温泉めぐり

社長の温泉めぐり71 東郷温泉(水明荘) 鳥取県湯梨浜町

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

71箇所目は、鳥取県湯梨浜町「東郷温泉(国民宿舎 水明荘)」です。訪問日は、2015年1月26日です。

水明荘 外観

東郷温泉は、鳥取県の中央部にある東郷湖の南岸に位置する温泉地で、その東郷湖の湖底より湧き出した温泉を活用している特徴的な温泉地です。北岸には“はわい温泉”があり、この近接する2つの温泉地は、湖畔の風景が優雅な雰囲気を醸し出す鳥取県を代表する温泉地となっています。東郷温泉は高温の源泉を有し、かつ、湧出量も豊富なことで知られます。水明荘は、東郷温泉街の中心に位置する施設で、東郷湖湖畔にそびえる五階建て、中華風の瓦屋根が特徴的な建物です。温泉はかけ流しで運用されているそうです。基本的には温泉宿泊施設ですが、日帰り入浴も可能であり、今回利用してみました。

東郷温泉(水明荘)の泉質は、含弱放射能-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉です。成分分析表によれば、元々水明荘が所有している源泉と、東郷温泉管理組合が所有している2号泉の混合泉となっています。混合後の泉温は70.5度とかなりの高温です。また、成分総計1.491g/kgで、含有量としては比較的薄めの泉質と言えます。源泉は違いますが、同じ東郷温泉の入浴施設「ゆアシス東郷龍鳳閣」もほぼ同じ性質を有しています。泉質面では、塩化物泉の特性として、塩化物イオンの“パック”効果で湯ざめしにくい温まりの湯、ナトリウム-硫酸塩泉の特性として、浴用により高血圧症、動脈硬化症などの効果が期待されます。一方、phは7.8と弱アルカリ性の泉質で、入浴した時のぬめり感はさほど感じません。さっぱりした入浴感と言えます。また、温度が高いため加水されているようですが、「季節により加水している」旨の記載があるので、今回(冬季)は、源泉そのままのかけ流しで運用されていたかもしれません。

2Fベランダからの眺望(風呂からの眺望もほぼ同じ)

水明荘の風呂は男湯、女湯、家族風呂、障がい者風用風呂、露天風呂、という構成になっています。今回は日帰り入浴だったので男湯のみを案内されましたが、宿泊の場合は、露天風呂、家族風呂なども利用可能だと思われます。また、男湯が2F、女湯が4F、露天風呂が5F、となっており、男湯と女湯の入れ替えはなさそうです。男湯はシンプルな長方形の内湯のみ。特徴的なのは、窓からの眺望です。東郷湖の湖畔のすぐ脇に建物がありますので、風呂場から眺望が絶景です。風呂に浸かりながら眺望を楽しむことができます。当日はあいにくの雨模様でしたが、春先や秋口の眺めの素晴らしさは容易に想像されます。当然ながら上の階ほど眺望がいいと思われ、常に4Fが女風呂であるため、この施設では常に女性が優遇されています。2Fを4Fも入れ替えで入れるようにすればいいのにという気もしますが、事情があるのかもしれません。いずれにしても、女性優遇は正しい選択だと思います。

洗い場は7箇所。仕切りはありません。リンスインシャンプーとボディソープが備えつけてあります。ロッカーは篭が置いてあるタイプで32箇所あります。貴重品は、別途貴重品ボックス24箇所あり、そちらに預けるようになっています。日帰り入浴の場合は少しめんどくさいですが、基本的に宿泊者の方が利用する前提なので、こういう形が妥当でしょう。貴重品は出来るだけ車に置くなどして利用するのがいいかもしれません。洗面は4箇所あり、ドライヤーは2つのみでした。

日帰り入浴の利用料金は、大人540円。70歳以上は320円となっています。入浴可能時間は、平日10:30~21:30と長く設定されており、遅くまで利用できるのも特徴と言えます。私が訪れた時間は、平日の昼時でしたが、地元の方と思わしき方が結構利用されていました。

飲泉(龍泉の湯)

また、建物の外には「龍泉の湯」と呼ばれる飲泉があります。温度は思いのほかぬるく、気軽にすくって飲むことが出来ます。ホームページによるとペットボトルに入れて持ち帰る方も多いそうです。この東郷温泉をはじめ、鳥取県内の温泉は飲泉適とされている温泉が多くあります。入浴だけでない温泉の楽しみ方として選択肢が広がり、いいことだと思います。

水明荘は、前述のとおり国民宿舎として、湯梨浜町内の主要宿泊施設の一つとなっており、リーズナブルな価格設定で地域の食材を豊富に使った料理が楽しめます。また、会議、宴会、みやげ物販売等、多様な活用がなされています。私が訪問した日も、午前中から会議利用があったようで、たくさんの利用者の方がいらっしゃいました。また、当日はあいにくの雨模様でしたが、隣接する東郷湖畔公園は水明荘の湖岸前のスペースと一体となり、湖畔の風景を楽しむオープンスペースを創りだしています。好天時には温泉入浴前後にさわやな散策を楽しむこともできます。時間がたっぷりある時に、宿泊で訪れてみたい温泉地です。

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