温泉めぐり

社長の温泉めぐり45 津和野温泉(なごみの里) 島根県津和野町

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

今回45箇所目は、島根県津和野町の「津和野温泉 なごみの里」です。訪問日は、2012年3月27日です。津和野温泉なごみの里は、道の駅と一体的に整備された温泉施設で、温泉だけでなく、レストラン、お食事処、休憩室、体験工房、特産品コーナー、そして屋街にはバーベキューガーデンなども備わる、複合施設です。温泉は「あさぎりの湯」と名付けられています。施設外観は、建築的な意匠にもこだわった近代的な造りで、明るく開放的なエントランスから、温泉の受付までのアプローチもデザイン性にすぐれ、入浴への期待感を高めてくれます。

津和野温泉なごみの里 施設外観

泉質は、「単純弱放射能冷鉱泉」となっています。源泉温度は16.3℃、加温・加水がされています。弱放射能泉ですので、成分分析表には、痛風、動脈硬化、高血圧症、など、放射能泉としての適応症への効果が期待されます。しかし、放射能泉の成分は消失しやすいので、この施設が循環式を採用していることを考慮すると、放射能泉としての適応症はやや差し引いて評価する方がよいかもしれません。一方、単純泉ではありますが、実際の成分としては炭酸水素イオンの遊離二酸化炭素の含有が比較的高くなっており、炭酸水素イオンの効果で皮膚の表面を軟化させ、石鹸のように洗浄する美肌効果も有していると考えられます。また、山陰地域では数が少ない弱酸性(ph3~6未満)の温泉であり、殺菌効果による皮膚病等に対する効果も期待されます。

浴室内は、木材で組まれた特徴的な梁と大型のガラスの組みあわせが特徴的で、とても広々とした立派な造りとなっています。洋風と和風の趣の異なる2つのタイプの浴室を週替わりで男湯・女湯と入れ替えて使われているようです。私が訪れた際は、男湯が和風のスタイルでした。風呂は、大型の内湯があり、一部がジェットバス、ジャグジーが備わっています。前面の大型のガラス越しに手入れの行き届いた広々とした庭園が広がり、ぜいたく感があります。また、一角にある酒樽風の浴槽が目を引きますが、床面がタイル張りのせいか、少し浮いた感じがするのが気になりました。その他、浴室内にはかけ湯、水風呂、遠赤外線サウナが備わっています。露天風呂は、広々とした庭の一角に岩風呂風のしつらえで配置されており、やや小さめの印象でしたが、屋根付きで天候を気にせずゆっくり浸かることができます。

内湯の様子(誰も居なかったので撮影)

洗い場は16箇所ありましたが、うち仕切り無しが5箇所。仕切りはありませんが、間は比較的広めにとってあります。リンスインシャンプーとボディソープが備えてありました。脱衣場は広々として清潔感があります。この施設のロッカーは、受付で「ロッカー共通利用券」というカードタイプのキーを受け取り、それを自分の好きなロッカーに差し込み、鍵を抜いてロックするという仕組みです。入浴人数の管理をしながら、利用者は自分の好きなタイプのロッカーを使うことができる、という利便性を確保する仕組みですが、慣れない人にとっては戸惑いもありそうです。このシステムは、美都温泉 湯元館でも採用されていました。洗面は7箇所で、ドライヤーは4箇所設置されていました。洗面台の前は大型の一枚鏡で覆われており、高級感あるしつらえとなっています。

利用料金は大人600円。施設全体の高級感あるつくりからすれば、妥当なところでしょう。また、家族風呂もあり、入浴料+1,000円で1時間利用できます。これは主に体に不自由な方をターゲットにしているようです。

私が訪れたのは、平日の夕方で、時間帯的にちょうど人の少ない時間帯だったかもしれません。道の駅自体はある程度利用者の方がいらっしゃいましたが、風呂を利用している方はあまり居ませんでした。もう少し遅い時間から利用が増えるのかもしれません。いずれにしても、施設全体として、とてもゆったりとした余裕ある空間づくりがなされており、無料休憩室リラックスコーナー等、他の利用者を気にせずゆっくりできそうです。

広々としたリラックスコーナー(あさぎりの湯 内)

みやげ物コーナーも道の駅としては大型のスペースが確保されており、体験コーナーではパソコンの実習の催しが開催されていました。レストランも21時まで営業するなど、道の駅として、また地域の拠点施設として、多様に活用されている様子が伺えました。 島根県内でも最も西に位置する道の駅であり、温泉施設です。山口県との県境までわずかのところに位置する道の駅です。県外へのドライブの途中に、また津和野での観光帰りに一休みがてら立ち寄るのもいいかもしれません。

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