2009年10月から、まつえ南商工会(八雲支部)に入会し、その青年部で活動をしています。
2010年7月31日と8月1日、八雲支部青年部メンバーで松江の夏祭り「水郷祭」に出店しました。2日間、ほぼフルに出店してお好み焼きを売りました。そこで“商売”ってものを学ばせてもらいました。
はじめに前置きですが、まつえ南商工会は、松江市に合併した旧八束郡の商工会のうち、松江市の南側に位置していた3商工会が合併してできた組織です。このうち私の住む旧八雲村の商工会が「まつえ南商工会八雲支部」として残っています。旧松江市には、「松江商工会議所」という組織がありますが、合併後も商工会は単独で活動しているようです。
協和地建コンサルタントは旧松江市内の会社ですので、会社は「松江商工会議所」に所属しています。私も活動するのなら松江商工会議所が本筋でしょうが、実は、当社からは専務が以前より商工会議所の青年部として活動しています。だったら私はしなくていいと思っていたのですが、ある時、地元、八雲町(旧八雲村)の商工会に入って活動してみてはどうかとある方に誘われました。八雲町に住み、生活する者として、関わるのも悪くないと考え、入会してみることにしました。
さて、商工会青年部の主な活動は、毎年8月14日に八雲町で開催している夏祭り「おいでな祭」の企画・運営、そして、同じく8月に開催される松江の夏祭り「水郷祭」への出店です。なんかイベント屋みたいな感じではあります。
水郷祭では、松江市役所の駐車場に「YEGテント村」という出店のコーナーが毎年設置され、松江商工会議所の他、県内の商工会議所、商工会の青年部が毎年出店し、祭りを盛り上げています。八雲支部では、この数年「お好み焼き」を売っているようで、今年もそれを踏襲し、販売しました。残念ながら大成功とはいきませんでしたが、“商売”ということについて実践で学ぶ良い経験をさせてもらいました。いくつかの気づきと課題を整理しておきます。
1.店の外観にインパクトが必要
我々の店のお好み焼き、美味しかったです。でも、商売的にはあまり売れませでした。
実は去年も同様だったみたいで、今年は、お好み焼きを焼く鉄板を2枚(去年は1枚)にして生産力を倍増させました。しかし、販売できた数量的には去年並みだったようです。
その一つの要因として、「お好み焼きを売っている」こと自体が、出店の前をとおるお客さんにアピールできていなかったことがあります。事実、私がお好み焼きのポップ(チラシ・看板みたいなもの)を持って店の前で声を張り上げていたところ、「お好み焼き欲しいんですけど、どこで売ってるんですか?」と尋ねられたことが何回もありました。店の前に立っているにもかかわらず。
我々の店は、「お好み焼きを売っている」ように見えない店の作りだったということです。いくら良いものを作っても、それを売っていることが伝わらなかったら、さすがに売れません。
基本的に“テント村”ですので、外装に大きな変化は付けられませんが、他店を見ると、オリジナルの看板、目立つポップ、店舗前面の構成(実際に焼いている鉄板を店の前面に置く)など、訪れたお客さんに訴求する様々仕掛けに工夫を凝らしていました。
我々のお店は、そういった工夫に欠けていたことは否めません。最初はあまり気が付きませんでしたが、商売的に失敗することで初めて見えてくるもんだなと感じたところです。
2.行列が出来ないと売れない
売れている店には行列ができていました。そして、行列ができると、そこにさらに人が並ぶんだなというのを体感しました。そういった流れをつくらないと量がさばけない。
我々のお店はお好み焼きを売り、となりの松江商工会議所青年部では焼きそばを売っていました。そこには商品特性の大きな違いがあります。お好み焼きは焼きそばと違って、一度に大量生産できません。前述のように、鉄板を2枚に増やして生産力を倍増しましたが、それでも限度がありました。
夕方18時から20時(花火が始まる前)ぐらいにかけて、これらの食事の売れるピークが来るのですが、その時はさすがにお好み焼き屋の前も人が並びます。しかし、一度に大量生産できないので、すぐにストックが無くなり、“焼き上がり待ち”になります。その時、一旦呼び込みを止めると店の前に人だまりが無くなります。その後、焼きあがったからと言ってもう一度呼び込みをしても、中々人が集まらない。そのうちに販売の適期が終わってしまう。そんな時間的ロスがありました。
こういった出店でやきそばを売るのは良く見かけますが、やっぱり一度に大量に作ることが出来、ピークに柔軟に対応できる商品として、売り手として扱いやすいということなのでしょう。
3.思いのほか「酒」が売れない
当日、とにかく暑かった。冷たい飲み物がよく売れました。
しかし、ジュース、お茶などが中心で、生ビールなどは思ったほど売れず、仕入れた樽が結構余っていました。ノンアルコールビールを買い求める人は多かったです。
酒が売れないのは、酒気帯・飲酒運転の取り締まりが厳しくなったことが原因でしょう。さらには、最近は「若者の酒離れ」ということが言われるようです。実際、若い人が酒を買い求める姿が少ないと思いました。生ビールを飲むのはもっぱら中高年層でした。
夜が更けてきて(販売は22時まで)も、酒を買い求める人はあまり増えません。昔の話を聞けば、「高校生がビールやカクテル飲んで大騒ぎして酔い潰れる」というのも風物詩だったようですが、(今は未成年者に酒を売らないことがかなり徹底しているとはいえ)そんな若気の至りを感じさせる場面にはあまり出くわしませんでした。
祭りが終わると、おもむろに皆帰っていく。健全でいいですが、そんなもんなのかなというのを感じたところです。
4.終わってみて・・・来年のリベンジへ
こういった出店での物売りは初めて経験しましたが、正直、悔しかったです。
となりで営業していた“かき氷屋(宍道支部)”にものすごい行列ができました。暑かったこともあるでしょう。しかし、人が並び過ぎて我々の店の前が閑散とする時間が続きました。いったんそういう状況ができると、その流れを変えるのが中々難しい。ポップを持って大声で叫んでも中々人は寄ってきません。行列に並ぶ人の視線が「ヒマそうで気の毒に」と言っているようで、気持ちがくじけそうになります。
本業でやっている訳でなく、たかが出店かもしれませんが、商売の基本を色々なところで垣間見るとともに、足らない部分も多々感じるところです。来年も出店するのだと思いますが、なんとかリベンジしたい気分です。
最後に、水郷祭の花火、久々に見ました。2日連続。会場からは結構近くで見えて良かったです。夏らしかった。