2011
08.31

私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

今回37箇所目は、島根県大田市の「三瓶温泉 鶴の湯(薬師湯)」です。訪問日は、2011年8月28日です。

三瓶温泉は、島根県大田市の三瓶山の山麓に位置し、毎分2500リットルという莫大な湧出量を誇る温泉地です。その泉源を活用した公衆浴場や宿泊施設などが点在しており、その総称が“三瓶温泉”ということになります。さて、今回訪問した鶴の湯は、三瓶温泉の温泉街ほぼ中央部に位置します。以前、経営難に陥り、一時は閉鎖の話もあったようですが、地元の公衆浴場の火を消してはならないと、地元の方々が出資者として参画したり、様々な経費削減に取り組まれたりして経営を立て直し、運営を続けられているという施設です。以前から一度行ってみたいと思っていましたが、今回訪れることが出来ました。

鶴の湯外観

泉質は、「ナトリウム‐塩化物泉」、かなり年代物で味のある分析表が掲示されていましたが、成分総計は2.162g/kg(計算値)でした。最近分析されたもの(現在、10年に一度分析結果の更新が義務付けられています)は別にあるのではないかと思いますが、確認できませんでした。塩化物泉は“温まりの湯”と呼ばれ、保温効果がよいことが知られています。この温泉は後述のとおり“ぬるめ”ですので、ゆっくり浸かって芯まで温まる、という使い方がよさそうです。そして、湯船のお湯はいわゆる“黄金の湯”などと呼ばれるタイプで、黄土色に濁っています。これは鉄分が結構含まれているためですが、同じ鉄分を含む温泉でも少なめだと「緑」、やや多いと「黄色」、さらに多いと「茶褐色」に変化すると言われています。

お風呂は内湯だけで、露天風呂などはありません。湯船は長方形で1.5m×4mぐらいでしょうか。底が深く、まわりに全て腰かけ用の段があります。かなり濁っているので、入るときには注意が必要です。浴室内の掲示によると、冬場を除いて源泉温度(約36℃との表記、分析表によると38.5℃)のまま使用しているとのこと。しかし、入浴感としては少なくとも36℃ではありませんでした。確かにぬるめでしたが、若干加温している感じです。しかし、私はあまり熱いお風呂は長時間入っていられないので、このぐらいの温度はとても快適で、いつもよりも長めに入湯することができました。

洗い場(らしきスペース)は5箇所ありましたが、シャワーは1つのみです。あとは、水道の蛇口があるだけ、鏡も2枚だけでした。せっけん、シャンプーの類は一切ありません。一方、目を引くのが洗い場に大量に掛け流されている源泉(他のお客さんがあり残念ながら写真撮れず)。一瞬何事かと思いますが、毎分2500リットルという豊富な湧出量を活かし、贅沢に掛け流されているようです。他のお客さんを見ていると、この大量のかけ流しの源泉を頭を流していらっしゃいました。頭を流すのは微妙な気もしましたが、このお湯に触れてみると、35℃前後ぐらいの感触。体を流すにはちょうどいい湯温です。結局、これが源泉温度で、やはり湯船の温度は少し加温してあるのでしょう。

脱衣場もわずかなスペースのみ。同時に着替えることができるのは2名まででしょうか。簡易な鍵付きロッカーが20ほどありましたが、扉が取れていたり、鍵が壊れていたりしました。ただし、玄関には貴重品ロッカーが別にありました。洗面台は2箇所ありますが、ドライヤーなどはもちろん無し。そういった浴場というつもりで利用する必要があります。

内部の様子(入口付近)

施設の利用料金は大人300円です。利用料金は券売機で徴収することになっていますが、訪れた時はたまたま故障中で、料金箱に自分で入れる形になっていました。そのことに関連しますが、この施設の特徴の一つに無人で運営管理されている点があります。常駐の管理人を廃止され、地元の方がボランティアで清掃など管理を手掛けられているそうです。地域全体で温泉施設を維持していくんだという姿勢が、こういった運営を可能にしているのでしょう。その他、施設内には和室の休憩室もありくつろぐ利用者の方がいらっしゃいましたし、建物の周囲にはたくさんの風鈴がつるされ、夏の風情を醸し出していました。

休憩室となっている和室(外には風鈴)

今回訪れたのは日曜日の昼過ぎでしたが、施設脇の駐車場には県外ナンバーの車も並び、まずまずのお客さんではなかったかと思います。ほどほどの湯温でゆっくり浸かるのにも適していますし、なにより、鄙びた温泉地の公衆浴場という雰囲気を十二分に味わえます。そして、無人で運営されている施設は、地元に役だち、地元に大切にされているという実感を与えてくれ、ほのぼのとした気持ちにさせてくれます。体だけでなく、心も温まる温泉施設でした。

2011
08.24

2011年8月17日、島根県中小企業家同友会が主催する「facebook(フェイスブック)講習会」が松江市民活動センターで開催され、参加してきました。

今回、島根県中小企業家同友会会員である合資会社ジップ代表の目黒貴之さんが講師を引き受けて下さいました。参加者のレベルに合わせた大変分かりやすく丁寧な講演をして頂くとともに、参加者それぞれの疑問・質問に的確に答えるスキルの高さに感心しました。質問に対して的確に回答することって、結構難しいものです。本当に素晴らしかったです。

なお、今回の記事では、(長くなるので)フェイスブックそのものの説明は省いています。フェイスブックを知らない方、使っていない方にとっては何のことか分からない点が多いのですが、ご了承ください。

さて、私は、いわゆるSNSの類(mixiとかツイッターとか)は一切使っていなかったのですが、フェイスブックはやってみることにしました。一番の理由は、フェイスブックが実名でやり取りすることを原則としているからです。これまでインターネット上のコミュニケーションは匿名が当たり前でしたが、情報の信頼性という点では疑問符が付く場合もあります。その点、実名でかつ多くの場合顔写真まで掲載されているフェイスブックでは、その中でやり取りされる情報の信頼性が高いことは当然ですし、インターネット上でしばし問題になる誹謗中傷の類も発生しにくい環境になります。実名だからこそ安心して付き合い、情報交換できるという、本当の日常の延長がインターネット上に有るという点が大変魅力的です。特に、ビジネス利用を考える際にはこれは非常に重要なことです。前置きが長くなりましたが、今回の講習会で学ばせて頂いたことを整理しておきます。

1.共感のネットワーク ~「いいね!」がもたらすゆるやかな共感の拡大~

「共感のネットワーク」とは、講習会の冒頭、“フェイスブックとは何か”という問いに対する講師の目黒さんの説明です。(あるアナリストの言葉との説明でした。)

この共感のネットワークという言葉、実際にフェイスブックを使ってみると、非常に良く現していると思います。フェイスブックの中心的に仕組みの一つである「いいね!」のクリック。ある人の投稿に対してゆるやかな関心を示すという仕組みで、その関心が自分の友達にも伝わるようになっている。またそれを見た友達が、「いいね!」をクリックすることで、さらに広がっていく。この「いいね!」という共感がまた友達の共感を呼び、波状的に広まっていく仕組みがフェイスブックの肝になのだと、最近やっと分かってきました。

そして、それは「フェイスブックが実名だからこそ広まる」のだと思います。すなわち、自分が知っている信頼できる人がイイと言っているものだからこそ関心を持つ。そして、「いいね!」は、いわば無言の口コミとでもいうべき効果を発揮し、友達の友達へ、そのまた友達へ、と広まっていく...考えた人はすごいです。「いいね!」をたくさん獲得するような興味深い情報は、波状的にフェイスブック上に広がっていくのでしょう。そういう意味では、ビジネスにフェイスブックを活用しようと考える場合は、やみくもに投稿するのではなく、共感をより多く呼びそうな中身の濃い投稿に絞っていくことも大事なんだろうという気がします。

講習会の様子(前方が講師の目黒さん)

2.社内でのコミュニケーションツールとしての可能性~いわば、ゆるい日報~

私がこの講習会に参加した目的の一つに、フェイスブックを社内で活用するための可能性を探ることがありました。

元々私のイメージとして、フェイスブックを「ゆるい日報」として活用することで、社内の情報共有度が上がり、連帯感が強まるのではないかという感触がありました。一人一台のパソコン時代になってから、隣の人ともメールで会話するといった事例に代表されるように、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーション不足が指摘されたこともありましたが、一対一の関係ではなく、友達になった者どおしで、ゆるやかに連帯するフェイスブックでは、“みんなで会話して盛り上がる”というコミュニケーションが期待されます。

当社には、日中は現場で仕事をする職員もたくさんいます。朝早く会社を出て、夜遅く帰ることもあり、職員がお互いに顔を合わせない日ももちろんあります。そこで、日報代わりに仕事の進捗状況や現場の様子を写真とコメントでフェイスブックに投稿し、「いいね!」やコメントを通じて皆が声を掛け合う。そのことで、お互いがお互いを認め合う環境ができ、それがみんなの士気向上や、やりがいにつながるのではないかと考えています。

社内で業務利用するのであればフェイスブックで無くても良いのですが、市販のものを使えば費用もかかりますし、別に使い方に慣れる必要もあります。セキュリティの面がクリアされれば、こういった無料で提供されているツールを有効活用することも選択肢としては有効だと考えています。また、今回の講習会でフェイスブックをグループウェアとしてみると(現時点では)Todo機能が無いという留意点や、セキュリティについては、メールアドレスとパスワードでログインするため、特に携帯でログインしている場合は、携帯の紛失によるID・パスワードの流出や“なりすまし”の発生が懸念されること、その予防策として携帯端末にロックを掛けておくことなど、具体的なアドバイスを頂きました。こういった参加者それぞれの質問や要望に丁寧に回答して頂けたのも大変素晴らしかったです。

社内専用グループページの作成テスト

3.フェイスブックページの活用方策~人間味のあるインフォーマル情報で楽しむ~

フェイスブックは、個人で登録するだけでなく、企業やお店のページを持つことができます。その活用次第ではビジネスに大きな影響を与えると考えられ、フェイスブックページを持つ企業が増えてきているようです。

現在、フェイスブックページの活用方法は、大きく、(1)モノを売る、(2)お客様のフォローアップ、(3)ブランディング(知名度向上)の3とおりがあるようです。それを踏まえ、それぞれの企業や事業等の実情に合わせて、フェイスブックページをどのように使って、何をしていくのかの方向づけが大事だというお話でした。確かにそのとおりで、流行りだからと言ってフェイスブックページを作ってもその使い方を明確にイメージしていなければ、余計な手間だけ増やすことになりかねません。

また、関連した話としてホームページやブログ等との役割分担を考えることも重要だということでした。当社もホームページと社長のブログで情報発信をしていますが、ホームページはフォーマルなスタンス、フェイスブックはより人間味のあるインフォーマル情報、といった使い分けがよさそうな気がします。フェイスブックページは、フェイスブックが持つ双方向性を最大限に活かし、いわばコールセンター的な役割を担い、お客様からのレスポンスを楽しむような使い方が適しているのではないかという説明が最後にありました。もともと堅苦しく使うツールではないだけに、ビジネス利用であっても楽しんで使うという視点については大変納得したところです。

当社フェイスブックページ(ひとまず作成してみた)

その他、フェイスブックの歴史や技術的特徴、さらにはテクニック的なお話も多数して頂きました。元々、フェイスブックは米国の学生のコミュニケーションツールとして活用されていたものが、一般に公開され、米国以外の世界中で使われるようになったそうですが、なぜ学生の間のコミュニケーションツールとして発達したのかと言えば、要するに「合コン」をしたかった大学生が、合法的に異性の情報を収集し、合コンの企画・セッティングをするために開発したのが始まりだと言うことです。もっと言及すれば、男子が女子の情報を集めるために開発したということでしょう。古今東西、男の考えることは常に一緒なのだなとちょっと安心したりします。

私の身近でも、フェイスブック上でオフ会を始め、色々な催しの企画が次々に立ち上がり、賑わいを見せています。まずはプライベートで活用され、機能や使い方に精通し、その成果が仕事に活かされていく。そんなスタイルがフェイスブックに合っているように感じているところです。

 

2011
08.18

2011年8月14日(日)に、松江市八雲町の夏祭り「やくもまつり おいでな祭」が開催されました。このまつりは、まつえ南商工会八雲支部の青年部メンバー(OBも含めて10数名)が中心になって、企画・立案し、毎年開催しているものです。今年で12回目になります。運営側で参加するのは昨年に続いて2回目でしたが、今回の気づきをまとめておきます。(昨年の第11回の様子はこちら

1.八雲の人と人をつなぐ場の提供~頑張れる限りはガンバル~

やくもまつりは、松江市八雲町(旧八雲村)のまつりです。八雲町は現在人口7,000人ぐらいだと思いますが、小学校・中学校とも1校のみで、同級生は結構な期間を一緒に過ごすことになり、結びつきも強い方だと思います。それでも、高校、大学進学又は就職などで町を離れればだんだんと会う機会が少なくなります。一方、お盆の8月14日はいわば定例の「まつりの日」として定着しており、この日に必ず「やくものまつりがある」から、そこが集いの場になる。これはとても大事なことであり、積み上げてきた財産だと思います。

昨年もそうでしたが、久々に顔を合わせたと思われる若者たちの集団があちこちにみられ、盛り上がっている様子が見られます。また、日頃八雲町内に住んでいる者どうしであっても、日々顔を合わせる訳ではありませんから、この祭りの場で顔を合わせてお互いの近況を確認し合う。家族連れでいらっしゃることも多いので、子どもの成長やお互いの家族の様子を垣間見る場となるなど、まつりの場があることによって、地域の多様な交流が生まれていることは間違いありません。あるメンバーがまつりの人出を見ながら「これをみると(まつりを)やめる訳にはいかんと思うよなぁ」とつぶやいたのが記憶に残っています。

まつえ南商工会青年部も若いメンバーは少なく、私と同世代の人間がほとんどです。本来であれば、20代、30代のメンバーがもっと在席して活躍できるような環境が望ましいのでしょうが、八雲町(旧八雲村)自体がそもそも事業活動の活発なところではありませんので、致し方ない面はあります。それでも、今頑張っているメンバーが続けられるうちは、何らかの形でこのまつりを続けていこうという気にさせられます。「後は若い世代に任せて」という状況にない、やくものまつりは、我々が頑張れる限りガンバルというスタイルで続けていければと、改めて感じたところでした。

常連参加者もいるケーキ早食いコンテスト

2.それぞれのリベンジ~失敗に学び、改善・効率化する~

私は、昨年と同様に寄付集めの準備や集計、結果報告などが役割でした。

昨年は初めて参加したこともあり、良くわからないままで過去の資料に基づいて準備をしたため、内容の不整合があったり、寄付の依頼状を一部出し損ねたり、失敗もいくつかありました。そのため、今回はリベンジしたいと思って改善できる部分は改善を試みました。が、実際のところ、そんなに難しいことをしている訳ではないこともあり、また、商工会事務局の方の絶大なご協力もありあまり気負うこともなくスムーズに対応出来ました。一回やっておくとこれだけ違うものかと改めて感じました。来年もまつりを開催することになると思いますが、定型的に出来る仕事はより効率的にこなせるよう改善し、もっと祭りそのものの企画内容であったり、まつりに来て頂く人を一人でも増やしてより良い交流の場となるような工夫に時間をかけたいと考えています。

もう一つ、リベンジと言えば「花火」です。昨年お願いした業者さんの花火は正直今一つに感じました。実際、不発が結構あったようで、支払いの際に値引きで精算してもらいました。今年も実は同じ業者さんにお願いしたのですが、これがかなり頑張って頂いたようで、値段は同じながらかなりの内容でした。昨年度比べてずいぶんグレードアップしたので、むしろ去年は何だったんだろうと気もするぐらいでした。

一つ残念だったのは風がほとんど無かったせいか花火の煙が中々消えず、消えないうちに次の花火があがって煙の中に花火が埋もれてしまうという状況が少し続きました。後日、そういう場合は勇気を持って打ち上げを一旦止める(煙が消えるのを待つ)ことも必要だという話を聞きました。せっかく頑張ってもらった花火だっただけに、残念なところでした。風向きまではコントロールできませんが、これも来年リベンジを期待したいところです。

花火は中々上手く撮れません

3.“ごみ”・・・まつりのもう一つのバロメーター

こういったイベントを行うと、必ず出るのが「ごみ」です。

ビール、ソフトドリンク、かき氷、やきそば、ポテトフライ、...様々な商品が出店に並び、買い求める人々でにぎわいます。そして飲んだり食べたりした後のごみ。持って帰る人はほとんど居ませんから、こういったイベントの際にはごみ捨て場の準備が必須です。最近では、ごみの回収を引き受けて下さる業者さんがいらっしゃいますから大変助かります。ところで、今年の水郷祭では、ごみの持ち帰りを推奨されており、家庭用の燃やせるごみ袋を配布するなどの取組みを実施されていましたが、全員が持って帰ることは無いにしても、こういった活動は結構なことではないかと思います。

さて、ごみが出るのは致し方ないとして、問題になるのが「分別」です。今回、「もやせるごみ」と「もやせないごみ」に分けてコンテナを用意していましたが、そのとおり分別して捨てて下さる人ばかりではありません。結果。コンテナはぐちゃぐちゃのごみの山と化します。これについては、翌日早朝から商工会青年部とボランティアの方々とで分別作業を行っています。

ところで、今年“ごみ”ですが、去年に比べてコンテナに捨ててある量が少なかったです。前述の分別作業も昨年より早く終わりました。量が少なかったのは参加者のみなさんの環境意識が高まった…、のであればよいのですが、恐らく昨年に比べて出店の商品があまり売れていなかったのではないかと推察しています。最後の花火の時間の人出は昨年以上の感触でしたが、当日17時頃に雨が降って最初の出足が鈍ったのと、会場の片づけを早くスタートしたので会場閉鎖までの間、余韻を楽しみたむろする来場者が少なかったこと等が原因ではないかと考えています。

いずれにしても、ごみが少ないのはいいことですが、一方でこのまつりに出店して頂いたかたの収益という面では、人出の割には伸び悩んだのかもしれません。ごみというのも、経済活動の結果とみれば色々な捉え方ができるものだなと、もっともらしい納得をしたところです。

ごみコンテナ内(翌日分別け作業)

やくものまつり、準備は中々大変ですが、“まつりの火を絶やしてはならない”と頑張る、先輩方の熱意でこれまで継続してきています。準備に際してはかなり手間と時間を取られるのも事実ですが、それでも、その熱意に触れれば今後も出来る限り協力はしていきたいと感じざるを得ません。来年以降も、自分自身がまつりを楽しみ、盛り上げていきたいと考えています。

2011
08.10

2011年8月9日、島根県中小企業家同友会松江支部の8月例会が開催されました。

この日は、島根同友会会員でもある、株式会社いずも屋 代表取締役 吉岡佳紀さんをお招きしました。株式会社いずも屋は、農業生産法人としてモロヘイヤの栽培を軸に健康食品製造、販売までをトータルに手掛ける会社です。また、吉岡さんは、オリエンタルランド(東京ディズニーランド・ディズニーシーの運営会社)、島根県職員、そして現在の農業生産法人の社長、という異色の経歴の持ち主です。

吉岡さんには、2011年4月の出雲支部例会でもお話を伺っています。その際は、東京ディズニーランド時代のお話が中心でした、今回は「日本を耕す!~ディズニー、県職員、農業と渡り歩いた男の熱き想い~」と題し、Uターンして県職員になり、さらにその後、現職である株式会社いずも屋の社長になってからのお話を伺いました。非常に多岐にわたり示唆に富んだお話で、とても全てを網羅することはできませんが、私にとって印象に残った話を中心にまとめてみました。

講演する吉岡さん 株式会社いずも屋 代表取締役

1.島根に雇用を生み、地域を元気にする~応援者から実践者へ~

今回の吉岡さんのお話では「雇用を生み出す」という観点が常に意識されていました。それには島根県職員時代の仕事が大きくかかわっているようです。

吉岡さんは、県職員時代にソフトビジネスパーク島根の立ち上げの仕事をされ、それきっかけに起業家支援などの仕事に携わられた経験をお持ちです。県職員として「島根に雇用をつくりたい」「島根でなきゃできないこと、出来ない価値をつくりたい」という想いを強く持たれ、様々な企業への企画提案をされていたというお話を伺いました。当時は変わり者の県職員というイメージだったのではないかと思いますが、そういった方こそ今の島根に必要です。現在の島根県職員の方から、第二の吉岡さんが現れることを期待したいです。

その後、県職員の立場で支援されていた先代のいずも屋の社長さんの後を引き継ぐ形で、現職に付かれた訳です。結果だけみれば、“応援が過ぎてそのまま自分でやる羽目になった”という感じですが、実はこれが一番すごいことだと思います。私も様々な方から支援、助言等を受けながら会社を経営させて頂いていますが、支援あくまで支援です。責任を持って意思決定し、実践に移すこととはまったく次元が違います。私も時には「じゃあお前がやってみろ」と思います。そんなものです。しかし、吉岡さんは違います。支援者だったのに自分が実践者になってしまった訳です。しかも、県職員という安定的な立場を捨て、農業という先行きの不透明な世界に飛び込んでしまう。その勇気、熱意にまず敬意を表さずにはいられません。

2.家族の理解と支えがあってこそ、やりたい仕事ができる

東京でオリエンタルランドに就職、県職員としてUターン、農業生産法人の社長へ転職、という異色の経歴を持つ吉岡さんですが、やりたい仕事に専念出来てきたのも家族の理解、支えがあればこそ、そんなお話も伺うこと出来ました。

実は、吉岡さんはご両親とも県職員というご家庭だそうで、ご両親は、一度東京で就職した息子が県職員としてUターンされたことについて大変喜ばれていたそうです。そのため、県職員を辞める際にはお父さんに大変な反対にあったそうです。一般的な感覚として反対されるのはよくわかります。一回は説得をあきらめかけたそうですが、ケンカ別れ的に退職することはぜず、最終的にはお父さんの理解を得ることに成功し、現在は一番の支援者になって頂いているそうです。そうやって最後には家族の理解を得て新しい仕事に取り組まれたことが、現在の活躍を下支えしていることは間違いないと思います。経営に限らないかもしれませんが、家族の支えがあってこそ自分がある、さらには、社員、お客様、取引先、様々な方々の支えがあって今があることへの感謝の気持ちを思い起こさせて頂ける話でした。

また、社長を引き受けるにあたっては、それ以外にも様々な障害や葛藤があったと思います。しかし、そこは多くを語られず、「むしろ、やりたいことが見つかったという気持ち」とだけ述べられた吉岡さんの前向きさ、熱意、そして男気ともいうべき姿勢に感銘を受けました。

3.農業にこだわり、自家栽培農園で“しまねを耕す”

株式会社いずも屋の主力商品は、自家栽培したモロヘイヤを使ったサプリメントです。原料を自家農場で無農薬栽培されるので消費者としても大変安心な訳ですが、そのこと自体は“当たり前”だというのが同社のスタンスです。もっと根底にあるのは、島根の農地を耕し、次世代に残すこと。荒れ地を作らず、少しでも耕地を増やしていく。そのことが島根の地域文化を次世代に残していくことにつながるのだという吉岡さんの想いを聞くことができました。その後、“自分たちが耕している”こと自体を企業の価値にしていきたいという考えを聞き、自らの夢と企業理念とのつながりの素晴らしさに感心しました。だからこそ、単なる健康食品屋ではない、いずも屋さん独自の魅力を生んでいるのだろうと感じます。

ビジネス的にも様々な工夫や施策に取り組まれています。自家栽培を選択されたのは、外注すれば安くなるが品質を担保出来ないという背景があり、その結果、現在の栽培面積は7.2haに及ぶそうです。スケールメリットと安定供給の2つの効果を狙われたものではないでしょうか。また、“商品がお客さんから遠ざかるほど値段が安くなる”という法則を重視し、自家栽培作物によって作り上げた商品を直接お客様に届ける、というスタイルを徹底されています。一方で、作物(モロヘイヤ)自体の価値を高めるために複数の大学との共同研究に取り組まれており、自社の独自価値を構築するための仕掛けづくりを地道にかつ、したたかに取り組まれているという印象を受けました。また、島根県産の機能性食品を一括して取り扱う別会社を立ち上げる等、販路開拓の効率化にも取り組まれています。幅広い視野を持たれ、バランスのとれた経営をされているという印象を強く受けました。

株式会社いずも屋は、吉岡さんとその素晴らしい理念と熱意に引っ張られ、今後、企業として益々発展されるのではないかと思います。応援したい会社というのは、こういう会社を言うのではないでしょうか。私がこうやってブログに書くことで、ほんの少しでも力になればとも思います。そして私自身は、今回教えて頂いた実践・チャレンジする熱い気持ち、家族を大切にする心、独自の企業価値を生み出すための理念・工夫・努力、といったものをよく学び、自社の経営に役立てていきたいと考えています。

2011
08.03

2011年8月1日、島根県中小企業家同友会出雲支部の8月例会が開催されました。

この日は、株式会社山陰スポーツネットワークの赤池大介社長をお招きし、お話を伺いました。同社は、プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)スサノオマジックの運営母体となっている会社です。赤池社長は米国で企業されスポーツ関連のビジネスを手掛けられた後、日本に戻っていくつもの地域プロスポーツチームの再生を手掛けて成功させ、楽天イーグルスの立ち上げにも携わられたという異色の経歴の持ち主です。この方が、現在は島根に住んでスサノオマジックを率いていらっしゃいます。

今回、「プロスポーツ」というビジネスがどうったものかを垣間見るとともに、チャレンジし続けてきた赤池社長の“生き様”の凄さ、その情熱や信じる心の大切さを感じさせてもらいました。その内容を一部整理しておきます。

講演する赤池社長

1.球団の一番の資産はファン~ブースタークラブによる地域密着型経営~

今回の講演では、ビジネスとしてみたプロスポーツの仕組みについて色々と教えて頂きました。欧米のプロスポーツの収入を財務的にみると、1)チケット(入場料)収入、2)スポンサー(広告料)収入、3)放映権料収入、4)グッズ収入、の4本柱で構成されており、特に、米国のメジャースポーツは全世界に販売される放映権料のウェイトが非常に高いということです。この話は聞いたことがあります。一方、日本では放映権料収入がほとんど無く(野球は多少あるようですが)、チケット収入かスポンサー収入しかない。この2つも、天候に左右されたり、企業の業績に左右されたりと、安定的な収入として期待出来るかと言えば必ずしもそうではないという話です。

そのような状況で、人口規模が小さな地域でもプロスポーツを成立させる仕組みとして導入されているのが「ブースタークラブ」です。特定の選手を応援するために入ることが多いファンクラブとは異なり、チームそのものを、或いはそのチームが立地するその地域を応援しようという方々の集まりというイメージでしょうか。企業に頼らず、市民に支えてもらう仕組みとして多くの地域密着型スポーツで導入されているようです。球団そのもののファン、応援団、球団経営のプラットフォームとでもいうものでしょうか。経営的にみれば、ベースとなる売上を確保してくれる存在であり、最も大事にしなければならない顧客ということになります。これは一般企業に例えても、自分の企業・商品・サービスを応援してくれるベースとなるお客様(ファン)を確保するということだとみれば、スサノオマジックで実施されているブースターの集め方やサービスの内容・やり方には、参考にすべきものがあると思います。

2.挑戦する心~挑戦する者へのリスペクト~

赤池社長のこれまでの経歴を伺うと、まさに、挑戦し続ける人生を歩み続けていらっしゃるということがよくわかります。これまでの経験を包み隠さず話して頂きました。ボクシングで世界チャンピオンを目指し、挫折されたこと。その後、単身米国に渡って大学に進み、24歳で起業されたこと、その後米国のスポーツ関連用品の並行輸入などで大きな利益を上げられたこと、その後、米国のスポーツ球団での勤務等を経て、日本に戻られ、現在のスサノオマジックのような、地域スポーツの再生とでもいうべき事業に携わられています。

はっきりとはおっしゃいませんでしたが、若いころの事業もかなり成功されたようで、現在でも結構な資産家でいらっしゃるのではないかと思います。しかし、そこで安定した暮らしを選ぶのではなく、敢えて困難な仕事にばかり取り組まれているようにも見えます。それは赤池さんの持って生まれた闘争心のようなものかもしれません。いずれにしても、常い新しいことに挑戦し続ける姿勢、気持ちには感銘を受けます。そして、赤池さんから感じる「成功するんだ」という確信・自信は聞く者を圧倒し、そのパワーがスサノオマジックのブースタークラブが達成した圧倒的な人数に反映しているのだろうと確認します。

講演の途中、「米国には人種差別など様々な障害があるが、その一方で、チャンスを公平に与える国であり、『挑戦する者へのリスペクト』がある。」という言葉がありました。長年米国で生活されて感じたその姿勢が、現在の姿の根底にあるのではないかと感じました。挑戦する気持ち、持ち続けなければと思いつつ、日々の仕事や低迷する外部環境のせいにして失いがちです。しかし、今一度気持ちを強く持とうと思わせて頂ける、素晴らしい講演でした。

3.しまねLOVE~島根をもっと知ってもらいたい~

赤池社長は当然ながら島根県出身の方ではありません。現在の仕事に携わられるまでは、島根に来られたことも無かったそうです。

しかし、現在は島根県に住まわれてスサノオマジックの成功に向けて東奔西走され、あらゆるところで島根をアピールされています。講演の中で何回も「島根をよく知ってもらいたい」とおっしゃいました。それは、単に仕事だから、役目だからという次元でなく、島根を愛し、島根を良くしよう、良くなると信じて活動されているのだろうと感じます。まさに“しまねLOVE”。その強い気持ちは、島根に生まれ、育った者が負けていてはならないと感じさせてもらえます。

そしてその先には、この島根でプロスポーツが定着すれば、それが日本のあるべきスポーツ文化として定着させることが出来るのではないかという、赤池さんの夢があるのだと思います。そして、スポーツの素晴らしさを通じて島根の人達が島根に誇りを持つ。もっと言えば、そういった新しい世界、価値観、文化、といったものを創造しようとされているのかもしれません。赤池社長は現在40歳。同い年の私としては一番に刺激を受けなければなりません。ぼやぼやしている場合ではないという気にさせてもらえました。

昨シーズンのスサノオマジックは、初参戦でプレーオフ進出など、輝かしい成果を収めた訳ですが、今シーズンはさらに「勝チームをいかにつくるか」をテーマに取り組みをスタートされており、赤池さんとして優勝を狙われているそうです。さらに8000人超(これでも相当多いそうです)だったブースタークラブを30,000人にまで拡大しようという目標で頑張っていらっしゃいます。赤池社長の話を伺っていると、高いハードルだけど実現できそうな、そんな気持ちにさせてもらえます。今回の話を聞いて、同友会の会員の方もたくさんブースタークラブに入会されたようです。私も昨シーズン入会してはいましたが、試合観戦は1回のみでした。今年はもう少し多く足を運び、ブースターのみなさんと一緒に楽しんでみたいと思います。