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SPI3検査が映し出す自分の姿~自分を知り、自分が変わるためのツールとしていかに活かすか~

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先日、株式会社リクルートキャリアがサービス提供する適性検査「SPI3」を受けてみました。採用試験等で実施される検査サービスとして最も活用されているリクルートのSPI。そういったテストがあることは知っていましたが、当社ではこれまで採用そのものがめったになかったので、私もあまり興味を持っていませんでした。しかし、2012年3月に経営指針を策定し、毎年1人以上の新卒採用を継続しようと決めてからは、それなりの選考体制も整えなければと考えていました。このSPIは、多くの経営者の方から有効だと伺い、来年度の新卒採用から活用してみることにしたものです。そして、採用に先立ち、一体どのようなものなのか、私自らが受験(大卒新卒用のテスト)し、試してみました。その結果は大変興味深く、また色々と気づかされることがあったので、この機会にまとめてみます。

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1.自分自身を知る~自分を知ればどうしたらいいかも見えてくる~

私の試験結果をみると、率直に“当たってるな”と感心します。

性格特徴をみると、「行動面」ではあっさりしていてあきらめが早い。思い切りはよいが、軽率になりやすい。「意欲面」では、決断が早く行動が早くてせっかち。「情緒面」では、感情に素直で周囲に影響されやすい。浮ついたところがなく感情を気軽に表さない。「周囲との関わり」では、自分の視点を大切にし、自己中心的。人の話を鵜呑みにせず、人に心開かない、といったところでした。最後は、本当にそのとおりだと思います。

人物イメージでは、「基本的な特徴」として、あまり考え込まずに思い切りよく行動しようとするタイプ。ある程度社交意欲もあり、周囲と如才なく接する場合が多い。「仕事面」では、多くの人と接する仕事もあまり苦にしない方で、考えるよりも行動することが求められる場面で力を発揮することが多い。「困難な場面での特徴」では、総じて置かれた環境を受け入れ用とする方だが、人は人と考えるところがあり、物事が思うように進まない原因を自分以外に求め批判的な言動をとることがある、といったものです。後段の困難な場面での特徴は、社長に就任した当時の自分自身を思い起こさせます。また、“自分の考えに固執したり、意見を押し通そうとすることは少ない”という特徴も記されていたのですが、間違いなく以前は、「意見を押し通すタイプ」だと認識していましたが、このところ多少変わって来ているのかもしれません。

そして、本検査の最終的なアウトプットの一つである「職務適応性」。最も適応性が高かったのは、「自分で考えながら自律的に進める仕事」。適応に努力を要する、とされたのは、「周囲と協調し協力しあって進める仕事」。確かに、中々協力できません。自分一人でやるタイプ(笑)。そして、人に気を配りサポートする仕事も、やや努力を要する、と出ました。その他、やや適応しやすい仕事として、集団を統率する仕事、てきぱきとスピーディーに進める仕事、前例のないことに取り組む仕事、新しい企画やアイデアを生み出す仕事、複雑な問題を考え分析する仕事、といった結果がでました。“集団を統率する仕事”が適応しやすい方に出ていて一安心です。気配りが足りない面はマイナスですが、“社長”の特性としてはそこまで悪くないのではないでしょうか。私のことを外から見ているみなさんはどのように感じられるか、ぜひ感想を伺ってみたいと思います。

2.お互いを知る~他人を知ることでお互いの理解が深まる~

受験してみた感想としては、こうやって自分自身について高い精度で客観的に示してくれるツールというのは、非常にありがたいものだということです。自分自身を知ることで、自分自身に何が足りないのかなどを把握するきっかけになるし、今後どうすべきかを考える上でも有効です。これまで長年にわたって蓄積された莫大なデータに基づいた傾向、という説明も納得性を高めます。むろん、素直に受け入れる人ばかりではないと思いますが。

さらに、当社のような少人数の会社では、採用試験だけでなく、既存の社員がこの試験を受けると有用性が高いように感じます。試験結果をみて自分自身の特性を知るとともに、ある程度の範囲に絞る必要はあるものの、それを社内で共有することにより、お互いの理解を深めるツールとして有効に活用できるのではないでしょうか。リクルートの方によれば、実際にそのような使い方をされる会社もあるそうで、今後考えてみたい使い方の一つです。

毎年採用試験の対象者が多数いる企業では、このSPIを使っていわゆる足きりを行い、基本能力の高い受験者や、募集する職務や自らの組織への適用性が高いと判断された受験者に対して面接を行う、というスタイルが一般的なようです。それはそれで本来の使い方の一つですし、採用後の育成支援にも使えるということですが、これだけのノウハウと膨大なデータに基づき高い精度を持ったこのツール、しかも後述のとおり低価格で使えるだけに、さほど新卒採用が多くない中小企業においても、活用方策が色々あるように感じます。

調査結果の総括表というのがアウトプットなのですが、これは本来は採用側のみが確認し、採否の判断に用いるものです。しかし、この結果そのものを受験した本人がみることで、色々な気づきを得られると思います。これについては、結果出力のオプション機能として、本人へのフィードバック用、育成支援用、面接支援用、にそれぞれカスタマイズして提示するサービスもあり、そういう要望に応えているようです。長年にわたってお客さまのニーズを反映させながら進歩してきたシステムならではと感心するところです。

3.最後は理念と将来像への共感~性格も多様だから活性化する~

このSPI検査、私が改めて言うことでもありませんが、採用試験に関して言えば、あくまで面接の補助的な要素であることは認識しておく必要があるように感じます。確かに、言語・非言語と呼ばれる能力面での評価(話や文章の意味の理解力・数量の処理力や論理的思考力)については、著しく低くないことを求めたいのは当然です。もちろん、大企業であれば、そんなことも言ってはいられない物理的な事情もあるでしょう。

しかし、最終的なアウトプットの一つである「職務適応性」や「組織適応性」、といったところは、あくまでも性格特徴を示した人に“現れやすい特徴”であるという認識が大事だと考えられます。人間だれしも完璧では無いし、色々な面がある。いいところの反面は悪いところにもつながる。なにより、一人一人、それぞれの可能性がある。大事なのは、結果を受け止め、自分自身の生き方にどう反映させていけるか、ということでしょう。

なによりも、その企業がどのような理念を持ち、どのような将来像を目指すのか。性格はどうあれ、そのことについて共感し、一緒にそれを実現したいという熱意を持った人を採用する。少なくとも我々のような中小企業では、その前提を忘れないようにしたいと改めて感じます。そしてもう一つは、性格も多様だから組織が活性化する、ということです。同質な人ばかりの組織が活性化するのか。趣味や仲良しグループなら構わない訳ですが、目指すべき目標を持ち、厳しい外部環境の中であっても、何としても維持・存続していくことが求められる企業経営においては、やはり多種多様な人材を求めたいというのが、私の現在の気持ちです。むしろ、前述の理念と将来像に共感するというコミットメントを前提に、少し変わった人、今までの社内に居ないタイプの人、そういう人材を求めたいと考えています。そういうニーズにも対応できるのが、このSPI検査ではないかと感じます。

まだ本格的に活用したこともない私が偉そうに言うのも筋違いではありますが、道具は使い方次第。とてもいいものだという印象はありますし、だからこそ有効に活用し、今後の企業の発展、その前提となる様々な社員が活躍できるステージづくりに引き続き取り組んでいきたいと考えています。

3種類のオプション報告書

ところで、私がSPI3の採用を決断した要因は、値段が安かったことです。有名な会社が提供するサービスだから、結構な値段がするのかと思いきや、予想よりずいぶん安い印象です。当社が契約した条件だと、基本料金無しで1人あたり4,000円。当面、年間何人も採用試験をする訳ではないので、とてもリーズナブルに感じました。ずいぶんと安いもんだなと思いつつパンフレットを見ると、年間受験者数は163万人!。すごい売上(笑)。それはさておき、リクルートがこの適性検査というサービスを提供し続けて約50年になるそうです。その50年の積み上げが今の成果を生んでいる。その間に蓄積されたデータはものすごい量で、検査結果の精度も高いものがあると自負するのも分かります。やはり継続は力なり、ということでしょう。当社も創業以来50年以上の歴史があります。50年という歴史が積み上げた強みを活かしつつ、精度を高めてよりよいサービスが提供できる会社にしていきたいと考えています。

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