温泉めぐり

社長の温泉めぐり20 君田温泉(森の泉) 広島県三次市君田町

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。

温泉めぐりも20箇所目となりました。今回は、広島県三次市君田町の君田温泉 森の泉です。訪問日は、2010年5月14日です。

君田温泉は、道の駅「ふぉレスト君田」に併設された温泉施設で、温泉入浴だけでなく、食事・宴会、さらには宿泊も可能な施設となっています。君田温泉を核として、ふれあい市場、レンタサイクル、喫茶・レストラン、背後地にはキャンプ場、隣接地には「はらみちを美術館」といった施設が集積しており、来訪日は土曜日の夕方ではありましたが、利用者も多く非常に賑わった印象でした。

君田温泉 森の泉 外観

この温泉は泉質が非常にいいと思います。泉質名は、含二酸化炭素-ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩・塩化物泉という長い名称で、源泉の温度は20℃ほどの、いわゆる冷泉です

一般に“重曹泉”と呼ばれる泉質で、皮膚の表面(角質)を柔らかくし、さらに皮脂や分泌物を乳化する作用があり、石鹸のような効果があるとされます。実際、入浴するとまもなく皮膚にすべすべ感が感じられ、入浴しただけなのに、体を洗った後のような感触を得られます。アルカリ度の高い温泉のつるつる(というかヌメヌメ)感とはまた違った、爽快な入浴感です。湯あがり後も非常にさっぱりしており、夏向きの温泉とも言われるようです。

浴室は天井が高く、木材を上手く使った柔らかい印象です。内湯の構成は、源泉湯(通常のお風呂)、ジェットバス、水風呂、サウナとなっています。露天風呂もあり、石風呂風の造りで、長方形のシンプルな造りです。さらに、外に打たせ湯が二箇所ありました。この温泉は浴室の床などには“湯の花”と呼ばれる白色の固形付着物が見られます。また、特に露天風呂では湯の表面に湯の花が大量に浮いていました。一見石鹸の洗いカスのようにも見えるのですが、成分量が豊富な裏返しでもあります。

洗い場は12箇所で仕切りの付いたタイプで、一人あたりのスペースも十分な広さです。ボディソープとシャンプー、リンスが備わっています。面白いのは、“炭”シリーズと“豆乳”シリーズの2種類が、洗い場の交互に置いてあり、好みのタイプを使うことができるようになっているようです。“炭”シリーズのアメニティは、君田温泉の独自商品のようで、売店でも販売していました。気になったのは、シャワーがプッシュ式(一回押すと一定時間シャワーが出るやつ)なのですが、5秒ぐらいしか連続して水が出ないので、頭を洗うのにはちょっと手間取りました。節水の意味もあるのかもしれませんが、もう少し長くしてもよいのではと思いました。

脱衣場の鍵付きロッカーは100個備わっており、全て、上着等が掛けられる縦長のタイプになっていました。これは非常にいいと思います。洗面台は6箇所ですが、ドライヤーは2つに1つという扱いのようで、3つほどでした。ピーク時には不足するのではないかという気もします。

利用料金は、大人600円と島根県内の施設との比較ではやや高めの印象ですが、泉質が非常に優れており、値段なりの価値はあると思います。実際、施設内には、リクルート社の運営する“じゃらん”から受けた数々の表彰が並んでいます。「2005年温泉ランキング 泉質自慢の温泉部門 第2位」「2006年温泉なんでもランキング 行きつけの温泉部門 第1位」「2007年お気に入りの温泉ランキング 広島県民が選んだ温泉部門 第1位」(いずれも中国・四国でのランキング)など、中々のものです。

ロビーの様子

この温泉は、1988年のふるさと創生事業で旧君田村が開発した温泉だそうですが、道の駅とセットで運営される多様な施設群は、第三セクター方式で運営され、その成功例として知られるようです。温泉だけでなく、道の駅としてみても多彩で興味深い施設でした。

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