私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。
今回14箇所目は、鳥取県米子市淀江町の「湧くわく天然温泉ラピスパ」です。いつも島根県内の温泉なので、今回は鳥取県にでかけました。訪問日は、2010年2月21日です。
この温泉施設は、山陰地域ではめずらしい大型の温泉レクリエーション施設で、ヨーロッパ風の大規模露天風呂、源泉かけ流し、温泉プール併設、などが特徴です。高級感ある日帰り温泉リゾートを体感できる施設となっています。民間施設ということもあると思いますが、一般利用は大人1200円と高めの設定(会員は800円)です。火曜日が20%オフの日になっているようです。
泉質は、弱アルカリ性単純泉で、泉質的にはあまり特徴はありません。無色透明で無臭無味です。ただし、湯量が豊富なようで、大規模施設であるにもかかわらず「源泉かけ流し」となっています。“弱アルカリ性”というように、ph値は8.4ですが、源泉かけ流しのせいか、入浴した際のヌメリ感を結構感じることができます。
浴室は、「ガーデン風呂」と「パティオ風呂」という2つの種類があります。今回は、「パティオ風呂」に入りました。なお、男女を入れ替えているのかどうかは分かりません。
この施設は、内湯は付属的な扱いで、露天風呂が中心になっているような印象です。内湯のスペースの倍以上ある露天風呂は開放感があり、中央に据えられた噴水やタイル張りの装飾など、確かにヨーロッパ風の雰囲気を醸し出しています。しかし、当日は、非常に天気がよく快晴だったこともありますが、ここまでされると、外に出るのが気恥ずかしいぐらいの開放感でした。たまにはこういった雰囲気を体験するのもいいでしょう。
内湯は付属的と書きましたが、特徴的な風呂があります。「炭風呂」と呼ばれる閉じた一角で、備長炭やセラミックを備えた癒し空間がありました。室内は暗くしてあり水蒸気で満ちていますがサウナほど熱くなく、いわゆる“寝湯”があって寝そべってゆっくり少しぬるめのお湯に浸かることができます。非常にリラックスできる空間でとても気に入りました。また、「岩盤浴」のコーナーが内湯の一角にあります。もちろん追加料金は要りません。スペースは4人分ありましたが残念なことにずっと満員で今回は体験できませんでした。
洗い場は、大規模施設だけあって24箇所ありました。洗い場の間には仕切りがあり、隣を気にせず使用できます。ボディソープ、リンスインシャンプー、コンディショナー、石鹸、さらに、髭剃り用ソープまで備えてあり、さすが値段だけのことはあります。シャワー専用のコーナー(周囲の仕切り有)もありました。
脱衣場は、当然ながら鍵付きロッカーで、ロッカーの鍵はフロントで受け取る(番号を指定される)仕組みです。洗面台は5箇所でいずれもドライヤー付きです。また、水回りの無いカウンターだけのスペース(ドライヤー付き)が4人分ありました。割烹温泉ゆらりでも同様のつくりになっていましたが、民間施設では一般的な工夫なのかもしれません。
この施設は、値段が高いだけあり「アメニティ無料」がアピールポイントの一つになっています。タオル(バスタオル含む)は持参する必要がありません。さらに、洗面台にも綿棒やヘアトニックなどが備え付けられており、充実した内容でした。
温泉プールを備えている点も特徴です。当然水着着用ですが、温泉利用の料金でプールも使うことができまるので、両方使えばお得感はあると思います。今回は準備して来なかった(レンタル水着もあります)ので、温泉のみの利用となりました。休日だったので、温泉よりもプール目的で来館している親子連れも多く見かけました。なお、プールのみの利用では、安く利用ができる価格設定(プールのみは大人700円)となっていました。
リゾート系の施設だけあり、レストランやマッサージ、休憩スペースなども備わっています。ところで、結構いい料金をとる施設ですので、長時間滞在して繰り返し入浴するという使い方もしたいところです。しかし、休憩スペースはあるのですが、マッサージチェアや大型の休息椅子などが中心で、複数人でゆっくりくつろげる空間はあまりありません。ヨーロッパ風の施設なので“たたみ敷きの座敷”という訳にはいかないでしょうが、特に家族連れなどの場合、居場所に困る感じがする点は残念でした。
とはいえ、優雅な雰囲気を味わえる山陰地域では珍しいタイプの施設です。値段は少し張りますが、時にはこういった施設で休日を過ごすのもいいものだと思います。