温泉めぐり

社長の温泉めぐり27 広瀬温泉(月山の湯・憩いの家) 島根県安来市広瀬町

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

27箇所目は、島根県安来市広瀬町の「広瀬温泉(月山の湯)」です。訪問日は、2010年11月14日です。

広瀬温泉は、尼子経久の居城、「富田城」があった月山(がっさん)の麓に源泉があり、その名前にちなんで「月山の湯」と名づけられ、建物の名称が「憩いの家」となっているようです。源泉は、施設から約200mほどのところにあり、この施設と少し山を登った富田山荘という宿泊施設に配湯されているようです。源泉の表示を見ると平成6年に開発された泉源のようです。

月山の湯・憩いの家は、木造平屋建てのコンパクトな施設です。施設内はやや古さを感じさせる造りですが、共同浴場的な雰囲気で、なんだか懐かしい感じもします。

月山の湯・憩いの家 外観

浴室内は浴槽のみのシンプルな構成で、これもいまどきの温泉施設と比べると古さは隠せません。向かって右奥に月型の石のオブジェのようなものがあり、そこからお湯が注がれています。この温泉は源泉かけ流しのようです。注ぎ足されている量はさほどでもなさそうでしたが、成分分析表によれば、源泉温度44℃、使用位置で43℃という丁度いい湯音が確保されており、バランス良くかけ流しが維持されているようです。

また、この温泉はこのあたりでは珍しい“にごり湯”です。緑黄色っぽいお湯が非常にいい色合いで、温泉の雰囲気を高めてくれています。

泉質は、弱放射能-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉です。成分濃度はさほど濃くなく、入りやすい泉質である一方、硫酸塩泉及び塩化物泉の2つの泉質の特長を併せ持つ温泉です。硫酸塩泉・塩化物泉とも、切り傷、火傷、皮膚病などが適応症であり、傷や火傷について有効性が高いと考えられます。また、塩化物泉の持つ“湯ざめしにくい温まり効果”もあります。また、成分分析表にはphの記載がありませんが、“弱アルカリ性単純泉”ですので、ph7.5以上はあると考えられ、適度な美肌効果も期待できます。

浴室の様子(誰もいなかったので撮影)

洗い場は、浴槽を中心に両壁側に配置され、3箇所ずつ計6箇所です。ボディソープとリンスインシャンプーがあります。ところで、この温泉は安来市(旧広瀬町)の施設で、現在は、(財)夢ランドしらさぎ振興事業団という団体が管理しているようです。この財団は、その名のとおり鷺の湯温泉の「夢ランドしらさぎ」や「ふれあいプラザ」などの施設を管理しているのですが、そのせいか、ボディソープの入れ物に「夢ランドしらさぎ」との記載があります。合理化の一環ということでしょうが、どうも違和感を覚えてしまいます。

脱衣場には鍵付きロッカーが18個、縦長のタイプで、ハンガーが1つほど入っており上着などをかけることもできます。洗面台は2つで、ドライヤーは1つだけでした。このあたりの設備面では古さを感じざるを得ません。

休憩室の様子

入浴料は大人300円という設定で、地元の方でしょうか、女性の受付がいらっしゃいました。しかし、入浴券は券売機で購入します。前回伺った出雲湯村温泉も同じような形式でしたが、券売機が合理的ではあると思いますが、こういった素朴感あふれる施設だけに、なんか風情が無いという気がします。一方、休憩場所は和室が2部屋のみで、そこにテレビが1台、真ん中にテーブル、座布団は脇に積んであるものを自分で出して使うというスタイルです。ここで、コーヒー牛乳やアイスを食べるという感じ。今風の新しい施設ばかり見ていると、これはこれで風情があります。

基本的に地元の公衆浴場的な施設で、訪れた時間帯が丁度昼時だったのであまりひと気がありませんでしたが、夕方など午後以降は結構にぎわうそうです。施設の古さはありますが、素朴で、かつ泉質のいい隠れた良泉ではないかと思います。

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