島根県中小企業家同友会

島根県中小企業家同友会 2011新春経営者研修会 ~ジャパニーズ・デリカシー=日本の優位性~

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2011年1月17日、島根県中小企業家同友会の「新春経営者研修会」が開催されました。『2011年山陰経済展望~チャンスはどこに!リスクはどこに!我々経営者がやるべきことは!~』と題し、山陰経済経営研究所の取締役地域振興部長 遠藤励志さんにご講演頂きました。

この研修会では、前半は山陰地域の景気動向について、最新の経済データに基づいて説明を受けました。我が国の景気の動向と山陰地域の景気動向、さらには、世界経済の状況と今年の予想について経営者が持つべき基礎知識として話がありました。また、全国と山陰の比較データから、山陰地域の経済状態をどのように読み取るのか、その視点について教えて頂きました。中小企業であっても、経営者たるもの経済や景気の動向について敏感でなければなりませんが、目先の仕事や現象に目を奪われて経済活動の大きな流れまで見ている余裕がありません。特に公共事業を中心にしているとそういった傾向が強まります。しかし、年初にこういった席で簡潔に教えて頂くことで、自分たちが持つべき視点、勘所といったものを今一度気づかせて頂くことができました。

山陰経済経営研究所 遠藤部長にご講演頂きました

後半は、今後の中小企業経営の方向性について話がありましたが、その中で、外国人経営者の方からみた日本に関して興味深い話が2つありました。

1.ジャパニーズ・デリカシー  ~日本・日本人の優位性~

ある中国人経営者の方の言葉だそうです。

ある時、“日本の優位性とは何か”について質問したところ、このような答えがあったそうです。一般には、ものづくりの技術力などを想像する訳ですが、この方の意見は、日本人は、「人間が人間を人間としてきちんともてなす」ことが出来ると、日本では当たり前のことを“ジャパニーズ・デリカシー”と呼んで大変評価したそうです。とにかく、この方によれば、中国からみた日本のすごさは“サービス業”がダントツに優れている点だということです。

これは人間の精神構造とつながっているもので、教えたから出来るものではないということだそうです。“もてなしの心”について、中国人に教えても、最初はやるけども、そのうち出来なくなるというのです。あくまで、その経営者の方の話ということですが、国民性、文化・風習との違う中国人には中々まねできない面があるというのは確かなようです。

こういった日本のよさ、日本人のよさを活かして、今後成長してくるアジアに向けてビジネスを展開していこうという話なのですが、これは単に海外・アジア向けにビジネスを展開しようとする人達だけが考えることではなく、国内においても同様だなと感じます。つまり実際のところ、中国人全てにデリカシーが無く、日本人全てにデリカシーがある訳ではありません。当然ながら、デリカシーの無い日本人もいるし、デリカシーの無い企業もある訳です。大事なのは、自分たちの提供するサービスや価値が、“ジャパニーズ・デリカシー”を持ったものであるのか、今一度立ち返り、検証してみる必要がある、と気づくことだと考えています。今回の研修会で一番印象に残る言葉でした。

2.温泉、祭り、匠の精神 ~日本の三大イメージ~

ある韓国人経営者の方の話だそうです。

山陰で開催されたインバウンド観光(海外から日本へ来る観光)に関する会議の中で出た話だと伺いました。「日本の三大イメージ」として話をされたそうですが、韓国からみたイメージをよく現しているようです。ちなみに、この方がもう一つ“日本の三大魅力”(この方にとっての日本の魅力)として話されたのは、「温泉、ゴルフ、日本酒」だそうです。

“温泉”というキーワードが2つ。たまたま重なったのかもしれませんが、当社としては、敏感に反応したいところです。“日本=温泉”とまではいかなくても、韓国における日本のイメージとして、“温泉”がそれなりの存在感を示しているのは確かなようです。韓国に限らず、アジアを中心としたインバウンド観光における温泉の重要性や価値が高まれば、温泉開発に絡むビジネスチャンスも拡大する訳で、そういった情報収集や動向の把握が大事になりそうだと感じたところです。当社は、直接海外向けの商品やサービスを提供する訳ではありませんが、どこで海外の動向や関わりが影響してくるか分からないものだと改めて認識しました。韓国の温泉事情や日本の温泉に関する認知度などまったく知識がありませんが、今後、調べてみたいと思います。

今回の研修会、後半は座談会形式で、ざっくばらんに様々な意見交換をすることが出来ました。上記のこと以外にも、様々なヒントを頂くことが出来ました。2011年、新しい気持ちで、前向きに今後の経営や展望について考える、よい機会を頂いたと思います。

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