温泉めぐり

社長の温泉めぐり52 鷺の湯温泉(旅館「竹葉」) 島根県安来市

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

52箇所目は、島根県安来市の鷺の湯(さぎのゆ)温泉の旅館「竹葉」(ちくよう)です。訪問日は、2012年1月12日です。なお、この旅館の女将は、私の高校の同級生です。とても活動的で一生懸命、おもてなしの心に満ちた大変素晴らしい、尊敬する経営者です。このため、少し良く書き過ぎたかもしれませんが(笑)、ぜひご一読下さい。

「竹葉」全景~足立美術館から徒歩30秒~

鷺の湯温泉は、開湯が戦国時代にさかのぼる歴史ある温泉です。現在は、世界一の庭園として名を馳せる「足立美術館」に隣接した温泉地、としても有名になりました。現在活用されている泉源は平成7年に開発されたもので、泉温54.5℃、湧出量毎分600㍑という泉温・湧出量、共に優れた温泉井です。現在、3軒の温泉旅館と2つの公共施設に供給されており、いずれの施設も24時間かけ流しでお湯を利用(入浴可能時間は各施設によります)されています。竹葉は、その鷺の湯温泉旅館の中の1つです。客室は、全7室、定員18名というこじんまりとした旅館で、女将とご主人のご夫婦が中心に切り盛りされる、親しみあるおもてなしが魅力の宿です。この度、宴会利用の機会があり、お風呂も利用させて頂きましたので、紹介させて頂きます。

鷺の湯温泉の泉質は、含放射能‐ナトリウム・カルシウム‐塩化物・硫酸塩泉。お湯は無色透明です。成分分析表によると、成分総計は1.22g/kg。あまり濃くない泉質なので、湯あたりもしにくく、かつ適度な成分量を有する、入りやすいバランスのとれた温泉と言えます。泉質の特徴としては、塩化物泉の持つ「温まりの湯」の効果と、硫酸塩泉の「傷の湯」の効果を合わせ持ちます。体が温まりやすく、傷の治癒にも効果が期待できます。また、美肌の湯としてみると、ナトリウム-硫酸塩泉は、皮膚に皮膜をつくるしっとり肌効果、カルシウム-硫酸塩泉は、肌の弾力回復や引き締め効果、が高いとされており、その両方の特性を有しています。そして、この温泉は、かけ流しで常に新鮮なお湯を利用することができるという恵まれた環境にあり、泉質の持つ特性も最大限に享受できます。さらに、竹葉で提供されるマクロビオティック食(後述)等の健康食と温泉との組み合わせは、体の中外から改善を図ることが期待され、健康と美容を追求する方に好適な温泉宿と言えるでしょう。

雪景色の露天風呂は風情満点

お風呂は、内湯と露天風呂の構成です。男女浴室は入替制で、夜と朝で違ったお風呂を利用できるようですが、私が入浴した時の男湯は「檜風呂」のタイプでした。浴槽の外枠、中の腰掛、さらには浴槽の床板まで全て檜となっており、お湯に浸かった時のお尻や足の裏の肌感が大変心地よく、気持ちよく入浴ができます。露天風呂は、岩風呂風になっており、中庭を遠めに望む風情あふれる造りとなっています。余談ながら、露天風呂は男湯と女湯の間を仕切り板で区切ってあるのですが、岩風呂の岩と板との隙間に少しだけ手が入るところがあり、向う側と指先だけ触れあうことができます。遊び心であえて隙間が作られているそうです。家族や友人連れで入浴した際のちょっとした想い出づくりにもなる、とても微笑ましい仕掛けです。

内湯、露天風呂とも24時間源泉かけ流し(一部清掃時間を除く)で、常に新鮮なお湯にたっぷり浸かれる贅沢は、この温泉の大きな特徴です。源泉は加水されていないので、さし湯されている源泉は少し熱めです。お風呂自体も少し熱めになっていますので、一度に長く浸かり過ぎず、時間をかけて繰り返し入るのがいいと思います。その意味でも、日帰りよりも、宿泊してゆっくり利用するのに適した温泉と言えるでしょう。

洗い場は3箇所、シャンプー、コンディショナー、ボディソープが備わっています。シャワーはお湯と水とそれぞれに泉をひねって調整するタイプですが、どうやらお湯は熱水が出ないように調整されているようで、普通に蛇口をひねると適温のシャワーが使えるようになっていました。熱湯でやけどしないようにする、ちょっとした気遣いです。なお、脱衣場には鍵付きのロッカーは無く、籠に衣類を入れておく形式です。日帰り入浴の場合は、受付に貴重品を預けることも可能です。洗面台は2箇所、それぞれにドライヤーがありました。その他、貸切風呂(家族風呂)もあります。こちらは内湯だけのようですが、予約不要とのことで、来館ついで気軽に利用できるようになっています。

利用料金ですが、日帰り入浴の場合は大人500円となっています。鷺の湯温泉の公共施設、「夢ランドしらさぎ」や「ふれあいプラザ」などと同じ料金設定です。また、お食事処を利用した方は、半額の250円になりますのでお得です。どうしても大きなお風呂がいいという方以外は、お得なお値段と風情ある露天風呂、足立美術館から徒歩30秒の利便性なども加味して、こちらで入浴という選択肢も大いにあり得ます。

竹葉では、昼間はお食事処としても営業されており、地元無農薬・減農薬野菜中心の「マクロビオティックランチ」が人気メニューとなっています。また、要予約ですが、女将自ら企画調理する季節感豊かな「薬膳料理」など、地元食材で美容と健康に配慮した食の魅力も竹葉の特徴となっています。なお、このマクロビオティックですが、私も話のネタにと一度頂きました。こんな食材にこんな調理方法があるのかと、思いがけない発見がある一方、当然ながら、ガッツリ食べたい肉食系の男性諸氏には向きませんので、ご承知置き頂きたいと思います(笑)。

女将の小幡美香さん~島根を代表する美人女将です~

鷺の湯温泉、足立美術館横にたたずむ「竹葉」。モットーは『小粒でキラリ☆』。決して派手さはありませんが、おもてなしの心に満ちた女将とご主人、従業員のみなさんが迎えて下さる、温かみ溢れる宿です。お食事処や日帰り入浴など、敷居が低く気軽に立ち寄れるところも魅力です。島根にお越しの方、また、島根にお住まいの方も、是非一度ご利用下さい。なお、女将さんは多忙につきご不在のことも多いので、女将目当ての方は事前に予定を確認されることをお勧めします。

女将のブログはこちら ~神話の国☆島根県出雲路~ 温泉旅館『竹葉』女将の二の腕繁盛記

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