2012
04.25

2012年4月13日、島根経営品質研究会の「ベンチマーキング」が当社で開催されました。この取り組みは、研究会会員メンバーが、会員各社を訪れ、会社の説明、社内見学、職員との意見交換、等を行うものです。私は、2010年10月からこの研究会に入会していますが、今回、初めてベンチマーキングに来て頂く機会がありました。

今回、ベンチマーキングに来て頂くことを決めたのは、2012年3月に経営指針を策定して会社の目指すべき方向が定まったこと、社長就任後3年を過ぎ、少しずつ社内で実践してきた施策や環境整備なども一段落し、職場らしい環境が整ってきたこと、などがあります。決して“自信を持って”とは言えませんが、社外の方を招いて社内のことを色々とみて頂いてもいいかなと、自分自身で思えるぐらいにまではなったと感じたからです。この段階で、外部の方の視点で意見を頂き、さらなる改善、飛躍に向けたヒントを得たいと考えています。こういった試みは、恐らくは、創業以来初めてだと思いますが、得るものもたくさんありました。私なりの気づきをまとめています。

会社の概要、取り組み等の説明

1.改めて気づく自分の会社を説明することのむずかしさ

自分の会社のことを説明するのは難しかった、というのが実感です。冒頭に2時間弱の時間を頂き、会社のことやこれからの取組み名などについて説明しました。今回は、3月に実施した経営指針発表会用に取りまとめた資料を用いて、新たに策定した経営指針の説明や、前期の事業報告、当社の歩みなどの説明を行いました。

研究会メンバーのみなさんには、同業者はいらっしゃいませんが、当社がどのような事業を行っているかはご存知です。しかし、ベンチマーキングの趣旨としては、会社の特徴や強み、業界内での位置、今後の方向性等、当社がどんな会社で今後どうしようとしているのか、目指すべき姿と現状とのギャップはどこにあるのか、といったことを伝えてこそ、的確な意見や指摘が出てくるはずです。しかし、時間をかけた割に、どこまで伝わったのか。自分の考えの幾らも伝わっていないのではないか、という気持ちになってきました。

一つは、あくまで社員用に作成した経営指針発表会用の資料を社外の方の説明に使ったことがあります。しかし、それを差し引いても、自分の会社のことながら、分かっているようで分かっていない、自分自身でも未だ整理しきれていない、といったこと根本的な問題を感じました。経営指針発表会に向けた準備の中で、そういったまとめをしたような気にはなっていましたが、まだまだ足りていないことを実感しました。しかし、これも実際に発表の場、機会を与えて頂き、実際に話してみたからこそ気が付けたことだと思います。自分の会社について、もっと深く考え、強く想うことが足りていない。そこに気づかせて頂きました。

2.職員との意見交換からみえる社内の変化

ベンチマーキングの最後に、職員との意見交換の時間がありました。社外の会社経営者や幹部職員の方々を前に、突然意見交換の場に駆り出され、会社はどうか、社長はどうかと矢継ぎ早に質問があります。しかも社長(私)を目の前にそういった質問に答えなければなりません。職員の方は大変だったと思います。ただ、同研究会のワールド・カフェ・シリーズに参加した職員もいましたので、一部顔見知りの方も居たりして、比較的スムーズに意見交換の場に入り込めたようです。

参加していただいた職員のみなさんには、本当に率直に話して頂きました。社長が横で見ている中で、本音を述べるのは中々難しいだろうし、実際には言葉を選びながら話したのだろうと思います。それでも、嬉しいコメントがたくさんありました。社長就任時の私は会社を変えなければいけないと意気込んで空回りしていたように映ったということ、そうして社員との気持ちのずれが大きくなったこと、その後の様々な取り組みや、仕組みを通じた実践、経営指針発表会等を経て、社内の雰囲気も変わって来たという感触、少なくともこの3年間で良い方向に会社が変化してきている、という印象を話してくれました。

経営者として非常にうれしい瞬間でした。社内の打合せや面談では出てこなかったかもしれません。社外の方が訪れているという環境の中で、うまく話を引きだして頂いたからこそ、そういった社員の想いに触れることもできました。研究会メンバーのみなさんに、そして社員のみなさんに感謝したいと思います。

3.門戸を開くことで見えてくる次のステージ

社内に社外の方を招いて会社の中を見てもらう、私にとっては大変勇気の要ることでした。しかし、自分達をそういう環境に置くからこそ、清掃は行きとどいているのか、執務室の整理整頓はどうか、社員はきちんと挨拶できるのか、といった当たり前のことにも改めて目が行きます。自分達だけなら見過ごしてきたこと、目をつむってきたこと、それらを改めるきっかけにもなりました。

考えてみれば、我々もよく先進的な取り組みをしている会社に視察にお邪魔させて頂く機会があります。受け入れる側というのは楽ではありません。今までは“大変だなぁ”と思いながら視察をしてきました。しかし、今回ベンチマーキングをやってみて、そういった“外部の目にさらされる環境”というものが、会社を、職員を伸ばすのではないか、それを繰り返すうちに、その会社そして職員がさらに磨かれ、伸びていくのではないか、と感じました。

社外からの視察を自信を持って迎え入れる会社。目指すべき会社、一つの目標として考える余地があります。しかし、誰もが視察者が殺到するような会社になれるわけではありませ。そこで、今回のような取組みにより、それに近い環境を自ら作っていき、自分達の足らずに気づき、新しい課題を発見する。それが、ベンチマーキングの意義であると感じたところです。

職員を交えた意見交換会

大変よい機会を与えて頂きました。1年後、或いは3年後、もう一度同じメンバーにベンチマーキングに来て頂き、その後の当社の進化、発展を見てもらいたいと考えています。そして、その時社員はどんなことを話すのか、ぜひ聞いてもらいたいです。そして、この活動以外でも、同じように社外の方に会社に来て頂き、外部の視点で意見をもらえる機会、そういった場を積極的に設けたいと思います。外部の視点で気づきを頂いて自分達を見つめ直す。その繰り返しができるよう、引き続き取り組んでいきたいと考えています。

2012
04.19

社長の温泉めぐり44 匹見峡温泉(やすらぎの湯) 島根県益田市匹見町

私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

今回44箇所目は、島根県益田市匹見町の「匹見峡温泉 やすらぎの里」です。訪問日は、2012年4月18日です。匹見峡温泉やすらぎの里は、益田市匹見町にある温泉施設で、宿泊施設や宴会場、お食事処、おみやげ屋、なども備えた大型施設です。温泉としては、内湯用と露天風呂用、2つの泉源を持つところも特徴です。なお、内湯用の泉源については、協和地建コンサルタントが平成4年度に掘削工事を実施させて頂いています。

匹見峡温泉 施設入口

泉質は、内湯が「単純弱放射能冷鉱泉」、露天風呂が「単純弱放射能温泉」となっています。この2つの泉源ですが、成分分析表によると、泉質の成分的な違いはさほど無く、源泉の温度によって泉質名が変わっています。前者が20.8℃、後者が30.5℃です。PHの表記はありませんが、いずれも8.5以上はある、アルカリ度高めの温泉です。いずれの泉源も温度が低いため加温されていますが、加水はされず、かけ流しと循環式を併用しているようです。しかし、お湯の入れ替えについてはかなり力を入れられており、新しい温泉水がふんだんに使われています。その効果もあってか、入浴するとアルカリ性温泉の特性であるヌメヌメ感がすぐ感じられ、お湯の鮮度が高いことが伺えます。

単純泉のため、成分分析書に記載される適応症に特別なものはありませんが、実際の成分としてはナトリウムイオンと炭酸水素イオンの含有量が比較的高くなっています。さらに含有成分の成分総計は0.9g/kg(1.0g/kgを超えると泉質名が付く)あり、加水もされていないため、ナトリウム‐炭酸水素塩泉の特性がみられると考えられます。適応症としては、切り傷、火傷、慢性皮膚病などの改善が期待されます。また、炭酸水素イオンの効果で、皮膚の脂肪や分泌物を乳化して洗い流す効果もあり、高いPHと相まって、美肌の湯として高いポテンシャルを有していると言えます。この点については、近傍にある美都温泉の泉質特性とよく似ています。

内湯の様子(一部)

内湯は、あかるく広々とした造りで、長方形の大きめの浴槽が2つあります。木で縁取られた浴槽と、岩風呂風の浴槽。岩風呂の方には、ジェットバスと泡風呂が備わっていました。その脇には水風呂、サウナもあります。さらに、13種の天然薬草を配合したという薬湯があり、かなり濃厚な色合いでした。ただ、浴室に入るとこの薬湯の匂いが充満しており、風呂全体の匂いのように感じられます。すこし匂いがきついのではないかという印象を持ちました。

露天風呂は、かなり大型でやはり岩風呂風の造りでした。底が深く、全体に屋根がかかっており、雨天時などでも安心です。広々とした庭園が備わっており、露天風呂で肩までゆっくり浸かり、広々とした庭を見渡すのもいい雰囲気でした。その他、壺風呂、打たせ湯(2箇所)ありましたが、たまたまなのか、打たせ湯のお湯はかなりぬるめでした。

洗い場は7箇所ありますが、うち鏡無しが3箇所。仕切りはありませんが、間は広めにとってあります。リンスインシャンプーとボディソープが備えてありました。脱衣場のロッカーは正方形の一般的なタイプ(100円返却式)と縦長タイプ(4文字ロック式)が36ずつ。ロッカーのタイプで鍵の方式が異なるのはちょっと戸惑うかもしれませんが、縦長タイプは上着を着ている場合には重宝します。また、籠のみのスペースもありました。車で来場して貴重品を持ちこまない地元の方などはこちらが便利なのでしょう。洗面は3箇所で、ドライヤーは2箇所のみ。水道のないカウンターのみのスペースもあり、そちらも3人ぐらいは使用できそうでした。風呂の施設規模、ロッカーの数に比して、洗面とドライヤーの数は少し少なめという印象です。

利用料金は大人600円。やや高めの印象もありましたが、風呂の大きさや施設の充実度からすれば妥当なところかもしれません。その他、岩盤浴ができるコーナーもあり、温泉入浴とセットで1500円という値段設定となっていました。

フロントとみやげものコーナー周辺

私が訪れたのは、平日の夕方でしたが、思った以上に利用者があり、地域の温泉施設として指示されている様子も伺えました。前述のとおり、この施設は宿泊機能も備えており、収容人員も結構あります。またお食事処、宴会場などのスペースも大きく、想像以上に大型の施設でした。匹見町は、島根県内でも特に山間部に位置するエリアであり、外来の利用者だけでなく、町内の多様な行事などでも活用される、地域の拠点施設でもあるという印象です。また、同町の自然や特性を活かした、多様な宿泊プランも企画されているのも特徴的でした。一例ですが、鮎会席宿泊プラン(6~9月)、ホタル観賞宿泊プラン(6月)、夏探検隊宿泊プラン(夏休み期間)、雪見宿泊プラン(12~2月)などが紹介・PRされており、積極的で興味深い取組みだと感じました。

同じ島根県内でも県西部の温泉には、中々行く機会がありません。当社が掘削した泉源の中でも、この温泉はもっとも西にある泉源で、今回やっと訪れることが出来ました。美肌の湯としてもすぐれた泉質を有する匹見峡温泉、機会がありましたら、ぜひご利用下さい。

2012
04.12

盛和塾山陰4月例会 経営の原点「経営十二ケ条」~覚悟を持ち、暗夜を進む~

2012年4月9日、盛和塾山陰の4月例会が開催されました。

昨年の7月から「盛和塾」に入塾しました。盛和塾とは言うまでもなく、京セラ・第二電電の創業者で日本航空の会長として企業再生に取り組まれた、稲盛和夫さんが主宰する、若手経営者を育成するための塾です。今回、例会で経営の原点と呼ばれる「経営十二ケ条」について深く話を聴く機会がりました。その内容を少しまとめてみたいとと思います。盛和塾のことについては、新入塾生交流会でも少し触れましたので、そちらもご覧下さい。

講師は、盛和塾岐阜の株式会社DETO代表取締役、恩田多賀雄さんで、「経営の原点十二ヶ条の意義」と題して講演を頂きました。今回の例会には、入塾間もない参加者やオブザーバーが多いことも踏まえ、とてもやわらかい話し口で、分かりやすく話をして頂きました。もう一つ特徴だったのは、経営十二カ条の話に入る前に、その前提として大きく2つの話があったことです。そちらの話こそ、入塾間もない塾生にとってはより重要であるように感じました。その話も含めてまとめてみます。

盛和塾岐阜 株式会社Deto 恩田代表取締役

1.暗夜を恐れることなかれ、ただ一灯を頼め

講演の冒頭、この言葉について話がありました。「人生を歩む中では、先の見えない暗い夜道を進むようなこともあるが、ただ自分の強い意思を頼りにするのがよい」、というような意味だそうですが、経営に際しても当てはまるということです。

そして、まず「暗夜を進むことが大事」だということ。経営とは暗夜を進むようなもの。確かに中々先は見通せませんし、色々なことが起こります。しかし、暗夜を進むからこそ、あるとき振り返ると、いかに険しい道のりだったのかがよくわかる。それなのに、中には暗夜を進もうとしない者もいて、それでは何も始まらないのだと。まず歩むことが大切、暗夜を行くことがから始まる。そのとき、「経営12カ条」が“一灯”なる、ということでした。

経営の勉強をするのはいいが、勉強ばかりして実践しなければ意味がない、ということだと理解しています。確かに、経営者はどんな時も前を向いて進まねばなりません。「どんな業界であれ、楽な経営環境などない。前に進まなければ地盤沈下して自分が沈んでしまう。その地盤沈下のスピードよりは早く歩かねばならない。」、とも話されました。講演の冒頭で、叱咤激励を受けたと理解しています。

そして、この言葉も記憶に残ります。「経営がうまくいかないことを、周囲或いは内部の環境のせいにする人がいるが、経営とは置かれた環境の中でやるしかないもの。人のせいにする暇があったら、一歩でも二歩でも進むことを考える。そういう経営者でなければ、経営十二ケ条を勉強しても意味が無い」。経営十二ヶ条に限らず、経営について学んでいく上での基本、前提を改めて認識させて頂きました。

2.覚悟はあるか?~小さな覚悟が大きく深いものになる~

経営者として経営をする「覚悟があるか?」、という問いかけが2つ目でした。

その前提として話されたのは、「経営者が損か得かと言われれば損。中小企業であっても、取るべき責任と対価を比較すれば間尺に合わない。番頭で居る方がよっぽど楽で、それが当り前。それでも経営者を続けるのは、経営者を続けて人生を終わるとき、もっとも人間的な成長が得られるのは経営者である。だから経営をするのだ。」という説明です。経営者になって3年ほどの私にはまだ計り知れない部分もありますが、この3年だけみても、人間的に成長させてもらったという認識はあります。経営者という仕事は人間を育てる、ということは確かなのではないかと、自分では感じています。だからこそやりがいがある。最近はそう感じています。

もう一つの言葉も記憶に残ります。「覚悟の無い経営者が経営する会社の製品やサービスは、世の中に迷惑をもたらす。社員がかわいそう。なにより、その経営者自身がかわいそう」、とのこと。「覚悟」、いいかえれば「本気」ということだと思います。私も、経営者になりたての頃、自分自身が「本気」で経営に取り組んでいるかどうか、厳しく問われたことがあります。社員やその家族、協力会社のみなさん、そういった当社を取り巻く様々な方々の生活、人生に関わっているという認識を今一度新たにし、覚悟を持って経営に取り組みたいと考えています。

そして最後に次のような言葉で激励をして頂きました。「まだ覚悟が無い経営者は小さな覚悟でいい、今日、それを持ってもらいたい。一度持てばそれがどんどん大きく、深いものになる。覚悟の有る、無しで全く経営が異なる。大事なのは、『覚悟は教えられない、渡せない』ということ。自分自身で持つしかない。だからこそ、覚悟を持ってもらいたい」。大変示唆のある、奮い立たせて頂けるお話を伺うことができました。

3. 経営12カ条~第一条 事業の目的、意義を明確にする~

「経営12過カ条」は、その名のとおり12項目に分けて経営の要諦がまとめられています。今回は、冒頭の説明時間をかけて頂いたこともあり、全部の説明を受けるまでには至りませんでした。しかし、第一条が、全体の中でも最も重要で、半分以上を占める大きな意味を持つものだということで、その説明の中から気づきをまとめておきます。

第一条の重要性、それは、すべての行動の○×は、第一条で決まるということ。事業の目的・意義とは、何のための会社か、何のための仕事なのか、それを考えるということですが、そのポイントは「最後、この1点だけは守る」ということを定めることだそうです。そして、(最初は)経営者が自分ひとりで考える。なぜなら、“本音でなければ意味がない”からだそうです。なぜ事業に取り組むのかという理由、その本音を明らかにする。さらに、本音を公明正大なものにすることが大切だということです。本音とは何か、実は大変難しい問題です。金持ちになりたいと思って事業を始める方もいるでしょう。ベンツに乗りたい、立派な家を建てたい、金銭的、物的欲求からスタートするのがむしろ自然ではないでしょうか。でも、それではダメで、もっと公明正大なものにしなければならない、と説かれる訳です。

なぜかと言えば、理由は簡単です。社員に、社長の金儲けのために事業を行うんだと説明したとして、社員が一生懸命働くはずはありません。極めてごもっともです。だから社員には公明正大な事業目的を述べなければならない。しかし、その公明正大な目的は自分の本音ではなかった(本音は金もうけしたい、とかあると思います)とする。そのギャップをどうするのか、非常に難しい問題です。

その答えは、「最初はそれでもいい。」ということ。実は、これは真剣に社長業をやっていく中で変わっていくものだと。経営していくうちに、儲かったらベンツを買うつもりが、事務所を直したり、会社を良くするためにお金を使おうという気持ちが湧いてくる。真剣に取り組んだ人は必ずそうなる。そうしていくことで、本音から少しずつベンツの影が消えていく。確かにベンツも欲しいが、会社ももっと良くしたい、という風に。そういうことが起こるのだと。

私自身、何となくわかる気もします。昨年度、会社の倉庫を直したり、社屋内の環境整備にお金を使ったり、社員のみなさんが使いやすい、すごしやすい職場環境整備に少しずつですがお金を使いたいなという気がしてきましした。多少は経営者らしくなってきたのかもしれません。来年、再来年、自分自身がどのように変化していくのか、自分でも見極めていきたいと考えています。

当社も、この度、事業の目的と意義を経営理念に定めました。経営理念として記されているとおりが、私の本音の本音なのか。心の奥底まで確信できるのか。常に自問自答し、自分自身のものになるよう、今後の経営を進めていきたいと考えています。盛和塾の教えは大変奥が深く、表面的な文言の奥に非常に深い示唆があります。自分自身明確に消化しきれないのですが、だからこそ、もっと勉強する意味があろうと思います。また、今回の講演で学んだように、覚悟を持って暗夜を行くことを忘れず、実践を通じて盛和塾の教えを少しずつ理解し、経営を伸ばしていきたいと感じたところです。

2012
04.06

新年度、2012(平成24)年度が始まりました。今年度は、2012年3月17日(土)の「経営指針発表会」にて発表した、当社の新しい経営指針に基づいて事業運営を進める最初の年となります。当社が、新しい会社づくりをスタートする元年といってもいいでしょう。新年度スタートにあたり、経営指針に定めた、経営理念、企業スローガン、行動指針、をどのような想いや考え方で策定したのかをまとめておきます。

経営理念と行動指針をさっそく見える化

1.経営理念に込める事業の目的と目指すべき会社の姿

(経営理念1)私たちは、「地質」、「地下水」、「地熱・地中熱」にかかる技術・技能を極め、お客様と地域社会のために役立てます。

当社の事業の目的を定めたものです。当社のこれまので事業活動の基軸となって来た、「地質」(いわゆる地質調査や、それに基づいた地すべり対策などの領域)、「地下水」(水源開発、温泉開発の領域)、そして今後新たに取り組む「地熱・地中熱」、という3つの領域を中核に置くことを定めました。そしてそれらの領域において、我々が技術・機能を極め、お客さまと地域社会のために役立てる。それが我々の企業の存在意義である。このことをまず明確にするため、経営理念の最初に謳っています。

(経営理念2)私たちは、ご縁を大切にし、お互いを尊重し合い、感謝の気持ちを持ち、謙虚に学び成長する仲間であり続けます。

当社の経営においてこれまで最も欠けていたものをまとめたものです。長く経営的に低迷が続いた当社には、会社と社員の間に、長年にわたって蓄積され続けた不満、不信感が存在します。その不満、不信感に対して経営がきちんと向き合いたいと考えています。そのために、まず経営が襟を正し、この理念に示されるような会社経営を実現する。そして社員も未来へ向う気持を持つ。そんな職場を実現しすべく2番目の理念として定めたものです。

(経営理念3)私たちは、安定した経営の継続と、やりがいある仕事の創出に全員で取り組み、社員とその家族の幸せを創出していきます。

安定した経営をベースとしたやりがいのある仕事の存在。それが社員、そしてその家族の幸せにつながる、という共通認識を持つために定めたものです。その背景には、特にこの10年ぐらいは経営が安定せず社員の処遇も厳しかったこと、さらに、会社が進む方向を指し示せなかったことと重なって、社員の仕事に対するモチベーションが低迷していたこと、などがあります。そのマイナスのスパイラルを断ち切り、将来に向かって前向きな共通認識を持つべく、3番目の理念として定めています。

2.企業スローガンによって端的に示される事業目的

この度、企業スローガンを定めました。

「地質から地域を見渡し、水資源で地域を興す」

一番最初の経営理念に定める“当社の事業目的”がイメージできるものを、端的で美しい言葉で表現したいと考え、つくったものです。

「地質から地域を見渡し」とは、長年の事業運営の成果として地質データ、地下水データなどの膨大な蓄積があるという当社の特性、そして、そのことで島根県を中心とした山陰地域の地質調査や地下水開発においてスピーディに様々な所見をまとめ、正確でより確度の高い仕事ができるという当社の立ち位置を謳ったものです。

「水資源で地域を興す」とは、まさに当社の中核である、温泉・水源開発を指しています。“地下水”という貴重な地下資源を活用し、温泉開発による地域の活性化や温泉ビジネスの展開、水源(井戸)開発による民間事業活動や水道事業などへの貢献、といった様々な形でお客さまや地域社会のお役立ちを実現する、当社の姿を謳ったものです。

この企業スローガンを定着させ、またこのスローガンどおりの仕事が一つでも多く実現できるよう、これからの事業運営に努めていきたいと考えています。

3.行動指針 ~“習慣化”で一人ひとりが変わり、会社を変える~

経営指針に加えて、「行動指針」を策定しました。社員全員が日々の仕事、行動において徹底すべきことを5つにまとめました。そしてその定着に向けたキーワードは「習慣化」。習慣化すれば、意識しなくても、頭で考えなくてもできるようになります。そしてそれが企業文化、企業風土と呼ばれるものとなり、組織に根付いていく。そういう想いを込めて、以下は、この行動指針をどのように実践してもらいたいのか、社内に向けて私の想いを整理して、社内の全体会議で提示したものです。

(1)早く行動すること・・・「すぐやる、まずやってみる」ことを習慣化

お客さんはもとより、職員同士、協力会社さん、業者さん、誰であっても“すぐ対応”、“すぐにやる”ことを心がけましょう。「すぐやる」というのは習慣です。優先順位などは考えない。いったん保留しない。手に取った時に直ぐにやりましょう。すぐに連絡、すぐに確認、すぐに指示、すぐに作業、すぐに提出。当たり前になれば、習慣化すれば、すべて普通にできます。

(2)お互いに助け合うこと・・・「相談、手伝い、分担、“お互いさまの総力戦”」を習慣化

困っている人がいれば、直ぐに声をかけてみましょう。困ったらすぐに回りに助けを求めましょう。役職、所属は関係ありません。お互いが手伝い、みんなで作業することで、早く終わればそれでいい。自分の仕事でなくても気にしない。手伝ってばかりでも気にしない。手伝わない人が居ても気にしない。「なんで自分ばっかりが」とは思わない。出来る人が、出来る時に、出来ることをする。わずか20名の会社、常に総力戦で仕事に立ち向かいましょう。

(3)職場環境を良好に保つこと・・・「職場・現場を美しく保つこと(整理・整頓・清掃)」を習慣化

職場を、現場を、身の回りを、きれいな環境に保ちましょう。ごみは拾う、汚れは落とす、埃は拭く、使ったものは元に戻す。気が付いたらすぐにできるようになりましょう。掃除の時間だけが環境整備の時間ではありません。日々・毎時、いらないもの、使わないものは捨てましょう。捨てるべきでないものは、所定の保管場所を決めてそこにしまいましょう。ものを大切にしないということではありません。モノを探す時間は仕事では無いということ。だから職場をきれいにし、整理整頓を徹底しましょう。モノ探しの時間ゼロを目指しましょう。

(4)明るく、元気に過ごすこと・・・「お礼、笑顔、挨拶、声かけ」を習慣化

毎日を明るく、元気に過ごしましょう。まずはみんなが声を出すことからはじめましょう。そして、感謝の気持ちを持って、笑顔で、ありがとう。笑顔で、おはようございます。笑顔で、お疲れさまでした。なにげないことでも声をかけましょう。明るい気持ち、感謝の気持ちを持つことでみんなが気持ちよくなります。それが会社全体をよい方向に動かして行きます。それを信じて、みんなで明るく、元気に過ごしましょう。

(5)素直に受け止めること・・・「善意に捉える、勘ぐらない」ことの習慣化

世の中には色々な人がいます。お客さまからのお問合せ、ご意見、ご要望、お叱り、クレームは、全て素直に受け止めましょう。善意に捉えて、勘ぐらない。悪意を持ったお客さま、同業者、取引先があるかもしれません。しかし、それに対して悪意で返すのはやめましょう。我々は、常に善意に捉え、誠意ある対応に努める会社、社員であり続けましょう。因果応報。よきことを思い、よきことを行って行けば、必ずよきことが起こります。それを信じて、日々の仕事に取り組みましょう。

全部、誰でもやろうと思えばできることです。でも意外と出来ないことです。だからやりましょう。習慣化で一人ひとりが変わり、会社を、そしてあなたの人生を変えましょう。

以上の、経営理念、企業スローガン、行動指針は、つくって終わりではありません。これからがスタートであり、はやく浸透化させ、定着させてこそ意味があります。これが全社員に根付いたとき、素晴らしい会社が実現することを信じ、まずこの1年、取り組んでいきたいと考えています。