島根県技術士会

島根県技術士会 H22年度技術士第二次試験・受験対策講習会

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2009年4月から島根県技術士会に入会し、活動に参加させて頂いています。

島根県技術士会 http://peshimane.s3.zmx.jp/

(そもそも“技術士”とは?といった説明は割愛します。詳しくは上記ホームページでご確認下さい。)

平成22年4月10(土)に、技術士第二次試験・受験対策講習会が開催されました。

この講習会は、技術士試験の受験を目指す方を対象に、試験制度の仕組みや動向の説明、さらには専門分野ごとの個別指導を行うという内容のものです。社団法人島根県測量設計業協会の主催、島根県技術士会の共催で、毎年開催されています。

この度、私も個別指導を行う講師の1人として参加させて頂きました。

技術士という資格は、科学技術に関する国家資格の最高峰ですが、一般にはあまり知られていません。しかし、建設分野、特に私たちの建設コンサルタント業では非常に重要な位置を占めます。経営的・営業的観点からみれば、その企業における資格保有者数(数だけでなく能力や実績も含めてですが)が仕事のできる領域や仕事量に関連してきますし、一技術者の観点から見れば、自分の技術力の証明する材料の一つであり、“技術”を売りに仕事をしている者としては、取得を目指すべき当然の資格とも言えます。

技術士に限りませんが、国家資格などの受験準備や情報収集については、インターネットの普及により、地方と都市との情報格差は解消されつつあります。しかし、それでも、顔を合わせて、膝を突き合わせての指導を受ける機会といった点では、やはり格差が存在します。また、建設コンサルタント業の中でも小規模な企業が多い地方部では、一つの会社の中で資格取得支援を完結させることは中々難しいのが実態です。

そこで、島根県測量設計業協会や、島根県技術士会などの団体で、その参加企業の協力を得ながら、資格取得に取り組もうしています。

私は、前の職場が中堅の建設コンサルタントでしたので、自分自身が技術士に合格した後は、社内で同僚や後輩の資格取得を支援してきました。そのように、一つの企業の中で、企業の力を高めるために支援する、という構造には違和感がありません。

しかし、今回のような支援の取組みは、前述の企業内の取組みとは異なります。

基本的に他社の受験者を支援する訳ですから、商売敵の手助けをすることに他ならず、それは自分の仕事の口を減らすことにつながる可能性があります。

私も、経営者とすれば、日頃競争して仕事を取り合っている他社を支援してどうするんだと思いますし、それが“正常な認識”というものだと考えています。そんな暇があれば自分の会社の資格者を増やすべく努力すべきでしょう。

しかし、それでも支援を手伝おうと思うのにはそれなりの理由があります。

一つは、この島根県技術士会が、個々の企業の損得という範疇を超え、島根県全体の技術力を高め、そのことで島根県の発展を支え、さらには都市部と対等に渡り合える地域力を保持していこうという大所高所に立った活動姿勢を持っているからです。

さらに、技術士はそれなりに難しい資格(技術系国家資格の最高峰ですから)で、さらに合格には良質な実務経験が必要です。受験勉強や受験テクニックもありますが、日頃からきちんと仕事をしていることが合格の前提で、上司やお客様に言われるがままに作業している人が受かる資格ではありません。このため、結局のところ、技術士受験の指導とは、“いずれ合格するであろう人を少し早く合格に導く”という程度のものでしかないと考えています。あたり前のことですが、合格は指導者の手柄ではなく、あくまでも受験者の努力の結果に他なりません。

私自身は、今回、こういった会に参加し、受験予定者の資格試験への取組み姿勢を垣間見て、かつて自分が資格取得を目指していた頃の気持ちを思い出させてもらいました。また、自分の会社の資格取得をどうしていくのか、営業的な面から、会社の技術力の維持・向上の面から、職員の自己啓発の面から、考えさせられる良いきっかけとなりました。新年度早々、いい刺激を頂くことができました。

引き続き、私にできることはお手伝いしたいと考えています。

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