2012
09.27

島根経営品質研究会では、研究会会員及び会員企業の役職員向けの研修として、「H24ワールド・カフェ・シリーズ」を企画しています。平成23年度下期に初めて企画し、今年度も引き続き実施しています。“ワールドカフェ”と呼ばれる話し合いの手法を採用し、誰もが気軽に参加出来て、気づきと学びを得られる場を提供することを意図したものです。詳細は、こちらのブログを参照下さい。

平成24年度のワールド・カフェ・シリーズは、毎月1回、上期・下期の2シリーズ構成(1シリーズあたり4回開催)とし、学びを深めるためにも、できるだけ固定的なメンバーで参加して頂くようお勧めしています。各回のテーマは、第1回 主体性の心、第2回 親切・誠実な心、第3回 思いやりの心、第4回 前向きな心、としています。今回、第一シリーズ(計4回)が終了しましたので、振り返って、私自身の気づきと今後に向けた対応等をまとめてみました。

ワールドカフェでの話し合いに参加

1.繰り返し参加することで増幅する学びと気づき

ワールド・カフェ・シリーズは、前述のとおり、“ワールドカフェ”と呼ばれる話し合いの手法を採用した学びの場です。テーマを設定し、そのテーマに即した題材のビデオを見て、そこで得られた気づきに基づいて話し合いを行います。昨年度4回開催しましたが、私はいずれもファシリテーターとして司会進行を担当していましたので、自分自身が話し合いに加わる機会はありませんでした。今年度は、研究会メンバーでファシリテーターを交代して実施することとし、私も計4回の話し合いに参加することが出来ました。

ワールド・カフェ・シリーズでは、ブロックス㈱さんが制作する社員教育ビデオDOIT!シリーズ(※)を活用させて頂いていますが、毎回、テーマに即したビデオを試聴することで、一人一人が気づきを得ています。今回、4回連続参加してみて、やはりこういった学びの場は、単発的に参加するのではなく、継続的に参加し、問題意識を持ち、それを高める訓練の場とすることが必要ではないかと感じています。私も、毎回テーマは違えど、共通して気が付くポイントがありました。これは、ある人が、ある時期に抱えている問題意識に対して、様々な角度から気づきを与えてもらえる、という事かもしれません。

私の場合は、それが後述のお客さまアンケートにつながるのですが、単発的な学びの場への参加では、十分な動機を得られず、見過ごしていたかもしれません。そういった効果も期待しながら、私だけでなく、当社社員の後半戦のシリーズへの参加スタイルを検討したいと考えています。
(※ブロックスでは、DOIT!シリーズのビデオを使って有料のセミナーを開催することはお断りされているそうなので、申し添えさせて頂きます。本研究会のセミナーは会員限定で参加費不要です。)

2.異業種であっても共通するもの~あたり前のことを当たり前にする~

研究会に参加している企業は、業種も様々で、このワールド・カフェへの参加者の役職も色々です。自分達の世界とは異なる異業種でどのような取り組みがなされているのか、どんな課題があるのか、それを知り、自社や自らの気づきとすることも、このワールド・カフェのねらいの一つです。ところが、今回計4回の話し合いを通じて気が付いたのは、異業種であっても“会社をよくしていこう”とするときの問題意識、課題は共通するところが多く、それは極めて基本的なことだ、ということです。

通常の業務改善や仕事のやり方を考える時等は、多くの場合、同業他社がどのようにしているか、同業他社として比較してどうなのか、といったことが大きな関心事になるでしょう。それはもちろん大事なことの一つです。しかし、それは本来やらなければならない事がきちんと実践された上での検討が前提でしょう。経営理念や経営方針がしっかり定まった上で、具体的な戦略、戦術を組み立てるのと同じこと。だからこそ、社員も腑に落ちて取り組むことができる。

今回、計4回のテーマは、前述のとおり、主体性の心、親切・誠実な心、思いやりの心、前向きな心、といったテーマを据えましたが、例えば、挨拶、清掃、整理整頓、といった基本的な事項の実践・徹底といった事項は、どのテーマの話し合いでも必ず話題に上がります。いずれも当たり前のことですが、徹底して出来ている会社は必ずしも多く無いと思います。会社・職場も一つの人間社会。やはり人間どおしが社会生活を営む上で基本的なことや、善いこと(挨拶や掃除が悪い事だという人はあまりいないでしょう)、というのはやらなければならない。そういう認識を改めて持ったところです。

3.お客様の声を聴くこととの重要性への気づき~お客さまアンケートの実践~

今回のワールド・カフェ・シリーズに参加し、当社の取組みにおいて欠けているな、と感じたこととして、「お客様の声を聴く」ということがあります。その気づきを踏まえ、現在、当社は(おそらく)はじめて“お客さまアンケート”を実施中です。

改めて考えれば、そもそも、そういったことをしていないこと自体がどうなのかという気もしますが、今からでも遅くはないから実践しようと思い立ち、先日、昨年度お世話になったお客さまに対してアンケートを発送しました。これまでの当社が実施してきたお客様の声の把握方法は、営業担当者や業務・工事の担当者の聞き取りなど、直接お客様と接する者が(たまたま)聞いてくる、というもので、組織だって積極的に情報収集しようという仕組みはありませんでした。この姿勢は変えなければならないと、今回のワールド・カフェを通じて確信しました。

今回のワールド・カフェ・シリーズで試聴したビデオでは、利用者のみなさんからの声を収集し、それを仕事の改善に活かす事例が何回も紹介されました。それはビデオの構成上たまたま入っていた話題だったのかもしれませんが、それを続けざまにに視て、話し合いを重ねることで、必要性を強く感じることができ、実際に行動に移すことにつながりました。繰り返し聞かずとも、いい話であれば直ぐに実践すればいい訳ですが、その時は“やってみよう”と思っても、結果出来ず、先送りすることも良くあります。だからこそ、定期的なタイミングで、繰り返し気づきを得られる機会があるというのは、私をはじめ、中々実践できない者にとってはありがたいことです。これはワールド・カフェでなくても、例えば、同友会などの例会でも良いでしょう。大事なことは定期的に学び続けること。その場を準備し、参加すること。それを気づかせて頂く、いい機会となりました。

返事を頂いたアンケートの一部

当社初のお客さまアンケート。現在、少しずつ返信を頂いています。他社が実施されているアンケートに、一人のユーザーとして答えた経験はもちろんあります。しかし、これが実際に自分の手元に戻ってきて感じるのは、「意見を頂けることのありがたさ」です。当社に少なからず関心を持って頂けているから返事を頂ける。そのことの感謝を改めて感じます。アンケートの結果については、また別の機会にまとめてみたいと思います。

2012
09.20

島根県中小企業家同友会では、2012年10月4日(木)~5(金)にかけて、第40回青年経営者全国交流会in島根(以下、「島根青全交」といいます。)を開催します。私も、実行委員会の一翼を担わせて頂いており、開催まであと2週間となりました。現在、既に850名を超える参加申込を頂いており、当日は、この島根の地で、全国の若手経営者が経営に関する熱い議論を交わします!

同友会は経営者の学びの場です。その同友会が主催する全国規模の大会を自分達の地域で開催し、自らも準備運営に携わることにどういう意味があるのか、以前のブログ(2011年11月2012年5月)でも取り上げて考えてきました。準備がいよいよ大詰めを迎えたこの時期、今一度振り返ってその意義を捉え、また、準備活動を通じて見えてきたことなどを整理し、本番に向けた意気込みとします。

2012年9月18日、第11回実行委員会の様子

1.全国の経営者とつながり、交流することの意義

2011年11月のブログでは、「全国の経営者とつながり、交流することの意義」について記しました。その時の結論としては、「自分の、あるいは自社の可能性をどう捉えるか」、と整理しました。

それは、「島根の会社だからと考えて、自分自身、そして会社の可能性を限定してはならない」、ということ。結果的に島根だけで仕事をするとしても、全国様々な地域で仕事をしている、意欲ある経営者が何を考えているのかを知ることは我々にとって貴重な学びです。そして、自らの地域で開催するからこそ、主体的かつ積極的に自らの可能性を探り、問題解決につなげることもできる。であれば、“ホスト役”として県外からいらっしゃる経営者の方々と交流し、学びを得るべきだと。それが、島根の地で全国大会を開催する意義の一つと考えていました。

その後、島根青全交のPR活動を兼ねて、県外の同友会の青年部活動にお邪魔する機会を何度か得ました。そして今は、もう少し違うことを考えています。県外の同友会青年部活動に参加して感じる共通の印象は、同友会青年部メンバーが“その地域の10年後、20年後の地域経済を支える存在になる”、という強い目的意識を持って活動されているということです。それに付随して「自らの事業を伸ばす」という事に対する熱意を感じます。私が伺ったのが、愛知、兵庫、広島、という都市部にある3同友会であったことも関係あるかもしれません。

島根で事業を行っていると、よく“現状維持でも良いじゃないか”という感覚に見舞われます。確かに、地方部の経済情勢が厳しい中で、現状維持するだけでも大変なのが実情です。しかし、現状維持を目標にしていては、現状維持もままなりません。同友会活動のよりどころの一つ“労使見解”でも、「経営者には事業を維持し発展させる責任がある」ということを明示しています。これに対して、都市部の同友会青年部の方々は、現状維持など眼中にありません。それはそうでしょう。現状維持では雇用も増やせないし、社員の処遇も上げることもできない。これでは未来を展望すべくもありません。島根という、国内でも経済的にかなり貧弱な地域で事業を行うのだとしても、やはり、経営者は事業を伸ばすことを前提に経営することが必要な訳です。

私自身が、そういった感覚に気が付くことができたのは、やはり、全国の経営者とつながり、交流することが出来たからです。だからこそ、島根同友会のメンバー全員で、全国からたくさんの意欲ある経営者がわざわざ島根に来て頂けるこの機会を活かしたいと考えています。

2.突き抜けてスゴイ青年経営者が島根に現れる

2012年5月のブログでは、「青全交後、突き抜けてスゴイ青年経営者が島根に現れる」という未来の到来を、私自身の期待として記しました。そうなるかどうかは、もちろん島根青全交後の、そのまたしばらく先のことですから未だ分かりません。しかし、その予兆はすでに現れていると感じています。

まず一つは参加者数です。既に850名を超える参加者が島根青全交に参加を表明して頂いています。昨年開催された富山での青全交には942名の同友会会員の参加がありました。それには及びませんが、しかし、富山での青全交には、富山同友会の会員が230名参加されています。それに対して島根同友会の会員は現在200名、うち参加予定は150名となっています。さらに、交通の便に恵まれない島根の地での開催ということを考慮すれば、ほぼ同等かそれ以上の参加者数を確保していると考えられます。島根青全交を成功させるべく、全国各地に出向いてPR活動を行い、中小企業から島根を盛り上げたいという心意気を伝えて頂いた、実行委員会メンバーの方々の努力のたまものでしょうし、それに応えて頂いた、全国の若手経営者のみなさんのおかげです。

もう一つは、広島県中小企業家同友会の青年部のみなさんの支援です。元々、島根同友会は、その発足に際して広島同友会から多大なご支援を頂いたという経緯があります。そして今、島根の青全交を成功させるために、広島同友会の青年部のみなさんから絶大な支援を頂いています。大会当日は、島根同友会の参加者並みの人数で島根に来て頂く予定です。島根と隣接する広島は、経済的なつながりも大きなものがあります。その中小企業家の、しかも若手経営者と強いつながりが出来ることは、島根にとって大きなメリットです。この圏域一体での事業活動の盛り上がりに即結する可能性も秘めており、大変期待が高まるところです。

これだけの参加、支援を受けて開催する島根青全交、もちろん成功裏に終了させなければなりませんが、その後の島根がどう変わっていくのか、そして、突き抜けてスゴイ青年経営者が本当に現れる。その大きな期待をもって当日を迎えることができそうな現状を、大変うれしく感じています。

3.準備を通じて垣間見る島根同友会会員企業の実力

ここにきて準備が段々と本格化するにつれ、島根同友会会員企業のみなさんの実力を垣間見る機会が増えてきました。当然のことながら、島根青全交の実行委員は同友会会員であり、様々な業種の経営者やそれに準じる役職の方々です。

第一に感じるのは“餅は餅屋”ということ。当たり前のことですが、リーフレットやガイドブックなどの配布物の作成、懇親会などの企画や飲食関係の準備、会場設営のための備品調達、看板類の制作、等々、大会を運営するために必要な事項について、それを本業とされている方のノウハウや成果の品質は、素人とは一線を画します。その中で、“こういったことは、この方に頼めばいいのか”といったことを、実際の品質も踏まえて見ることができる、また、そもそも、こういった商品やサービスを取り扱っていたのか、ということを改めて知る。そんな、相互理解を進める機会にもなっています。

また、本業と直接関係ない部分でも、ミーティング等の運営、会員間のコミュニケーション、各種折衝、全体のマネジメント等、その方々の得意な領域や性格といったものも伺い知ることができます。メンバーのみなさんの多くは、職場に帰れば一国一城の主、あるいは幹部の方々です。日頃会社をマネジメントされている方々が、大人数の集まりでどのような能力を発揮されるのか、興味のあるところです。実際のやり方は人それぞれですが、こんなやり方もあるのかと参考になる部分、決断力・決定力、スピード感など、まさに経営者ならではの意思決定を垣間見る部分など、様々です。経営者が集まって一つのことを成し遂げようとする中に居ることで経験できるもの、それもお互いに大きな財産となるでしょうし、今後、島根同友会メンバー間でのコラボレーションや、取引等を具体化していく際のきっかけや、参考にもなるでしょう。

その一方、開催が近付くにつれ、開催すること自体が目的化しないことが大事です。“餅は餅屋”とはいえ、その専門家に完全にお任せ・丸投げという状況にならないよう、各担当者がやるべきことはやり、そして共通の目的意識を見失わないよう、最後の2週間の準備をやり遂げたいと考えています。

中小企業家同友会全国協議会 第40回青年経営者全国交流会in島根
〔日時〕 平成24年 神在月 10月4日(木)~5日(金)
〔場所〕 くにびきメッセ、松江テルサ、松江アーバンホテル
〔テーマ〕縁(えにし)創造 集い 繋がり 結ばれる!出雲の「縁」が日本を動かす!

2012
09.14

本社屋への地中熱ヒートポンプ空調システムが完成してから1カ月半が経過しました。

運転開始から1カ月間の運転データを取得分析し、昨年のデータ(消費電力量)と比較することが初めてでき、システムの運転状況が数値面から明らかになってきました。今回、1カ月間のまとめとしてデータからみたシステムの実力や課題を整理(分かりやすく消費電力量で比較)するとともに、この間の取組みや気づき等についてまとめています。

取得された運転データ

1.消費電力量の削減は思いのほか伸びず~設定温度や平均気温の影響が大~

8月1日から運転開始した地中熱ヒートポンプ空調システムは、その能力を確かめるため、8月中は連日ほぼ全開運転で運用してきました。本システムでは、ヒートポンプの運転にかかる積算電力量を記録できるようになっており、いつ、どのぐらいの電力量が発生したかのデータを蓄積しています。運転開始後1カ月を経て、1カ月間の積算値を、過去の8月の使用電力量と比較することができました。

結論としては、消費電力量は昨年との比較では思いのほか削減されませんでした。過去4年間の8月分の消費電力量(エアコン用の低圧電力契約分)は次のとおりです。(カッコ内は、2012年の消費電力が占める割合、温度は松江市の8月の日平均気温の月平均値(気象庁データ)とエアコンの設定温度)

年度                  消費電力量                      平均気温          設定温度
2012年           1,573kwh                      28.7℃           25~27℃
2011年           1,874kwh(83%)           27.2℃           27℃
2010年           2,119kwh(74%)           29.2℃           28℃
2009年           1,707kwh(92%)           25.2℃           25℃
2008年           3,074kwh(51%)           26.7℃           不明

消費電力量だけみると、昨年比で17%の削減。当初の想定では、ピーク時運転を継続しても3割程度は削減できると見込んでいましたが、そこまでの結果は出ませんでした。しかし、過去に遡って比較すると、もっと削減出来ているケースもありますし、2008年比では約半分です。また、今年は設定温度をかなり低めにし、室内を常時25℃ぐらいに保っていました。一方、2010年、2011年は、経費節減の一環として室温設定を28℃、27℃としており、屋内はエアコンがあるとはいえ、かなり暑い状態でした。そして、2010年と今年はかなりの猛暑で、2009年は比較的涼しかった、という外気温の問題もあります。さらに、当社の社屋は木造2Fで、鉄筋コンクリート造などの建物に比べると断熱性能はかなり低く、外気温の影響をかなり受けます。このため、暑い年はエアコンの出力にも大きく影響を与えるのが実態です。

そう考えると、従来の設備に対してはやはり3割程度、そして使い方によっては最大で半分の電力量の削減が達成できる、と推定することは出来ますが、当社屋において、それを表面的に現れる消費電力量でもって比較することは中々難しいということが見えてきました。この1カ月で結論が出る訳ではないですが、実際にやってみたからこそ分かることがあります。今後さらにデータの分析を進めるにあたり、頭に入れておかねばならないし、具体的な提案を検討していく際にも考慮しながければならない点だと認識しています。

2.補助金申請対応もセットで経験することで次につながる

当社の地中熱ヒートポンプ空調システムの導入にあたっては、一般社団法人環境共創イニシアティブ(以下、「SII」と言います。)が実施主体となっている国の補助事業「建築物節電改修支援事業」を活用しています。現在、工事が完了し、その工事成果品と補助金採択に向けた確定検査資料をSIIに提出し、検査待ちの状況です。事業の執行が適正に行われているかを、提出資料及び現地で確認する確定検査を経て、補助金の交付を受けることが出来ます。

この補助金を受けるための手続きや準備というのが中々大変な作業です。国の税金を頂く訳ですからそんなに簡単には済ませる訳にはいきませんが、補助金の交付申請から採択、中間報告、最終報告、と中々の長丁場で、準備する資料も膨大です。過去から経験の企業に伺うと、年々提出する資料が増え、複雑化しているとのことです。受ける側としては出来るだけ簡単な方がいいですが、新しい技術や設備が定着するまでの間、こういった国の補助金制度などが普及を後押しするというのは、これらの事業に携わろうとする者にとってはありがたいことです。制度があればこそ、導入に踏み切られる方もいらっしゃるでしょう。こういった制度の活用を含めて提案し、投資を誘発していくことも仕事のやり方の一つと認識しています。

今後、当社が地中熱ヒートポンプを活用したシステムを提案していく際には、当面の間、様々な補助金の活用とセットになると考えています。その意味では、自社への導入に際して、補助金の申請から最終的な受領まで、自ら携わって実施できたことは、大きな経験として今後の展開に役に立つと考えています。

3.マスコミ取材・パブリシティへの対応が社内を活性化

地中熱に取り組んだことをきっかけに、このところ、各種地元マスコミや広報誌などで当社のことを取り上げて頂く機会を複数回頂きました。大変ありがたいことです。経済誌などでは取り上げて頂く事が少ない業種ですし、特に当社はこれまで、取材をして頂く機会などあまりありませんでしたので、中々慣れませんでした。しかし、やはり何かしらの媒体で世に出るということは少なからず反応があり、事業運営にとって意味があることだと感じます。

もう一つ大きな機会として、地元のケーブルテレビ局であるマーブル(山陰ケーブルビジョン)の番組で取り上げて頂く機会がありました。“元気で頑張っている企業や商店の取り組みを、経営理念や将来展望等のインタビューを交え紹介します。”という趣旨の番組で、地元ローカルとは言え、そのように認めて頂いて取り上げて頂ける事に感謝したいと思います。

その番組を撮影して頂くにあたっては、全社員が何かしらの形で番組内に登場するようにしたいと考え、取材当日の職員のインタビューや社内での仕事ぶりなどの撮影時に配慮して頂くようお願いしました。また、取材当日だけでなく、自社で撮影したビデオなどを活用して頂き、番組を作成して頂きました。社員にインタビューの対応をお願いしたところ、忙しい中みんな心よく対応をしてもらいました。こういったテレビ番組の取材を受ける機会も早々無い事だと思いますので、いい経験でもあるし、そういう番組に取り上げられるということ自体、多少なりとも社員の士気を高めることになるのかなと感じたところです。

番組は9月13日から放映され、月内に再放送が何回かあります。自分自身で見ると気恥ずかしい気もしますが、少しでも多くの方に当社のことを知って頂く機会となり、また、取引先や社員の家族の方々に当社のことを知って頂けることにも意味があると思います。大変うまく番組を構成して頂いており、そこで紹介された仕事ぶりや将来展望に恥じないよう、さらに努力していきたいと考えています。

放映された番組「まち元気 企業元気」(松江ケーブルビジョン)

システム運用開始からわずか1カ月半ですが、これまで10回(10組)の方々に当社のシステムを見学して頂きました。早速来て頂いたにも関わらず、十分な準備ができず資料も整わないまま説明せざるを得なかったことを申し訳なく思っています。そもそも、会社を見に来て頂くという経験がほとんど無かった会社ですので、対応についてもこれから学んで行かねばなりません。しかし、外部の方に立ち寄って頂けるということ自体が、大変ありがたいことであり、我々自身も緊張感を持ち、襟を正して日々の仕事に携わっていく、いい機会になっていると考えています。

2012
09.06

2012年8月24日(金)、島根県中小企業家同友会 松江支部8月例会が開催されました。この日は、『「ありがとう」があふれる会社に!日本一社員の幸せなタイヤ屋を目指して~倒産の機器を乗り越えてきた「学びの姿勢」「理念経営」の実践~』と題して、有限会社オーリー 代表取締役 太田利昭さんから報告を頂きました。同社は、島根県松江市と出雲市で、タイヤの販売に特化した事業を展開されている会社です。

太田社長は、タイヤ販売会社に就職の後、独立。一時は業績を伸ばしたものの、その後仕事が激減して倒産寸前になり、少人数で再スタート。現在は、社員5名(パート1名)で、学びの姿勢を徹底し、理念経営により経営を立て直されています。オーリーには、当社も社有車のタイヤについてお世話になっています。若い従業員さんの明るくて爽やかな対応が印象的な会社です。その会社を運営する太田社長がどのような経緯で現在に至り、今後どのように事業を展開されようとしているのか、興味深く話を聴くことができました。私が特に感じたことを3点整理しておきます。

報告する(有)オーリー太田社長

1.自分達の現在位置を知り、同業者が嫌がる仕事をメインに据える

太田社長が最初に話されたことの一つに「自分達の現在位置を知る」ということがあります。まず自分達のことを知る。その上で、業界の他社がどのようなレベルに居るのかを知る。太田社長はとにかくライバル店の視察を徹底するそうです。自動車用品販売最大手のオートバックスをライバルに据え、店頭に頻繁に足を運び、何をいくらで売っているのか、どんな管理がされているのか、その業界ならではの目線で情報収集を続けられています。同じような規模の会社ではなく、敢えて業界トップの企業を対象にして会社のレベルを把握する。自分達の位置を知るためには重要な観点だと感じます。

その結果として見出されたのが、「同業者がいやがることをメインの仕事に据える」という方針です。同業者が嫌がる仕事とは、要するに“面倒くさいこと”と言い換えてもいいでしょう。具体的には、外車の対応、中古タイヤ、持ち込みの対応、等だそうですが、オーリーはそのいずれも対応しています。オーリーがするにしても面倒くさいのではないかと思います。しかし、それをメインの仕事に据えることで、色々な方に喜んでもらえ、同業とのバッティングを減らすことにつながる。同業者と争うのではなく、タッグを組んで自分達の業界自体をよくしていく。その方向に行きつくまでには様々な試行錯誤があったことと思いますが、太田社長の一貫した学びの姿勢があったからこそ、たどり着くことが出来たのでしょう。

この、“同業者の嫌がる仕事をメインに据える”という発想。世の中には、同じような考え方を実践し、成功している会社がたくさんあります。当社も、温泉井戸や水井戸の改修・メンテナンス等の仕事を拡大しようと取り組んでいますが、これも実は面倒くさくてあまり他社がやらない仕事です。しかし、そういった場面でこそお客さまは困っておられるし、お役立ちのチャンスがある。そういった着眼点に今一度立ち戻り、自社の取組みも加速させていきたいと感じたところです。

2.タイヤへの特化とターゲットの明確化

太田社長の経営戦略に関する話も、中小企業が進むべき方向性として大きな示唆を得ることがあります。それは、同じ商品を売っている中小企業と大手企業があったときに、中小企業はどう対応すればいいのか、ということ。太田社長の取った対応策は“特化する”ということと、“ターゲットを明確にする”ということです。よく言われることではありますが、実際に出来ている会社はどれだけあるのか。それを徹底してやることの意義を知ることができました。

タイヤは、どこでも買える商品です。売っている商品の品質は同じ。値段で勝負すれば大手にはかなわない。だから、“タイヤに特化”する。その考え方として、「やらないことの明確化」「捨てることの明確化」を徹底されています。“やらないこと”の例は、車の販売。タイヤ以外のことは社内ではやらないようにされています。また、“捨てること”にした例は、保険の代理店。苦手なことはやめる。どうしても求められれば他社に出す。そうしていくうちに、みんなが“タイヤのことだけを考えるようになった”そうです。

実際、オーリーは国内全メーカーのタイヤを取り扱い、中古タイヤも扱っています。だからタイヤに特化しなければ、それ以外のことに手をかけている余力もない、という実態もあるでしょう。そして、島根県内で唯一とおっしゃっていましたが、オーリーでは全メーカーのタイヤを実際に装着して運転してみているそうです。そこまで徹底してやっていること自体が自信につながるし、商品に関する知識だけでなく経験に基づいた自分なりの評価が加わる。それがお客さんに喜んでもらうことにつながり、さらに頑張る原動力になる。いい循環ができあがることで、会社の業績もよくなったそうです。

そして、オーリーの“ターゲットの明確化”その答え、それは“タイヤで困っている人”。具体的にはカーディーラーさんだそうで、実は、カーディーラーさんは、タイヤの取り扱いに困ることが非常に多いのだそうです。中古タイヤを取り扱っているのもそこに意味がある。一つ一つはちょっとした用事であったり、面倒くさいことかもしれません。しかし、そのちょっとしたお役立ちの積み重ねが、オーリーの付加価値につながっているのでしょう。

3.人財育成=社風と風土、コミュニケーションづくり

太田社長は人財育成にたいへん強い思い入れと熱意を持って取り組まれています。その目標は「どこの会社からも求められる人財」。一般に、会社の寿命が20年とすれば、就職してから定年までの間に倒産する可能性がある。その時、他社から求められる人財を育成しておくのが自分の使命、と考えられています。そういった人財の基本は“人間力”。太田社長の考える人間力とは、他人のために自分の時間を使う、なりたい自分像がある、人柄がいい、仕事・家族・仲間・自分を大切にする、など、明確なものがあり、そういった人財を目指して、様々な社内の取り組みをされています。

月に3~4回開催されるという社内勉強会では、商品の勉強会、商談の勉強会、といった直接的に仕事に係わるものに加え、自分の好きなことをプレゼンする“伝達勉強会”といった試みを継続されています。また、年に一度は社員旅行を兼ねたベンチマーキング視察を開催され、一流企業のもてなしや仕事ぶりを学ばれています。また、スーパーオートバックス(…というお店があるそうです。広大な敷地、売場、駐車場を備えたエンターテイメントカーライフメガストアと定義されています。)が隣にあったとき、それでも選んでもらえるためにはどうするのか?という課題を持ち、実際にスーパーオートバックを見学する。中々できないことです。そういった取組みを社員と一緒に地道に続けていくという姿勢こそ、経営者として太田さんから学ばなければならないと強く感じたところです。

最後に、太田社長の考える人財育成とは、“社風と風土、コミュニケーションづくり”だと総括されました。そのことは、前述の勉強会だけでなく、朝礼の徹底や日頃から社員を気にかけて行動する姿勢など、オーリーの社内の様々な場面で日常になってきているのだと感じます。

今回も盛況の松江支部例会

今回、報告の中で、一緒に報告を聴きに来ていたオーリーの2名の社員さんが参加者を前に少しだけ話をする時間がありました。まだ1年目の藤原君は、「会社の勉強会などを通じて学ぶ場がたくさんある。この会社は人間として成長できる場だと思う。」と話し、5年目の草野君は、「元々人と係わるのが苦手だったが、仕事を通じて人が好きになった。お客さまに喜んで頂くことを学び、もっと人と係わりたくなった。」と、自分の言葉で自分の会社について語りました。藤原君は10代、草野君も20代前半です。そんな若者が、たくさんの経営者の集まる同友会の例会の場で、全く臆する事無くどうどうと自分の言葉で話ができる。その事だけみても、太田社長の人財育成が間違っていないことを証明しています。私自身もこの春から新卒の2名の新入職員を迎えています。“人財育成”ということに関し、今一度真剣に、実直に向かい合うことが必要だと強く感じさせて頂く、大変気づきの多い例会となりました。