島根経営品質研究会

島根経営品質研究会 人と組織の向上セミナー~「聴ききる、言わせきる」で信頼を得る~

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島根経営品質研究会の活動に際してお世話になっている㈱ブロックスさんの「組織と人の向上セミナー」に参加してきました。2012年7月12日、松江テルサで開催されました。

事例と話し合いを通じて、一人一人が自分を見つめ、あるべき姿を深めていくための研修です。人のやる気を高める組織風土づくり。当社においても課題であり、もっと取り組みが必要な事項の一つです。今回のセミナーの中で、いきいきとした職場づくりに向けては、“こうすればいいい”という結論めいたことよりも、そのためのプロセスが大事だということについて、示唆を頂くことができました。

今回のセミナーは、仕切り役となるファシリテーターの進行のもと、映像とグループディスカッションを繰り返すというスタイルで進められました。映像で話をされるのは、組織風土改革の第一人者 人と経営研究所 所長 大久保寛司氏で、3時間のセミナーで計6回の映像を見て、その間に5回のディスカッションを行いました。この6回の映像を聴くだけでも大きな気づきを頂きました。大久保氏の語られた事項について簡単にまとめさせて頂き、今後の実行、継続に向けたきっかけにさせて頂きます。

ファシリテーターはブロックス西川社長

1.気づきのポイントは“素直になること”

セミナーの冒頭、導入の映像において、“気づき”についての話がありました。

まず理解しなければならないのは「人は言われたとおりには動かない」ということ。言われたことに対して「そうだ!」と納得しなければ動かない。それが“気づき”。気づきがあれば行動が継続し、成果につながる。では、気づくためのポイントとは何なのか。その答えは「素直になること」。難しいことだけども、あらゆることを素直に受け止める。そのことが気づきを得るための早道だということです。この、“素直にきく”ことの難しさは、同じことを言っても、誰が言うかによって相手の受け止めは全然違うということです。中には誰の話でも素直に受け取る方も居るでしょうが、多くの場合は、「誰が言うのか」に左右されます。これは、後段で話が出てくる「信頼される人とは?」という問いかけと大きく関連してきます。

そして、伸びている会社に共通する3つの要素について話がありました。それは、明るい(雰囲気がいい)、きれい、挨拶ができる、だといいます。雰囲気がいいというのは漠然としているようですが、いい会社の持つ雰囲気というものがあるそうです。会社に入った瞬間感じられる雰囲気。確かに、いい職場に伺ったときに受ける、何とも言えないすがすがしい雰囲気。上手く言葉では言い表せませんが、感じる事があります。そして、雰囲気=仕事力とも言えるそうです。空気には力があり、それは-10~+10ぐらいの範囲である。前述の素直な気持ちで働く方々が持つ空気がプラスの空気で、それに満ちた職場に、“イキイキとした組織”が生まれるのでしょう。

2.自分と相手との関係性 ~聴ききる、言わせきる~

自分と相手との関係性に関する説明の中で、「相手の話を聴く」という行為について、興味深いお話がありました。それは、「相手を認める」ということ。相手を認めると言うことが人間関係の根本にあるというのは分かります。しかし、それをどこまで深めることが出来るのか。

例えば、中々やる気の出ない人がいる。その人のことをどこまで認めているのか。話は聴いているが、どうせやる気がないからと諦めていないのか、という話だと理解しています。「人は理解された時、意に沿うように動く」という言葉あるそうです。では、「その理解される」とはどのレベルなのか。その答えが、「聴ききる、言わせきる」ということなのだそうです。ただ話を聴いて、聴いた気になっていないか。本当にその人の本心を引きだしたのか、彼は、彼女は言いたいことを全て言いきったのか。そのために、その人の話をゆっくりする。時間をかける。本人が言うだけ言った、もう言うことは無い、というレベルまで聴く、言わせる。まず、そこからだという話です。

「聴ききる、言わせきる」という言葉。社員と定期的な面談をして、何かその人を理解した気になっていた自分に大きな衝撃を受ける一言でした。簡単な事ではありませんが、話を聴くことに時間を惜しまない。そういう心掛けを今一度持ちたいと感じさせて頂きました。

3.信頼される人とは?~自分自身を認めて理解してくれる人~

“信頼される人”とはどういう人なのか。冒頭に述べた「素直になる」という話と関連します。信頼できる人の話は素直に聴ける、ということは言えるでしょう。実は、調べてみると、その問いかけに対する答えは、「自分の話をよく聴いてくれる人」「自分を分かってくれる人」「自分をよく見てくれている人」という結果が出ているそうです。普通に考えれば、有言実行、リーダーシップがある、丁寧に説明してくれる、など、色々とありそうですが、実際のところは“どれだけ自分のことを理解してくれているか”。これがほとんどの人間の本心であり、実態ということでしょう。自分に当てはめてみても、自分のことを気にかけてくれない人のことを好きになることはあまりありません。

だからこそ、「理解する側に回れるか?」という言葉が心に残ります。経営者だから、経営者の想いを理解してもらえるか、どう説明できるか。これはこれで重要なことでしょう。しかし、社員から、会社を取り巻く様々な方々から信頼されるためには、相手を理解する側に回れるかどうかが大事になってくる。我々はついつい、自分の想いを伝えることに注力しがちです。もちろん、その努力は前提としてあるでしょう。しかし、相手に信頼されるためには伝えるだけでは足りないということです。前述の「聴ききる、言わせきる」を実践すること。それが自分自身の幅を広げ、ひいては組織の、会社の幅を広げることになると感じたところです。

話しあいの意見まとめ

最後の大久保さんの映像には、こういった学びや気づきを得るためのセミナーが避けて通れない課題について、明確に指摘がありました。「決意し、実行し、さらに継続しなければ成果は得られない。しかしそれは容易ではない」。このことは、様々な学びの場に出かける度に思うことです。

そして、それを解決するポイントは「指を自分に向ける」こと。全てのことは自分の中にある。世の中のせい、会社のせい、他人のせい、いずれでもない。そして、自分自身で思う姿は自分の姿ではない。他人から見える自分の姿が、自分の真の姿。そのことを常に認識し、行動できるかどうか。それが出来るかどうかが、自分と自分を取り巻く組織を、活気づける、イキイキとしたものにできるか否かの分かれ目だということのようです。再度自分に言い聞かせ、日々の行動、発言、に心がけたいと考えています。

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