私はさほど風呂好き・温泉好きではないのですが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に精通してなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。
記念すべき第一か所目は、島根県大田市の「温泉津温泉」です。温泉津は「ゆのつ」と読みます。島根県人には常識ですが、他地域の方はほぼ読めないでしょう。私は島根県の生まれですが、この年(38才)になって初めて温泉津温泉に来ました。訪問日は、2009年10月12日です。
温泉津温泉は、我々が開発するような「ボーリング井戸」により湧出する温泉ではなく、古くから自然湧出している温泉です。泉源を見たことはありませんが、岩の隙間からお湯が直に湧き出ているものと思われます。まさに本当の温泉、温泉の中の温泉と言えるでしょう。
温泉津温泉には、2つの泉源があります。1つは「元湯」です。1300年以上の歴史を有するとされる古い温泉です。もう一つは「薬師湯」といい、元湯のすぐ近くにありますが、明治5年の地震により新たに湧出した温泉です。それぞれ公衆浴場があり、日帰りで訪れても入浴が可能です。
今回は、1300年以上の歴史を誇る、「元湯」に入ってみました。
この温泉は、いわゆる「源泉かけ流し」ですが、地上に湧き出ている泉源から直接風呂に温泉水を流し込んでいるため、正真正銘の源泉かけ流しと言えるでしょう。(といっても源泉をみた訳ではないですが。)
風呂は、かなり歴史を感じさせるものです。最近の温泉施設の印象ではいるとビックリすることになります。湯船は、源泉そのままのかなり熱め(46℃程度との表示)のものと、それをそのまま流して少しぬるくした(42℃程度との表示)湯船にわかれています。最初にぬるい方に入って、後から熱い方に入るようです。熱い方は、1分も入っていられない感じです。
湯が注がれているところからは、毎分20㍑前後(水道の蛇口を少し多めに開いたぐらいです)でしょうか、少しずつ湯船にお湯が注がれています。これが湧出の全てだとすると、温泉の湧出量としてはかなり少なめです。かなり貴重なお湯だと言えるでしょう。
湯舟には、茶褐色の堆積物が大量に付着しており、成分が濃厚であることと長い歴史があることが感じられます。ちなみに、源泉は無色透明だそうですが、湯船では濁っています。よく見ると茶褐色の堆積物のカスなども浮いていますので、風呂=無色透明という感覚を持った方や、潔癖症の方は抵抗があるかもしれません。あくまで温泉の成分が変化したものではありますが、そういったものだと理解した上で入る必要があるでしょう。
ちなみに、元湯にはシャワーはありません。入口でせっけんを売っており、体を洗うこともできますが、桶でお湯を汲んで体を流すことになります。水道の蛇口はありますので、それを使うこともできます。しかし、ここは湯船に浸かって温泉の効能を得ることを目的とすべきでしょう。まさに湯治のための温泉という印象です。
温泉津温泉は、漁港から山に伸びる狭い谷筋に温泉街が広がっています。いわゆる鄙びた旅館街という印象で、静かな街並みです。一方、比較的最近できたと思われる小奇麗なCafeなどもあり、新しい見どころも出来つつあるようです。
次に来るときには、もう一つの泉源である「薬師湯」に入ってみます。
温泉津いいですね!街並みもなかなかの雰囲気をもってるし。たしか、寅さんのロケ地でもあったような・・駅前に小浜温泉という古~い銭湯?があって、道路向いの洋品店で入浴券を買って入った記憶があります。こちらもよってみると楽しいかも(まだやっているかな?)。
石見銀山とセットで行きました!石見銀山で掘り出された銀が温泉津温泉から出航して世界中をめぐった・・・
歴史が感じられる町の散策は楽しい思い出です。温泉は,初心者は薬師湯の方が?という現地の人の勧めにしたがったため,元湯には入ってません。