2011
09.29

2011年9月27日、島根県中小企業家同友会 9月松江・出雲2支部合同例会が開催されました。

この日は、「14代目蔵元が取り組んだ企業改革~11年連続赤字から黒字企業への転換の軌跡~」と題して、合資会社 若竹屋酒造場 14代目社長 林田浩暢さんから報告を頂きました。林田さんは、福岡同友会の副代表理事もされており、今回、わざわざ福岡から松江にお招きして報告をして頂きました。(林田さんが個人的に運営されるページはこちら

若竹屋酒造場は1669年(元禄12年)から続く歴史ある蔵元で、林田浩暢さんはその14代目です。しかし、家業を継承したときは11年連続赤字で、さらに年商の2倍の負債(借入)を抱えていたそうです。普通の感覚なら、到底事業継続できる状態とは思えます。しかし、現在も厳しいながらも素晴らしい会社づくり、お酒づくりを継続されています。その改革の経緯を様々な側面から聞かせて頂きました。業種も歴史も違いますが、同じ後継社長として大変興味深く、また大変多くの学びを得ることができました。その中から、私の特に気づきとなった事項についてまとめておきます。

講演する林田さん

1.下からつくる計画の意味~数字の後ろにある人の顔・ドラマを知る~

林田さんは、自らの経験に基づき「下からつくる計画が大事である」ということを強く話をされました。ここで言う“下”とは「確保すべき利益」という意味合いでしょうか。ただ、昨今言われる「利益重視経営」とは、ずいぶん異なるものでした。また、中小企業家同友会では、経営指針(同友会では、経営理念、経営方針(戦略)、経営計画の3つをまとめて経営指針と呼ぶ)の策定を重要視しており、経営指針を策定しなければ同友会に入った意味が無い、と言われる方もいます。その策定は、一般には、その並びのとおり理念、方針(戦略)、計画、という順番になるのが常道のようですが、林田さんは、まず先に計画をつくり、そこから方針(戦略)づくりに至ったと説明される訳です。教科書的には、経営の理念や方針があって、その上での計画だろう、と考えそうですが、現実はそうでもない、という話でもあります。このことについて、「自分は、理念から計画をつくり上げる(落とし込む)ことはできなかった。下からつくり上げる必要に迫られた。」とも話されました。

林田さんが経営を引き継いだ時は、前述のとおり、常に莫大な借入金の返済に迫られており、その返済原資となる利益をどうやって出すかをとにかく考えなければならなかったという背景があったそうです。だから、会社の経費構造がどういう数字になれば粗利が出るかを考え、その数字に合うように、経費を削減し、原価を下げ、取引先と交渉し、大変な苦労をされながら黒字化に取り組まれたそうです。その途中で、取引先との歴史、生の声、現在の取組み、と言ったことを後継者として初めて聞くことができたそうで、そのことが大変重要であったと伺いました。

つまり、この“下からつくる計画”の意味合いは、表面的には必要な利益額を決めて、そこから必要な粗利額を求め、その粗利が出るように経費・原価をコントロールする、というものですが、その奥にあるのは、数字を追いかけ、数字に徹底的にこだわることで、初めて、自分がそして会社が多くの人達に支えられ、生かされていることに気が付く、ということだというのが私なりの理解です。数字の後ろにある人の顔、そしてそれぞれにある歴史やドラマ。そういったものを理解した上で数字を扱わないと、単に金の計算だけしていては、戦略そして理念さえも誤る可能性があると言うことだと思います。これは一定の歴史ある会社を後継するケースにおいて特に大事で、心にとめておく必要があることではないかと考えています。

2.利益を出せば会社は変わる、人も変わる

林田さんは、経営を引き継がれた当初、経営に関する様々なセミナーに参加され、その成果を会社に落とし込もうと色々な努力、経験をされたそうです。一つの例として、いわゆる自己啓発セミナーの類を受けた話をして頂きました。この手のセミナーでは、「自分が変わる」ことの重要性が説かれます。それは私も大事なことだと思います。しかし、それだけで周りの人が変わり、会社が変わる訳ではないという話です。林田さんも、当初「みんなの意識が変われば会社が変わる、そして、会社が変われば利益がでる」という順番で考えていたけども、そうでもなかった、という話をされました。むしろ自分が頑張れば頑張るほど、職場はしらける。自分だけテンションが高くても、職場は引いてしまう。確かにそれが現実ではないかと思います。

そんな中、林田さんの会社では、前述のとおり莫大な借入金を返済するために、数字を追いかけていくうちに会社が変わっていったそうです。そして利益が出るようになってから、会社が、人が、ものすごく変わりはじめたそうです。それが現実だったということです。また、林田さんは福岡同友会で副代表理事という役職もされているので、経営指針についての相談受けることもあり、経営指針を作ったけども、社内に浸透しないという悩みも多いそうです。その中で、ある傾向があるという話をされました。それは、「経営理念と経営方針があって、経営計画の無い会社は赤字」、「経営計画を上からつくっている会社(≒売上から計画を作っている会社)は社内が上手くいっていない」、というものだそうで、ここでも、経営を数字で見ることの重要性、数字の中でも“粗利”を重視することの必要性が垣間見えます。

人が変わる、会社が変わるきっかけは、それぞれの事情や背景に応じて様々でしょうが、「利益を出す」という極めて当たり前のことが大事だったということです。そこを徹底せず、それ以外のことを考えて、取り組んでも結果的にいい成果に結び付かない場合もある、ということだと思います。これは自分自身よく認識しなければならいと感じています。

3.「経営資源をどこに投入するのか」の意思決定が経営者の仕事

林田さんが「経営者の仕事」として、繰り返しおっしゃっていたのが、「経営資源をどこに投入するのかの意思決定」ということでした。経営資源とは、言うまでもなく、人・モノ・金。これをどこに投入するのか。経営の基本として教科書的に言われることではありますが、林田さんの説明が分かりやすいのは、伸びている市場や伸びている人にこれらを投入すればいい、ただ、そのためには“止めることを決めないといけない”、と説明された点です。

止めることを決める。実は非常に難しいことです。しかし、今までやって来たことを止めずに、新しいことばかりプラスして取り組んでも、経営資源には限りがあるので結局は中途半端になります。そんなことをしていては、大きな資本(経営資源)を持つ大手企業との競争になった場合に、勝ち目が無いのは明らかです。その「なにを止めるのか」を決める際に、様々な分析手法を用いて、できるだけ客観的に意思決定の材料を見出しているのが特徴でした。

それぞれの手法の説明は省きますが、SWOT分析を通じて見出した、“弱み”と“脅威”が重なり合う領域からは徹底する。ABC分析により商品の絞り込み、取引先及びお客様(対応)の絞り込みを行う。移動年計により、売上などのトレンドを把握する。PPM分析により、商品のライフサイクルを把握し、育てる商品、責める商品を明確化する。いずれも、経営資源の投入判断をするための道具として、手法の特性や限界を把握した上で採用されています。また単純に数字の結果だけでなく、その裏側にある“人”の情報にも着目され、活用されている点が大変重要だと感じています。

当社でも一部の手法については採用してみたことがありますが、これまでの問題点は、私一人で分析し判断していたこと、一度分析した結果を見直さずに活用していること、などが課題として浮かび上がりました。経営者の経験に基づき、感覚・直感で判断してしまいがちな意思決定を、結果的に直感が間違いでなかったとしても、こういった手法の裏付けを用いて、その意思決定を社内で共有化しながら事業を進めていくことが大事だということを教わりました。

報告の最後で、借入の返済が最も厳しかった時のことを話されました。そのお話の趣旨は、「社員とは弱い立場だ」ということ。社員に対してボーナスゼロ、ベースアップゼロのお願いをしなければならず、経営者としても心苦しい。社員もそれでは困ると言う。しかし、最終的には社員は受け入れざるを得ない立場にある。それぞれの生活、ローンの返済、子どもの学費、様々なことがあっても、受け入れざるを得ない。そのことを良く分かって経営を考えていかなければならない。だからこそ利益の出る会社にして、その利益を未来のために使えるようにしておく。内部留保・利益は、経営者の、社員の、夢やビジョンを実現するための原資だと捉え、会社を経営していなければならない。

その言葉は、とても重く、経営者であることの責任の重大さを改めて感じさせて頂くとともに、「利益を出す」ということの意味を深く考えるための気づきを頂きました。林田さんの報告は80分にわたり、自己紹介からこれまの経緯、経営戦略立案のための具体的手法まで、大変に盛りだくさんで、このブログではとても全てを網羅できません。しかし、同じ後継社長という立場で、大変多くの学びを頂けた、すばらしい報告でした。

2011
09.19

2011年9月15日~16日、第39回青年経営者全国交流会in富山が開催されました。この大会は、中小企業家同友会全国協議会の主催により毎年1回開催されるもので、今回は富山県富山市が会場です。実は、来年の10月、島根県でこの青年経営者全国交流会(以下、「青全交」といいます。)が開催されるため、来年に向けた準備の一環という意味も含めて、島根県中小企業家同友会のメンバー20数名でこの大会に参加してきました。

大会は、1日目の分科会(10分科会)、懇親会、2日目の記念講演、から構成されています。私は、1日目第3分科会、テーマ「人を活かす経営の実践」に参加しました。報告者は、京都同友会の㈱タザワ電気 代表取締役 田沢直氏で、「人が人を動かし 人が心を動かす ~幸せを分かち合える人創り 会社創りを目指して~」というタイトルで報告を聴きました。田沢社長は、いわゆる創業経営者で、創業後13期目。これまで、人と向き合うこと、人に想いを伝えること、想いを共有することについて様々な苦労をされながら、現在の会社を形作られており、その経験に基づいたお話は、後継社長の私にとって大変インパクトのあるもので、様々な気づきを得ることができました。その一部を整理しておきます。

1.経営者姿勢の学び~社長が変わり、社員が変わり、会社が変わる~

今回、田沢社長は、これまでの経営の中で経験した3つの大きな失敗について話をされました。一つ目は、会社立ち上げ当初、採用した若い社員(現在は会社の中核となっている)の方に当初期待を寄せ過ぎ、耐えきれなくなったその方に会社を辞めたいと思わせてしまったこと。二つ目は、東京進出を実現した後、東京で多忙を極めた社員2名が、クレームを頻発させ、ついには仕事を放棄してしまったこと。三つ目は、同友会青年部の幹事長を引き受けた後、社内に同友会の組織運営のやり方等を導入したところ、社内がおかしくなり、不平不満が蓄積し、離職者が多発するようになってしまったこと。

実際に報告された内容はこんなに簡単に書いて済むことではありませんでしたが、人・社員との関わり方が常に課題であり、社長の想い・会社の方向性の共有化が図れていなかった(図れているつもり)だったこと、共有化の術が不十分だったこと、などについて赤裸々にお話を頂きました。その失敗のたび、田沢社長自身が変わり、社員との接し方、想いの伝え方も変わって来たという経緯が報告の中核だったと理解しています。3回の失敗を経た後のタザワ電気は順調に業績を伸ばし、会社の雰囲気が変わり、活気が戻って来たということです。

田沢社長の最後のまとめを記します。「想いを正確に伝えること、正確に受け取ること。話したこと真意を正確に感じ、行動に移すこと。社長が変わり、社員を変えて、会社が変われることを実感してもらえるようにすること。」経営者になって間もない私が、田沢社長の報告から学ぶべき本質は何か、最後のお話に全てが集約されていたように感じます。

報告する田沢社長

2.具体的方策の学び~日報を共有化し、全ての日報に社長がコメントを加える~

創業以来様々な経験を経て、改めて社員との想いの共有化を図ることの重要性を訴えられた田沢社長でしたが、現在実施している具体的の取組みとして、「日報の共有化」ということについて話がありました。日報という基本的な作業、ツールをきちんと用いるという、ある意味基本的なことではありますが、タザワ電気の日報には二つの特徴があります。

一つは、特記事項として一人ひとりがその日の感想、気づき、新しい発見などを入力する項目を設けていること。この部分が特に重要だと言うお話を、講演後に話を伺った際に聞きました。もう一つは、上司及び社長がコメントを書く欄が設けられていること。現在、20数名の社員がいらっしゃるタザワ電気ですが、田沢社長は毎日必ず全員の日報にコメントを書かれるそうです。社長だけでなく、幹部(直属の上司)の方も追加して記載されるとのこと。日によっては半日ぐらいかかることもあるそうですが、そのことによって、社員の感情に気づき、日報から問題点が見えてくるというお話をされました。この情報の共有化によって素早い対応やフォローが可能になり、職場の活性化に役立っているとのことです。これも毎日日報を付け、毎日きちんとチェックしているからこそ、その変化が見え、異常にいち早く気が付くことができるのでしょう。また職員一人ひとりの成長もまた垣間見えるという側面もあるのではないでしょうか。

当社でも営業日報はありますが、内業や現場作業分については給与計算用に稼働状況を記録するのみです。今回の報告を聞いて、当社においても似たような仕組みを導入できないか検討してみたいと考えています。

第3分科会の様子(休憩時間)

3.グループ討議での学び~まず、向き合っているのか~

同友会では、報告者の報告を受けて、参加者(聴講者)が各テーブルに分かれてグループ討議を行います。私の参加したグループでも、全国から集まった様々な業種の経営者が、自社において社員と向き合うことの大切さ、そして難しさについて討議しました。

そのまとめの中で大事な気づきがありました。本質は「まず向き合っているのか」ということ。社員と向き合うのには勇気が要ります。その勇気をまず持つこと。そして、相手のことを理解しようという姿勢を示すこと。これらが出来ているのか、それを常に自問自答し、勇気を持って社員と向き合い、自分の今のスタンスについて話をする。それが本質ではないかと理解しています。

グループ討議の中で出たのは、「とかく方法論に逃げてしまいがち」だと言うこと。前述の日報も、方法論・手法であって、その背景に、社員と本気で向き合うのだと言う気持ちが伝わらなければ、日報作成は社員にとって“余計な仕事”となり、いずれ形骸化することが想像できます。タザワ電気の日報が成功しているのは、田沢社長が本気で社員に向き合おうとしていることが、社内に伝わっているからでしょう。私は、社員と向き合うことを苦手としています。自分でも認識はしていましたが、改善出来ずにいました。逃げていました。それが当社の問題だと言うことに、今回気づかせてもらいました。それが私にとって一番の収穫では無かったかと思います。

グループ討議の様子

初めて参加した青全交ですが、2日間はあっという間に過ぎました。約1000人が参加した大会のスケール感と熱気に圧倒されました。最初は行ってどれほどの意味があるのかという気もしていましたが、行って良かったです。やはり全国からわざわざ集まってくる若手経営者の方は意識が違います。そういった方々と触れ合うだけでも気づきをもらえます。しかし、そんな経営者でもそれぞれに悩んでいます。しかし、本気で悩んでいるからこそ、他の人の悩みに対して的確な助言ができる人がたくさんいる。お互いの悩みにお互いの気づきを伝え合うことで、お互いが成長し、それぞれ会社が良くなっていく。そういうプラスのサイクルを生み出すことが出来るからこそ、こういった大規模な全国大会を開催することの意義があるのだと私なりに整理しています。

この青全交、来年は島根県で開催されます。この学びの機会を島根の活性化に行かすべく、私も出来る限りの協力をし、大会を成功に導きたいと考えています。

2011
09.14

社長の温泉めぐり38 皆生温泉(日帰り温泉オーシャン) 鳥取県米子市

私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

今回38箇所目は、鳥取県米子市の「皆生温泉 日帰り温泉オーシャン」です。訪問日は、2011年9月11日です。オーシャンは、皆生温泉の民間日帰り温泉施設で、2010年12月にリニューアルオープン。敷地内に独自の泉源を持つ“源泉かけ流し”の温泉施設、さらに中国地方最大級の大露天岩風呂が売りとしてPRされています。

施設外観

皆生温泉の民間温泉施設としては、おーゆランドもありますが、この2つは価格面で全く異なるアプローチの施設で、おーゆランドが入浴料350円なのに対し、オーシャンは、入場料が大人1300円。かなり高めの設定です。もっとも、施設全体が高級志向のしつらえで、一度入場すれば何回でも入浴可、バスタオル、フェイスタオル、専用館内着、などがセット。また、後述しますがリラックスコーナーには無料インターネット・マンガコーナーなどもあり、それらを勘案すれば、まずますの値段設定という見方もできます。近傍の施設では、湧くわく天然温泉ラピスパとよく似た施設と言えます。前述のとおり値段は高めの設定ですが、新しいということもあるのでしょう、日曜日の昼間時は駐車場も満車に近く、かなりにぎわっている風でした。

泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉で、皆生温泉に共通する泉質です。成分総計9.229/kgと濃いめで、かつ泉温が73.8℃という高温度。これを、この大規模施設でかけ流しで使用しているということなので、湧出量もかなりのものと推察されます。高温のため加水して使用されているようですが、口に含むとかなり塩からく感じます。塩化物泉の特性については、おーゆランドの温泉めぐりで記載した内容とほぼ同じですので、今回は省略します。

この施設ですが、風呂が1階と2階に分かれており、1カ月ごとに男湯と女湯が交代するようです。今回、たまたま1Fが男湯だったので、売り物である大露天岩風呂にも入ることができました。

まず、内湯は、大浴槽と水風呂、サウナ、というシンプル(2Fにはジャグジーがあるようです)な構成。珍しいのは、大浴槽が「ぬる湯」と「あつ湯」に分かれている点。ぬる湯はその名のとおり“ぬるめ”で比較的長い間入っていることができました。一方、あつ湯はかなり熱めで、その一角に電気風呂が併設されていました。もう一つ珍しいのは、それぞれの風呂に、名称と“水深”が書いてあること。「ぬる湯 水深60㎝」という感じ。水深が表示してあるのは初めてみましたが、いいアイデアだと思います。しかし、この温泉は無色透明なので、むしろにごり湯で底の見えない温泉でこういった配慮があるといいと思いました。洗い場は、20箇所あり、ほとんどが大型の仕切り付きで、一人当たりのスペースもかなり広め。ボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。

大露天岩風呂の様子

そして、売りである大露天風呂。中国地方随一という広さは、うたい文句だけではなく、確かにかなりの広さです。ただ、ラピスパの露天風呂もかなりの広さで、(あくまで雰囲気ですが)同じぐらいの感じがします。風呂のつくりとしては岩風呂風で、一部に底が浅いスペースが何か所かあり、そこが寝湯として使えるようになっています。また、外のスペースの一角には、クリアミストサウナと呼ばれる、低温のサウナがありました。

脱衣場もかなり広々。ロッカーは100以上はある(数えるの忘れた)と思います。ロッカーはほとんどが縦長のタイプで上着やシャツが掛けられるようになっています。また、脱衣場に併設してリラックスコーナーがあり、横になれるソファーが20程度(これも数えるの忘れた)あり、湯上りにゆっくりくつろげるようになっています。洗面は、手洗いができる洗面台は数か所で、髪を乾かす「化粧台」がずらっと並ぶ感じです。男女が入れ替わることもあるのでしょうが、高級感ある造り。化粧台の席は10ほどあり、すべてに大型の鏡、高そうなリキッドなどのアメニティ、そしてドライヤーがセットされていました。

施設内部(いい写真が撮れていませんでした)

この施設は、「気軽に行けるバリ風温泉リゾート」と銘打たれています。私はバリ島には行ったことないので、本当にバリ風なのかどうかの判断はつきませんが、アジアンテイストの内外装は、非日常感を上手く演出しながら、適度な高級感も醸し出しています。風呂だけではなく、海の見えるレストラン、タイ式ボディケア、中国式アカスリ・エステ、無料インターネット・マンガコーナー、ゆったりとしたソファーを多数そろえたリラックスコーナーなど、長時間、ゆっくり過ごせる仕掛けはたくさんありました。また、館内着に着替えて過ごすため、支払いはロッカーキーの番号で管理する後精算方式が採用されるなど、余計な手間をかけない配慮もあります。

その他、施設内外の無料足湯コーナーや、高級感ある家族風呂(パンフで見たのみですが)など、高温度で豊富な湯量の泉源を活かし、ぜいたく感ある温泉施設と言えます。まだ新しく、山陰地域では珍しいタイプの温泉施設。一日かけてゆっくり過ごすなど、長時間の滞在で利用するのであれば、値段なりのメリットもあるのではないかと思います。

 

2011
09.06

2011年9月4日(土)、しまね起業家スクールビジネスプラン発表会に参加しました。しまね起業家スクールは、島根県と特定非営利活動法人Gasshoが実行委員会を形成するかたちで運営されているもので、今期で11期目、累計500名以上の受講者、島根県内を中心に50名の起業家を輩出するという、歴史あるスクールのようです。

スクールは、4カ月間にわたり毎週開催される長丁場で、毎回行われるグループワークによるプランのブラッシュアップや、長期間のスクールで培われた新しいネットワークづくりが特徴で、その集大成が「ビジネスプラン発表会」ということになるようです。この発表会には、受講生はもちろん、一般の聴講者も参加可能で、私も島根県中小企業家同友会の方から案内を受けて、参加してみることにしました。

参加してみた感想は、「起業家スクール」「ビジネスプラン発表会」という言葉のイメージから想像されるものとはずいぶん様相が異なる、もっと違ったものなのだなということです。それを整理してみます。

1.「起業家」ではないし、これが「ビジネスプラン」なのか?

発表会では6名の受講生の方が自分のビジネスプランについてプレゼンテーションを行いました。それぞれに趣向を凝らした構成、熱のこもった発表、その想いは見ている者に訴えかけるものがありました。しかし、当初、その内容には、どうも違和感を覚えました。

まず、私は、発表者の方は今後、或いは既に独立される「起業家」の方だと思いこんでいましたが、いわゆる起業家と分類してよさそうな方は6名中3名。後は、自ら事業を営んでいる方が自らの事業の改善や自分自身を見つめ直す、というスタンスです。「第二創業」だと捉えればそれも有りでしょうが、割と細かい話が多く、私の理解としてはそういう話でもなさそうです。もっと気になったのは、これが「ビジネスプラン」なのか、という点です。プレゼンの内容は自分の想い・やりたいことの説明に大半が割かれ、悪く言えば「想いをぶちまけただけ」という印象。その熱意は素晴らしいのですが、ビジネスなのに、自分のプランはどうやって商売が成立するのかという、お金の話について説明がない(資料として収支計画は添付されていましたが説明はなし)プレゼンが多く、どうもバランスを欠いた印象を受けます。

冒頭、司会者の方から、今回の発表者はプランが優れているから選ばれた訳ではなく、その方達を発表者として応援することがこのスクール受講生全員のためになると考えて選ばせてもらった、という趣旨の説明を聞いてはいました。しかし、それでも、内容とすればみんなの興味を引くような新しいビジネスのアイデアを聞かせてもらえるのかと思っていたので、なんだか消化不良でした。これらのことは、おそらく、運営側も分かってやっていることだと思いますので、「起業家」「ビジネスプラン」という言葉に捉われず、なんとかこの会の本質を捉えたいと考えこのブログをまとめています。

発表会場の様子

2.みんなでつくるプレゼンが生み出す感謝の気持ちと仲間の絆

今回の起業家スクールの定員は50名。これに対して発表者は6名。では後の受講生はどうするのかと言えば、それぞれが6名の発表者のプレゼンを支援するグループに分かれて、その準備を手伝うという仕組みになっているようです。通常のこういったスクールものの発表は受講生それぞれが準備するものでしょうから、特徴の一つだと思います。

事実、発表者のプレゼンは、発表者の個性を活かし、それぞれ趣向を凝らしたものばかりでした。絵心のある方が似顔絵やイラストを描いたり、(おそらくは受講生の方が出演した)ビデオを制作して途中に挿入したり、そもそも、パソコンがあまり得意でない方に対しては、得意な方が手伝ったり、という協力のもとでそれぞれのプレゼンができあがっているのだろうなというのがありありと伝わりました。最初、「起業」が目的なんだから、プレゼンがゴールではないのに、あまりにプレゼンに凝り過ぎている印象を受けました。プレゼンで燃え尽きやしないかと心配になりましたが、実はこれにも大事な意味があるのだろうと感じています。

それは、「仕事は一人だけでするものではないということ」。個人事業主であっても、それを周りで支えてくれる様々な人が居て事業が成り立ちます。人を雇用して会社を運営していれば言うまでもありません。その方々に感謝しながら事業を営む。そういった疑似体験をする場として、このプレゼンがあるのではないかと理解しています。そして、プレゼンを協力したつくった仲間、このスクールの仲間は、今後それぞれの受講者の方が携わる事業において、お互いによき協力者になっていく。そのための仕掛けの一つでもあるのでしょう。

発表する渡部さん

3.ゴールは、人が前向きに変わっていくこと

しばらくの間、「一体このスクール、発表会とは何なのだろう?」と思って聴講していましたが、ある発表者の方のプレゼンに一つの答えがありました。

婚活&恋活 Alfine(アルフィーネ)を運営されている渡部忍さんという方の発表です。渡部さんは、島根県松江市を中心に合コンパーティー・イベント、お見合い・合コンセッティングをプロデュースするWedding-Cafe(結婚相談所)の事業を立ち上げられた方で、まさに起業家の方です。自らも、大手結婚相談所で働かれた経験をお持ちですが、さらにきめの細かい支援が出来ないかと考え、独立をされたとのこと。そのプレゼンの中で、自らの経験として、結婚に中々前向きになれなかったお客さまが、だんだんと変わり、そして最後は成婚までこぎつけたというお話をされました。その経験を通じて、「ゴールは結婚ではなくて、人が前向きに変わっていくこと」だと気づき、そのための手伝い、支援をする事業を立ち上げたというお話をされました。

ゴールは、「人が前向きに変わっていくこと」。その言葉を聞いた時、これが、このスクール、そして発表会を一言で表しているのではないかと感じました。自分が変わらなければ、周りも変わりません。4カ月という期間が、そのための出会い、気づき、学びの場となる。起業家スクールは、起業を目指すという切り口で、仕事を通じて自分自身が変わっていく場を提供していくことを最重要視しているのではないだろうかというのが、私なりの結論です。

発表者のみなさんの最後の挨拶

最後に発表者6名が壇上に並んで挨拶がありました。みなさんに共通していたのは、「協力したくれた受講生へのお礼、感謝の気持ち」と「自分が変われた」という喜び。誰でもできることだけど、中々できないことです。これを“起業”を切り口に学び、自分のやりたいことを実現するためのスタートラインに立たせてくれるのが、この「しまね起業家スクール」なのではないかと、自分なりに整理したところです。関係者のみなさん、違ってたら教えて下さい。