2015(平成27)年度がスタートしました。4月1日より、新たに2名の新しい仲間(高校新卒)を迎えました。新体制は総勢25名となり、私が社長に就任して以降の最大社員数を更新しました。このメンバーで、2015年3月14日(土)の「平成27年度経営指針発表会」で発表した新3カ年計画及び第57期経営計画に基づいた事業運営を進めていきます。今期のスタートにあたり、特に人財面からみた社内の変化を今一度整理し、その中から今後の展望をまとめて今期の活動のスタートの決意にかえたいと思います。
1.二巡目に突入した新卒採用~新世代の切磋琢磨のはじまり~
今年度迎えた2名の新しい仲間は、高卒新卒の2名です。
平成24年度に新卒採用をスタート(11年ぶりに再開)した時にも、高卒新卒者を2名採用しました。いずれも、職種は現場作業職です。当社の業務でいえば、ボーリング調査などの現場作業を担ってもらっています。建設業及び関連業全体に言えることですが、現場の技能職の不足が課題となっています。ボーリングのオペレータも高齢化が進み、数年もすればオペレータが不足してくると、それ以前から懸念が示されていました。当社も例外ではなく、その課題に対応するために、若い人財を採用した訳です。
その若手も入社後丸3年が経過し、現場作業を担えるところまで成長してきました。そのタイミングで、新たに2名の高卒新卒者を採用して、その後輩に充て、若手メンバーでボーリングの現場をこなせる体制を整えるのが目的です。そこで初めて、本当の世代交代が実現できると考えています。新卒者で構成されたボーリング班が安定的に現場を担うためにはあと2年ぐらいは必要でしょう。新卒採用の効果を出すには時間がかかるということを実感します。
そして、これまでの新卒社員は、既存の社員(長く新卒採用がない時代を過ごした社員)に新しい刺激を与える存在でした。それが、今年度から新卒で入った先輩社員に新しい新卒が刺激を与える段階に移行しました。より年齢の近いところの後輩が入社し、仕事の力量がそこまで大きく差がない中で切磋琢磨する。そういうステージに進んだと考えています。苦しくても新卒採用を継続していく。そして新卒者が5年目、10年目となり、本格的な戦力となる時こそ、当社の本当の飛躍の時だと考えています。
2.新運営体制で社内に新たな変化をもたらす
この4月から、会社運営を担う幹部メンバーの一部を交代しました。
より若い世代にリーダー役をゆだね、新しい事業運営の在り方を模索していきます。“若手の抜擢”というほど若い幹部社員ではなく、ある意味順当な昇格ではありますが、私が社長に就任して以来、長い間固定化していた当社の幹部メンバーが交代することは一つの節目でもあります。リーダーが変われば、なにがしかの従来とは異なる考え方、やり方が導入されるでしょう。そのことが、社内にもたらす“変化”に期待しています。その昇格に伴って、4月よりさっそく社内の業務分掌も一部変更を試みています。
新しい運営体制がどう事業に影響してくるのか、未知数な部分はあります。しかし、『経営者は「アンバランスをつくる」のが仕事』とは、島根同友会の代表理事を務める㈱コダマサイエンスの小田代表取締役が良く話をされる言葉です。私もそうだと思います。アンバランス、言いかえれば、変化を社内にもたらすことが社長の役目です。その意味では、幹部メンバーが長らく固定化していたのは、私自身が保守的であったことの表れでもあり、反省すべき部分と考えています。もっと早くてもよかったかもしれません。しかし、遅くなったかもしれないが、変えないよりはいい。いずれにしても変化することには意味があると考えています。
そして、今年度は、中堅社員で構成する「経営革新委員会」の活動をさらに活発化させます。社長である私と現在の幹部社員も含め、今後20年程度の当社の中核を担う社員で構成され、当社の新しい運営体制について議論していきます。その取り組み自体もまた一つの変化であり、アンバランスを生むことを期待し、取り組みを進めたいと考えています。
3. 新たな事業領域がもたらす相乗効果を獲得する
「地熱・地中熱」は、当社が新たな挑戦を進める領域であり、このキーワードで、地域のリーディングカンパニーを目指していきます。
この「地熱・地中熱」の活用に向けた行動を今まで以上に具体化するのも今年度の方針の特徴です。以前ご紹介した、「地中熱」活用の具体策の一つとして「雪のバリアフリー」対策としての地中熱融雪設備の導入促進は、当社だけでなく、業界団体としてもその普及活動に取り組みます。また、「地熱」分野については、先週のブログでも紹介しましたが、今年度、協和地建コンサルタントは地熱発電(温泉熱発電)事業に参入します。これまで浴用として活用されてきた温泉熱のエネルギーを発電に活用できることを示すことで、単なる売電事業としての可能性を示すだけでなく、この地熱エネルギーの活用可能性を広げるきっかけにしたいと考えています。
そして、この領域に関する課題は、やはり人財です。地熱にしても、地中熱にしても、特に地域においてこれらのエネルギーに関する問題解決ができる人財が圧倒的に不足しています。当社は、その人財を育成し、地域の市場に供給していく役割を担っていきます。新しい領域(地熱開発は昔から取り組みがありますが一時停滞していた)だからこそ、現状、対応できる専門家が少ない。それをチャンスと捉え、専門家が居ない又は少ないからこそ、その領域に新しい人財を充てていく。先輩が少ない、前例が少ないからこそ、若い人、新しい人にもチャンスがある。それが、今地域の会社に求められています。新たな人財と体制で、それに応えて行きたいと考えています。
2014(平成26)年度は、私が社長に就任以降、最低の業績となりました。原因は社長の力が及ばなかったからであり、頑張って頂いた社員のみなさんには大変申し訳なく思います。業績が低迷した原因の一つに、「社員を増やし過ぎた」という指摘があります。新卒採用を継続し、中途採用も行う。固定費は年々増える。一方で、昨年度の受注は大幅に減少した。だから利益を圧迫する。当たり前であり当然の結果です。それは重々承知です。しかし、だからと言って新卒採用を止めるのか、もっと言えば受注が低迷したから人を減らすのか。それは違うと考えています。将来に向けて会社を伸ばすつもりであるならば、要員は少しずつでも増やしていくことが必要です。人財は急には戦力化しません。だから勇気を持って人を採用する。人財に投資する。投資したからこそ、必死で結果を残すべく取り組む。そういう気持ちでこの一年間を必死に取り組み、結果を出したいと考えています。