島根県中小企業家同友会

島根同友会 第40回青年経営者全国交流会in島根~青全交は島根に何を残すのか~

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島根県中小企業家同友会では、2012年10月4日(木)~5(金)にかけて、第40回青年経営者全国交流会in島根(以下、「島根青全交」といいます。)を開催しました。今回、実に985名の参加者があり、この大会における過去最高の参加者数を記録しました。

一参加者としての分科会での学びについては、前回のブログにてまとめましたので、今回は、実行委員会の一翼を担い、この大会の準備に携わった者として、「なぜ島根で青全交を開催するのか」、と自問自答し続けてきた答えを出さなければならないと考えています。この島根青全交が、島根に何を残したのか、何が変わるのか、を私なりにまとめてみました。

1000名近い参加者で溢れる大懇親会

1.経営を良くしようと考えて経営する経営者が増えるということ

島根県中小企業家同友会の会員数は、現在200名を超えました。島根同友会が、島根でこの“青全交”という全国大会を開催しようと決議された時の会員数は100名をわずかに上回る程度。そこから100名近い会員に新たに入会して頂きました。さらに、このうち約8割の会員が今回の島根青全交に参加しました。この比率は、他県で開催された同友会の全国大会の実績と比較すると、著しく高い数値です。他県の同友会は会員規模が桁違いに大きなところもありますので、一概に率だけで比較はできませんが、島根の会員の中で、この大会への関心が非常に高かった、或いは高くなった、ことは事実です。諸事情によりどうしても参加できない方もいらっしゃいましたので、それを除けば本当に高い参加率を誇った大会となりました。

それはなぜなのか。実行委員会のメンバーが熱心に参加を呼び掛けたことが多分に影響しています。しかし、もっと大きな背景があると感じています。現在、既存の経済団体などが会員減少に悩む中、同友会は、全国的にみても会員数を増やしています。様々な要因があるでしょうが、「経営を学ぶ」ということが求められている。いや、昔から求められてはいたのでしょうが、同友会の認知度が高まるにつれ、その潜在的な経営者ニーズが顕在化してきたと言えるでしょう。島根でも恐らくそうです。島根の経営者は経営に関する学びを欲しているのです。

そして、同友会の会員が増えることにより、島根において「経営をよくしようと考えて経営する経営者が増える」ことになります。経営者なら誰しも経営を良くしようと考えているような気もしますが、必ずしもそうではありません。“経営をよくする”という言葉の定義次第ではありますが、単に儲かればいい、仕方なく続けているだけ、何のために経営しているか良くわからない、といった経営は実は至るところにあります。私自身も、同友会をはじめとする様々な学びの場に出かけるようになって、分かって来たことがたくさんあります。中小企業が目指すべき“よい経営”、その答えが同友会の中にある。しかも、決して画一的なものでは無く、自社に、経営者自信に合った様々な形で存在する。そのことを理解し、実践し続ける経営者が地域で増えれば、その地域の大きな活力となり、その経済を動かす力にも成り得ます。そのためには同友会活動自体が、島根の地においてさらに活性化しないといけない。島根青全交が、その契機になったことは間違いないと実感しています。

2.外の世界を知るきっかけ~勇気を持って外に目を向ける~

今回の大会、そしてそのための準備は、島根同友会という組織が、外の世界を知るきっかけになったのではないかと考えています。「組織が」というのは、個別の企業でみれば、県外或いは海外の仕入れ先やお客さまと取引のある会員企業もたくさんあります。しかし、そうでない企業も多い。ましてや、島根同友会という組織で見れば、まだまだ島根の地域内での活動に留まっている。もちろん、それが本筋であり、外に出ていくことが目的ではありません。

しかし、外の世界にこそ、我々経営に悩む経営者の欲しているものがある、ということも事実なのです。島根同友会は200名の会員。そこにはそれなりの知見がある。しかし、全国の会員は4万社以上。そこにある経験、ノウハウ、知恵、技術、とは比べものになりません。経営をよくしたいと思い、事業を伸ばし、さらなる高みを目指したいと考えれば考えるほど、外に目を向けるのは自然の流れです。そして、この大会が教えてくれたのは、外に出ていくというのは、“意外にハードルが低い”ということです。今回、800名以上の方に、県外から島根の地を訪れて頂きました。実は、その800名のみなさんにも、やらなければならない仕事、様々なスケジュールの調整など、実際に島根に来るまでは色々な障害があったことでしょう。しかし、それら大事な所用を差し置いて、勇気を持って島根まで来て頂いたということに、感謝しなければなりません。

これだけの方が、経営を学ぶために島根に来ることができる訳ですから、我々も島根から外にでていけないはずがありません。それを教えて頂いた。外に出て、勇気を出して門戸をたたけば、意外にすんなり受け入れてもらえる。特に「同友会の会員である」ということであれば、そのハードルは著しく下がる。こんなに素晴らしいことはありません。島根の田舎でもがきながら経営に取り組む我々に、まさに、行動する勇気、発信する勇気、外に出ていく勇気、それを与えて頂いたのだと考えています。

3.実行委員会メンバーから「突き抜けた経営者」の輩出を

最後に期待すべきは、今回の島根青全交の開催に向けて中心的な役割を果たした、実行委員会メンバーの企業の成長・発展です。このことなくしては、島根青全交を実施した意味がないと言ってもいいでしょう。多忙な社業の中、少なからず社業に支障をきたしながら、実行委員会に携わったメンバーの会社・組織に、なにがしかの成果が無ければ、何のために実行委員を担ったのか分かりません。

今回の実行委員会のメンバーは、島根同友会の若手メンバーの中でも特に意欲的な面々であることはいうまでもありません。それぞれのメンバーが、この実行委員会に参加する事の意義を感じながら、目的を持って参加していました。だからこそ、数年後、実行委員会のメンバーの会社が大きく変化し、発展していることは間違いありません。その中から、まさに「突き抜けた経営者」が生まれてくる。それでこそ、島根で青全交を実施した意味がある。そう考えています。

私も実行委員会のメンバーです。私自身が「突き抜けた経営者」になる候補の一人となっていなければなりません。会社を伸ばし、事業を伸ばし、社員に、地域に貢献する。実行委員を務める間には、日中に拘束されることもありますし、他県に出向いていくこともありました。その間、会社を支えてくれていたのは他でもない社員のみなさんであり、その支援があればこそ、実行委員も務める事が出来ました。だからこそ、会社の発展を持って社員のみなさんにお返ししなければならない。そのことを改めて感じます。島根青全交の終わりこそがスタート。当社には明るい未来がある。なぜなら、島根青全交の実行委員会の一翼を担い、成功させることが出来たから。そう信じて、経営に邁進し、さらなる学びを積み重ねたいと考えています。

島根青全交実行委員会メンバー

島根青全交が残したもの。これだけが全てではありません。様々な立場で、様々な見方で、色々なものが残ったと思います。いずれにしても、島根に同友会があったから、この青全交も開催できた。島根同友会が発足して10年。島根にも同友会が必要だと考えた先輩方が島根同友会を立ち上げて下さったから、今がある。そのことに改めて感謝したいと思います。ただ、宴のあとにしっかりと意識しなければならないことがあります。それは、「同友会が仕事ではない」ということ。同友会はあくまで学びの場。学びを実践し、成果をあげてこそ意味がある。それが経営者の仕事。そのことを改めて肝に銘じ、その上で、島根県におけるさらなる同友会活動の発展に向け、微力ながら貢献していきたいと考えています。

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