私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。
今回41箇所目は、島根県邑南町の「いわみ温泉 霧の湯」です。訪問日は、2012年2月10日です。いわみ温泉は、邑南町にある「香木の森公園」にあります。この施設は、四季折々のハーブ約240種が楽しめる大規模公園で、園内の散策やハーブや木の実を使ったクラフト教室や体験ができる施設等がある、邑南町を代表する観光スポットでもあります。霧の湯は、その公園の一角をなす日帰り温泉入浴施設です。香遊館(こうゆうかん)と名づけられたレストラン及び宿泊施設と隣接しており、2つの施設が、公園の中核的な施設としての役割を担っています。
泉質は、アルカリ性単純温泉です。源泉温度が27.5℃と低めなため、加温・循環式の温泉となっています。泉質や適応症に特別なものはありませんが、湯あたりが柔らかく、誰にでも入りやすい温泉、ということができます。施設は和風の趣をもちながらも近代的な造りで、高級感もあります。風呂はフロントから階段で2階に上がった位置にあるのですが、丘陵地の地形を上手く使ってあり、見晴らしのいいスペースに配置されています。内湯と露天風呂に分かれています。
内湯は、さほど広くはありませんが、石張りで天井も高くガラスの開口も大きいため、開放感が高いです。浴槽は、大型のものと少し小さめのものと2つありました。何か差がつけられているのかもしれませんが、その違いは記されてはいませんでした。また、コンパクトながら、サウナ、水風呂がありました。サウナ好きの方にはいいかもしれません。
もう一つの特徴は、露天風呂です。露天風呂には、大小3つの風呂があり、1つは4~5人用、あと2つは、1~2人用というサイズで、こじんまりとしたスペースで、専用風呂のイメージでゆっくり浸かることができます。露天風呂は、ハーブ湯、薬草湯となっており、内湯とは別の楽しみ方が出来るように工夫されています。なお、内湯から露天風呂への出入り口はドアが二重になっており、出入りの際に冷たい空気が出入りしないように配慮されています。その分、出入りが面倒ではありますが。
洗い場は7箇所あり、仕切りは無いタイプでしたが、隣との間隔は比較的広い方です。リンスインシャンプーとボディソープ、さらに“ひのき泥炭石”がおいてありました。ちなみに、この石鹸、さまざまな温泉施設でみやげ物として販売されています。結構メジャーな商品のようで、目にしたことのある方も多いと思います。ですが、実際に風呂の中に置いてあるところはそんなに多くないので、使い勝手を試してみるにもいいと思います。
洗面は4箇所ありましたが、ドライヤーは2つのみ配置されていました。ロッカーは50~60程度あり、正方形の一般的な大きさで、上着などを掛けることはできないタイプです。一方、2Fの風呂場入り口前には、休憩室を兼ねたロビースペースがかなり広く確保してあり、開放感ある印象を与えています。
この施設は、入浴料が大人600円です。島根県内の他の施設との比較で考えると、やや高めの印象を受けます。 入浴券は1Fのフロント脇の券売機で購入し、隣の受付の方に手渡しします。なお、2Fの風呂場入り口前にもフロントがあります。以前はこちらで入浴券を取り扱っていたようです。現在では、薬湯やハーブ湯のお知らせが掲示してありました。
私が訪れたのは、雪のちらつく2月の平日でしたので、さすがに閑散としているかと思いきや、思いのほか利用者の方がいらっしゃいました。時間帯が夕方近くであり、スキー・スノーボードを積んだ車が数台駐車場に停まっていました。この場所は、スキー場が近いこともあり、その帰りに立ち寄るというパターンもあるようです。営業時間も午後9時までと遅めですので、リクリエーション帰りに夕食も兼ねてゆっくり、という使い方もありそうです。香木の森公園の見どころであるハーブが隆盛のいい時期だけでなく、冬場はスキー客に利用される温泉施設、そういう立地的な特性もあるようです。