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採用力向上セミナー2014~これからの新卒採用は、前倒し・非公式・一本釣り~

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2014年3月13日、島根県商工労働部主催の採用力向上セミナー2014『採用活動の「イロハ」教えます!』が開催されました。昨年に続き2回目で、株式会社ザメディアジョン・リージョナル代表取締役 北尾洋二さんを講師に迎えて、企業の新卒採用についての基礎基本・原理原則、最新情報についてお話を頂きました。昨年度好評だったというこのセミナー、今回も大変多くの参加者があり、また新しい趣向も取り入れられ、大変興味深いものとなりました。

当社における新卒採用は、平成24年4月に高卒2名を採用、平成25年4月から大卒1名を採用、平成26年4月も大卒1名を採用予定しています。次年度以降も、年1名以上の新卒採用を継続したいと考えています。言うまでもなく、新卒採用が事業を伸ばし、会社を活性化させるために必要だと確信するからです。今回のセミナーでの気づきを整理しておきます。

講師の北尾洋二さん

1.これからの新卒採用3つのポイント~前倒し、非公式、一本釣り~

これからの新卒採用のポイントとして、「前倒し、非公式、一本釣り」という3つのキーワードが示されました。本セミナーの核となる重要な指摘の一つです。

「前倒し」とは、新卒採用のエントリーの開始時期が後送りになっている現状を踏まえ、だからこそ、“前倒し”して対処していかないといい人財を確保できない、という趣旨です。その具体策の一つが、“インターンシップ”や“アルバイト”。何らかの形で学生に自社に入り込んでもらいり、いい面も悪い面も知ってもらう。囲い込み策の一つとも言えます。当社でも、平成26年4月採用の学生は、島根大学の学生ということもあり、1年前から社内でアルバイトをしてもらっていました。アルバイト期間の途中で入社試験を行い、内定を出しました。当社でも、そういうスタイルが定着してくるかもしれません。

「非公式」とは、リクルーター制度の復活、産学連携による交流、といった就職活動以前から学校と交流関係を創っていく取り組みです。島根県中小企業家同友会でも、島根大学の学生との連携を強めており学生起業家支援プロジェクトなどの取り組みも実施してきています。島根県技術士会も島根大学・松江高専との産学交流企画を継続、昨年から島根県立大との交流企画もスタートしています。そういった活動の中で、まずは地元の中小企業の存在を知ってもらい、一人の人間としてお互いに知り合う。今後さらに重要になってくる取り組みだと再認識しています。

「一本釣り」は、前述の「前倒し」と「非公式」を通じて出会った学生をそのまま採用する、ということです。企業とすれば、お互いをよく理解し、一緒に働きたいと思えるいい人財を確実に採用することができるし、学生も不安を極小化し、自分のやりたいことを明確にした上で就職出来る可能性が高まります。前述のとおり、島根県においても類似の取り組みを既に実践している企業・グループがあります。地元で学んだ学生を地元の企業が採用する。そういった良い循環を実現する意味でも、このキーワードを意識した採用活動に当社としても積極的に取り組んで行きたいと考えています。

2.適性検査で己を知る~自分自身を見つめ直す機会~

今回のセミナーの新しい趣向として、講演の冒頭、参加者に㈱ザメディアジョン・リージョナルで使用されている「適性検査」を受験させ、その結果を講演時間中にフィードバックし、その内容について説明して頂く、という企画がありました。大変興味深い試みです。

適性検査については、当社では平成26年度の採用活動からリクルート社のSPIを活用しており、私自身も受験してその結果を確認しました。今回の結果が、その時の結果とどのように比較できるかとても興味が有りました。結果報告書の様式がずいぶん異なるので、最初は比較しにくかったですが、会社に戻ってから改めて見てみると、同じような傾向が見てとれます。

代表的なところを見てみると、「決定にあたっての重要ファクター」という項目では、「感受性の優れた点が特徴であり、才気とひらめきにすぐれる。自信を持っている。独自のものを持っておりそれを大切にしている。人柄の良さが見える。」といった評価。「適性配置予測」という項目では、「自分ひとりでこつこつとやっていく方が性にあっている人である。平穏無事が信条となっており慎重である。自分のものを守るということが基調となろう。好みがはっきりしているであろう。」という評価。自分のことを教えてもらえる機会というのは貴重です。自分自身を見つめ直す意味でも、定期的にこうった検査を受けることにも意味があるなと感じたところです。

私自身、今後の採用に関してこの適性検査を有効活用していきたいとは考えていますが、落とすため、選別するための道具としてはあまり活用したくないという気持もあります。やはり、自らを知り、さらにはお互いを知り、足らない部分を補足していくためのツールとして活用してこそ、意味があるだろうと考えています。

3.中小企業の採用活動は総力戦~使えるものは何でも使う~

セミナー後半で強く強調されたのは、「中小企業の採用活動は総力戦」ということです。

活用できるものは何でも使う。フェイスブック、ツイッター、LINE、とにかく使い倒す。私はメール世代です。今でも使いますが、新卒採用の対象となる世代で中心的な連絡ツールとして使っている人はほとんど居ないでしょう。そういう世代を対象にして採用活動をするならば、採用する側もその目線まで降りて行く。そのツールを使って、会社の姿や今後の方向性などを伝えて行くべきだと。確かにその通りだと思います。

また、昨年も同様の指摘がありましたが、「採用に成功している中小企業は社長が前面に出て行っている」という点も強調されました。たとえ10人、20人の会社でも、社長自らが情報発信することの意義は大きなものがあるということです。社長が会社説明会など採用活動の出てくることは、学生にとって大きな魅力につながるとのこと。社長を広告塔とし、そのパーソナリティを広めていくことで、学生を「感化」させていく。それが中小企業の採用戦略において重要な要素の一つだという指摘です。だから、社長は魅力的でなければならないし、夢が語れなければならない。そのことを改めて認識させられます。

この“感化させる”というキーワード。言い換えれば、その気にさせる、ファンにさせる、ということです。興味深い話として、「最終面接で落ちた学生さえも、ファンにしてしまえば、後々自社のお客さまになってくれる、お客さまを紹介してくれる」、という指摘がありました。実際に自動車ディーラーなどで、そういう事例があるそうです。社員にはならなかったけど、お客さまになってくれた。なんと素晴らしい。そのためには、単に会社の業務内容、規模、処遇といった要素が優れているだけではなく、人と人とのつながりを大事にする魅力的な社員・社長が会社に居ることが前提でしょう。そういった会社を創ることが、ひいては採用活動の活性化につながる。結局のところ、いい会社づくりとは、事業活動すべてに影響するのだという、考えてみれば当たり前の結論を改めて認識するいい機会となりました。

後半に行われた模擬採用面接

講演の最後に、新卒採用にかかる重要な2つのキーワードが示されました。「SSK」と「TTP」。前者は、「先入観、成功体験、決めつけ、を徹底的に排除する。」、後者は、「徹底的にパクる。」だそうです。現在の新卒者の世代と、我々の世代では生きてきた時代が違います。そのことによる“常識”や“当たり前”が我々と違っていても仕方がありません。まずはそれを認識し、受け入れ、その上で判断することが必要でしょう。要は、共に働く仲間として迎え入れたい人かどうか。その原理原則をブレないように持って行きたいと改めて認識します。そして、いい取り組みは徹底的に真似すること。これは新卒採用に限らず経営全般に言えることでしょう。本日のセミナーでの有意義な指摘をしっかりと受け止め、次年度以降も新卒採用活動に取り組んで行きたいと考えています。

 

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