島根県中小企業家同友会

島根同友会 平成27年度合同入社式・新入社員研修~会社の異なる同期が刺激し合う関係へ~

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2014年4月3日(金)~4日(土)、島根県中小企業家同友会合同入社式、並びに新入社員研修が開催されました。島根同友会の会員企業17社から32名の新入社員が参加し、合同で“入社式”を実施しました。また、その後引き続いて開催した新入社員研修は、初の“合宿型”研修として実施されました。島根県商工労働部、島根大学、島根県立大学、からご来賓をお招きし、新入社員に対してエールを頂きました。当社からは平成27年度の新入社員2名が参加するとともに、当社の前年度新入社員は、同友会企業の先輩社員として、後輩へのエールを送る役目を頂きました。今回、2回目となる合同入社式・新入社員研修への参加を踏まえ、新卒採用とその育成について感じたことをまとめてみます。

挨拶する小田代表理事

1.合同で“入社式・新入社員研修”を開催することの意味

合同入社式・新入社員研修は、島根同友会の社員共育委員会が主催しています。

島根同友会では、昨年度から合同入社式と新入社員研修をスタートさせましたが、その背景には、島根県の離職率が非常に高い、という事実と危機感があります。そして、その傾向が中小企業、小規模企業においてより顕著に見られる、という事情があります。まさに同友会の会員企業クラスの事業規模の会社で起きている現象です。その理由の一つとして、今回、「仕事やプライベートの悩みを打ち明けることが出来る同期入社や若い同僚が少ないことが原因ではないか」という仮説を立て、今回の取り組みを企画されています。

そして、合同入社式のねらいとして、合同で入社式を行うことで、島根県庁、島根大学、島根県立大学など来賓の皆様から祝辞を頂戴し、地域中小企業が地域社会を形成し、地域を支える「主役」であることを知り、誇りを持ってもらうこと、また、理念経営を一緒に学ぶ同友会会員企業の新入社員が一同に集って入社を祝い、合宿研修で寝食を共にすることで会社の垣根を越えた同期入社と交流し友情を育み、経営者の理念や人柄を知り関係を深めること、を掲げています。

島根同友会の会員企業が新卒を採用することは実際のところハードルが高いのも事実です。厳しい環境の中で、即戦力の中途採用を重視される企業もあります。そんな中、自社の経営理念を実現するため、将来を担う新卒社員をなんとか採用する訳です。このため、たくさんの社員を一度に採用出来る企業は限られます。採用が出来たとしても、どうにか1名の新卒を確保した、という企業も多々あります。そういった会社では、入社式を大々的に開催することもままならないし、新入社員の研修に費用をかけにくいのも実態です。だからこそ、同友会が入社式と新入社員研修を企画する訳です。そして、今年度は、前述のとおりその目的を一歩進め、会社の垣根を超えた交流の実現とそれを通じた成長のサポートにつなげようとしています。この取り組みが継続されることで、さらに深化し、島根同友会企業の発展、新卒社員のみなさんの飛躍につながることを期待したいと思います。

エールを送った先輩(左)と新入社員2名

2.新入社員へのエールから一年の成長と気づきを学ぶ

合同入社式では、昨年度当社に入社した新入社員(昨年度の合同入社式に参加)から、入社式に参加する新卒者に対してエールを送らせて頂きました。昨年度に続いて2年連続で役目を頂きました。この社員も、昨年度の島根同友会の合同入社式と新入欲員研修に参加しており、同友会として迎え入れた新入社員の先輩です。エールの内容については、すべて当人に任せて当日に臨みましたが、本当に素晴らしいエールを送ってくれました。その内容、三つの話を紹介させて頂きます。

一つ目は、「仕事は一人でするものではない」ということ。回りの先輩達は見ていないようで見てくれている。一人だと思って心配しないようにしてもらいたい。二つ目は、当社の経営理念から「感謝の気持ちを持って謙虚に学ぶ」ということ。子どもの頃は素直に言えていた“ありがとう”が大人になるにつれて上手く言えなくなる。成長するにつれて言葉にできなくなる気持ちがある。だけど、感謝の気持ちだけは素直に言葉にして欲しい。謙虚であり、感謝の気持ちを伝えてづけて欲しい。三つ目は、「なりたい自分のイメージを持つ」ということ。そして、そのイメージを持って、イメージどおりの自分を演じていく。“自分らしくない”と思うかもしれないが、やがて自分がイメージに近づいて行く。それも自分だということを気がついて欲しい。

このエールの内容、前述のとおり事前に聞いてはいませんでしたが、入社一年間での気づきや成長、また経営理念を自分なりに捉えてくれていたことに、大変うれしく思いました。「仕事は一人でするものではない」「感謝に気持ちを持って謙虚に学ぶ」「なりたい自分のイメージを持つ」、いずれも私自身が今一度肝に銘じたいと思うことばかりでした。参加した新入社員のみなさんにも、今後の仕事に活かしてもらいたいと思います。

2日目の研修の様子

3.会社の異なる同期から刺激を受ける中でまとまる行動宣言

今回の新入社員研修は、街中から離れた宿泊施設での合宿研修として企画されました。

1日目は、合同入社式終了後、さっそく研修会のガイダンスがあり、グループに分かれて紙を使ったタワーづくりに取り組みました。仕事のチームワーク、役割分担、創意工夫、等の大切さを学び、といったものを学ぶ研修ですが、こういった取り組みも人数がある程度いないと出来ません。その意味でもまとまって研修をすることの意義は大きいと思います。その後、宿泊先に移動して懇親交流会を開催し、1日目が終了。2日目は、午前中はビジネスマナー研修です。あらためて基礎から教えて頂く機会はとても貴重でした。そして、午後からは経営理念の勉強と、新入社員の役割についてグループ討議です。会社に入ってなんとなく仕事をスタートさせるのではなく、自分の役割、会社の中での位置づけを最初に感じてもらえるいい機会だったと思います。

今回の研修の最後に、研修の総括として「行動宣言」を発表して終了となりました。

当社の2名の新入社員が掲げた行動宣言は次のとおり。山中翔太の行動宣言発表は、「早く仕事を任せてもらえるよう、元気で明るく笑顔で仕事をします」、土江悠斗の行動宣言発表は、「困ったことがあったら直ぐに相談し、早く仕事を覚えて会社の次世代をになっていけるようになります」でした。高校を卒業したばかりの2人でしたが、しっかりと自分の言葉で発表してくれたと思います。自社だけで教育していたら、こういったことは中々出来なかったと思います。会社は違えど、同じ時期に入社したたくさんの同期社員から刺激を受ける中で、自分なりにどうしていけばいいかを学んだからこそ、発表出来たものだと思います。研修が終了してから既に1カ月が経とうとしていますが、2人とも意欲的に仕事を覚えようと取り組んでくれています。今後の成長を期待したいと思います。

研修参加者集合写真

今回の合同入社式と新入社員研修、島根同友会としての新たな試みは、新入社員研修を合宿研修として実施したことです。その効果については、前述のとおりですが、今回、新入社員を参加させた企業の経営者も一緒に宿泊し、夜は経営者どおしで語り明かす、という時間を持つことが出来ました。日頃から懇親会などで意見交換する機会がある訳ですが、こういった研修施設で宿泊して時間を気にせず突っ込んだ話をするという機会も非常に有意義なものだと感じます。新入社員たちが交流し、仲間をつくるのと同様、同友会で学ぶ経営者どおしもさらに関係を深め、同友会として、また自分達として進むべき方向性を確認することにつながったと感じています。今回の研修を企画して頂いた社員共育委員会のみなさんに改めてお礼を申し上げたいと思います。

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