まつえ南商工会

まつえ南商工会 やくもまつり“おいでな祭”に地域づくりを垣間見る

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2009年10月から、まつえ南商工会に入会し、その青年部で活動をしています。

2010年8月14日(土)に、松江市八雲町の夏祭り「おいでな祭」が開催されました。このまつりは、まつえ南商工会八雲支部の青年部メンバー(OBも含めて10数名)が中心になって、企画・立案し、毎年開催しているものです。今年で11回目になります。

実は、私はこれまでこの祭りに参加したことが無かったので、初参加が運営側という立場になりました。なにぶん参加したことが無いので、まつりのイメージがつかめないまま準備に携わってきましたが、他のメンバーのみなさんに助けられ、何とか当日まで乗り切ることができました。

お祭りというイベントに運営側として携わった感想を含めて記しておきます。

1.まつりは寄付で成り立っている~まつりの地域密着度のバロメータ~

今回、私はまつりの会計担当となり、寄付集めの段取りを担当しました。そこで改めて感じたのは、「まつりは寄付で成り立っている」ということです。松江市からの補助金もあるのですが、補助金だけでは、(従来開催してきた規模の)まつりは成り立ちません。

さらに言えば、寄付が集まってからその額に応じた内容を計画する訳ではないので、ある程度お金が集まる前提・見込みで準備を進めているという危うさがあり、その意味でも、寄付集めがまつりの成否を左右する重要な要素であることを知りました。

寄付の依頼は、主要な依頼先に寄付の依頼文書を郵送した後、メンバーで手分けしてお願いに歩くのですが、寄付をしてもらえるかどうかには、依頼する側とされる側の人と人とのつながりが大きく影響していると実感しました。そして、どの程度の寄付が集まるのかは、まつり(とそれを企画する側)がどれだけ地域に浸透し、密着しているのかのバロメータではないかと感じました。その意味では、今回、最終的に例年並みの寄付が集まりました。やくもまつりの密着度は中々たいしたものではないかと思います。

寄付は、自治会、商工会会員、一般企業、に大きく分けられるのですが、地域全体として中々景気のいい話が無い中での貴重な寄付、地域のみなさんにお礼を申し上げたいと思います。ちなみに、当社も色々と寄付のお願いをされることがあるのですが、寄付集めの段取りを担当してから、中々断れなくなりました。(笑)

2.効率的な準備と当日の外注化

やくもまつりは、商工会青年部が主体となってから今回で11回目となり、準備もかなり効率されていました。裏を返せばマンネリ化しているという印象もありましたが、現在は準備は青年部メンバーで実施し、当日の準備・運営に際しては業者さんを効率的に使うというスタイルです。昔はステージの組み立てや当日の警備、駐車場の誘導まで商工会メンバーで実施していたそうですが、現在、そういった作業はすべて業者さんに委託されています。

昔に比べてメンバーの数が減っていることもあるようですし、“餅は餅屋”ということでしょうか。実際、警備や駐車場誘導などは非常にスムーズで大変いい仕事をしてもらいました。その分、メンバーは、出店とステージ運営に集中するイメージです。

悪く言えば“外注頼み”ということになりますが、これはいいことだなと感じました。例えば、駐車場の誘導を直営で実施したとすると、(交代はあるとしても)そのメンバーはまつりの会場から離れたところで大半の時間を過ごすことになり、まつりのにぎわいに触れることができません。メンバー自身もまつりを楽しむべきだし、来場者との交流もまつりに参加する大事な意義だと思います。その意味で、当日の準備やサポート的な業務を外部に委託し、まつりのコアととなる出店やイベントに集中するという今のスタイルは、長年の経験を活かした合理的な判断だなと感じたところです。

出店の様子(早い時間で、人出はまばら)

3.まつりを“まつりたらしめるもの”

祭りが終わって、改めて考えると、まつりをまつりたらしめるものは、何だったのかと思います。まつりらしい“にぎわい”は何から生まれるのか。やくもまつりを構成する要素は、花火、イベント、出店の3つです。多くの地域の祭りも似たようなものでしょう。

このうち、運営側によって差が出るのは“イベント”の部分なんだろうと感じました。やくもまつりでは、メンバーの中にこういった催しによく通じた方がいらっしゃって、企画・段取りから当日の司会まで、全部を担当されています。来場者参加型の企画として、ケーキ早食い競争、ビール、カルアミルクの早飲み競争、その間に、地元団体やセミプロなどによるライブイベントの開催、そして最後は花火へのカウントダウンと続きます。当日、私はステージ係として、早食い・早飲み競争の準備、片づけなどをしていましたが、その間のつなぎと進行は非常にスムーズで優れたものでした。

来場者すべてステージに注目している訳ではありませんが、ステージに注目するお客さんと出演者が織りなす賑わいは、間違いなく会場を盛り上げ、まつりの“にぎわい”を生み出していました。正直、まつりの人出は予想以上(昨年よりは多かったらしいです)で、びっくりしました。八雲町にこんなに人が居るのかと。毎年、それだけ集客するの原動力は、やくもまつりが持つ“にぎわい”でしょうし、その大きな要素がこのステージにある。長年続けてきて培った大きなノウハウであり、財産なのだろうと感じたところです。

ステージ側からみた会場の様子

やくもまつり、準備は中々大変でしたが、運営側として参加してみて良かったと思います。地元のまつりですから、来場者には顔見知りも多かったですし、久々にみる顔もありました。私は、当日の作業に追われて中々ゆっくり話すことはできませんでしたが、会場内では方々で、久々の交流や再会に花が咲く様子が見られました。

年に一度、こういった場があり、地域に住む者どうしの交流が図られ、一方で、新しいつながりが生まれれば、それは一つの地域づくりであり、地域の活性化だろうと思います。その“場づくり”にいくらかの時間を割いて関わることもまた有意義だし、やる価値のあることだと感じたところです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*