松江3S勉強会

松江3S勉強会第1回定例会~捨てられないのは、「捨てる基準」が明確になっていないから~

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2014年7月25日(金)、松江3S勉強会の「第1回定例会」が、協和地建コンサルタントにて開催されました。キックオフ大会以降、メンバー各社において進められた取り組みを一堂に発表する最初の機会です。また、会場は参加企業持ち回りで、会場となった会社内を参加者全員で“ウオッチング”し、いいところや悪いところを指摘し合う、という取り組みも実施します。外部の目で社内を見てもらうこと、また、外部の方を迎えるということ自体に、大きなメリットや効果があると改めて感じる機会となりました。その気づきを整理しておきます。

第1回定例会での当社発表の様子

1.捨てられないのは、「捨てる基準」が明確になっていないから

今回冒頭の講義では、3Sの最初のS、「整理」についての基礎について学びました。

整理とは、いるもの(生)、急がないもの(休)、いらいないもの(死)に区別し、いるものは整頓してすぐに取り出せる状態へ、急がないものは整頓し保管、いらないものを捨てること!、だとキックオフ講演会でも教えて頂きました。しかし、「でも捨てられない」というのが、多くの人の率直な気持ちであり、直面する壁でもあります。それに対する答えが、「捨てられないのは捨てる基準が明確になっていないから」ということになります。つまり、あいまいな感覚で捨てる・捨てない、を決めている。気分によって捨てたり捨てなかったりするから、迷いが大きくなり、益々捨てられなくなる。

だから、まず第一にすべきは「ルール」を決めること。例えば、“いるもの”とは、半年に一回使うもの、と決める。そして、その後は、3カ月に一回使うもの、1カ月に1回つかうもの…、と段々短くしていく。その期間に良い・悪いがあるのではなく、ルールとして明確にすることが大事、ということです。

もう一つ大事なことは、「例外をつくらない」ということだそうです。ルールを決めて取り組んでいても、例外的な取り扱いに直面することはあるでしょう。単純に行かない部分もある。そういう時、“例外を曖昧にしない”ことが大事で、「ルールを見直す」と言う形で、例外が出てこないようにルールをメンテナンスしていく。まずやってみて、その後問題が出てくればどうするかを話し合いながら決めていく。3Sに限らず、仕事におけるあらゆる場面に共通する基本原則のように感じます。

当社も曖昧なルールが数多く存在する会社です。それをいきなりガチガチのルール化した会社にしようというのではなく、しっかりと話しあって、自分達が守れるルールをつくることが第一ステップ。それを確実に運用することで、「守ることを決め、決められたことを守る」という風土を持つ企業をつくっていくことが目指すべきところなのだと考えています。

2.各社発表で実感する“一緒に取り組む”ことの意義

講義の後は、各社からの発表の時間となり、キックオフ大会以降の各社の取り組みについて初めて報告します。その内容は、各社の置かれている環境や、業種の特性にあわせられており、大いに参考になります。

初回の報告ではありましたが、第一印象としては「各社ともかなり頑張って来た」という感触です。どの会社も経営者が本気で“やる”と明言した上で取り組まれているせいか、アプローチの仕方はそれぞれでも、どの会社も甲乙つけがたい進捗を見せています。これは非常に重要なことで、「次回はもっと頑張らないと置いていかれてしまう」という危機感をお互いが感じたのではないかと思います。元々、5社のコンソーシアムで取り組んでいる意味は、1社あたりの費用を低減させるという目的もありましたが、大事なのは、一社だけでは尻すぼみになりかねないところを、複数社で取り組むことでお互いに競争意識を持たせながら、取り組み意欲を持続させるというねらいもあります。

私自身が興味を持って聴いた各社の取り組みとしては次のようなものがあります。プラチナさん詳細な実行計画を策定し、さらにそのフォロー結果も整理・チェックできるような様式を作っていました。曽田鉄工さんは、廃棄する予定の材料を使って小屋を増設されていました。「捨てるともったいない」という意識が、新しい知恵を生み出すこともあるということでしょう。オーリーさんは、本来は取扱品の一部ではないかと思う中古タイヤやホイール(しかし、ほとんど実際には使われないそうです)を思い切って廃棄し、事務所及び倉庫周辺のスペースを生みだしていました。その思い切りの良さがいい結果を生みだすように感じます。樋野電機工業さんでは、倉庫の整理整頓を行う際、その備品を取りに行くための移動距離を短くするという観点で実施し、実際の移動距離を短縮され、生産性を高めていました。

これら各社の取り組み、着眼点は、業種は違えど、当社のこれからの取り組みに大いに参考にできるものだと考えています。お互いに刺激を与え合い、お互いにいい成果を生み出せるよう、引き続き取り組んで行きたいと考えています。

3.具体的な指摘こそ社内ウオッチングの醍醐味

社内ウオッチングでは、20名弱の参加者が社屋内、倉庫の様子を見て回り、今回は特に“整理”の部分について指摘を頂きました。頂いたシートは今後取りまとめを行い、当社内での次の改善に活かしていきます。

特に、社内を撮影した写真を使った講師の川端さんからの指摘は具体的でした。一例を紹介すると、
1)照明スイッチには“どの部分の明かりがつくのかを表示する”と分かりやすい。
2)玄関の置き傘はしない。置いておくのであれば“お客さま用”とする。
3)掃除道具は適当に置かない。たまにしか使わないのであれば、きちんと保管する。
4)ロッカーは顔写真を張るなどして“自分のもの”と分かるようにして、整理意識を高める。
5)何が入っているか分からない棚は無くす。表示をきちんとし、外から見えるようにする。
6)防災グッズは一番取りやすいところにまとめておく。
7)工事用看板に使うシールが無造作に壁にありつけてある。貼るならきちんと整理して貼る。

などなど、指摘事項はまだまだたくさんありますが、私が一番印象に残っている写真(指摘)があります。それは、「倉庫内にごみが落ちていた」という写真。コンビニの袋と食品の包装といったものです。ごみが落ちているということは、ゴミをゴミ箱に捨てない社員がいるということで、それ自体も問題な訳ですが、もっと深刻なのは、それを見かけても誰も拾わない会社ではないのか、という点。会社の全体意識がそういう方向に向いているのではないか、ということです。ごみが落ちていたら拾う。当たり前のことのようですが、できないことです。自分がしたことではないから知らない、ではなく、気がついた人がフォローしていく、お互いがフォローしあっていく。そういう会社全体の意識、風土、社風を築いていくのが3Sの本質なのではないかと、改めて感じるところです。

社内ウオッチングの様子(倉庫編)

次回の例会は9月末の予定です。それまでの取り組みがどのように進めていくのか、今後チームのみなさんで具体的に検討してもらいます。今回の取り組みは、チームメンバーのみなさんが自主的に進めてくれており、推進の面では私としても非常に楽をさせてもらっています。だからこそ、メンバーが決めて、こうしたいと提案してくれたことは出来るだけ尊重したいし、決めたことは社長自らが率先してやる。そういういいサイクルをつくりながら、この取り組みが継続し、定着していくよう、取り組んで行きます。

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