島根県中小企業家同友会では、2012年10月4日(木)~5(金)にかけて、第40回青年経営者全国交流会in島根(以下、「島根青全交」といいます。)を開催します。私も、実行委員会の一翼を担わせて頂いており、開催まであと2週間となりました。現在、既に850名を超える参加申込を頂いており、当日は、この島根の地で、全国の若手経営者が経営に関する熱い議論を交わします!
同友会は経営者の学びの場です。その同友会が主催する全国規模の大会を自分達の地域で開催し、自らも準備運営に携わることにどういう意味があるのか、以前のブログ(2011年11月、2012年5月)でも取り上げて考えてきました。準備がいよいよ大詰めを迎えたこの時期、今一度振り返ってその意義を捉え、また、準備活動を通じて見えてきたことなどを整理し、本番に向けた意気込みとします。
1.全国の経営者とつながり、交流することの意義
2011年11月のブログでは、「全国の経営者とつながり、交流することの意義」について記しました。その時の結論としては、「自分の、あるいは自社の可能性をどう捉えるか」、と整理しました。
それは、「島根の会社だからと考えて、自分自身、そして会社の可能性を限定してはならない」、ということ。結果的に島根だけで仕事をするとしても、全国様々な地域で仕事をしている、意欲ある経営者が何を考えているのかを知ることは我々にとって貴重な学びです。そして、自らの地域で開催するからこそ、主体的かつ積極的に自らの可能性を探り、問題解決につなげることもできる。であれば、“ホスト役”として県外からいらっしゃる経営者の方々と交流し、学びを得るべきだと。それが、島根の地で全国大会を開催する意義の一つと考えていました。
その後、島根青全交のPR活動を兼ねて、県外の同友会の青年部活動にお邪魔する機会を何度か得ました。そして今は、もう少し違うことを考えています。県外の同友会青年部活動に参加して感じる共通の印象は、同友会青年部メンバーが“その地域の10年後、20年後の地域経済を支える存在になる”、という強い目的意識を持って活動されているということです。それに付随して「自らの事業を伸ばす」という事に対する熱意を感じます。私が伺ったのが、愛知、兵庫、広島、という都市部にある3同友会であったことも関係あるかもしれません。
島根で事業を行っていると、よく“現状維持でも良いじゃないか”という感覚に見舞われます。確かに、地方部の経済情勢が厳しい中で、現状維持するだけでも大変なのが実情です。しかし、現状維持を目標にしていては、現状維持もままなりません。同友会活動のよりどころの一つ“労使見解”でも、「経営者には事業を維持し発展させる責任がある」ということを明示しています。これに対して、都市部の同友会青年部の方々は、現状維持など眼中にありません。それはそうでしょう。現状維持では雇用も増やせないし、社員の処遇も上げることもできない。これでは未来を展望すべくもありません。島根という、国内でも経済的にかなり貧弱な地域で事業を行うのだとしても、やはり、経営者は事業を伸ばすことを前提に経営することが必要な訳です。
私自身が、そういった感覚に気が付くことができたのは、やはり、全国の経営者とつながり、交流することが出来たからです。だからこそ、島根同友会のメンバー全員で、全国からたくさんの意欲ある経営者がわざわざ島根に来て頂けるこの機会を活かしたいと考えています。
2.突き抜けてスゴイ青年経営者が島根に現れる
2012年5月のブログでは、「青全交後、突き抜けてスゴイ青年経営者が島根に現れる」という未来の到来を、私自身の期待として記しました。そうなるかどうかは、もちろん島根青全交後の、そのまたしばらく先のことですから未だ分かりません。しかし、その予兆はすでに現れていると感じています。
まず一つは参加者数です。既に850名を超える参加者が島根青全交に参加を表明して頂いています。昨年開催された富山での青全交には942名の同友会会員の参加がありました。それには及びませんが、しかし、富山での青全交には、富山同友会の会員が230名参加されています。それに対して島根同友会の会員は現在200名、うち参加予定は150名となっています。さらに、交通の便に恵まれない島根の地での開催ということを考慮すれば、ほぼ同等かそれ以上の参加者数を確保していると考えられます。島根青全交を成功させるべく、全国各地に出向いてPR活動を行い、中小企業から島根を盛り上げたいという心意気を伝えて頂いた、実行委員会メンバーの方々の努力のたまものでしょうし、それに応えて頂いた、全国の若手経営者のみなさんのおかげです。
もう一つは、広島県中小企業家同友会の青年部のみなさんの支援です。元々、島根同友会は、その発足に際して広島同友会から多大なご支援を頂いたという経緯があります。そして今、島根の青全交を成功させるために、広島同友会の青年部のみなさんから絶大な支援を頂いています。大会当日は、島根同友会の参加者並みの人数で島根に来て頂く予定です。島根と隣接する広島は、経済的なつながりも大きなものがあります。その中小企業家の、しかも若手経営者と強いつながりが出来ることは、島根にとって大きなメリットです。この圏域一体での事業活動の盛り上がりに即結する可能性も秘めており、大変期待が高まるところです。
これだけの参加、支援を受けて開催する島根青全交、もちろん成功裏に終了させなければなりませんが、その後の島根がどう変わっていくのか、そして、突き抜けてスゴイ青年経営者が本当に現れる。その大きな期待をもって当日を迎えることができそうな現状を、大変うれしく感じています。
3.準備を通じて垣間見る島根同友会会員企業の実力
ここにきて準備が段々と本格化するにつれ、島根同友会会員企業のみなさんの実力を垣間見る機会が増えてきました。当然のことながら、島根青全交の実行委員は同友会会員であり、様々な業種の経営者やそれに準じる役職の方々です。
第一に感じるのは“餅は餅屋”ということ。当たり前のことですが、リーフレットやガイドブックなどの配布物の作成、懇親会などの企画や飲食関係の準備、会場設営のための備品調達、看板類の制作、等々、大会を運営するために必要な事項について、それを本業とされている方のノウハウや成果の品質は、素人とは一線を画します。その中で、“こういったことは、この方に頼めばいいのか”といったことを、実際の品質も踏まえて見ることができる、また、そもそも、こういった商品やサービスを取り扱っていたのか、ということを改めて知る。そんな、相互理解を進める機会にもなっています。
また、本業と直接関係ない部分でも、ミーティング等の運営、会員間のコミュニケーション、各種折衝、全体のマネジメント等、その方々の得意な領域や性格といったものも伺い知ることができます。メンバーのみなさんの多くは、職場に帰れば一国一城の主、あるいは幹部の方々です。日頃会社をマネジメントされている方々が、大人数の集まりでどのような能力を発揮されるのか、興味のあるところです。実際のやり方は人それぞれですが、こんなやり方もあるのかと参考になる部分、決断力・決定力、スピード感など、まさに経営者ならではの意思決定を垣間見る部分など、様々です。経営者が集まって一つのことを成し遂げようとする中に居ることで経験できるもの、それもお互いに大きな財産となるでしょうし、今後、島根同友会メンバー間でのコラボレーションや、取引等を具体化していく際のきっかけや、参考にもなるでしょう。
その一方、開催が近付くにつれ、開催すること自体が目的化しないことが大事です。“餅は餅屋”とはいえ、その専門家に完全にお任せ・丸投げという状況にならないよう、各担当者がやるべきことはやり、そして共通の目的意識を見失わないよう、最後の2週間の準備をやり遂げたいと考えています。
中小企業家同友会全国協議会 第40回青年経営者全国交流会in島根
〔日時〕 平成24年 神在月 10月4日(木)~5日(金)
〔場所〕 くにびきメッセ、松江テルサ、松江アーバンホテル
〔テーマ〕縁(えにし)創造 集い 繋がり 結ばれる!出雲の「縁」が日本を動かす!