温泉めぐり

社長の温泉めぐり42 みなと温泉(ほのかみ) 鳥取県境港市

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

今回42箇所目は、鳥取県境港市の「みなと温泉 ほのかみ」です。訪問日は、2012年3月4日です。みなと温泉は、境港市の夢みなとタワーに隣接した温泉施設で、旧名称は、みなと温泉館。このたび、2011年12月23日に名称も「みなと温泉ほのかみ」と改め、リニューアルオープンした施設です。このエリアは、1997年に開催された「山陰・夢みなと博覧会」の跡地活用として博覧会の際に整備された「夢みなとタワー」を中心に、境港さかなセンターや夢みなと公園などが整備され、海辺の観光拠点となっています。

みなと温泉ほのかみ 施設外観

泉質は、ナトリウム-塩化物泉で、塩化物イオンに特化した成分構成となっています。成分総計も2.6g/kgと、ほどほどの成分量です。口に含むとやや塩味がします。近傍の皆生温泉も塩化物泉ですが、ここは皆生温泉ほど成分濃度が高くありません。その分、湯あたりしにく、入りやすい温泉と言えます。また、皆生温泉と異なりアルカリ性温泉なので、風呂に浸かるとすぐに体にヌメヌメとした感覚が現れ、アルカリ度の高い温泉独特の入浴感も味わえます。

施設は本館と別館に分かれ、リニューアル前からある本館は、内風呂と露天風呂から構成されています。浴室内はタイル張りで銭湯風のしつらえ。壁一面にタイルで描かれた白鳥が昭和の風情を醸し出します。浴室内は特にはリニューアルされていないようで、新しくなった受付やロビーとのギャップはありますが、それも趣の一つでしょう。風呂は比較的大型なので、多少人数でも隣を気にせずゆっくりお湯に浸かることができます。また、深さも結構あるので、肩までしっかり湯に浸かりたい方にはいいと思います。一部にジェットバスが付いています。その他には、サウナと水風呂があります。サウナは比較的広めですが、目に付いたのは水風呂がかなり大きいこと。これはレイアウト上の都合だと思いますが、4~5人は一度に入れそうなサイズです。水風呂好きの方にはいいかもしれません。洗い場は8か所。仕切りは無いタイプで、間隔もやや狭め。ボディソープとシャンプーがありました。

露天風呂は岩風呂風のつくりで、日本庭園風の石灯籠などもあります。(確認はしていませんが)露天風呂部分は、新しく改修されたのではないかという雰囲気です。ホームページによれば大山も見えるということでしたが、この日の男湯側からは見えませんでした。

脱衣場のロッカーは50個程度。縦長のタイプですので使い勝手はいいと思います。ただ、少しさびが見えたりするなど、古さを感じる面もあります。洗面は3箇所で、ドライヤーは2つ備えてありました。水飲みが設置してあり、入浴前後に水分補給ができるのはいいと思います。

ロビー、休憩コーナーの様子

エントランスからロビー、休憩室のあたりはリニューアルに伴い、一新されているようです。高級感のあるフロントやカウンターやテーブル席、奥には座敷の休憩コーナーなど、広さはさほどありませんが、うまい空間づくりがなされています。こういった施設によくある土産物コーナー等が無いので、シンプルですっきりとした印象を受けます。また、ロビーの一角に女性専用のパウダールームというエリアが整備されています。(当然ながら)中は確認していませんが、女性客を意識した配慮も最近リニューアルした施設ならではです。

入浴料は大人500円。ほどほどの価格設定ですが、近傍の皆生温泉にある日帰り温泉施設と比較すると、OUランドが350円なので、少し高めの設定でしょうか。ちなみに、日帰り温泉オーシャンは1300円(会員900円)ですので、ターゲットが異なりそうです。また、今回は利用していませんが、2011年12月にリニューアルされたときに別館が増築され、目玉として10室の家族風呂が新設されています。みなと温泉の新しい“売り”として、陶器、さわら(ヒノキ科の針葉樹)、タイルなど趣の異なる様々なタイプの風呂が準備されているようです。機会があればそちらも利用してみたいです。利用料金は45分で1800円。この値段設定、あくまで価格だけの比較ですが、先ほどのOUランドの家族風呂は、40分で1500円、日帰り温泉オーシャンは40分~、2500円、という設定です。これらの中間的な価格設定というところでしょうか。

新設された家族風呂のある別館

近傍に皆生温泉という山陰を代表する温泉地をひかえ、その中で特徴を出しながら“みなと温泉らしさ”を出そうと努力をされている様子がうかがえます。訪問したのは日曜日の午後ということもあり、中々の賑わいでした。家族風呂目的での来湯した方も多いように見受けられました。リニューアルからまだ間もないということもあるでしょうが、新設の家族風呂を中心に、隠れたおすすめスポットと捉えられているのかもしれません。この家族風呂という形態。米子、境港ではかなり充実してきていますが、松江市内ではほとんど見かけません。これから多くなってきそうな温泉利用の形態で、この施設が今後どこまで人気がでるのか、気になること頃です。

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