2015
04.09

私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

72箇所目は、広島県尾道市御調町の「天然温泉 尾道ふれあいの里」です。訪問日は、2015年4月5日です。

尾道ふれあいの里は、“尾道の奥座敷・公共の宿”とのキャッチコピーですが、奥座敷と言うイメージとは大きく異なり、温泉施設、宿泊施設、宴会場、会議研修室、などを備え、訪れるとそのスケールに圧倒される大規模施設です。特徴的なのは、付属屋外施設として体育館、多目的グラウンド、テニスコート、ゲートボール場なども備えていることです。学校の部活動やスポーツサークル合宿等での利用も可能な、総合的な施設となっています。元々は、広島県が総合的な福祉施設として整備されたものですが、その後、旧御調町に移管、そして尾道市との合併を機会に大幅なリニューアルを行って温泉施設を増築し、現在の温泉宿泊施設となった経緯があるようです。

尾道ふれあいの里(本館施設)

尾道ふれあいの里の泉質は、単純弱放射能冷鉱泉です。冷鉱泉とあるように泉温は21℃、地下800mから300㍑/分を揚湯されていると表示されています。放射能泉ですので、ラドン(温泉中に含まれるラジウムが地上に出た際に分解されて生じる弱い放射線)を体に浴びたり、呼吸したりして体内に取り込むと、新陳代謝が活発になり、免疫力や自然治癒力が高まると言われています。phは8.7と適度にアルカリ度が高いのも特徴です。

大型の施設だけに風呂の種類も豊富です。「ほほえみの湯」「ふれあいの湯」に分かれ、それぞれに特徴ある風呂を設け、日替わりで男女が入れ替えているようです。私が訪れた時は、ほほえみの湯が男湯だったので、そちらの様子を記載します。メインの内湯はプラズマ大浴槽と呼ばれる大型の内湯で、細胞を活性化させる西日本唯一の設備との表示がありましたが、その仕組みの説明まではありませんでした。その他には、かけ流し湯、炭酸風呂、水風呂、遠赤外線サウナ、などがあります。このうち、注目したいのは「かけ流し湯」です。放射能泉から生じるラドンは直ぐに空気中に逸散してしまう特性があります。このため、循環方式の場合はラドンの効果は限定的にならざるを得ません。この点、このかけ流し湯は源泉をそのまま利用していますので、放射能泉の効果を最大限に得ようとするならば、この温泉ではこの浴槽を中心に温泉を楽しむのが良いのではないかと思います。

風呂のレイアウト

浴槽は基本的にタイル張りで、今時の石張りの風呂などと比較すると少し古さを感じる面もあります。しかし、天井は非常に高く、外の明かりを最大限取り入れる構造となっており、とても開放感があります。また、露天風呂には屋根が掛けてあり、雨天でも落ち着いて入浴することが可能です。

洗い場は15箇所。仕切りはありません。シャンプー、コンディショナー、ボディソープが備えつけてあります。ロッカーは鍵付を受付で下駄箱の鍵と交換してもらうタイプで、数は200個ありました。縦型で上着なども掛けることができるタイプです。洗面台は8箇所でしたが、ドレスルームが別にありました。このドレスルーム、女湯のみに完備している温泉施設もありますが、ここは、両方にあるようです。偶数日・奇数日で男湯女湯が入れ替わるので、当初からそういう設計にしているのでしょう。

利用料金は、大人820円。フェイスタオル、バスタオル、館内着が含まれた値段です。営業時間は10時から22時まで(最終受付21時30分)と長く、日帰り入浴でも遅い時間まで対応しているところは魅力的です。私が訪れたのは日曜日の昼時ということもあり、館内は利用者で賑わっていました。温泉利用だけでなく、前述の様々な施設利用者の方が行きかっています。その人だかりから、風呂も相当数の利用者があると思いきや、中は思ったほどの人の数ではありませんでした。それだけ施設全体が多様に利用されているということでしょう。

風呂の入口

2015年3月27日(日)、中国横断自動車道尾道松江線(中国やまなみ街道)が全線開通したため、ドライブがてら尾道方面まで出かけてみました。この施設は尾道市街の少し手前ですので、松江市内からは2時間で到達することが出来ました。こういった道路が出来たからこそ、行ってみようという気になる施設もあります。人の流れが大きく変わりそうな予感がします。また、この旧御調町という町は、私が就職して初めての仕事で携わった町です。入社1年目から2年間頻繁に訪れていました。20年以上前ですが、当時と変わらない部分もあれば、大きく変わったところもあります。この施設もその一つです。当時は、県営の福祉施設としての位置づけでした。昔懐かしい地を気軽に訪れ、そして温泉を楽しめる、というのもありがたいことです。今後機会があれば、次は団体利用で訪れてみたいと思います。

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