温泉めぐり

社長の温泉めぐり68 はわい温泉(ハワイゆ~たうん) 鳥取県湯梨浜町

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

68箇所目は、鳥取県湯梨浜町「はわい温泉(ハワイゆ~たうん)」です。訪問日は、2014年10月15日です。

はわい温泉は、鳥取県の中央部にある東郷湖の北岸に位置する温泉地で、南岸に位置する東郷温泉と同様、東郷湖の湖底より湧き出した温泉を活用している温泉地です。東郷湖の湖畔の風景が優雅な雰囲気を醸し出す鳥取県を代表する温泉地です。「ハワイゆ~たうん」は、はわい温泉の温泉街から少し離れた立地で、いわゆる“ハワイ”をイメージさせる南国リゾート風のネーミングです。はわい温泉の位置する旧羽合町は、その名が「はわい」であることから米国のハワイを連想します。実際に、姉妹都市提携もされているということで、街並みにもヤシの木の並木路があり、また公共施設のネーミングなども含め、ハワイをイメージしたまちづくりがされています。

ハワイゆ~たうん 施設外観

ハワイゆ~タウンは、“銭湯感覚で気軽に楽しめる温泉施設”とのキャッチコピーで、リーズナブルな料金で利用できる日帰り温泉施設となっています。元々は、水着着用のクアハウスとしてスタートしたようですが、現在は一般的な温泉入浴施設として営業されており、浴室内の造りは、その名残を感じることが出来ます。施設の立地する湯梨浜町は、旧羽合町、旧東郷町、旧泊村が合併してできた自治体ですが、東郷町には「ゆアシス龍鳳閣」という温泉施設があり、こちらにも水着着用の施設があります。そちらとの役割分担等の背景もあり、現在では温泉入浴施設に転換されているものと推察します。

ハワイゆ~タウンの泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉です。成分総計1.566g/kgで、成分量は少なめの、入りやすい温泉と言えます。塩化物イオンの“パック”効果で湯ざめしにくい温まりの湯、ナトリウム-硫酸塩泉の特性として、浴用により高血圧症、動脈硬化症などの効果があるとされています。泉質的な特徴は、当然ながら隣接する東郷温泉の泉質とよく似ています。源泉温度は、掲示されている情報が54.8℃となっている資料と、28℃となっているものが並べて掲示されており、実際の湯温がどのようになっているか分かりません。東郷温泉との比較で言えば、28℃という温度はかなり低めですが、詳細は不明です。通年で循環ろ過器が使用されていますが、加水はされていないということです。いずれにしても、適度な成分量であり、湯あたりしにくく、長時間ゆっくりと入浴するのには適しています。

浴室内は天井が高くガラス張りで広々としています。しかし、いわゆる温泉入浴施設の浴室と思って入ると、何となく違和感があります。プールのようなイメージ。実は、前述のとおり元々水着着用で男湯・女湯の区別は無かった(ロッカーはが別々なので入口も元々別々)ところを、中央に仕切りを付けて2つに分けてあります。このため、浴槽と洗い場までの間が妙に広々としています。これらは、元々がクアハウス的な利用方法が転換したのだと思えば納得できる造りです。浴槽は3つに分かれており、一番大きな浴槽が半円形で一部がジャグジーになっています。元々大きな円形の浴槽を真ん中で仕切ってあります。それを中心に、中・小の二つ浴槽があり、計3つの浴槽となっていますが、露天風呂はありません。また、東郷湖湖畔の立地ではありますが、浴室内から湖畔を見ることはできませんでした。珍しいのは、中央部の仕切りです。横断幕や懸垂幕で使われる素材(ターポリン)が用いられており、そこに、町内の観光地や名所等の説明が描かれていました。あまり見たことのない浴室内の使い方でした。

浴室内の様子(誰もいなかったので撮影)

洗い場は11箇所。浴槽を取り巻くように9箇所、小浴槽の脇に2箇所ありました。いずれも、仕切りの無いタイプです。シャンプー・リンス等の設置は無く、せっけんが備わっているのみでしたので、そこは注意が必要です。脱衣場のロッカーは、およそ80箇所、大きさはやや小さめです。一部が100円を入れて返却するタイプです。洗面台は4箇所で、ドライヤーは2つありました。脱衣場の一角にちょっとした休憩スペースがあり、これもあまり見かけないレイアウトです。また、脱衣場から浴室の間に1部屋広めのスペースが設けられており、そこからトイレに行くスタイルで、ここにも洗面が2箇所ありました。これは、元々水着着用の施設だったなごりもあるのでしょう。

利用料金は、大人360円。ゆアシス龍鳳閣を入浴のみで利用する場合と料金が揃えられています。オリジナルのフェイスタオル(青・赤)が販売されていました。こういった温泉施設ではどこでもフェイスタオルを購入できますが、デザインされた色つきのものは珍しく、200円という値段(通常100円が多い)でしたが、せっかくなので購入してみました。私が訪れたのは平日の昼時ということもあり、利用者は限られていました。同じ湯梨浜町の日帰り入浴施設である、ゆアシス龍鳳閣と比較すると、値段は同じでうまくすみ分けている印象です。お風呂としてはこちらが広々としていますが、龍鳳閣の中国風呂は特徴的で趣があります。お互いの施設が非常に近い距離にあり、その日の気分に応じて使い分ける、ということも出来そうです。

施設入口はロビー兼休憩スペースとなっており、出入りの多い時間帯はゆっくりしにくい印象もありますが、その分、職員のみなさんがとても気さくで私の問いかけにも丁寧に色々と教えて下さいました。シンプルな施設で値段もリーズナブルなので、地域住民のみなさんの身近な交流・憩いの場として貴重な役割を果たしているのではないかと思います。

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