温泉めぐり

社長の温泉めぐり70 旭温泉(あさひ荘(リニューアル後)) 島根県浜田市旭町

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私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

70箇所目は、島根県浜田市旭町の旭温泉「あさひ荘」(リニューアル後)です。訪問日は、2015年1月6日です。

旭温泉には、1軒の公共浴場と3軒の旅館があります。今回訪れたのは、日帰り入浴施設である「あさひ荘」です。あさひ荘は、昭和52年に旭温泉の元湯として整備されて以来、長らく地域の温泉施設として活用されてきましたが、平成26年8月にリニューアルオープンしました。リニューアル前のあさひ荘は、平成21年のブログ記事で紹介しています。この間、平成23年度には旭温泉の新泉源(2号井)が開発され、当社にて調査及び掘削を実施させて頂きました。その新泉源の誕生に合わせて施設も一新されたのが、現在のあさひ荘です。かつては鉄筋コンクリート造2階建ての建物でしたが、瓦葺の木造平屋建て趣を変え、木材の質感を前面に出した温かみある外観へと変貌しています。

あさひ荘(リニューアル後)外観

旭温泉(2号井)の泉質は、アルカリ性単純温泉です。以前使用されていた1号井と同じ泉質名ですが、特性は少し変わっています。1号井はph値が9.9と高く、お湯に入った瞬間から肌にぬめり気が出る感覚が非常に強く感じられましたが、2号井は同じアルカリ性温泉ながらph値は8.5とほどほどの値であり、適度な入浴感は適度にすべすべで、こちらの方がさっぱり感を得られます。好みは人それぞれだと思いますが、第二泉源の方が誰もが入りやすい泉質と言うことが出来ると思います。

風呂は内湯のみです。リニューアル前のあさひ荘の面影を残すシンプルな形状で、地域に根差した公衆温泉浴場という位置づけを端的に表していると言えます。洗い場は大理石、風呂の中はタイル張り、壁面は無垢の木材を多用した明るい雰囲気になっています。大きめのガラスからは手入れされた庭園を望むことができます。リニューアル前のあさひ荘も内湯のみのシンプルな施設でした。色々な考え方があると思いますが、普段着で気軽に立ち寄れるところが地元の方にも好評だったという施設ですので、新しくするからといってコンセプトは大きく変えず、より人が集まりやすく、気軽に立ち寄りやすい施設にするという考え方はとても素晴らしいと思います。

内湯の様子(誰も居なかったので撮影)

洗い場は5箇所。仕切りはありません。リンスインシャンプーとボディソープが備えつけてあります。ロッカーは鍵付きのタイプで、造りつけと思われる木製のものが10箇所、既製品(後で追加で設置されたのでしょうか)のロッカーが10箇所ありました。洗面台は2箇所でドライヤーも2つありました。オープン間もない施設だけあって、とてもきれいに保たれていますし、脱衣場内の清掃がとても行き届いているのが好印象です。

リニューアルしたあさひ荘は日帰り入浴に特化した施設となっており、みやげ物やお食事処などは備わっていません。これらは旭温泉の温泉旅館や飲食店や近傍にある地場産品を取り扱う施設などとすみ分けているのでしょう。また、以前からある別棟が休憩コーナーとなっていました。この施設は元々地域の集会所のような形で利用されていたようですが、渡り廊下で接続され、温泉利用後にゆっくり畳の部屋で休憩できるよう、配慮されています。有料で使える広いスペースもあるようです。

利用料金は、大人(中学生以上)400円。当日から使える会員となることで350円となります。営業時間は9時から20時までと比較的長く、早めの入浴や夕方の入浴など幅広く使える施設となっています。私が訪れた時間は、平日の昼時で、長年通っているという地元の方と少しお話することができました。昼時は一番人が少なく、夕刻になると結構込みあうそうです。

受付、ロビーの様子

なお、現在のところ元々利用されていた1号井はあさひ荘ほか温泉施設への供給は実施されていないようです。同じアルカリ性の泉質ではありますが、ph値の違いにより入浴感には大きな違いがあります。ゆくゆくは、男湯と女湯を日替わりで泉源を変えて入浴できるようにするなど、せっかくの温泉資源を有効活用するような運用も期待したいところです。いずれにしても、新泉源の開発に携わらせて頂いた者の一人として、旭温泉の新たな顔となる「あさひ荘」が、地域の方々そして観光やレジャーで訪れる方々に幅広く活用される施設となるよう願ってやみません。

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