島根県中小企業家同友会

島根同友会facebook講習会~実名だからこそ広がる共感のネットワークをどう活かすか~

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2011年8月17日、島根県中小企業家同友会が主催する「facebook(フェイスブック)講習会」が松江市民活動センターで開催され、参加してきました。

今回、島根県中小企業家同友会会員である合資会社ジップ代表の目黒貴之さんが講師を引き受けて下さいました。参加者のレベルに合わせた大変分かりやすく丁寧な講演をして頂くとともに、参加者それぞれの疑問・質問に的確に答えるスキルの高さに感心しました。質問に対して的確に回答することって、結構難しいものです。本当に素晴らしかったです。

なお、今回の記事では、(長くなるので)フェイスブックそのものの説明は省いています。フェイスブックを知らない方、使っていない方にとっては何のことか分からない点が多いのですが、ご了承ください。

さて、私は、いわゆるSNSの類(mixiとかツイッターとか)は一切使っていなかったのですが、フェイスブックはやってみることにしました。一番の理由は、フェイスブックが実名でやり取りすることを原則としているからです。これまでインターネット上のコミュニケーションは匿名が当たり前でしたが、情報の信頼性という点では疑問符が付く場合もあります。その点、実名でかつ多くの場合顔写真まで掲載されているフェイスブックでは、その中でやり取りされる情報の信頼性が高いことは当然ですし、インターネット上でしばし問題になる誹謗中傷の類も発生しにくい環境になります。実名だからこそ安心して付き合い、情報交換できるという、本当の日常の延長がインターネット上に有るという点が大変魅力的です。特に、ビジネス利用を考える際にはこれは非常に重要なことです。前置きが長くなりましたが、今回の講習会で学ばせて頂いたことを整理しておきます。

1.共感のネットワーク ~「いいね!」がもたらすゆるやかな共感の拡大~

「共感のネットワーク」とは、講習会の冒頭、“フェイスブックとは何か”という問いに対する講師の目黒さんの説明です。(あるアナリストの言葉との説明でした。)

この共感のネットワークという言葉、実際にフェイスブックを使ってみると、非常に良く現していると思います。フェイスブックの中心的に仕組みの一つである「いいね!」のクリック。ある人の投稿に対してゆるやかな関心を示すという仕組みで、その関心が自分の友達にも伝わるようになっている。またそれを見た友達が、「いいね!」をクリックすることで、さらに広がっていく。この「いいね!」という共感がまた友達の共感を呼び、波状的に広まっていく仕組みがフェイスブックの肝になのだと、最近やっと分かってきました。

そして、それは「フェイスブックが実名だからこそ広まる」のだと思います。すなわち、自分が知っている信頼できる人がイイと言っているものだからこそ関心を持つ。そして、「いいね!」は、いわば無言の口コミとでもいうべき効果を発揮し、友達の友達へ、そのまた友達へ、と広まっていく...考えた人はすごいです。「いいね!」をたくさん獲得するような興味深い情報は、波状的にフェイスブック上に広がっていくのでしょう。そういう意味では、ビジネスにフェイスブックを活用しようと考える場合は、やみくもに投稿するのではなく、共感をより多く呼びそうな中身の濃い投稿に絞っていくことも大事なんだろうという気がします。

講習会の様子(前方が講師の目黒さん)

2.社内でのコミュニケーションツールとしての可能性~いわば、ゆるい日報~

私がこの講習会に参加した目的の一つに、フェイスブックを社内で活用するための可能性を探ることがありました。

元々私のイメージとして、フェイスブックを「ゆるい日報」として活用することで、社内の情報共有度が上がり、連帯感が強まるのではないかという感触がありました。一人一台のパソコン時代になってから、隣の人ともメールで会話するといった事例に代表されるように、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーション不足が指摘されたこともありましたが、一対一の関係ではなく、友達になった者どおしで、ゆるやかに連帯するフェイスブックでは、“みんなで会話して盛り上がる”というコミュニケーションが期待されます。

当社には、日中は現場で仕事をする職員もたくさんいます。朝早く会社を出て、夜遅く帰ることもあり、職員がお互いに顔を合わせない日ももちろんあります。そこで、日報代わりに仕事の進捗状況や現場の様子を写真とコメントでフェイスブックに投稿し、「いいね!」やコメントを通じて皆が声を掛け合う。そのことで、お互いがお互いを認め合う環境ができ、それがみんなの士気向上や、やりがいにつながるのではないかと考えています。

社内で業務利用するのであればフェイスブックで無くても良いのですが、市販のものを使えば費用もかかりますし、別に使い方に慣れる必要もあります。セキュリティの面がクリアされれば、こういった無料で提供されているツールを有効活用することも選択肢としては有効だと考えています。また、今回の講習会でフェイスブックをグループウェアとしてみると(現時点では)Todo機能が無いという留意点や、セキュリティについては、メールアドレスとパスワードでログインするため、特に携帯でログインしている場合は、携帯の紛失によるID・パスワードの流出や“なりすまし”の発生が懸念されること、その予防策として携帯端末にロックを掛けておくことなど、具体的なアドバイスを頂きました。こういった参加者それぞれの質問や要望に丁寧に回答して頂けたのも大変素晴らしかったです。

社内専用グループページの作成テスト

3.フェイスブックページの活用方策~人間味のあるインフォーマル情報で楽しむ~

フェイスブックは、個人で登録するだけでなく、企業やお店のページを持つことができます。その活用次第ではビジネスに大きな影響を与えると考えられ、フェイスブックページを持つ企業が増えてきているようです。

現在、フェイスブックページの活用方法は、大きく、(1)モノを売る、(2)お客様のフォローアップ、(3)ブランディング(知名度向上)の3とおりがあるようです。それを踏まえ、それぞれの企業や事業等の実情に合わせて、フェイスブックページをどのように使って、何をしていくのかの方向づけが大事だというお話でした。確かにそのとおりで、流行りだからと言ってフェイスブックページを作ってもその使い方を明確にイメージしていなければ、余計な手間だけ増やすことになりかねません。

また、関連した話としてホームページやブログ等との役割分担を考えることも重要だということでした。当社もホームページと社長のブログで情報発信をしていますが、ホームページはフォーマルなスタンス、フェイスブックはより人間味のあるインフォーマル情報、といった使い分けがよさそうな気がします。フェイスブックページは、フェイスブックが持つ双方向性を最大限に活かし、いわばコールセンター的な役割を担い、お客様からのレスポンスを楽しむような使い方が適しているのではないかという説明が最後にありました。もともと堅苦しく使うツールではないだけに、ビジネス利用であっても楽しんで使うという視点については大変納得したところです。

当社フェイスブックページ(ひとまず作成してみた)

その他、フェイスブックの歴史や技術的特徴、さらにはテクニック的なお話も多数して頂きました。元々、フェイスブックは米国の学生のコミュニケーションツールとして活用されていたものが、一般に公開され、米国以外の世界中で使われるようになったそうですが、なぜ学生の間のコミュニケーションツールとして発達したのかと言えば、要するに「合コン」をしたかった大学生が、合法的に異性の情報を収集し、合コンの企画・セッティングをするために開発したのが始まりだと言うことです。もっと言及すれば、男子が女子の情報を集めるために開発したということでしょう。古今東西、男の考えることは常に一緒なのだなとちょっと安心したりします。

私の身近でも、フェイスブック上でオフ会を始め、色々な催しの企画が次々に立ち上がり、賑わいを見せています。まずはプライベートで活用され、機能や使い方に精通し、その成果が仕事に活かされていく。そんなスタイルがフェイスブックに合っているように感じているところです。

 

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