温泉めぐり

社長の温泉めぐり55 斐乃上温泉(かたくりの里 民宿たなべ) 島根県奥出雲町

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

55箇所目は、島根県奥出雲町横田の斐乃上温泉「かたくりの里 民宿たなべ」です。訪問日は、2013年5月21日です。斐乃上温泉は、協和地建コンサルタントが初めて温泉開発を手掛けた案件で、現泉源は昭和62年から63年にかけて掘削されました。当社の温泉開発の歴史の発端となった、記念すべき温泉と言えます。その斐乃上温泉の「民宿たなべ」。その名のとおり民宿なので宿泊利用が中心です。船通山は、出雲神話においてスサノオノミコトが高天原から降隣された地と言われ、登山の傍ら、立ち寄られる方も多いそうです。船通山の登山道に向けて最も奥に位置する立地は、非日常感を掻き立てられますし、青々とした木々の中に隠れるような宿のたたずまいも大変魅力的です。

緑の中にたたずむ民宿たなべ

斐乃上温泉の泉質は、アルカリ性単純泉です。ph値が9.9と高いことが特徴で、入浴すると、アルカリ度が高い温泉特有のぬめり感を強く感じます。泉温は26。3℃と低めなので加温されていますが、民宿たなべでは、かけ流しで運用されています。常に新しいお湯が“さし湯”されていますので、新鮮な温泉を楽しむことができます。この斐乃上温泉は、「日本三大美肌の湯」の一つとしても有名です。中央温泉研究所(東京)と温泉旅行認定藤田聡博士によって認定されたということで、あとの二つは、栃木県「喜連川温泉」、佐賀県「嬉野温泉」、だということです。斐乃上温泉の“美肌効果”についてですが、アルカリ度が高いので、古い角質層の新陳代謝が強く促進され、くすみが取れたり肌がツルツルになる効果が大いに期待できます。しかし、個人差はありますが、アルカリ度がかなり高いので、風呂上がりの乾燥肌には注意が必要です。適度に保湿剤を活用する等、ご自身の肌と相談しながら、適切に利用されるとなお良いと思います。

内湯の様子

お風呂は、内湯と露天風呂から構成されています。内湯の浴槽はコンパクトな長方形、タイル張りで特別な設備はありません。まさに、こじんまりとした民宿のお風呂という風情です。このお風呂の良さは、露天風呂にあります。岩風呂風の造りで内湯よりやや大きめのサイズ。大きな屋根がかかっており、天候に係わらず露天風呂を楽しむことができます。周囲を奥出雲の雄大な山々に囲まれ、緑豊かな自然の中での入浴感は格別です。なお、さし湯の場所と量との関係なのか、場所によって温度差が出やすい(ぬるい場所があったりする)ようでした。

露天風呂(朝なのでお湯が抜かれている)

洗い場は2箇所のみ。内湯浴槽前の壁際に向かい合って設置されています。ボディソープとリンスインシャンプーが備え付けてありました。脱衣場にはロッカーはなく、籠のみがあります。貴重品はフロントに預けるスタイルですが、日帰りの入浴の場合は車の中などに貴重品を置いておけばよいので、さほど不都合はないかもしれません。洗面台は1箇所のみ、ドライヤーも1つのみ付いています。小さな民宿ですので、脱衣場もかなりコンパクトです。入浴が重なる場合は譲り合って着替えを済ますなどのマナーが大事です。

斐乃上温泉の湧出量は毎分800㍑を誇り、この豊富な湯量を活かすこともあってか、シャワー・カランにも温泉水が使われています。このため、シャワーで体を洗い流す時の感触もまた特徴的なものがあります。このような使い方は珍しいと思いますが、最近訪れた温泉では、美又温泉(国民保養センター)でも同じような使い方を経験しました。宿の方に聴くと、シャワー・カランに限らず、洗面、トイレなど厨房を除くほとんどの水回りで温泉水が使われているそうです。ある意味、大変贅沢な使い方です。民宿たなべでは、日帰り入浴も可能です。時間は、10時30分から19時まで。日帰り利用料金は、大人500円です。同じ斐乃上温泉の斐乃上荘が400円ですので、少し高いのですが、露天風呂があることを考慮すればどちらも捨てがたいところです。なお、斐乃上温泉は、この「かたくりの里民宿たなべ」のほか、斐乃上荘ブログはこちら)もあります。

宿の中は温かみのある雰囲気

民宿たなべは、その名のとおり民宿です。宿の中はとてもコンパクトでシンプルな造り。天井が高く明るく開放的な雰囲気の中で、木材の温かみを感じながら過ごすことで、日々の雑踏から離れ、心落ち着けて過ごすことができる、大変素晴らしい環境でした。今回は、島根経営品質研究会の会合にて宿泊利用させて頂きました。夕食はこの宿の名物、岩魚・山菜料理を頂きました。岩魚は焼き物もさることながら、刺身が格別でした。奥出雲産の山菜の煮付けやてんぷらなど、この地域らしい、素朴かつ温かみのある食事もこの宿の大きな魅力の一つでした。日帰り入浴も可能ですが、ぜひ、宿泊の機会を得て利用されることをお勧めしたいと感じる宿でした。

最後に、奥出雲町には、この斐乃上温泉のほか、亀嵩温泉ブログはこちら)、佐白温泉ブログはこちら)、という計3つの温泉があります。いずれもアルカリ性単純温泉で美肌効果が高いことから、「奥出雲美肌温泉郷」としてPRされているところです。そして、この3温泉は、すべて協和地建コンサルタントが開発(温泉源の調査・掘削)に携わらせて頂いております。そのことにあらためて感謝致します。3温泉すべてが貴重な地域資源として益々活用され、地域のみなさんの健康増進や交流促進と地域活性化に役立つことを願っております。

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