂きました。とても丁寧な対応で今後の推進が大いに期待されますし、我々自身も頑張らねばならないという気持になります。事前ヒアリングでの気づきについて簡単にまとめています。

事前のレクチャー・ヒアリング

1.全社活動として3Sに取り組む~「全員で取り組む」ということ意味~

3S活動に取り組むにあたり、事前準備として「定例の活動時間を決めて下さい」という依頼がありました。しかも、「全員で毎日活動する時間をとる、決まった時間に決まったことをする」ことが必要とのこと。現在、当社には毎日全員が同じ事をする時間はありません。全員が集まる朝礼は月曜日のみ、全員でする清掃活動は週末の就業前、といった形で実施しています。これは、現場作業が多く、早出や夜間帰着等が多い仕事の実態に配慮しながら、それでも週に一度は全員で情報共有や社内活動に従事する時間をつくろう、という考え方で実施してきたものです。

これを一気に毎日、同じ時間に活動する時間を設ける、というレベルまで引き上げなければなりません。実際問題として全員が揃って毎日作業するのが難しいのは間違いありません。しかし、大事なのは、参加できない人をどのようにフォローするか、ということだそうです。そうしないと、結局出やすい人達だけの活動、一部の人たちだけの活動、という認識になってしまい、“全員でやるんだ”という意識付けにつながらない、とのこと。

確かに、当社が実施している週末清掃も現在そのような状況にあります。どうしても内業に従事する社員が中心(現場に出ている社員は現場の事情もあって中々清掃時間までに会社に戻れない)になって清掃する状況になっています。今後は、それをそのままとせず、例えば、現場でも同じ時間に清掃する、或いは、掃除の時間帯を2つ以上設定してどこかで掃除に従事する、といった形でフォローしていくことで、「全員で取り組む」という雰囲気が出てくる、という訳です。「全員で取り組む」という言葉。なにかにつけてよく使う言葉ですが、それを実践として出来ているかどうか、それが出来ているかいないかを全員が認識出来ているかどうか、そうなるためにはどうすればいいのか、3Sの活動を通じて、見出していけるのではないかと期待しています。

2.きれいな会社と、3Sが出来ている会社は異なる

今回の事前ヒアリングで指摘されたポイントの一つとして、「きれいな会社」と「3Sが出来ている会社」は異なる、という事があります。

極端に言えば、汚くても3Sが出来ている会社もある、ということ。3Sとは、言うまでもなく、「整理・整頓・清掃」ですので、“職場をきれいにする取り組み”、という先入観を持つ方も多いようです。しかし、3Sの目的は、「安全で、快適で、効率的な職場を創ること」だと川端さんから説明があり、会社がきれいになるは3Sに取り組んだ副次的な効果ぐらいに思って欲しい、という念押しもありました。きれいにすることを目的にすると、本当にやらなければならないといけない領域に到達せず、“そこそこキレイになったしもういいや”ということで取り組みを止めてしまう事例が少なからずみられるそうです。

そういった指摘を受けた背景には、当社が結構“きれいな会社”になってきたことがあります。社内の清掃や片づけ、或いは古くなったり痛んだり箇所の補修などに数年間力を入れてきたこともあり、現在では、社外からいらっしゃったお客さまなどに、「きれいな会社ですね」と褒めて頂く事も増えました。それはそれでいいことですし、今後とも維持・継続したいですが、会社としてみれば、その次のステップに移行できる段階に来ているのではないかと考えています。「きれいの追求」から「効率の追求」への転換。会社がきれいになった今だからこそ、会社をきれいにすることを目的とせず、安全で、快適で、効率的な職場とするための3S、本来の3Sに取り組める。非常にいいタイミングでこの3S勉強会の話を頂いたのではないかと考えています。

3.目標設定は50%アップ、又は50%ダウン

社内を見て回って頂きながら、「社内の執務スペース(2F)は50%ぐらい削減できるんじゃないですか?」という助言を頂きました。

“一人に一つ机がある”という常識で考えているので今でも狭いぐらいに感じていましたが、固定席を無くすフリーアドレス制の導入等、従来の仕事のやり方にとらわれず、仕事のやり方そのものの見直しとセットで取り組めば可能性があるのかもしれません。大事なのは、固定机を無くすかどうかではなく、5%、10%という“頑張ればできそうな”改善レベルを目指すのではなく、一見不可能と思えそうな高いレベルを目指さないと、劇的な改善にはつながらない、という点だと理解しています。当社がどのような計画で、どのような目標を目指していくのかは、今後、具体的な取り組みが始まった後に定めていきますが、いずれにしても「出来そうな目標を掲げない」というだけは留意したいと考えています。

そういった成果を把握するための準備として、「定点観測」のための写真撮影、という指示もありました。社内を200箇所以上、とにかく写真に収める。ありとあらゆる場所、気になる場所、机やロッカーの中までも撮影しておく。それが1年後、それ以降と取り組みを進めた後の成果を図るための基礎情報となる訳です。振り返ると、当社も様々な改善や整理整頓を行い、会社がきれいになってきました。しかし、従前の状況を写真に収めるということは実施していませんでした。前述のとおり、きれいな会社ですね、と言って頂けるが、それがどの程度きれいになったのか、を映像で比較することはできません。どれだけ成果が上がったのかを判断する一つの材料として、記録を残しておくことの重要性を認識させて頂きました。

社内を見て頂きながらの助言

私自身、3Sについては多少聞きかじった程度の知識しかありませんが、3Sの取り組みの先には「守ることを決めて、決めたことを守る」という社風づくりがある、とよく耳にします。それが出来た時、さらに会社がレベルアップし、社員とその家族の幸せに貢献できる会社に近づくように感じます。今回、島根同友会でも一緒に勉強している樋野電機工業有限会社の松坂社長からこの勉強会にお誘いいただき、参加することになりました。いいタイミングでいいお話を頂いたと感謝しています。島根の地元中小企業として共に頑張る仲間と一緒に頑張っていきたいと思います。

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