私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。
21箇所目は、島根県安来市の鷺の湯温泉 「ふれあいプラザ」です。訪問日は、2010年6月20日です。
鷺の湯温泉は、戦国時代から栄えたという歴史ある温泉です。現在の泉源は、平成7年に新たに開発されたものだそうで、毎分600㍑という豊富な湧出量を誇っているそうです。現在、3軒の温泉旅館が営業しています。さらに、旅館街に隣接して日本一の庭園としても名高い「足立美術館」があります。来訪したのは日曜日の午後ではありましたが、駐車場には観光バスが10台以上並び、観光客でごった返しており、非常に賑わった印象でした。
一方、公共の温泉施設としては、旅館街・足立美術館から川を挟んだところに「夢ランドしらさぎ」、その隣接地に今回訪れた「ふれあいプラザ」があります。こちらは足立美術館の人出とは縁遠い、のんびりとした雰囲気でした。この「ふれあいプラザ」は、健康増進・介護予防拠点施設と位置付けられており、浴室に加えて、各種研修や会議などが行えるスペースなどが設けられています。
鷺の湯温泉の泉質は、含放射能‐ナトリウム・カルシウム‐塩化物・硫酸塩泉で、お湯は、無色透明、無味無臭です。成分分析表に微塩味とありましたが、ほとんど感じませんでした。鷺の湯温泉の泉源は湧出量が多いことから、ホームページによるとすべての施設が“かけ流し”で使用しているとのことです。おそらくはこの施設もかけ流しだと思います。入浴するとすぐに肌にすべすべ感を感じることができる、さっぱりした入浴感が好印象でした。だんだん暑くなってきたからかもしれませんが、少し熱めのお湯加減に感じました。
浴室内は、シンプルな構成です。大浴槽にサウナ、そして露天風呂があるだけです。露天風呂も小ぶりな岩風呂風ですが、浴槽の周りのスペースを大きくとってあり、広々としています。加えて、すぐ近くに山が迫っているため、塀の外側にそのまま山の緑がつながって目に入ります。山中で露天風呂に浸かっているかのような雰囲気があり、気持ちがよかったです。
洗い場は16箇所ありました。リンスインシャンプーとボディソープが備わっていますが、ボトルには隣の“夢ランドしらさぎ”の名前がプリントされていました。同じ安来市の施設ということで共通して利用しているのでしょう。
ロッカーは鍵付きですが、100円を入れて返却されるタイプです。数が80箇所程度ありましたが、風呂場の大きさからすると多すぎではないかという印象でした。洗面台は4箇所、それぞれにドライヤーがありました。
なお、この施設は、男風呂、女風呂は固定されているようなのですが、パンフレットをみると、女性用の方が浴槽自体が大きく、さらに洗面台の数も多く設置されているようです。私も家族でこうった施設に行くことが多々ありますが、男風呂は空いていても、女風呂は込み合っていることがよくあります。逆はあまりありません。その意味では、はじめから男風呂と女風呂の大きさや設備を変えておくというのは一つの考え方だと思いました。その他、家族風呂、介助浴室という設備があります。これは要予約となっていました。
利用料金ですが、一般は500円、高齢者や中高生が300円となっています。隣接する松江市の施設では市民割引があり、一般500円でも市民は300円で入浴出来たりしますが、そういった料金制度は無いようです。
特徴的なのは、隣接する「夢ランドしらさぎ」と渡り廊下でつながっていることです。どちらの施設から入ってもそれぞれの施設を利用することが可能になっています。同じ公共の施設で、かつ隣にある訳ですから、こういった配慮は良いと思いました。ただし、料金支払いなどフロントはそれぞれ別でした。
鷺の湯温泉の公共施設は、“夢ランドしらさぎ”の方が歴史が古く、知名度もあると思います。今回は、ふれあいプラザの方が新しい施設だということで、こちらを利用してみました。次回は、“夢ランドしらさぎ”を利用してみたいと思います。